日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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次の改定を考えるならば

診療報酬、「微増」で決着…実質はマイナス改定

政府は20日、2014年度予算編成の焦点となっていた診療報酬について、全体で0・1%のプラス改定とすることを決めた。
ただ、同年4月の消費税増税対応分を除く実質的にはマイナス1・26%で、08年度の福田内閣以来、6年ぶりのマイナス改定となった。

麻生財務相、田村厚生労働相が同日の閣僚折衝で合意した。診療報酬とは別に904億円の公費を投入し、医療提供体制の見直しに向けた基金を創設することでも折り合った。
改定率決定に向けた調整では、田村氏が大幅なプラス改定を求めたのに対し、麻生氏がマイナス改定を主張。互いに一歩も譲らず、調整は難航していた。
診療報酬は、2年に1回改定され、医師の技術料などの「本体」と、医薬品などの「薬価」からなる。医療提供体制を充実させるため、本体は0・1%(実質)引き上げ、薬価は市場の実勢価格に応じて1・36%(同)引き下げる。
一方で、消費税が増税された場合、医療機器などを仕入れる際の医療機関の負担が増えることに配慮し、特別な措置として診療報酬に1・36%を上乗せすることから、差し引きの改定率は0・1%のプラスとなった。この場合の内訳は、本体が0・73%、薬価がマイナス0・63%とした。

【読売新聞】



「“医療崩壊”の悪夢」現実か、実質1.26%引き下げ
2014年度改定、消費増税補填分含め0.1%増

2014年度診療報酬改定は、全体でプラス0.1%になることが12月20日、決定した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。2014年4月の消費増税の補填分1.36%が含まれるため、実質的にはネットで1.26%のマイナス改定だ。マイナスになるのは、2008年度改定以来、6年ぶり。
診療報酬本体はプラス0.73%(うち増税補填分0.63%)、薬価・材料はマイナス0.63%(同プラス0.73%)。診療報酬本体の内訳は、医科がプラス0.82%(同0.71%)、歯科がプラス0.99%(同0.87%)、調剤がプラス0.22%(同0.18%)。

財務省は早くから、従来の改定とは方針を変え、薬価引き下げ財源を診療報酬改定財源に充てることはしないなど、厳しい姿勢で臨んでいた。財務省の意向通りになれば、「2000年代の悪夢が再現される」(日本医師会副会長の中川俊男氏、『“医療崩壊”の悪夢再現、阻止を!』を参照)との強い危機感が医療界にあったが、それが現実になったわけだ。
厚生労働大臣の田村憲久氏は、20日午後5時過ぎ、財務大臣の麻生太郎氏との折衝後に、記者団の取材に応じ、消費増税対応分1.36%が確保されたことについては、「(厚労省の)要求通り、負担対応の財源が十分確保できた」「損税が生まれないようにしたのは一定の成果」とコメント。

実質的な「マイナス改定」との指摘には、田村大臣は診療報酬とは別に、医療機能分化・連携、在宅医療の推進などのために新たに約900億円の基金を作ることを説明。
「基金」という制度にした狙いについては「国民の負担に跳ね返らないようにする」と述べた。財務省が薬価引き下げ財源を診療報酬本体に充てることに否定的だったことについては、「今までとは変わっていない。必要な政策をどれくらい積み上げるかだ」と述べ、問題視しなかった。

日医、「実質マイナス改定」問題視せず
改定率決定を受け、日本医師会は、横倉義武会長名で見解を公表。しかしながら、「実質マイナス改定」など、改定率を問題視する文言は見当たらない。
確かに、診療報酬本体だけを見れば、0.73%から増税補填分0.63%を差し引けば0.1%増になる。
横倉会長は、この点に触れ、「消費税率引き上げと同じタイミングで、保険料・患者負担という国民負担が増えることがないよう、調整された。地域医療を再興させ、切れ目のない医療を提供するための手当て等として、診療報酬本体として0.1%の財源が確保された」とコメント。その上、約900億円の基金については、「地域包括ケアの中心を担う、かかりつけ医機能を持つ医療機関に配分される」との期待を込めた。

もっとも、従来から改定率は、診療報酬本体と薬価・材料の改定率の差し引きの「ネット」で見てきた経緯があるだけに、診療報酬本体だけを取り出して議論するのは、日医の路線変更と言っていい。その上、診療報酬本体に限って見ても、前回の2012年度改定では、プラス1.379%。0.1%がいかに小さな数字であるかが分かる。同改定では、薬価等がマイナス1.374%で、全体ではプラス0.004%だった。

日医と対照的な反応を示したのが、日本病院団体協議会議長の武久洋三会長。m3.comの取材に対し、「かなりのマイナス。実質的な消費税の負担分は、『自分たちで払え』ということなのだろう。『お前たちは儲かっているのだから、自分たちで何とかすればいい』という突き放した態度だと思う。実際には、相当体力があるところではないと、かなり厳しい。どう考えても、消費税(増税への政府の対応)に関しては納得できない」と憤りをあらわにした。
さらに武久氏は、次のように続け、病院の窮状を訴えた。
「そもそも、診療報酬と消費増税への対応を一緒に考えること自体が間違いだった。2014年には病床機能報告制度も始まるなど、病院にとっては四面楚歌の状況だ。小泉政権時代の大幅マイナスで、国民からも『あまりに病院がかわいそう』と哀れみの目で見られたことを記憶している。またそのような哀れみの目で見られる時代が、ここ2、3年のうちに来るのではないか。大企業は優遇して、医療は締め上げるという考え方も改めてもらいたい」(武久氏)。

改定内容は例年通り、2月に決定の見通し
武久氏が言及したように、2000年代の小泉政権下では、社会保障費抑制政策が打ち出され、2002年度は2.7%減、2004年度は1.0%減、2006年度は3.16%減、2008年度は0.82%減と、いずれもマイナス改定が続いていた。
これに対し、民主党政権への交代後に行われた2010年度改定では、10年ぶりのプラス改定になり、全体ではプラス0.19%、診療報酬本体がプラス1.55%(医科1.74%、歯科2.09%、調剤0.52%)、薬価等がマイナス1.36%という内訳だった。2012年度改定でも、全体ではプラス0.004%、診療報酬本体がプラス1.379%(医科1.55%、歯科1.70%、調剤0.46%)、薬価等がマイナス1.374%。

2014年度改定の基本方針は、既に社会保障審議会で決定、社会保障制度改革国民会議の報告書を踏まえ、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実などが柱となる(『2014年度改定の基本方針ほぼ了承、医療保険部会』を参照)。
消費税率引き上げへの対応は当初、高額投資などは別建てで行うことが検討されたが、最終的には全て診療報酬で対応する方針に決まった(『消費税負担問題、分科会の中間報告を了承』を参照)。今後は、基本方針に沿った点数の配分の議論に焦点が移る。例年通り、2月上旬から中旬に、中医協で諮問・答申が行われ、2014年度改定の内容が決まる見通し。

【m3.com】



今回の結果を歯科界が肯定するような発言があれば28年度改定も同じ結果を導きます。残念ながら次を視野に敗北宣言するべきです。
by kura0412 | 2013-12-21 12:26 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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