増税成っても社会保障費抑制の圧力は止まらず

社会保障費抑制へ数値目標 政府、来夏メド具体策

政府は財政の立て直しに向け、社会保障費の自然増の抑制など新たな数値目標をつくる方針だ。
2020年度までに国と地方の基礎的財政収支を黒字にする国際公約を掲げるが、公共事業など政策経費の個別項目ごとに抑制目標を掲げ、具体的な道筋を明示する。15年秋に消費税を再増税する計画だが、歳出カットの姿勢も強めることで消費者らにも財政再建の理解を得たい考えだ。

政府は基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標を持つが、現在は具体策を国内外に示していない。小泉純一郎政権だった06年には政策経費の抑制計画にまで踏み込み、国の社会保障費の自然増を5年間で1兆1千億円抑える数値目標を盛り込んだ。ただ08年秋のリーマン・ショックなどで頓挫し、政権交代後は自然消滅していた。
新たな数値目標は政府の経済財政諮問会議で議論し、来年夏をメドに16年度以降の中期計画として策定する。基礎的財政収支は社会保障や公共事業など行政サービスに必要な政策経費を、借金に頼らずまかなえているかを示す指標。政府試算では黒字化には20年度時点でも国・地方で約11兆円足りない。
11兆円の不足分を埋めるため、新たな計画では歳出抑制の数値目標を掲げる。
柱となるのは医療や介護など社会保障費の抑制だ。社会保障費は高齢化によって年1兆円ほど増え続け、14年度の当初予算では初めて30兆円を突破した。10年前に比べて5割強増えて政策経費(14年度は72.6兆円)の4割強を占める。
20年代半ばには「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となるなど、社会保障費の増加はさらに続く見込みだ。基礎的財政収支を黒字にするには年1兆円の社会保障費の自然増をどこまで抑えるかが焦点で、小泉政権時と同様に、毎年度の増加幅を圧縮する具体数値を示したい考えだ。
公共事業費や公務員人件費などは複数年度で削減幅を示す方向で議論する。14年度の公共事業費は当初予算ベースで6兆円とピーク時に比べて4割近く減ったものの、国の政策経費では社会保障費、地方交付税交付金に次ぐ規模があるためだ。

中期計画には歳入改革も明記する。
歳出改革だけで不足分を補うのは難しいためだ。ただ15年秋に消費税率を10%に引き上げる予定で、もう一段の増税議論はしにくい。安倍晋三政権は消費増税だけでなく経済成長による所得増で税収を押し上げたい考えだが、どこまで再増税議論に踏み込むかが焦点となる。

【日経新聞】
by kura0412 | 2014-07-22 10:32 | 経済 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412