日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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弁護士が馬鹿なら・・・

弁護士って馬鹿だなあ、って笑われてしまうような惨状

弁護士の登録を止める弁護士が9か月間で600人程になっているようだ。
司法試験に合格し、修習を終えていよいよ実務の世界に入ることが出来るのに修習終了と同時の弁護士登録を控える人が今年は600人を超えそうだという。
毎月の弁護士会会費の負担すら難しくなっている、ということのようだ。

ベテラン弁護士の非行や不祥事が大きく報道されるようになったのは、それまで順調かつ立派に弁護士業務に従事していた人たちが近年の弁護士を巡る社会経済環境の急激な変化に付いていけず、次々に脱落していっているという証拠である。
世間で思っているほどには一般の弁護士の経済的基盤、生活基盤は盤石ではなかったということだ。
貧すれば鈍する。
高潔だと言われていた人たちが自分が大事にしていたはずの弁護士という職務を汚していってしまうのだから、弁護士の世界が総体としては危機に瀕していることは否定できないと思う。
最近の弁護士懲戒事案はベテラン弁護士ばかりだ、新制度で誕生した若い弁護士の非行事案があれば具体的に示して欲しい、などという要請があったが、若い弁護士の非行事案がマスコミに登場しないからといって若い弁護士の間には何も問題がないように思うのは間違いである。
能力がありながら職を得られない人たちが年々増えている、ということぐらいの情報は入手されているはずだ。
それこそ一つのポストを100人で争っているようなものだ。
幸いに公募で職を得ても任を解かれたら、また次のポストを探さなければならない。
絶対的にポストが不足しているのだから、職を得られた人は息を付けるだろうが、いつまで経っても職を得られない人は不安の日々を送らざるを得ない。

司法修習を終えた人の3分の1が弁護士登録自体を差し控えざるを得ないようだ、司法試験に合格して司法修習を終えたという経歴を伏せるようにして民間の企業に就職する道を選ぶ人もいるらしい、即独弁護士とは名前だけで実際にはそれまでのアパートを自宅事務所として登録し、アルバイトで生活費を稼がなければならない人もいるらしい、法科大学院や司法修習時代の借金が積もり積もって500万とか1000万になっている人もいるらしい、折角採用になった法律事務所も1、2ヶ月で首になって次の就職先探しに汲々となっている弁護士もいるらしい、などということを見聞きすると、こんな状態で本当に若い弁護士が弁護士らしく生きていけるのかが心配になる。
どんな状況にあっても力がある人は生き抜いていけるのだが、まだそれだけの力を身につけていない若い人たちが中途半端に社会に放り出されつつある、というのが問題である。
なんとかしなければならない、ということで弁護士会の真面目な幹部の人たちが知恵を絞っているのだが、一部の弁護士の献身的な奉仕程度ではもう対処できないほどの状況になってきているのではなかろうか、というのがこの問題の本質である。

職を得た人はいい。仕事の場を与えられた人はいい。自分で仕事を作れる人はいい。仕事をしなくてもそれなりの生活できるような環境にある人はいい。しかし、大半の人は仕事をすることによって初めて自分の生活を支えることが出来るようになる。
社会生活の医師と言われていた弁護士が医師ではなく病人になりつつある、ということを聞いたら、これは何とかしなければならない、ということになるのではなかろうか。
今のままの仕組みであれば医師になるより先に自分が病人になりそうだ、ということになったら今の仕組みに乗ろうとする人が減るのは当然だ。
司法試験受験生の数が半減しているのは、多分今の仕組みに欠陥があるからである。
このくらいの荒療治をしなければ弁護士の世界は変わらない、もっと徹底的に競争させて脱落するものはどんどん脱落させればいい、という乱暴な意見もあるだろうが、私が見るところこういう競争で脱落する人は、大抵が要領が少々悪いが誠実に仕事をするいい人たちである。
そのいいい人たちが、貧すれば鈍するという状態に陥ってしまうことは何としても回避しなければならない。
弁護士って馬鹿だなあ。
一部の方は、そう私たちを嗤っているようだ。

【弁護士・早川忠孝ブログ】



弁護士が馬鹿なら・・・
by kura0412 | 2013-10-16 13:09 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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