日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『口内ケアでインフル退治 小学校や病院で取り組み拡大』

口内ケアでインフル退治 小学校や病院で取り組み拡大

インフルエンザ予防には口内ケアが有効との考えが広がり、学校や病院、企業が口内ケアへの取り組みを活発化させている。各地の学校や病院では、歯磨きなどで口内の細菌の活動を抑え、インフルエンザ感染を防ごうとする活動を実施。一方、口内ケアによるインフルエンザ対策市場への参入を模索する企業も出てきた。うがいや手洗い、予防接種など従来の対策に口内ケアを組み合わせれば、インフルエンザはもう怖くない? 

◆学級閉鎖が減る
東京都杉並区は今夏、区立小学校5校に洗面台を増設した。インフルエンザシーズンに備え、歯磨きしやすい環境を整えるためだ。
この試みは“成功体験”に基づいている。杉並区は昨年も区立小2校に洗面台を増設、歯磨きを促進する活動を行った。その結果、インフルエンザによる学級閉鎖率(全クラス数に対する学級閉鎖になったクラスの延べ数の割合)がこの2校は平均約45%にとどまった。他の41校は同79・6%だった。
杉並区は「歯磨き促進とインフルエンザ減少の因果関係はまだ実証されていないが、一定の効果はあると考えている」とし、今後も残る区立小への増設を進める方針という。

高齢者向け施設でも同様の試みが行われている。
愛媛県の病院「久保内科循環器科」(大洲(おおず)市)は昨冬から、デイケア利用者と入院患者を対象に口内ケアを取り入れた。同病院は「インフルエンザや肺炎の予防につながってほしい」と期待を込める。
こうした口内ケアを推進する取り組みは近年、全国の学校や介護施設で一般的になってきており、今後も拡大していく見通しだ。

◆次亜塩素酸水
口内ケアによるインフルエンザ対策市場への参入を狙う企業も現れた。

「パーフェクトペリオ」(栃木県小山市)は同社の歯科治療向け機能水「パーフェクトペリオ」のインフルエンザ対策への活用を試みる。強い殺菌力を持ち、消毒や食品添加物に利用される「次亜塩素酸水」を口内治療用に精製したものだ。
11月8日に徳島県で開かれた「日本ウイルス学会」では、この製品の殺菌力に注目した東京医科歯科大の研究チームが、インフルエンザウイルスに対する不活性化作用を培養細胞で調査した結果を報告した。
報告によると、口内治療向けの濃度(200ppm)では、A型インフルエンザウイルスが10秒で99%以上死滅した。濃度30%のエタノールでは同様の効果を得るまでに60秒かかったという。
研究チームの山岡昇司教授(ウイルス制御学)は「臨床研究が今後必要だが、人間の感染予防にも効果は期待できるだろう」。
同社の野口宗則社長も「虫歯菌と歯周病菌の殺菌用に開発した製品だったので、ウイルスにも効果が出たと聞いたときは驚いた。今後はインフルエンザなどの感染症対策市場にも進出したい」と意気込む。
インフルエンザの通常の予防対策に加え、歯磨きの回数を増やしたり、口内殺菌薬を活用したりして、予防力を高める心掛けも必要なようだ。

■細菌減少→感染予防に効果
口内ケアがインフルエンザ対策に有効との認識が広まったきっかけは、平成18年に東京歯科大の奥田克爾(かつじ)教授(当時)=口腔(こうくう)細菌学=らが発表した論文「口腔ケアによる細菌性酵素活性の減少とインフルエンザの感染予防」だ。介護施設の高齢者を対象に、口内ケアを実施した98人と、実施しない92人のインフルエンザ発症を調査。後者の発症が9人だったのに対し、前者の発症は1人だけだった。
口やのどに存在する細菌はプロテアーゼやノイラミニダーゼなどの酵素を生産する。プロテアーゼは口やのどの粘膜を守る層を破壊し、ウイルス感染しやすくする。ノイラミニダーゼはウイルスの細胞から細胞への感染を助長する。口内ケアで、これらの酵素を生産する細菌を減らすことができるという。

【産経新聞】



こうゆう試みをモデル事業でも良いので検証することが大切です。
by kura0412 | 2010-12-08 14:06 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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