日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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調剤もかかりつけ

調剤薬局、都市部で宅配広がる メディシスやクオール

調剤薬局各社が患者の自宅や施設に医療用医薬品を届ける店舗数を大幅に増やす。
メディカルシステムネットワークは今期中に約320店すべてで宅配を実施。クオールも6割増の280店にする。国の医療費抑制で高齢者が自宅や施設で医療サービスを受けるケースが今後増えることから、都市部を中心に宅配網を広げる。

宅配を利用するにはまず、自宅を訪れた医師に患者が相談し、もらった処方箋を薬局にFAXなどで送信。医師の指示を受けた薬剤師が家庭に出向く。薬剤師は医薬品を届けるだけでなく患者の服薬状況も確認する。飲み残しや、他の医薬品との飲み合わせなどを患者や家族に聞き取り、医師に報告書を送る。
今後増加が予想される一人暮らしの高齢者などにとって、利便性や安心感が増す。高齢者だけでなく、長期療養中の幼児などを抱え、家族が外出しにくい場合などにも便利だ。
メディカルシステムネットワークは2015年3月期中に全国の約320店で宅配を手がける。
現在は郊外など150店で宅配に対応しているが、都市部などでの需要を見込む。現在宅配向けの処方箋の受付数は月1万3000枚程度だが、今期中に2万枚に引き上げる。
クオールも現在の180店から、全体の約5割にあたる280店に増やす。同社が持つ76万人分のカード会員の調剤などの情報を医療機関と共有するなどして在宅医療にも生かす。
アインファーマシーズは在宅での終末医療に対応し、宅配用に点滴用の抗がん剤を調合するクリーンルームを全国3店に導入しているが、今後都心部などを中心に導入店舗を増やす。

国は医療費抑制の一環で、高齢者などの療養の場を医療機関から自宅や高齢者施設に移す方針。4月の診療・調剤報酬改定により、家への宅配で薬局側が得る収入は3割高くなった。薬代とは別に必要な宅配料金は1回6500円だが患者が負担するのは医療保険適用の場合2千円以下となる。
宅配を手掛けるうえで、薬剤師の確保が今後の課題になりそうだ。
3月末に発表された薬剤師国家試験の合格率は60.84%と昨年比18.26ポイントのマイナスとなった。日本調剤は東京都心部で患者の家を巡回する専門部員を15年3月期中に現在の5割増の15人に増やし、店舗の負担を軽くする。
調剤薬局はこれまで、大病院の近くに店を構え、通院患者の処方箋受付に特化した「門前薬局」で高い収益を上げてきた。4月の診療・調剤報酬改定では特定の医療機関からの処方箋が9割を超え、月2500枚超を受け付けている薬局を対象に調剤基本料が減額された。従来のビジネスモデルでの成長に限界がある中で、宅配などの事業の多角化の必要に迫られている。

【日経新聞】



医科の主治医制度導入と共に、調剤も門前薬局への調整の一方かかりつけ薬局へのシフトが進むようです。
by kura0412 | 2014-05-17 09:20 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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