この半年は全く読めません

首相バッサリ「小沢切り宣言」 年頭会見、自ら発言練る
  
菅直人首相は4日の年頭記者会見で、民主党の小沢一郎元代表に対し、強制起訴された時の議員辞職も念頭に出処進退の判断を迫った。政権浮揚の唯一のカードである「小沢切り」の姿勢をさらに鮮明にした。ただ、参院で問責決議を可決された仙谷由人官房長官らの処遇は最終判断を下しておらず、月内召集の通常国会の「衆参ねじれ」の打開策はなお見通せていない。

首相は会見で、1日の年頭所感で用いた「不条理を正す政治」というキーワードを使い、「不条理と言えば『政治とカネ』の問題がある」と小沢氏に切り込んだ。
まず、小沢氏に国会での説明を要求。さらに、小沢氏が強制起訴された際の対応を聞かれると「政治家としての出処進退を明らかにし、裁判に専念されるならそうされるべきだ」と語った。「専念すべきだとは、議員辞職すべきだという考えか」と見解を問われても否定せず、「小沢氏本人がそうしたことも考えられて、出処進退を決められるのが望ましい」とした。
首相は昨年末、衆院政治倫理審査会(政倫審)を拒んでいた小沢氏に対して政倫審出席を求める議決だけでなく、証人喚問を検討する姿勢もみせていた。それが、4日の会見では自発的な民主党離党を踏み越え、議員辞職の要求までにじませた。

そんな強硬姿勢に周辺も「かなり踏み込んだ」と驚く。首相は3日、福山哲郎官房副長官や寺田学首相補佐官、首相秘書官らと会見の打ち合わせをした。だが、これに基づいて作られた原稿を受け取らず、とくに小沢氏の問題については「打ち合わせでは出てこなかった総理自身の言葉」だったという。
「最後の勝負どころだ」。ここに来て首相は周辺にこう漏らしている。最近面会した知人には「参院選後は布団をかぶっていたが、これからは布団を脱ぐ」とも宣言した。

政治とカネの問題を抱えたままでは政権はいつまでも改革に踏み出せない――。4日の会見では、小沢氏の問題にこだわる理由について「政治とカネが、国民から不信の念で見られている。多くの改革を進めるうえで、国民に痛みを分かち合って頂くことはとてもできない。けじめをつける年にしたい」と語った。
ただ、党内を二分する対立をあおるのは、他に目ぼしい政権浮揚策が見当たらないことがある。「小沢氏の問題は国民が許さないはず」(菅氏側近)との見立てで、支持率上昇にもつなげられるとの読みがある。
一方、民主党内の小沢氏に近い議員は反発を強める。ある参院幹部は「13日の党大会で内閣総辞職を求める声が起こるかもしれない」と、「首相降ろし」の動きさえ予想してみせている。
中間派の新人議員からは「どっちもどっちで、まるで泥仕合。政治とカネ問題も参院問責問題も、どちらも早くけじめをつけてほしい」との声が出ている。

■主要政策、6月に先送り
首相はこの日の会見で、社会保障の財源確保に向けた消費増税をめぐる与野党協議の呼びかけも行い、「6月ごろまでを一つのめどとして方向性を示したい」と表明。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加問題も「最終的な判断は6月ごろが一つのめど」と語った。

いずれも6月まで「先送り」したのには訳がある。
1月下旬に通常国会を召集すれば、3月末の年度末まで2カ月余りしかない。ねじれ国会の参院で多数を占める野党側が審議拒否戦術をとった場合、2011年度予算案は衆院通過から30日後に自然成立するが、予算の執行に必要な予算関連法案は年度末の成立が見通せなくなる。
野党との連携について、首相は会見で「政策的に一緒にやっていけないかという姿勢は、どの党に対しても変わらない」と意欲を示すが、たちあがれ日本との連立話は破談し、政権が期待する公明党にも歩み寄りが見られない。

通常国会前に首相が仙谷由人官房長官らを含む内閣改造をすれば、野党側の軟化を期待できる可能性がある。民主党内にも仙谷氏交代を念頭に召集日を模索する動きもある。ただ、その時点で野党の協力の見通しが立たなければ、「仙谷辞任カード」は手放しにくい。現に、野党側は自民党の谷垣禎一総裁が4日、三重県伊勢市の会見で「与党を追い込み、衆院解散を勝ち取っていく」と宣言。公明党の山口那津男代表も「問責対象の大臣が居座る対応であれば、国会審議に応じることはできない」とした。
4月には統一地方選があり、政権としてそれ以前に消費増税やTPPなど国論を二分する課題は掲げにくい。
通常国会の会期は150日間。統一選をはさんで6月に国会を閉じた後、会期中のような野党の攻勢が落ち着くことを政権は期待する。首相側近の一人は語る。「消費税で6月といってもそれまでに与野党協議が進むかはわからない。首相はあえて自分を追い込み、覚悟を示している」

【asahi.com】



菅首相は敢えて自ら6月という期限を定めて決意を新たにしたようです。
小沢元代表の政倫審出席、その後の強制起訴で一気に党内を脱小沢を明確にし、それと共に問責決議となった二人の閣僚を中心に内閣改造を断行して。先ずは予算案成立を目指すようです。そこで4月の統一地方選挙の結果を受け、関連法案の動向も相俟って6月を迎えます。
果たしてこの半年間でどんな動き、そして結果となるか、全く読めません。
by kura0412 | 2011-01-05 11:54 | 政治

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