日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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人口減の衝撃の中、歯科界は

人口減の衝撃、896の自治体が消える
増田寛也元総務相が説く「不都合な真実」

第2次安倍改造内閣の金看板になった地方創生。その背景には「896の自治体が人口減で消滅しかねない」ことがあるという。『地方消滅』(中公新書)を書いた増田寛也・元総務相に話を聞いた。

──サブタイトルに「東京一極集中が招く人口急減」とあります。
人口減少は、とかく出生率や少子化の問題として議論されることが多い。その観点に加えて、東京一極集中が人口減少を加速させていて、国土政策が大いに関係していることに気づいてもらいたかった。そこで、副題に強いメッセージ性を込め、東京一極集中は極点社会化を招いてしまうと警告を発した。
極点社会=東京だけが残る社会

──極点社会化?
東京だけが一極となり、東京だけが残る社会だ。そこには二つの意味があって、東京だけに人が集まる特異さ、異様さ、しかも「人口のブラックホール現象」を招いて、若者を集めのみ込んだうえで、東京での出産・子育ては厳しいがゆえに、結局東京自体も消滅していくことになる。その結果、日本は国全体としても消滅に向かってしまう。その状況を表現している。マイナスイメージを植え付けるつもりはないが、人口動態をあえてこういう表現にした。

──東京には大規模災害リスクもあります。
特に心配されるのは首都圏直下型地震だ。私は昨年末に報告をまとめた検討委員会の委員長をしていた。その報告で被害リスクが95兆円と試算したが、これは一次的な被害額。関連することを考え合わせればさらに被害は大きくなる。しかも、地震学者が30年以内に70%の確率で首都直下型地震は起きる可能性があるとしている。今のままで東京にだけあらゆる機能を集めておくのではなく、企業の事業継続計画(BCP)のようなもので作り替えていかなければならない。災害の面からも東京一極集中は問題なのだ。

──この本のデータ分析では東京都豊島区も「消滅可能性」のある自治体になっています。
今のままなら東京でも、たとえば豊島区は2040年には消滅しかねない。豊島区には、埼玉県からの社会的移動があればこそ人口を確保できてきたが、そうもいかなくなる。今回の分析は若年女性(20~39歳)人口の減少率(10年→40年)において、その率が5割を超える推計の自治体を「消滅可能性都市」としたものだ。日本では生まれる子どもの95%をこの若年女性層が産んでいる。

──自治体ごとの2040年の姿が一覧できます。
岩手県知事の時代にいちばん欲しかったのが、市町村ごとのこの種のデータだった。国全体で人口が減るといわれ、県レベルの予測もできることはできるが、それに対して制度設計をどうするかとなったときに、せめて市町村ごとの減り方の見当がつかないと、住民の皆さんになかなか納得してもらえない。

地域ごとに特徴がある
──市町村によって、増減はもちろん一律ではありません。
岩手県でいえば盛岡市には周辺の市町村から若い人が集まる。盛岡市も人口は減るが、近隣県都の秋田市や青森市とは違って消滅可能性都市には入っていない。同じ県都でも、また同じ県内の市町村でもそれぞれ様子が異なる。だから、どういう人口推計になるのか、粗い数字でも欲しいと思っていた。
昨年3月、政府の研究機関によって市町村ごとの推計が出されたので、これを私の属する日本創成会議なりにリアルな形にして、東京一極集中は止まらないという前提なども取り込んで、40年時点での姿を描いてみた。

──もともと出生率には地域差があります。
人口学者に聞くと、九州が高いのは結婚時期が早いからと。結婚時期がなぜ早いのか、この理由を追究しないといけないが、8割程度が消滅可能性都市に当てはまる北海道、東北地方は近年時期が遅くなり出生率も低い。たとえば北海道は札幌市内に若い女性が集まっているが、男性は道外に出て少なくなる。これに対して東北は、特に農村部に男性はけっこういるが、若い女性が少ない。こういう具合に結婚・出産の適齢と思われる年代層のいる割合は地域でだいぶ違う。

──政策が5年遅れると、人口が全国で300万減るペースになるのですか。
どこで減り、それが積み上がっての300万人なのかをはっきりさせたい。そこがカギだ。現状認識の差が対策を遅らせたり、間違った方向に行かせたりする。人口が増える自治体はもう本当にわずかだ。てきめんにあおりを受ける社会保障が全滅することのない形にしなければいけない。

──来年は国勢調査の年です。
人口の減った現実がはっきり見えてくる。また地域間のバランスの崩れもはっきり見える。東京へ人が集まる状況はまだ変わらず、地方がそうとう減る形だろう。

──悲観論でもなく楽観論でもなく対応せよ、と。
人口が減るのは間違いない。しかしこの程度のことでうちひしがれていても意味がない。本当にやらなければいけないことは何なのか。とにかくデータを集めて、住民がどう動いているか移動表を作る。年齢別にどうなっているのかもはっきりさせる。まず社会増減、自然増減の実態をつぶさに把握することだ。
西日本の県や市町村では、沖縄県や鹿児島県あたりで自然増が続くようなところもある。しかし全国的には自然減が圧倒的に多くなってくる。その理由が何なのか。いま起きていること、これから起きそうなことを具体的に考えて対策を取る。
それも一つの市町村だけでは対策は完結しなくなる。たとえば自分の自治体だけで若い人が外に出ていかないような仕事場をつくるのには限度がある。機能分担するところまで近隣自治体が連携しなければならなくなる。あれやこれや、試み挑戦すべき対策メニューはたくさんある。

社会保障制度の見直しが必要
──社会保障への影響も大きい。
人口減少が町村部で先行的に起きてくれば、介護保険の将来の姿は不安に包まれたものになる。いずれは市町村ごとの介護保険のあり方を抜本的に変えていかなければいけなくなり、社会保障の制度設計のし直しが始まる。人口急減は、「一人で一人を肩車する」ような社会保障制度さえ無理にする。社会保障はもろに影響を受けてしまう。

──政府が新たに創設した「まち・ひと・しごと創生本部」の役割は大きいわけですね。
鳥取県出身の適役を地方創生担当相に迎えて大いに期待している。有識者懇談会においても真剣な議論が始まっている。

【東洋経済ONLINE】



歯科界にもこの将来的な数字を当ては填める必要があります。
by kura0412 | 2014-09-29 09:23 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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