日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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もし関連法案が通らなかったら

(10兆円の余裕)

特例公債法案が3月末日までに成立しなかった時、果たして政府の資金繰りはいつまでもつのだろうか。
特例公債法案が成立しないと、建設国債の6兆円は発行できるが、赤字国債は出せなくなる。
しかし、赤字国債ではなく3-6ヶ月の短期の資金繰りのための借金をするための政府短期証券(FB)は年度額を予算で定めており、予算が成立すれば発行できる。

予算書の7ページ、予算総則の第8条に政府短期証券の発行限度額が20兆円と記されている。つまり、特例公債法案が成立しなくとも20兆円までは政府が借り入れをできる。ただし、税収の裏打ちがなければ償還できなくなるので予算の税収額と税外収入額を超えて短期証券は出せない。
所得税による税収が平成23年度は13兆4千億円、消費税が10兆2千億円、法人税が7兆8千億円...。税収はどうしても下半期が多いので、上半期は金が足りない。そこを政府短期証券を発行して前借りをして、年度末に精算する。と、すれば、税収と税外収入合計48兆円のうち特例公債法案で規定されているもの2.5兆円を除いた45.5兆円までは政府短期証券の発行枠20兆円の範囲内でつないでいける。理論的には!
ただし、毎年、年度初めは税収よりも歳出が多くなるので、政府短期証券で繋いでいる。10兆円程度は恒常的な資金繰りで発行されているので、特例公債法案が成立しなかった時の資金繰りに使える政府短期証券は10兆円程度しかない。

問題は、財務省が、歳入と歳出の予定時期を細かく把握していないことだ。財務省は、かつての社会党の非武装中立論のように、「政府の資金繰り表がなければ、国会は3月末までに特例公債法案を通す」と考えているようだ。しかし、現実には過去、5月に特例公債法が成立したこともある。もっともそのときは今よりも借金は少なかったが。

解散だ!という声は、実は民主党内からも聞こえてくる。しかし、10兆円の資金繰りで解散総選挙までできるだろうか。
だから与野党が、この予算審議の中で、予算の修正、関連法案の修正、そして財政健全化責任法案の成立まで、責任を持ってやらなければならない。

はっきり言って小沢一郎ごときに関わっている暇はない。

(不注意と自爆テロ)
特例公債法案以外の予算関連法案について、三月末に成立が間に合わなかったらどうなるか。

*子ども手当法案
児童手当に自動的に切り替えられる。児童手当のシステムに昨年の現況届のデータを入力する必要があり、6月支給が困難になる自治体も発生するが、10月に二回分支給で対応できる。
別途、年少扶養控除が復活しないと受給世帯で手取額が減少する。
支給対象となる子どもに国内居住要件を設け、保育料や学校給食費を手当から徴収することができるようにする法改正が必要になる。

*地方交付税法改正案
4月交付分の自治体への地方交付税が4.1兆円から2.6兆円に減額されるので、自治体は一時借り入れをする必要が出てくる。その一時借り入れの金利負担が発生する。

*関税定率法改正案
関税法は成立せず、暫定税率が切れるとすべて税率が上がる。
牛肉      暫定税率38.5%が基本税率50%
        100gあたり11円の上昇
麦芽      無税が21.30円/kgの協定税率に。
プロセスチーズ 無税が29.8%の協定税率に。
        150gあたり10円の影響。
コメ、乳製品、コーンスターチの特別緊急セーフガードの法的根拠が無くなり発動できなくなる。
発展途上国向けの特恵国税率がきれる。

*税制改正案
1.成立しないと税金が上がらないもの
給与所得控除の上限設定
法人役員の給与所得控除の縮減
勤続五年以下の法人役員の退職金の二分の一課税廃止
成年扶養控除の縮減
相続税の基礎控除引き下げ
相続税の税率見直し
地球温暖化対策税の導入  等

2.成立しないと税金が上がるもの
航空機燃料税の引き下げ
NPO法人への寄付に対する控除率40%の税額控除の導入
贈与税の税率緩和
相続税の未成年者及び障害者への控除額引き上げ
法人税率の引き下げ
中小企業への軽減税率の引き下げ
上場株式等の10%軽減税率の延長  
住宅用家屋の売買に関する登録免許税の軽減税率の延長
不動産の譲渡に関する印紙税の特例の延長
日本入国の際の煙草やウィスキーの税率の特例の延長
農林漁業用A重油に関する石油石炭税の免税措置の延長  等

*独立行政法人日本学術振興会法改正案
23年度新規に採択される科学研究費の支払いができなくなる。

*教職員定数法改正案
小学校一年生の35人学級化に伴う義務教育国庫負担分の支払いが遅れる。都道府県が一時借り入れをする必要が生じ、金利負担が発生する。

*地方税法改正案
不動産取得税、特にJリート・SPCの課税標準の特例措置が失効し、税率が3倍になる。

*国民年金法改正案
年金支給には影響はないが積立金2.5兆円の取崩が必要になる。

*公害財特法改正案
港湾浚渫の資金手当ができなくなる。

*雇用保険法改正案、特定求職者支援法案
会期中に成立すれば問題なし。

*戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法改正案
特別給付金の支給ができなくなる。

予算関連法案の中には、会期中に成立すれば問題が起きないもの、自治体が一時借り入れをすることになり金利が発生するもの、問題が起きるものなど様々な影響があり、与野党で一つ一つ合意して三月末までに通すべきもの、予算修正とセットで修正すべきもの、会期中の対応で大丈夫なものの仕分けが必要になる。
与党国対は、特例公債法案が成立しなくとも6月までは政府の資金繰りは大丈夫と考えているふしがあり、その間に社民党を抱き込んで再議決すればいいという安易な考えがそこはかとなく伝わる。財務省と与党のこの温度差が、不注意からの破壊的な事故につながりかねない。
一方、自民党には「解散総選挙に追い込め」との安易なキャッチフレーズとともに、解散に追い込めなければ総裁の責任を追及するといった自爆テロ型の雰囲気もあり、予断を許さない。

官邸と与野党国対の間で、法案処理をするためのメカニズムが必要だ。

【河野太郎衆議院議員ブログ】



確かに野党も解散を求めるのは結構ですが、最低限通さなければいけない関連法案と、修正、撤回を迫る法案を今から分別しておかなければ、いくら菅政権が頼りないからといって国民の支持は得られないかもしれません。
by kura0412 | 2011-02-02 17:09 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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