「新しい技術を導入したか否かで差が広がった」

自民党・国民歯科問題議員連盟会長に尾辻秀久氏が就任

10月17日,東京・永田町の自民党本部において同党国会議員408名中255名が所属する国民歯科問題議員連盟・総会(事務局長:石井みどり参議院議員・厚労委員長)が開かれ,96名の議員(代理65名)が出席した.
まず「役員改選」では,会長に尾辻秀久参議院議員(元 厚労大臣)が承認された.
同氏は,特に8020運動などを例に挙げて,歯と口が国民の健康にとってきわめて重要であることを強調した上で,「現在,歯科は多くの問題を抱えている.(過去にも)同じ名前の議連があったが(参院選後,役員の構成や立場が変わったことにより)再出発することになった」と挨拶.他の役員人事については,尾辻会長に一任となった.

次に,厚労省より「わが国の口腔保健・歯科医療の抱える課題について」と題し,歯科医療政策について各担当官(上條英之・医政局歯科保険課長,田口円裕・保険局医療課歯科医療管理官,唐澤 剛・政策統括官 社会保障担当)より説明が行われた.
そして,日歯連盟を代表して髙木幹正会長が挨拶するとともに要望を述べ,日歯・大久保満男会長からのメッセージを三塚憲二・同副会長が代読.その後,討議に入ったが,おもなやりとりは下記のとおり.
Q(上月りょうすけ・参議院議員/茨城):「消費税率が8~10%に上がっていく中で,増税に見合った手当がきちんとなされ,個々の経営がしっかりしなければ,いい診療をしてもらおうと思っても成り立たないおそれがある.経営をきちんと守るという観点からも,診療報酬の中に消費税分を別枠で示していただかないと,翌年から訳がわからなくなるので,もう少し要求していったほうがいいのではないか…….」
A(田口円裕・保険局医療課歯科医療管理官):「消費税が上がる分については,診療報酬で手当をすると決定されている.中医協・分科会の中で議論を進めてきたが,去る9月25日に中間整理を行った.消費税の引き上げに伴う診療報酬上の対応としては,基本的に初・再診料に上乗せして行う方向で議論が進んでいる.控除対象外の消費税については,医療経済実態調査等の結果をみる必要があるが,例年以上に精緻に調査を行っているところである.結果をふまえて具体的に対応をしてまいりたい.」
Q(尾辻秀久会長):「医療費全体は28年前のちょうど2.8倍になっている.2.8倍になる間に医科の診療報酬はどれだけ延びているのか?」
A(唐澤 剛・政策統括官):「約20年前,医科の診療所と歯科の診療所はそれほど収入の差がなかった.20年間経過し,増えている医療費の一番の要因は,新しい技術が保険導入されて,それが普及したことである.これらは“自然増”と呼ばれているが,そこに違いがあったのでは.歯科においても新しい技術を保険導入して,そこを目指し対応していただくことになれば(今日ではいわゆる“護送船団方式”は難しくなっているため,すべての診療所でというわけにはいかないが),“医療費”は充実していくのではないか.」
→これに対し,尾辻会長は「調剤」医療費を叩いて診療報酬に充てる手法がとられがちだが,「増やす分は医科にとられて歯科に回っていないのでは」との問題意識を示した.

参加した各議員が歯科医療にきわめて大きな関心を持っていることが伝わる,活気に満ちた総会であった.同時に,歯科医療政策と診療報酬改定,消費増税に向けた対応における諸課題が浮き彫りにもなった.
歯科界からは,先の参議院選挙で「職域代表」として石井みどり氏を国会に送り出したが,同氏は今期2期目を迎え,厚労委員長に就任し,たしかな「実績」を期待する声が高まっている.こうした会合での討議や情報交換をとおして,政策がより充実し豊かなものとなり,近い将来,国民にとっても,歯科界にとってもより望ましい歯科医療施策が実現することを期待したい.

【ヒョーロンニュース】



厚労省の高官が歯科の現状を認識していることだけでも分かったことは、大きな意義があった会合のようです。
さてこの認識の下で、これからどのように具体的な施策に結びつけたいくのでしょうか。
by kura0412 | 2013-10-24 14:16 | 歯科医療政策 | Comments(0)