日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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来年はさらに強まる抑制圧力の中で

社会保障費、最大の31兆円 15年度予算 抑制策が課題

政府の2015年度予算の一般会計で、医療や介護、年金などへの社会保障費が過去最大を更新する見通しとなった。14年度の30.5兆円を上回り、31兆円台となりそうだ。高齢化などで経費が増え、4月の消費増税とセットで実施を決めた子育て支援など社会保障の充実策も広げる。社会保障費はすでに予算全体の3割強を占め、抑制策は今後の課題として残る。

社会保障費が増え続けているのは、高齢化や医療技術の高度化などによる「自然増」を抑えきれないことがある。8月末の15年度予算への関係省庁からの要求は自然増だけで計0.8兆円強あった。企業業績の改善を受け、生活保護や失業給付などは想定より少なくて済みそうだが、自然増は数千億円規模に達する。
政府は8%への消費税率上げとあわせ、子育て支援を中心として社会保障施策を拡充する方針を決めた。来年10月に予定していた10%への消費再増税は見送りを決めたが、来年度の消費税収の増加分などを使い、充実策を今年度より広げる。
保育所や認定こども園を増設し、職員の数や給与も増やす子育て支援で国費投入を今年度より約1千億円増やす。難病患者への医療費助成の対象拡大でも約1千億円積み増す。住民税を課されない低所得者への現金給付を続けるため約1800億円、高齢者が多い国民健康保険(国保)への財政支援のため1700億円超も新たに盛り込む。

一方で、10%に増税する時ほど消費税収は伸びず、財源不足で15年度中の実施を見送る施策がある。低年金者への月5千円の給付上乗せや、年金を受け取るために必要な保険料の納付期間の短縮などだ。これらは年間ベースで6千億円近い財源が必要とされていた。
さらに政府は歳出抑制に向け、15年度に改定する介護報酬を引き下げる。1%のマイナス改定で国の負担は約260億円減り、最大3%の引き下げも視野に調整している。介護ではこのほか、特別養護老人ホームに新たに入れる人を介護の必要度が高い人に限定したり、介護費の自己負担割合を年金年収が多い人は1割から2割に引き上げたりして経費を抑える。

【日経新聞】




来年はさらに強まるこの抑制圧力との格闘が歯科界一番の課題となりそうです。
果たしてこの中でどう生き延びるのか・・・
今年の1年間このブログにお付き合い頂いありがとうございました。
先生方、来年も頑張りましょう。
by kura0412 | 2014-12-30 09:29 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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