日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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「町の薬局でついでに検査」

町の薬局で糖尿病を無料チェック

糖尿病を患う人が増加の一途をたどっている。国内の患者数は昨年、1000万人を突破したともいわれ、「成人の10人に1人が糖尿病」の時代になった。深刻な合併症を回避するには、やはり早期発見がカギを握るが、多くの人は、自覚症状のないまま病気を進行させてしまっているのが現状だ。こうした中、「身近な地域の薬局で、気軽に糖尿病の血液検査をしてみよう」というユニークな試みが東京都足立区内で行われている。新たなアプローチで糖尿病の早期発見を目指すプロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」をリポートする。

■検査のハードルを下げる「医薬連携」
「糖尿病が心配な方、朗報です!」―。綾瀬駅から歩いて数分、「あやせ薬局」(飯泉千春代表取締役)の入り口に、こんな張り紙が見えた。駅前商店街の一角で調剤も行う、いかにも「町の薬屋さん」らしい店構え。「糖尿病診断アクセス革命」は、こうした地域の薬局で糖尿病の診断基準の一つ「HbA1c(ヘモグロビンA1c)値」を無料測定できることが、一番のポイントだ。
このプロジェクトは、東大と足立区医師会、区薬剤師会、地域の糖尿病対策を推進するNPO法人ADMS(アダムス)の共同研究事業として、昨年10月にスタートした。HbA1c値の簡易測定機器を区内9か所の薬局に設置。指先からの微量採血で、すぐに結果が分かる。糖尿病検査のハードルを下げることで、より多くの未診断患者や予備群の発見と治療につなげようとの狙いで、「医薬連携」の取り組みになっている。

■「ついでに検査」がいい
ある日の午後、あやせ薬局を近所の女性(66)が訪れ、薬剤師の長井彰子さんに尋ねた。「ねえ、この糖尿病の検査って無料なの?」。この日は、家族に頼まれて薬を受け取りに来たところ。たまたまプロジェクトの張り紙が目に入り、「そういえば、調べたことないな」と、検査する気になったのだという。プロジェクトの概要や検査方法について説明を受けた後、左手の指に自己穿刺の器具を当ててボタンをパチン。「こんなに少しの血で分かるんだ」と驚いた。結果が出るまでの約6分は、長井さんと糖尿病の合併症や治療費などの話をしている間にすぐ過ぎた。HbA1c値は、正常の範囲内だ。女性はほっとした表情で、「見えない病気だけに、わざわざ病院に検査に行くのは、やっぱり面倒。この『ついでに』っていう感じがいいね」と話し、ちょうど調剤が済んだ家族の薬を受け取って帰って行った。
あやせ薬局では、スタートから3か月で約60人が検査を受けた。40―50歳代の自営業者や主婦が多く、健康診断を何年も受けていないという人も目立ったという。このうち15人ほどに、糖尿病か予備群と疑われる結果が出た。「次に薬局に来たとき、『病院に行ってきたよ』『治療を始めたよ』と報告してくれたりするんです」と長井さん。薬剤師として糖尿病の大変さと早期発見・治療の大切さを知るだけに、このプロジェクトで感じている手応えは大きい。

■糖尿病は4人に3人が未治療
厚生労働省の国民健康・栄養調査(2007年)によると、「糖尿病が強く疑われる人(HbA1c≧6.1%または糖尿病治療を受けている)」は約890万人。「糖尿病の可能性が否定できない人(6.1%>HbA1c≧5.6%)」を含めれば、約2210万人に上ると推計される。一方、同省の患者調査では、きちんと糖尿病の治療を受けている人はこの数年、230万人前後で横ばいが続いている。
「つまり、糖尿病患者の4人に3人は、治療を受けずに病気を放置してしまっている状態です」。プロジェクトを主導する東大大学院分子エネルギー代謝学講座の矢作直也特任准教授は、こう警鐘を鳴らし、「自分が糖尿病だと気付いていない人に、気付きのチャンスを与えなくてはならない」と訴える。糖尿病は、初期段階からの治療と生活習慣の改善で、その発症や合併症を回避できる。しかし、特定健診の受診率も4割にとどまっている中で、矢作氏は「潜在患者の掘り起こしは、現在の制度だけではカバーできない」と指摘し、新たなスクリーニングの仕組みを提案するプロジェクトの意義を強調する。
薬局店頭で無料検査を受けた人は、昨年10―12月で計269人となり、このうち、HbA1c≧6.1%は23人(8.6%)、6.1%>HbA1c≧5.6%は48人(17.8%)。およそ4人に1人の割合で、糖尿病や予備群が疑われる人を見つけ出せた格好だ。しかも、こうした高い数値は、定期的に健診を受けていない人に2倍ほど多く見られたといい、スクリーニングの効果がうかがえる。
 プロジェクトは、財団法人の研究費助成を受けて今後も数年ほど継続する予定で、矢作氏は、「糖尿病が国民病となっている中、早期発見を実現する全国的な対策が必要。今後の研究で、プロジェクトの有効性を明らかにしたい」と話している。
プロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」のホームページはこちら。

【キャリアブレイン】



薬剤師、医師共に需要拡大の一環です。
アメリカでの尊敬する職種の1位は薬剤師だったと思います。多くが公的保険のないアメリカで、健康について気軽に相談できる存在であることがその理由です。
歯科でも血液検査がルーチンに出来ればこの輪に加われるのですが。コンビニよりも多い歯科も柔軟な発想が必要です。
by kura0412 | 2011-02-21 15:54 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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