『今回の診療報酬改定は「病院のふるい落とし」』

今回の診療報酬改定は「病院のふるい落とし」

2月18日に開催された「院長予備校」の講師を務めた、MMオフィス代表の工藤高氏。2014年度診療報酬改定のポイントについて顧問先の医療機関のシミュレーションデータを示しながら解説した。
「2014年度診療報酬改定を一言で言えば、『ふるい落とし』。今まで何度も改定を分析してきましたが、今回は現場にとって最低の改定です」
これは2月18日に行われた、医療機関の経営者向けセミナー「院長予備校」の冒頭における、講師の医療コンサルタント工藤高氏(MMオフィス代表)の発言だ。
2月12日に厚生労働省の中央社会保険医療協議会が改定案を取りまとめ、田村憲久厚生労働大臣に答申。その内容は現場、特に急性期の病院にとって大変厳しいものになった。

例えば、入院医療では病院・病床の機能分化を目指し、高度急性期を担う病床を絞り込むための改定項目が目立つ(速報! 2014診療報酬改定)。中でも影響が大きいのが「重症度・看護必要度」の見直しだ。
現行でも、重症度が高い患者を一定程度受け入れていないと、看護師配置が最高ランクの7対1一般病棟入院基本料を届け出られないようになっている。今改定ではその評価基準を見直し、厳格化。7対1看護を届け出られるのは、循環器科や脳神経外科などの重症度の高い患者をそれなりに受け入れている病院に絞られていくだろう。
この改定の影響をもろに受けるのが、肺炎や脱水など比較的軽症の救急をメーンに受け入れている地域密着型の7対1病院。
改定項目には経過措置が設けられているものの、10対1看護へのランクダウンを余儀なくされるところが今後、徐々に出てきそうだ。
現場から見れば、人員配置が減ったからといって診る患者層が変わるわけではないため、負担が増すことになる。7対1入院基本料から10対1入院基本料を算定するようになれば病院の収入は減少し、人件費をうまくコントロールしないと給与減のリスクも出てくる。冒頭の「史上最低」という表現もうなずけるだろう。
もちろん限りある財源の中で医療費の適正配分するという意味で、こうした方向性はやむを得ないとも言えるが・・・。看護補助者や医師事務作業補助者の活用も含めて、業務フローの見直しによる医療従事者の負担軽減がより一層大切になる。

10対1病院になると看護師確保に苦戦する?
講師の工藤氏は、「これからの7対1病院は、状況に応じて10対1看護に落としたり、一部の病棟を『地域包括ケア病棟』にするのも選択肢になる」と話す。
地域包括ケア病棟とは、看護配置13対1以上で、急性期後(ポストアキュート)と軽度急性期(サブアキュート)の患者を主に入院させる目的の、今改定で新設された病棟カテゴリーだ。

看護配置のランクダウンについて工藤氏が解説した中で、筆者が「なるほど!」と大変納得した部分があったので紹介したい。
7対1看護から10対1看護に移行する際、病院にとって一番悩ましいのが「看護師のリクルートの難易度が上がること」だという。特に新卒の看護師に「まずは7対1看護の病院で高度急性期の経験を積みたい」という考えの人が多いのがその理由だ。
だが国の施策で、高度急性期病床は今後もさらに絞り込みが続いていく。その一方、地域包括ケア病棟など急性期後の受け皿を担う機能や、訪問看護などの在宅医療や介護との架け橋となる機能は拡充する方針だ。
「これから必要になる人材は、7対1病院でICUや高度急性期の経験ばかりを積んだ看護師より、むしろ地域密着型の病院で経験を積んだ看護師。看護師を募集する際に、急性期一辺倒ではなく、川上から川下まで様々な経験を積めることを前面に出すことで確保に成功した病院もある」。工藤氏のこのアドバイス、参考になる病院は多いのではないだろうか。

なお、この「院長予備校」は、日経ヘルスケアが主催する医療機関経営者向けのセミナーだ。特徴は、少数精鋭で行うことと、講師への質問時間がたっぷりあること。
今回の質疑応答でも「地域包括ケア病棟を作ろうと思っているが、またハシゴを外されるというようなことはないだろうか?」など、切実な経営相談が出されていた。また、昼食休憩中に参加者同士が名刺交換をするなど、ネットワーク作りの場にもなっていた。
ちなみに過去に開催した院長予備校は以下の通り。そうそうたる講師陣に自由に質問できる場は貴重だろう。次回は6月の実施を予定しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。

【日経メディカル】



歯科はふるい落としなって現在があるのでしょうか。
しかし改定時に、このような民間のコンサルタントの保険指導会開催があること事態が医科歯科の環境の差です。
by kura0412 | 2014-02-27 11:56 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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