日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『医療介護の総合確保方針、了承・告示へ』

医療介護総合確保促進会議
医療介護の総合確保方針、了承・告示へ
「基金」は9月末締め切り、11月交付予定

厚生労働省の「医療介護総合確保促進会議」(座長:田中滋・慶応義塾大学名誉教授)の第3回会議が、9月8日に開催され、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本方針」(案)を議論、了承した。「総合確保方針」として、近日中に告示する。前回会議を踏まえた同案に対し、幾つかの修正は入るものの、大きな変更はない。
告示と同時期に、今年度予算904億円の「新たな財政支援制度(基金)」の交付要綱も通知する。
基金については、既に今春から厚労省と都道府県との話し合いが進められており、9月末までの都道府県から厚労省への計画提出、10月に内示、11月に交付決定というスケジュールは、当初の予定通り。「医療介護総合確保促進会議」の次回会議は12月以降の予定で、基金の交付状況が説明される予定。

「総合確保方針」は、
(1)医療介護総合確保の意義と基本的な方向に関する事項、
(2)都道府県計画、医療計画、都道府県介護保険事業支援計画の整合性の確保に関する事項、
(3)都道府県計画と市町村計画の作成と整合性の確保に関する基本的事項、
(4)新たな財政支援制度(基金)等に関する基本的事項――の4つが柱だ。
前回会議で提出された案には、(5)として「その他」として、「地方自治体における人材の育成等の支援」などが挙がっていたが、(1)に組み込まれた。

医師の教育、国民の啓発必要
8日の会議で、「総合確保方針」(案)に対する意見以上に出されたのが、その実効性を担保するための提案だ。人材の確保と教育、国民の啓発、サービスの確保、関係団体の連携や調整など、さまざまな視点から意見が出た。
人材確保・教育の視点から、「医師の教育が必要。急性期医療を担う医師が、在宅療養についてしっかり理解した上で、(退院後の療養などについて)患者や家族に説明することが求められる」と指摘したのは、日本病院会副会長の相澤孝夫氏。相澤氏は、さらに「総合確保方針が必要になったのは、日本が危機にあるためであり、だからこそ皆が協力しなければならない。その際、一番問題なのは国民。国民への教育や情報開示が極端に不足している」と述べ、在宅医療に移行させたくても受け入れない家族がいることから、国民への教育や説明を、医療機関に押しつけるのではなく、行政が行う必要性を訴えた。
神奈川県立保健福祉大学名誉教授の山崎泰彦氏は、今後、市町村の役割が大きくなることから、行政職ではなく、医療・介護の専門職の確保が必要になると指摘。ただし、小規模の市町村などでは専門職の確保が容易でないことから、都道府県の全面的な支援が求められるとした。
サービス事業者における人材確保については、認知症高齢者の増加が予想されることから、認知症の専門家の養成等の必要性も指摘された。

訪問看護の不足を懸念
サービス供給面で、特に不足とされたのが、訪問看護ステーションだ。学習院大学経済学部教授の遠藤久夫氏は、在宅医療を進める上で、医療的措置が必要な患者が増加することから、医師だけでは対応できず、訪問看護師のニーズが高まるとした。ただし、在宅療養支援診療所・病院の過去数年の増加と比べて、訪問看護ステーションの伸びが低いことから、診療報酬・介護報酬上で適切に評価すべきだと主張。
過疎地でのサービス不足を懸念したのは、日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏。「過疎地にはニーズがあるが、供給がない。サービスは事業の効率のいい都会に集中する」と述べ、過疎地でもサービスを確保できるよう、何らかのサポートが必要だとした。

医療・介護の関係団体の連携も重要
日本医師会副会長の今村聡氏は、総合確保方針に「医療および介護の関係機関・団体が相互の連携を密にして、利用者にとって分かりやすく総合的な支援が行われる体制を確保することが重要」との文章が入った点を評価。「個々のサービス事業者ができることには限界があることから、それぞれの地域の団体の役割が重要になる」と指摘し、医療・介護の連携のほか、各サービスの質の担保などのためにも、医師会をはじめ、各団体の役割を位置づけることが重要だとした。
民間介護事業推進委員会の代表委員の山本敏幸氏は、行政サイドの連携・調整の必要性も指摘。今後、「総合確保方針」を踏まえ、都道府県計画、市町村計画の策定が進むこと、さらには地方分権が進み、市町村の役割が増すことから、山本氏は「市町村間を調整する、都道府県の機能を強化してもらいたい」と求めた。

【m3.com】



歯科からも資料提供されていますが、会議の議論が物凄いスピードでの展開となっています。
by kura0412 | 2014-09-09 09:50 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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