日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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協会けんぽ黒字化へ

協会けんぽ、保険料率引き下げるべきか- 黒字化見込み受け、運営委で意見さまざま

全国健康保険協会(協会けんぽ)は23日の運営委員会で、2011年度の決算見込みについて報告した。法的措置の下、財政を立て直し中の協会けんぽの単年度収支は、2年連続で2500億円を超える黒字の見込みだ。
これを受けて委員からは、保険料率の引き下げを検討すべきとの提案があった一方、法的措置が13年度以降も続くかが決まっていないことなどを理由に、慎重論も出た。

協会けんぽの単年度収支は、07年度から赤字が続き、09年度には準備金(積立金)が3179億円の赤字に陥った。
国は、赤字を3年間で解消させるため、▽協会けんぽの療養の給付などに対する国庫補助率を13%から16.4%に引き上げる▽保険者ごとの負担割合を加入者数で決めている後期高齢者支援金の3分の1を、加入者の総報酬額で決める-など、10-12年度の時限措置を講じている。
また協会けんぽは、保険料率を10年度から毎年度引き上げている。8.2%だった保険料率は、10年度に9.34%、11年度に9.5%になり、12年度には大台の10%に達した。
こうした背景の下、協会けんぽの単年度収支は、10年度決算で2540億円の黒字に転じた。11年度も2586億円の黒字となり、準備金が1947億円の黒字に転じる見込みだという。

この日の委員会で埴岡健一委員(東大准教授)は、順調にいけば、12年度には準備金が4500億円まで積み上がる可能性があると指摘し、「結果論だが、12年度の保険料率を上げる必要は、実はなかったということになるのではないか」と述べた。さらに13年度以降の保険料率について、「政府の財政支援の状況にもよるが、据え置くとか、0.1ポイント下げることも含めて、もう一度白地に戻って考えてもいいのではないか」と提案した。
また、城戸津紀雄委員(福岡県商工会連合会長)も、「(協会けんぽに加入する)中小零細企業の7割は赤字。その赤字の企業が料率を負担していることを肝に銘じて運営しないといけない」と述べ、料率のさらなる引き上げをけん制した。

一方、ほかの委員からは「財政の構造は抜本的に解決されたかというと、そうではない」(五嶋耕太郎・石川県中小企業団体中央会長)、「3年間の特例措置が切れたら、ゼロに戻ってしまう。改めて整理して議論して、法的措置を求めていく必要がある」(菅家功・連合副事務局長)など、慎重論や特例措置の延長の必要性を指摘する意見が出た。

この会合にオブザーバーとして参加していた厚生労働省保険局の西辻浩保険課長は、準備金の早期黒字化を評価した上で、「(特例措置を延長するかどうかは)秋以降に、政府の審議会などで議論していくが、11年度の決算がそれにどう影響を与えるのかは、現段階で何とも言えない」と述べた。また、後期高齢者支援金について、「高齢者ご自身にもう少し負担していただくこともあるだろうし、公費でということもあるが、消費税をもっと上げられるのかという議論もある。保険料をどこまで支えていくのかという観点からも議論しなければいけない」との認識を示した。

【キャリアブレイン】



この大幅な黒字化は今後、色々な形で議論を呼びそうです。
by kura0412 | 2012-07-24 12:05 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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