プラスに考えられないものでしょうか

改革派vs霞ヶ関派、「4対4」への楔が日本の将来を決める
動き始めた国家戦略特区「諮問会議」バトルの構図

安倍晋三首相が規制改革の突破口と位置づける国家戦略特区の具体的な運用方針を策定する「国家戦略特別区域諮問会議」がスタートした。安倍首相を議長に、関係大臣5人と民間人5人の計11人がメンバーで、規制改革の司令塔としての機能を担うことになっている。規制改革は「総論賛成、各論反対」が常で、特区が具体化する過程では、霞が関や業界団体などの抵抗が予想される。そうした抵抗勢力を駆逐できるかどうか。アベノミクスの成否を決めることになりそうだ。

「特区は安倍政権の成長戦略の1丁目1番地であり、規制改革の突破口だ」
「世界で一番ビジネスしやすい環境の実現に向け、3月に具体的な地域を決定したい」
1月7日に首相官邸で開いた初会合で、安倍首相はこう述べた。
規制改革が「1丁目1番地」だという表現は、1年前に規制改革会議の初会合でも使われ、その後も首相は繰り返し口にしてきた。アベノミクスの3本目の矢と位置づける「成長戦略」を実現するには、既得権にあぐらをかく古い体制を壊すことが必要で、それを守っている強固な規制、いわゆる「岩盤規制」を見直すことが不可欠だというのが、当初からの安倍首相の方針だった。

積み残しになった医療や雇用の規制改革
1年がたって「規制改革」が大きく前に進んだかというと、必ずしもそうではない。
産業競争力会議が昨年6 月にまとめた「成長戦略」に盛り込まれた薬のネット販売や、発送配電分離などの電力システム改革でも、具体的な施策に落とす過程で、大きく揺り戻しが起きている。政府のあり方を問う「国家公務員制度改革」もむしろ後退している。また、成長戦略では「医療」や「雇用」分野の規制改革は積み残しになったままだ。その突破口としての役割を「国家戦略特区」が担うことになる。

特区はもともと、特定の地域で特定の規制を撤廃することが主眼。
例えば、外国人ビジネスマンが日本に住みやすくするために、特区内の病院で、外国人医師による外国人患者の診療を認めることなどが検討されている。
首相の方針を受けて諮問会議は3月までに具体的な地域を選定することになるが、民間議員らは、特区での規制撤廃が全国に波及していくとみている。どういうことか。
特区内で世界的権威である医師が診療を行い、高度医療の拠点となったとする。
日本国内にありながら、外国人患者しか診ないということになれば、日本人患者からの不満が噴出することになるだろう。当初は特区だけで解禁したとしても、いずれは日本全体の規制見直しにつながっていく、というわけだ。首相が「突破口」という意味もここにある。

矛盾をはらむ諮問会議メンバーの人選
諮問会議がその突破口を空ける先兵になるわけだが、11人は団結して規制改革に立ち向かっていけるのだろうか。

メンバーの5人の関係大臣に所管省庁を持つ大臣を入れないというのが、諮問会議のポイントだった。大臣のメンバーは麻生太郎・副総理、新藤義孝・国家戦略特区担当相、菅義偉・官房長官、甘利明・経済再生担当相、稲田朋美・行政改革担当相の5人だ。一見、省庁大臣を排除しているように見えるが、そうではない。

担当の主幹大臣は新藤氏だが、“本業”は総務相である。
総務省は地方自治体に権益を持つほか、通信や放送、郵政など「規制の山」を抱える。規制を突き崩す役割を担う特区担当相と、規制を守ろうとする代表的な役所のトップである総務相を同一人物が務めることになるのだ。「この矛はどんな盾でも突き通す」と言いながら、「この盾はどんな矛も防ぐ」と言う中国故事そのもの。まさに矛盾ではないか。
麻生副総理も財務相と金融担当相を兼ねている。
税制が規制と同じ役割を果たしているケースは少なくない。また、日本の金融資本市場は税制と規制でがんじがらめになり、国際的な競争力を失っている。税制にせよ、金融にせよ、規制改革のターゲットなのだが、その役所の長がメンバーに入っているわけだ。甘利氏は省庁大臣ではないが、経済産業省との関係が深い。
民間議員はどうか。
竹中平蔵・慶応義塾大学教授は、産業競争力会議のメンバーとして「国家戦略特区」の設置を強く主張してきた人物だ。竹中氏とそりの合わない閣僚も多いが、それでも諮問会議のメンバーに選ばれたのは安倍首相の強い意向が働いたといわれる。改革の象徴である竹中氏を外すわけにはいかない、ということだろう。
秋池玲子氏はボストンコンサルティンググループのパートナー。コンサルタントだけに民間の力を引き出す規制改革には前向きだ。八田達夫・大阪大学招聘教授は、国家戦略特区で対象とする規制の候補選定を行ってきた「国家戦略特区ワーキング・グループ」の座長を務めた。改革派である。

民間議員には名うての改革派の名前が
坂村健・東京大学教授は同じワーキンググループのメンバーだったが、役所からは「事務局の方針を理解していただける方」という見方がされている。
坂根正弘・コマツ相談役は、産業競争力会議の議員として成長戦略策定に携わった。日本の経営者には珍しく理詰めの経営判断を行ってきた実績があり、コマツを国際競争力を持つ会社として復活させた立役者だ。経団連の副会長だが、経団連経営者としては改革派の筆頭と言っていい。
仮に霞が関が強く抵抗する案件を諮問会議が突破しようとした場合、どんな構図になるか。
大胆に想像すれば、抵抗勢力は新藤総務相、麻生財務相、甘利経済再生相、坂村教授。改革派は竹中教授、八田教授、秋池氏、坂根氏ということになるだろう。
つまり、改革派に軍配が上がるか、霞が関の意向が通るかは、安倍首相と菅官房長官、首相に従順とされる稲田行革相の動向で決まる。つまるところ、安倍首相の意向次第ということだ。

初会合では竹中平蔵氏がさっそく注文
初会合ではさっそく、竹中教授が注文を付けた。
①スピード感をもって取り組む
②PDCAサイクルを確立する
③2020年までの長期的な目標を作ると同時に、2年で岩盤規制に突破口を開くなどの短期目標も作る――という提案を諮問会議に出したのだ。

関係者によると担当の新藤総務相や事務局は、すでに対象として上がっているものだけに時間をかけて実施していく意向だったが、そこに竹中氏が噛み付いたわけだ。現段階では総務省関連の規制も金融関連も、ほとんど対象になっていない。「金融特区」など追加の特区を矢継ぎ早に打ち出していかなければ、アベノミクスへの期待が剥げる、と竹中氏は危惧しているのだ。
まずは3月に向けて、どの地域にどんな分野が「特区」として認定されることになるのか。その実現に向けた工程はどうなるのか。さらにどんな分野が新規に追加されていくのか。国家戦略特区の行方がアベノミクスの成否を決するのは間違いなさそうだ。

【磯山友幸の「政策ウラ読み」】



今度は特区が課題に。歯科も影響はあるはずです。
ハードルは高そうですが、プラスに考えられないものでしょうか。
by kura0412 | 2014-01-10 18:00 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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