『厚労省の7月幹部人事に異変あり』

厚労省の7月幹部人事に異変あり

「一体、何が起きたのか」──。厚生労働省が7月11日付で発令した幹部人事を見て、医療団体の関係者らは首をかしげた。そこには明らかな異変が見て取れたからだ。

厚労省のキャリア官僚は、旧国家公務員I種試験(現在の総合職試験)に合格した事務官と、医師免許を有する医系技官が主だったところ。両者は主要な幹部ポストを分け合っているが、医系技官は保健・医療分野で重要な役割を担う局長・課長ポストを押さえてきた。
しかし、今回はそうした慣行に楔が打ち込まれた。人事の中身をつぶさに見ていくと、医系技官の権限縮小とみられる動きが目につく。
象徴的なのは、医系技官ポストだった医政局長に、事務官の二川一男・大臣官房長が就任した点だ。
医系技官のトップは医政局長と健康局長であり、医師免許を持つ厚労官僚は入省後、この2つの頂を目指す。中でも、医療政策を所掌する医政局長は医系技官の最高責任者とされ、その人事を一手に担ってきた。
そんな医政局長の座から医系技官が引き剥がされるのは、実は今回が2度目。前回は2009年に舛添要一・元厚労相が医系技官改革を掲げて人事慣行の見直しを断行した。ただ、その際には事務次官への登竜門とされる保険局長のポストを医系技官にあてがい、省内の反発を抑えた経緯がある。そして2012年には、医系技官が医政局長を、事務官が保険局長を務める従前の体制に戻っていた。
一方、今回の人事で医政局長の代わりに医系技官に用意されたのは、保険局長よりも格下とされる老健局長のポストだった。長らく事務官が務めてきたこのポストに、初の医系技官として三浦公嗣・技術総括審議官が就任した。
この他、新設された医療介護連携担当の審議官や課長には、いずれも事務官が就任した。結局、医政と保険の両局長はもとより、新たな政策を進めるために創設された主要な幹部ポストにも医系技官は就けなかった。

これらの点について、医系技官の幹部の1人は「官邸の底意地の悪さが見て取れる人事だ」と苦りきった口調で話す。
今回の中央省庁の幹部人事は、政治主導を掲げる内閣人事局の初仕事だった。そこには安倍晋三首相の意向が強く反映したとされる。そこで、安倍首相に近い自民党議員や厚労省幹部らに話を聞くと、異口同音に「首相は厚労省のことを信用していない」との答えが返ってきた。年金記録の消失や後期高齢者医療制度への批判などが第一次安倍内閣の退陣に大きく影響したことが理由のようだが、「最近の首相は、医療者側に付いて医療の構造改革に何かと反発する医系技官を苦々しく思っている」と明かす関係者もいる。
また、官邸の要である菅義偉官房長官も、特定の医系技官幹部と折り合いが悪く、首相以上に医系技官嫌いだとの指摘がある。こうした事情も今回の人事と無関係ではないようだ。
とはいえ、厚労省内の医系技官の受け止め方は決して暗いものではない。
「先の通常国会で改正医療法が成立したため、医政局の仕事は今後、地域医療ビジョン策定の実施要項作りなど定型的な業務が中心となる。そのため局長が腕を振るう場面は少ないが、老健局では介護保険制度改正の骨格をなす地域支援事業への移行シナリオが描ききれておらず、局長が調整を担う場面が多々あるはずだ」と前向きに捉える声が聞かれる。
だが一方で、「老健局長の方が医政局長よりやりがいがあると言うのは単なる負け惜しみ。今回の人事は、医系技官が官邸に見切られた結果だ」と冷ややかな見方をする医系技官もいる。いずれにせよ、旧来の慣行を打破した人事が妥当であったかどうかは今後、現場の仕事がスムーズに運ぶかどうかで判断されることになるだろう。

【日経ヘルスケア】



トップの事務次官が慣習を破って連続労務畑です。何か意図があるのかどうかはよく分かりません。
歯科には関係のない話なのかもしれませんが情報提供ということで。
by kura0412 | 2014-08-06 15:57 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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