今週の週刊ダイヤモンド特集

もうダマされない! 歯医者の裏側

歯医者数が10万人を突破した。明らかな供給過剰であるため患者争奪は激化している。技術も知識もないまま新しい治療法に手を出したり、過度なもうけ主義に走る者も存在する。だまされずに、いい歯医者と治療法へたどり着けるよう、歯医者と業界の見えざる真実、各治療法のメリット、デメリットに迫った。

歯医者の泥沼
負の連鎖が止まらない。
歯医者過剰が歯科診療所経営の悪化を招き、激化する患者争奪がトラブルを引き起こす。トラブルが患者の不信を招き、市場を弱める。歯医者たちは泥船に乗ったまま沈んでいくのか──。

都内の男性歯医者は勤務していた歯科診療所を退職した。「なぜ今の患者の歯を削らなかったんだ」「なぜ抜かなかったんだ」。院長から叱咤され続けてきた。
この歯医者の歯には、10年前からごく初期の虫歯が数本ある。削らずに手入れを心がけることで進行を止め、歯を守ってきた。患者にもできるだけ削らない選択肢を与えることが、彼のスタンスだった。しかし、削ったり、抜いたりしなければ診療報酬にはつながらない。院長が求めるのは、金を生む歯医者だった。
歯医者の数は2010年に10万人を突破した。
食生活の欧米化が進んだ高度成長期に国民の虫歯の数が急増し、国は歯学部を増やして歯医者を大量生産した。その蛇口を閉め損ね、歯医者過剰に陥った。歯医者の適正数は人口10万人当たり50人が目安とされるが、今や80人もいる。
歯医者の大半は歯科診療所を開業する。その数は6万8000件でコンビニエンスストアよりも多い。1日当たり5件のペースで廃止されるも、5件のペースで開設される。街は歯科診療所の看板で溢れ返っている。
国民医療費全体が膨らんで国の財政を圧迫する中、歯科の医療費は厳しく抑制されており年間2兆5000億円前後の横ばい。他の先進国がそうであるように虫歯予防の意識が高まるにつれ、虫歯の数は減っている。
市場規模は変わらないのに、歯医者の頭数が増えるのだから、取り分は減る。総じて歯科診療所の経営は悪化した。
稼ぎを確保したい歯医者たちは、患者が全額を自己負担する自由診療に群がった。中でもインプラント市場にこぞって参入し、歯医者の技術不足や強引な営業によってトラブルが多発した。歯科医療に対する国民の不信感が生まれ、自由診療の市場も患者離れで伸び悩み、歯科診療所経営はますます悪化していく。
歯医者は食えない。
そうした認識が世に広まり、大学歯学部は受験生離れが進む。定員割れ状態の大学では、留年者や国家試験不合格者が大量発生している。
医療現場も教育現場も異常状態が続く今、生き残りやすいのは、冒頭の男性歯医者のような医療者ではなく、うまく稼げる歯医者だ。患者はかもにされないように、歯医者を見極める目を、持つ必要がある。
http://dw.diamond.ne.jp/category/special/2013-06-15




今週の週刊ダイアモンドの特集です。後段はその1部の記事内容です。
これを暴露記事と考えるか、それとも社会からの歯科界への警笛と捉えるか。
by kura0412 | 2013-06-10 12:02 | 歯科医療政策 | Comments(0)