ウクライナ情勢が歯科界にも影響

虫歯の治療費が上がる ウクライナ情勢の影響も

4月から虫歯治療に使われる金歯や銀歯の値段が変わる。消費税率の引き上げに加えて、素材に採用される金や銀、パラジウムの市場における価格動向も反映しているようだ。

■取引価格の上昇基調続く
保険が適用される「歯科用貴金属」の価格は厚生労働省の告示で定める。歯科用貴金属の場合、2年に1度の診療報酬改定に加え、素材価格の市況が前回改定から半年内で5%以上変動した場合に「随時改定」する仕組みだ。今回の改定は診療報酬改定に伴う措置で、同省が医療機器などの卸業者らから医師へ販売する価格を調査して決めた。
今回は純金製の「金歯」用素材の告示価格が1グラムあたり5821円となり、前回の昨年10月の告示から1015円(21%)上昇する。消費税率引き上げの3%分と、市中の取引価格の上昇を反映したという。引き上げは2年ぶり。

現在、金の市中価格は東京地区の大口需要渡しで1グラム4350円前後。最近の安値だった昨年12月の約4100円から上昇している。国際指標となるニューヨーク市場でも、混迷が続くウクライナ情勢などを背景にして、先週末には一時、先物の価格が1トロイオンス1390ドルと約半年ぶりの高値をつけた。
告示価格は直近半年間の価格動向を参考にするほか、消費税率や人件費など諸経費も絡む。そのため市中動向を単純に反映した値決めにはなっていないものの、歯科用素材の金は過去と比べて確実に高値となっている。
金は柔らかいため、通常はパラジウムや銀との合金を使う。歯科治療で最も需要が多いのは、虫歯を削った後の詰め物として使う「鋳造用金銀パラジウム合金」。一般に「銀歯」と呼ぶものだ。金を12%以上、銀を40%以上、パラジウムを20%以上含むほか、銅やインジウムなど複数の金属も混ぜて生産する。
この銀歯の歯科用素材の価格は、4月から1グラム1078円となる。こちらも2年ぶりの値上げで、改定幅は約2%。ただ、消費税率の引き上げ分を考慮すれば、銀歯そのものの値段は4円の値下がりだ。
市中価格をみると、銀歯の価格に最も影響するパラジウムは足元で1グラムあたり2680円前後。2012年8月ごろの1500円からもみ合いながら上昇している。市中価格だけで判断すると、消費増税分以上に値上げしてもおかしくないが、銀歯の値上がりは消費増税分を一部織り込んだだけの小幅なものにとどまっている。

■2大生産国の供給不安が台頭
厚労省は「今回は業者に聞き取りをした価格を参考にしたが、調査の詳しい内容は公表していない」と明確な説明をしていない。貴金属マーケットが乱高下した直近2年間、金歯も銀歯も価格を改定せず据え置いている。同省は「こちらの調査では(直近の2年について)あくまで価格据え置きが適当と判断した」と説明する。
歯科用貴金属の生産業者は「市中価格は激しく変動するが、医療分野なので価格が安定していたほうが良いという考え方もあるのだろう」と解説する。
パラジウムは、ロシアを巡るウクライナ情勢の混迷と南アフリカの鉱山ストライキにより、この2大生産国からの供給不安が台頭。市中では約13年ぶりの高値となっている。今後、銀歯の価格はさらに上がっていく可能性が高い。
歯科用素材の市場規模は、業界推計で年間で約900億円とみられている。金とパラジウム合金の素材のシェアが最も大きく7割以上を占める。メーカーは20社ほどあり、競争の激しい業界だ。
ちなみに銀歯も、宝飾品などと同様に貴金属として買い取りしてもらうことができる。ただ、買い取り業者は「詰め物の場合は100個ぐらいまとめて持ってこないと、買い取り手数料の方が高くなってしまうので、あまりおすすめできない」と話す。

【日経新聞】



金属の価格が上昇しても即治療費には反映されません。誰か抗議しなのでしょうか・・・
by kura0412 | 2014-04-30 14:47 | 歯科医療政策 | Comments(0)

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by kura0412