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厚生局、動かぬ監視役 診療報酬の不正請求情報、2年放置 被害拡大招く

全国8カ所の厚生労働省厚生局。医療費の無駄に切り込むべき役所が、診療報酬を不適切に請求した疑いのある医療機関の約半数を調査せずに見逃していた。国は社会保障の充実をうたって消費増税を断行したが、税金や保険料は本当に適切に使われているのだろうか。

厚生局が不正請求の情報を放置して被害が広がった事例を広島県で見つけた。
保険適用ではないインフルエンザの予防接種しかしていないのに、片頭痛などの診察をしたと装って不正請求している――。広島市内の診療所の「不正」に、医療費を支払う複数の健康保険組合が気づいたのは2010年。「不正」は176件に上り、健保組合側は10年5月、中国四国厚生局に通知して対応を求めた。
厚生局は動かなかった。それから同様の「不正」がさらに32件見つかり、健保連広島連合会が早急な対応を要求。最初の指摘から2年以上たった12年8月、厚生局は「不正」が約3500件確認され、「(診療所に)返還通知を出す予定」と健保連に伝えてきた。
ところが厚生局は翌月、今度は「不正請求」ではなく「請求ミス」だったと連絡してきた。健保連は「明らかな不正」と反論し、不正の場合にペナルティーとして科される40%増の返還額を診療所に要求。「期限内に支払いがない場合は法的手続きを取る」と通告し、返還を認めさせた。

当時の健保組合幹部は「手間をかけて調べて情報提供したのに、動いてもらえず被害が拡大した。厚生局に不信感を持った」と話す。中国四国厚生局は「個別の指導内容は答えられない。時間がかかりすぎとの批判については不手際があったかもしれないが、忙しくて手が回らないこともある」とコメントした。
「厚生局は一向に動かず、保険者側は怒り、半分諦めている。こうなると不適切な事例が横行するという負のスパイラルになる」
昨年10月、東京の厚労省。健保連本部の幹部は診療報酬を決める中央社会保険医療協議会で語気を強めたが、厚労省の担当者は黙ったままだった。厚生局への不満は全国に広がる。

■積み残し、あきれる県
都道府県ごとに調査対象の医療機関を決める「選定委員会」は毎年、4月前後に開かれる。参加者は厚生局や都道府県の担当者。取材班は08~12年度の全国の選定委議事録を情報公開請求で入手した。
「こんなに積み残してどうするんですか」「指導できる見通しあるんですか」
議事録には未調査数のあまりの多さにあきれる県担当者の声が散見される。厚生局は「努力検討する」と言うばかりだ。
10年7月の神奈川県の選定委では、2年連続で個別指導に呼び出されたのに欠席し続け、それでも処分を免れている医療機関が話題になった。欠席理由は「(医療機関を)廃止する予定」だったが、医療行為は続いていた。委員の一人が「ずっとだまされていたのか。それならだましたもの得ですね」と皮肉ると、厚生局は「結果的にそうですね」と答えていた。

個別指導の後も改善されなかったり、不正請求を疑われたりすれば、厚生局はより厳しい「監査」に入るのがルールだ。
監査は診療録などを調べ、患者らからもヒアリングし、5年分の不正請求分の返還を求めることができる。だが、ほとんど行われていない地域もある。厚労省によると08~12年度の5年間、全国で年間69~161件の監査を行ったが、神奈川、山形、群馬、山梨、長野、富山、滋賀、広島、長崎、宮崎県では毎年0~1件だ。
なぜ監査に及び腰なのか。神奈川県選定委の議事録には「手続きに時間がかかる。スムーズにできる個別指導で対応したい」という厚生局の主張があった。

■指導に医師会側も同席
厚生局が言うように、人員を増やせば調査は本当に徹底されるのか。人手不足よりも医師との密接な関係に問題があるとの指摘が取材では多く聞かれた。
厚生局が不適切な請求の疑いがあるとして医療機関を個別指導する際、立ち会う人がいる。都道府県の医師会や歯科医師会など関係団体が指定する医師だ。この「立ち会い」は、実は健康保険法や厚労省局長通知で制度化されている。医療機関の調査に「身内」の医師が介在すれば、調査が甘くなるのではないか――。
「立会人が医療機関の弁護人のようだった」
厚生局の元指導医療官は振り返る。医療機関に請求の問題点を指摘した時、立会人の医師から「なぜそれが問題なんだ」と責められることがよくあった。行政指導なのに医療機関に空いている時間帯を聞いて面談時間を決め、立会人の医師の時間にも配慮する。日程調整がうまくいかなければ指導数が減るという。
厚労省は医師の立ち会いについて「専門的見地から助言をもらうため。医師会や歯科医師会にお願いしないと探すのは難しい」と言う。だが、厚生局の指導医療官は医師や歯科医師の資格を持つ専門家だ。関東学院大法学部の出石稔教授(行政法)は「利益団体の医師会の立ち会いを認める制度はおかしい。厚労省も医療者側も古い規定に安住している」と指摘する。

【朝日新聞】



日医、日歯は抗議しないのでしょうか。それよりも静観していた方が良いのでしょうか。しかし朝日新聞はオカシイ。
by kura0412 | 2014-05-12 10:36 | 思うこと | Comments(0)

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by kura0412