日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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消費税増税あっても抑制圧力は強まるばかり

首相、社会保障改革「聖域なく議論を」 歳出抑制を指示

安倍晋三首相は1日の経済財政諮問会議で「社会保障支出も含めて聖域を設けず議論を進め、歳出抑制にしっかり取り組んでほしい」と表明した。年金改革のほか医療・介護など社会保障サービスの給付抑制に踏み込む姿勢を示した。
来年10月に消費税を10%に引き上げても、国際公約の財政健全化目標の達成は難しいのが現実で、改革論議の成否が焦点になる。

「経済再生と財政健全化の両立は来年度予算のみならず、中長期の視点から極めて重要な課題だ」。首相は会議で中長期の財政再建を指示した。伊藤元重東大教授ら民間議員も「経済と財政、社会保障の整合性を確保しつつ、今後10年程度の展望と道筋を示すべきだ」と、具体策づくりの必要性を訴えた。
政府は2020年度までに、公共事業費などの政策経費を税収や国有資産の売却益などでまかなえるように、基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げている。国債の利払いのための国債発行は認めるため、政府の債務残高は減らない。財政目標としてはハードルが低いといわれる。
それでも、内閣府の試算では、来年10月に消費税率を10%に引き上げ、かつ、経済が年3%程度の高成長を続けても収支の黒字は難しいという。

首相が「聖域なく」と言ったのは、医療・介護などの社会保障費の膨張に歯止めをかけるのが難しいからだ。直近の歳出は30兆円規模と公共事業の5倍、国の予算(14年度は95.9兆円)の3割強を占める。今後も、毎年1兆円近いペースで増え続ける。
政府は消費税を5%から10%に引き上げる税と社会保障の一体改革をまとめた際にも、高齢者の窓口負担の引き上げ、高額療養費の高所得者の負担増など社会保障改革を盛り込んだプログラム法をつくった。病院の入院日数の短縮や、外来受診の抑制ができれば効果は大きいとされるが、抜本対策にはほど遠い。
「ポスト一体改革に取り組む必要がある」。この日の諮問会議で民間議員は主張した。社会保障費の抑制に向け、大きな効果を期待できそうなのが、医療費の支出上限目標の設定だ。
1人あたり国民医療費で都道府県間の差は約1.6倍あるともされる。
都道府県ごとに数値目標を示してもらい、過度なサービス抑制につながるとみる。民間議員は来年度予算に反映させるという「結論」を迫った。
高齢者の医療や介護にかかる費用を経済力に応じて負担してもらうようにする見直しも求めた。
それでも財政再建が難航すれば、消費再々増税が必要になるとの声も今後、出てくることが予想される。

【日経新聞】



消費税増税でも抑制圧力は弱まるどころか強まるばかりです。歯科界もこの実際を念頭にこれからの方策を検討する時が来ています。
by kura0412 | 2014-10-02 11:10 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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