日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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やはり成長戦略では

成長戦略、第2弾へ始動 競争力会議3分野に重点

政府は2日、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、4つの分科会の設置を決めた。テーマは「農業」「医療・介護」「雇用・人材」の3つと、成長戦略の進み具合を点検する「フォローアップ」。競争力会議を開くのは6月に成長戦略をまとめてから2カ月半ぶり。決めた政策の実行状況の点検に加え、成長戦略の第2弾となる追加の改革案も打ち出す。

■農業、企業の出資緩和
競争力会議は秋の臨時国会の前に成長戦略関係の法案や制度改正を実行方針として取りまとめる。新たに発足する各分科会も年末までに中間提言をまとめる。
特に優先するのは農業で、3日にまず農業の分科会を開く。環太平洋経済連携協定(TPP)の議論が進むのを踏まえ、農業の競争力を上げる道筋を示す。一部は政府が秋の臨時国会に提出する農地集約組織の法案に反映する方針だ。
政府が2日示した論点案によると、焦点の一つは企業の農業参入の促進だ。現在の法律では、農地を所有できる農業生産法人を企業がつくろうとしても、出資割合は50%未満に限られる。役員の過半数が原則150日以上は農業に従事しなければならない。資本面でも運営面でも地元農家の関与が強く、企業が主導権を握りにくい。
この規制を緩めることで多くの企業が参入し、大規模で効率的な農業に取り組むよう促す。小規模農家を支援するため農作物の販売額と生産コストの差額を農家に払う経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)も見直して、農地集約を促す仕組みに変える。
ただ、民間議員からは「(地域の農地取引を規制する)農業委員会は抜本的な見直しが必要」(新浪剛史・ローソン最高経営責任者=CEO)とさらに踏み込むべきだとの声も出ている。論点設定を巡って政府側と民間側で激しい議論になりそうだ。

■雇用、転職支援へ能力評価制
雇用分野では転職しやすい制度をつくる。これまではそれぞれの企業が労働者の能力を評価していたが、企業の外で客観的に能力を評価する仕組みを検討する。新しい第三者機関や資格制度の創設を想定しているもようだ。企業は採用候補者について新しい判断材料を得られる。衰退産業から成長産業への人材移動を後押しする方針だ。
高い能力を持つ外国人の受け入れも拡大する。現在も学歴や職歴、年収が一定の基準に達すると日本で働きやすくなる制度はあるが、基準が厳しすぎるとの指摘が多い。これを緩めて優秀な人材を増やす。

■医療、混合診療を拡大
医療は保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の大幅拡大を挙げた。
患者の収入で受けられる医療の格差が開くとして日本医師会が混合診療に強く反対し、現在は原則として禁止されている。しかし混合診療を拡大することで患者が先端医療を受けやすくする。日本の医療技術を一段と高めて海外で展開することも視野に入れる。

【日経新聞】



国民会議の報告書では全く触れらなかった混合診療ですが、こちらでは全面的に拡大を求めています。歯科のグレーゾーンを整理するには絶好の機会なのですが、他の医療団体との協調を考えると勇気が必要です。
by kura0412 | 2013-09-03 17:26 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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