日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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多額の薬も最新のIT技術もいりません

メタボ人口 食べる量は同じなのに、増えているのはなぜ?

◇夜間の食事、代謝異常に
日本人のエネルギー摂取量は近年変わらないのに、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が増加しているのはなぜか。名古屋大大学院の小田裕昭准教授(分子栄養学)のグループは、この疑問に科学的に答えようと、食べる時間や人間の体内時計に注目した研究を進めている。実験を重ね、夜食など不規則な食事は体内時計のうち「肝臓時計」を狂わせて代謝異常を起こし、メタボにつながりやすいというメカニズムを解明した。
小田准教授は「昔の人がよく言っていたように、朝食を取って規則正しい食生活をすることがメタボ防止につながる」と説明している。

◇「肝臓時計」狂わせ
食事リズムの重要性を確かめるため、ラットを2グループに分け、一方には活発に動く活動期のみにえさを与え、もう一方には昼夜問わずにだらだら食べさせた。その結果、食べる量は両方とも10グラムと同じなのに、だらだら食いのラットの血中コレステロール値は活動期のみのグループの1・2倍になり、不規則な食事時間の悪影響と推定された。
その原因について、小田准教授は遺伝子レベルで制御される「体内時計」に着目した。
人間には、すべての細胞に約24時間周期の「概日リズム」を刻む体内時計があり、栄養素の代謝の役割を果たす肝臓も時計を持っている。別の実験で、食後に分泌され血糖値を下げるホルモンのインスリンを、活動期と寝ている時間帯の休息期のラットに与えて肝臓時計への影響を比較した。その結果、インスリンを休息期に与えると時計が狂った。この狂いが原因となって、脂肪を分解する酵素の活性化の活動にずれが生じる「代謝異常」が起こる。それによって栄養素が分解されず、エネルギーとして使われないで脂肪組織にたまり、メタボの原因になるという。
また、インスリンを出ない状態にして肝臓時計が狂ったラットを使い、食事が体内時計のずれに与える影響を実験した。活動期にインスリンを注射すると時計のずれが元に戻り、休息期に注射すると時計がさらに狂った。肝臓時計に対するインスリンの働きは強力だったという。

◇朝食が正す役目
この結果から、決まった時間に食事できずに肝臓時計が狂っても、活動を始める朝に食事を取ることで、分泌されるインスリンが時計のずれを正し、代謝を正常にする効果が考えられるという。
現代社会でメタボは大きな問題になっている。10年の国民健康・栄養調査結果によると、20~60代の男性の肥満者の割合は31・2%で、95年より6・4ポイント増加した。ところが、ダイエットへの関心の高まりもあって、近年、エネルギー摂取量はほぼ頭打ちになっている。一方で、夜間に働く人が増えるなどライフスタイルが夜型になり、食事の時間が大きく変化した。小田准教授は「メタボの原因は食べる時間の乱れ。いつ食べるかは、私たちが思っている以上に重要だ」と説明する。
さらに、同調査結果では、朝食の欠食率が男性13・7%、女性10・3%にのぼった。小田准教授は「狂った肝臓時計を元に戻す役割を果たす朝食はとても大切で、メタボ予防につながる」と強調する。海外旅行の時差ぼけ対策としても、眠る時間の調整以外に、現地の時間に合わせて朝食を取って肝臓時計を正常にする方法があるという。

◇規則正しい生活を
小田准教授は「昔の人は、規則正しい生活をすれば体調がいいことを自然に感じ取っていた。近年軽視されているけれども、それがなぜいいのかを遺伝子レベルで解明すれば、言葉に説得力が出ると思う。今後も、腹八分目やよくかむ大切さなど、昔から体にいいと言われることを科学的に証明していきたい」と話している。

【毎日新聞】



昔から伝えられていた朝食をしっかり食べ規則正しい食生活の徹底には、多額の薬剤も、最新のIT技術もいりません。
技術だけに走らず、医療も今こそ原点に戻って再考するべきなのかもしれません。
by kura0412 | 2012-07-23 18:17 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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