日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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大手企業の3Dプリンター参入で

リコーやキヤノン、3Dプリンターに参入
複雑な部品、量産可能に

リコー、キヤノンなど国内精密大手が、設計データから立体物を造形する3D(3次元)プリンター事業に参入する。プリンター事業で培った技術を生かし、複雑な形をした部品の量産にも使える装置を開発する。試作にとどまらず完成品として組み込める部品ができるようになれば、製造工程の大幅な簡素化やコスト低減などもの作りの革新につながる。

3Dプリンターは設計データをもとに樹脂などの材料を重ね塗りして立体物をつくる装置だ。通常は金属製の型(金型)に材料を流し込んで成形するが、3Dプリンターなら金型が必要ない。このためここ数年で、試作を中心に世界で急速に普及し始めた。2013年に約30億ドル(約3200億円)だった市場規模が、20年には約7倍に膨らむとの予測もある。
リコーは16年度中の製品化をめざし、開発に着手した。3Dプリンター世界大手の米ストラタシスに供給しているプリントヘッドの技術と、光を当てたときに瞬時に固まるインク技術などを組み合わせる。試作品だけでなく、自動車・電機などの部品の量産向けなどの需要を狙う。価格は1台500万~2千万円程度を想定している。
まず月内に米ストラタシスなど他社の3Dプリンターの輸入・販売と、同製品を使った試作の受託製造サービスを始める。顧客ニーズを製品開発に生かす。自社開発品を含めて新たな3Dプリンター事業で当面年50億円の売り上げをめざす。
キヤノンとセイコーエプソンは5年以内の発売を狙う。
キヤノンは既に初期段階の試作機を製作済みだ。造形の材料となる樹脂を特定の場所に積み重ねて複雑な形を高精度で再現する技術などを開発しているもようだ。セイコーエプソンは幅広い産業に対応できるよう、金属など樹脂以外も材料に使える装置をめざしているとみられる。

3Dプリンターはこれまで金型を作るとコストが高くつく多品種少量生産に向くとされ、患者に合った人工骨の製作などで利用が始まっている。造形の精度を高め、複数の金型を組み合わせて作っていた部品を直接成形できるようになれば産業用途が一気に広がる。米ゼネラル・エレクトリック(GE)など航空機エンジン大手が部品製造で活用に動き出している。
3Dプリンターメーカーはベンチャー企業が多く、現在はストラタシスと米3Dシステムズが世界シェアをほぼ二分している。リコーなどはフィギュア(人形)製作など個人用よりも大きな成長が期待できる産業向けの需要を開拓する。各社はプリンターや複合機に次ぐ新たな収益源に育てたい考えだ。

▼3Dプリンター 
3次元(3D)の設計データをもとに樹脂や金属などの材料を積み重ねて立体物をつくる装置。試作品の製造などに使う数百万~1億円程度の産業用途に加え、近年は10万円以下の個人向けも売り出されており、フィギュア作製などのサービスも始まっている。型枠がなくても成形できるため、金型ではつくれない鎖状や網状などの形もつくれる。金型や切削が必要な従来の工程に比べ、製作期間を短縮できたり材料の無駄をなくせたりする利点がある。
造形にはつくりたい物の3次元の設計データを作成する必要がある。積み重ねる層の厚さや材料などを指定して造形し、表面処理などの後処理をして完成する。このため、3Dプリンターを使いこなすには設計データの作成ノウハウなどが必要だ。
顧客のニーズに合わせて形を変える必要がある多品種少量生産に効果的だ。中小企業でも気軽に試作品をつくれるようになり、もの作りの基盤強化につながることから政府も導入を後押ししている。これまで同分野では海外勢が先行し、日本勢の参入は機械メーカーのMUTOHホールディングスやソディックなどにとどまっていた。

【日経新聞】



大手企業の参入が歯科界にどう活力を生むのか否か。その流れによっては歯科治療全体が大きく変化するのかもしれません。
by kura0412 | 2014-09-08 11:37 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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