画面のコメントの裏側には

冷たい秋風が吹く秋の民放改編・大谷 昭宏

好きな作家の伊集院静さんの言葉だったと思う。こんなことを書かれていたことがあった。「人間の品性、上品さを推し計る尺度があるとすれば、それは目の前にあるものにすぐ手を出すかどうかだ」。唐突にこんなことを書いたのは、テレビ局は恒例の秋の番組改編時期。新旧の番組の入れ替わりを見て、ふとそんなことを感じたのである。

その前に、私自身の番組改編によるスケジュールの変更をお知らせしておかなければならない。まず最初は、私が水曜日のコメンテーターをしていたテレビ朝日の「やじうまプラス!」の終了である。早朝6時からコメンテーター陣が様々、蘊蓄を傾けていたこの番組が幕を閉じ、10月から「やじうまテレビ まるごと生活情報」、通称「やじまる」に衣替えする。私は最後のスタジオで、「さて、いつからこの番組のコメンテーターをしていたのか、定かではない。それほど長かった。なんだか戸籍がよくわからなくなったおばあちゃんみたい」と話させていただいたが、少なくとも12、3年は出演していたはずだ。寂しい限りだ。
そして、もう一つ残念なことに、名古屋の東海テレビで峰竜太さんとともに7年半、土曜の朝にお送りしてきた「スーパーサタデー」も打ち切りとなった。その前身の「報道原人」から数えると、実に12年のおつき合いとなった。ただ、こちらの方はうれしいことに、局の報道担当のみなさんの計らいもあって、金曜日の夕刻、定時ニュースの「スーパーニュース」の中に「大谷主義(イズム)」というコーナーを新設して下さり、引き続き私のニュースへの思いはお伝えできることになった。東海地区のみなさま、今後ともよろしく。
改編ではなく、番組出演日のお引っ越しもあった。テレビ朝日の「スーパーモーニング」(月〜金午前8時〜)は毎週金曜日、週刊朝日の山口一臣さん、木場弘子さん、長嶋一茂さんたちと出演していたが、私だけ水曜日の出演となり、10月からは鳥越俊太郎さん、若一光司さん、それに「サンデー毎日」初の女性編集長、山田道子さんとご一緒することになった。こちらも引き続きよろしく。

さて、そこで冒頭の伊集院さんの言葉になるのだが、この秋の民放各局の改編を見ていて、この言葉を思い起こしたのだ。たしかにテレビ界は空前の不況に見舞われている。一時持ち直したというものの、年末にかけて円高の影響もあって二番底、三番底がやってくると懸念されている。そうした中で民放界が利益確保、経費削減に乗り出すのは当然のことだ。ムダを省くのは当たり前だし、これまで安易にカネを使いすぎていた面は確かにある。
だが、それが番組制作費の大幅ダウン、質の低下を招くとなると、話は別だ。秋の改編を見ていると、とにかく金を使わない。使わないどころか、番組の中でカネを稼いでしまおうという意図が見え見えのものがやたらと目につく。安売り競争にお買い得情報、格安旅行に牛丼、ラーメン戦争。デパートや大型家電量販店のオープンやリニューアルオープン。情報番組だと思って見ていると、チャッカリ紹介された会社や店のCMが入っていたりする。新聞で言うところのパブリシティー記事。この場合、新聞は紙面上段に〈全面広告〉、ないしは〈広告〉のクレジットを入れることが業界で申し合わされている。だが民放界には、そんな自主規制はなし。やりたい放題なのだ。
ただし、こんな番組は1、2か月もたたずに、カラクリを視聴者に見破られるに決まっている。カネのことしか考えない経営者や、あんまり出来のよくないプロデューサー、ディレクターに限って「主婦目線で」「お得な生活情報を」なんて口走るが、これは主婦や女性を相当バカにしている。安易な作り手が考えているより、ずっと主婦たちの目は肥えている。見離されるのも早い。釈迦に説法だろうが、民放の視聴率は、どの局がどうというのではなく、民放全体でここ数年、軒並みダウンしているのだ。

では、その人たちはテレビを見なくなっているのだろか。もうお気づきだろうが、NHKとBS、それに専門チャンネルに雪崩を打って流れ込んでいるのだ。ひところ、取材経費の不正やインサンダー取り引き、局幹部の番組介入などで受信料の不払いまで起きたNHKだが、その後、しっかりフンドシ締め直し(あっ、最近になってそのフンドシと関わりのある人に捜査情報を漏らした愚か者の記者もいたけど)かなり骨太になってきているのは、万人の認めるところだ。
十分に時間と金をかけた調査報道に、告発もののドキュメンタリー。根気のよさが実を結んだ大自然や生きものたちの映像…。テレビの前で釘付けになるのは、やはり圧倒的にNHKが多い。それに地味だけど、じっくり時間をかけて聞かせるBSの討論番組。
対する民放はどうか。私が知己を得ているテレビマンの中に、調査告発報道にすぐれた力を持っている人が大勢いる。討論番組のセッティングをさせたら、舌を巻くような手腕を発揮する人もいる。なのに、目の前でカネになる番組ばかりに手をつけてどうするんだ。

秋の改編が定着する前に、冷たい秋風が吹いてくるような気がしてならない。

【大谷昭宏事務所HP】



日頃、テレビの画面でみる鋭いコメントの裏側の本音を具間みたような気がします。どの世界も厳しいですね。
Commented by おっぱい動画大全集 at 2011-02-12 14:31 x
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by kura0412 | 2010-11-11 09:43 | 思うこと | Comments(1)

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by kura0412