経済からみる医療への視点

株式投資、「賃上げ」支える意外な銘柄

電機、自動車など主要企業の春季労使交渉の集中回答日を3月12日に控え、国内外の投資家が沢井製薬など後発医薬品(後発薬)株に注目している。アベノミクス(安倍晋三政権が掲げる経済政策)が目指す賃上げの成果を左右しかねない仕事をしており、今後も政府の医療費抑制策を支えに収益の伸びが期待できそうな銘柄があるからだ。

ここでサラリーマンの皆様に質問です。
4月からの8%に続き、2015年10月には消費税率が10%に上がる予定です。ところが、向こう10数年間の家計負担を考えた場合、消費増税分よりもっと重いものがあります。何でしょうか?
答えは社会保険料。
特に医療費は毎年1兆円のペースで増え、その膨張スピードの速さ故に政府と企業が悩んでいる。社会保険料は月給だけでなくボーナスにもかかわる。所得が増えれば、個人が払う社会保険料も増える。法人税の場合、赤字だと払わなくていい。だが、社会保険料は赤字になっても企業は払う必要があり、その分、業績を押し下げる要因になる。しかも消費税と違い、医療費の財源となる健康保険料の料率の変更に国会決議は不要。個人は注意して情報を集めないと、社会保険料がいつの間にか値上がりしていることもある。気が付くのは給与明細を見た時だ。賃上げより社会保険料率上昇の影響が大きければ、勤労者の手取りは目減りしてしまう。

なぜ後発薬なのか。最大の理由は、価格の安さだ。
後発薬は新薬の特許が切れた後に発売される医薬品で、価格は薬によって異なるが、新薬の半値前後と低い。有効性や安全性がすでに確認されている新薬の成分を使うため、製薬会社は新薬に比べて開発期間と費用を大幅に圧縮できる。
医師の団体である全国保険医団体連合会が2000~12年度の医療費の内訳を分析したところ、医療費増加分の4割を薬代が占めた。画期的な新薬の登場で救われる患者がいる一方、割安な後発薬をもっと使えば、全体では費用を下げられる可能性がある。厚生労働省は後発薬の数量ベースでの利用目標を18年3月末までに60%まで引き上げる計画を掲げた。現在は4割程度で、欧米に比べると低い。これにより、医療費を1兆円近く節約する計画だ。
後発薬の普及を後押しする目的で、4月からは医療サービスの価格に相当する診療報酬 を見直した。
薬局や病院は後発薬の使用比率を高めないと、収入が目減りしかねない。これまでは薬局が後発薬の利用促進で先行する一方、規模の大きな病院では新薬を使い続ける医師が多かった。だが、他の制度改正の影響もあって、今春以降、大学病院などでは後発薬を患者に投与しないと、収支が悪化する可能性がある。
実際、後発薬メーカーのなかには、4月からの診療報酬改定が決まると病院からの受注が急増し、新規の注文を断らざるをえなくなっているところもある。

制度改正の影響や競争力を、株価はどう織り込んでいるのだろうか。
12年末の株価を100として各社の値動きを比べたところ、日本化薬 や沢井製薬の株価上昇率は日経平均株価 や、製薬最大手の武田薬品工業 を上回った。直近1カ月あまりの相場調整局面でも相対的に値もちが良かった。
日本化薬は抗がん剤に強い。14年3月期の純利益予想を2回にわたって上方修正した。株価は13年12月下旬にバブル崩壊直前の高値に迫る水準(1513円)まで上昇し、その後も1400円近辺で推移している。沢井製薬はこのところ営業利益 段階で2ケタ増が続いており、成長の持続力や利益率の高さに注目して、英国の資産運用会社が長期保有し【ている。
後発薬専業ではないが、明治ホールディングス の全額出資子会社Meiji Seikaファルマに注目する投資家もいる。新薬と後発薬の両方を手がける。後発薬は市場占有率の高い製品が中心で、相対的に高価格で売れていることがアナリストに評価されている。
医療費は税金と、企業や個人が負担する社会保険料で賄われている。トヨタ自動車 やパナソニック 、NECは従業員に対し、後発医薬品の基礎知識や処方を受けられる薬局一覧を提供し、医療費の節約を試みている。品ぞろえや開発中の案件にもよるが、東京株式市場で比較的地味な存在だった後発薬メーカーがおりにふれて注目を集める場面は続きそうだ。

【日経新聞】
by kura0412 | 2014-02-26 11:53 | 経済 | Comments(0)

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