日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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政策実現への一つの例

末梢血幹細胞移植、今年10月導入へ―厚労省委員会

厚生労働省の造血幹細胞移植委員会(委員長=齋藤英彦・名古屋セントラル病院院長)は8月5日の会合で、骨髄移植を推進するための骨髄バンク事業として、これまでの骨髄とさい帯血のドナー登録と移植コーディネートに加えて、新たに末梢血幹細胞移植を導入することを了承した。今年10月からのスタートを目指し、厚労省と骨髄移植推進財団が準備を進めていく。

末梢血幹細胞移植は、骨髄やさい帯血からの造血幹細胞移植と同様に、白血病などに有効な治療法の一つ。造血幹細胞は、通常の血液の中に存在するものの、極めて少ないため移植に用いることができない。このため末梢血幹細胞移植では、造血幹細胞を増やす作用のある薬剤「G-CSF」を皮下注射で4-6日間連続して投与して血液中の造血幹細胞を増やし、成分献血と同じ手法で移植に必要な造血幹細胞を採取する。
同移植のメリットは、ドナーにとっては骨髄移植のような全身麻酔による手術や自己血採血を必要とせず、移植患者にとっては骨髄と比べて造血幹細胞が多く含まれるため生着しやすい上、造血回復が早いという点が挙げられる。
 
この日の会合では、末梢血幹細胞移植の導入に向けて日本造血細胞移植学会の出席者が、2000年4月から5年にわたって、血縁者間で末梢血幹細胞移植を実施したドナーの健康状態について経過をフォローした研究結果を報告。それによると、5年のうちに見られた健康異常について、「末梢血幹細胞の提供による因果関係は否定し切れないものの、明らかなものはない」との結論に至った。また、懸念された白血病などの血液系悪性腫瘍の発生率も、骨髄ドナーと比べて有意差は見られなかったという。
こうした報告に対して委員からは、導入に向けた体制づくりや移植に当たってのインフォームドコンセントを充実させるよう要望する声が上がったほかは、おおむね好意的に評価する意見が相次ぎ、最終的に齋藤委員長が「安全性を確認しながら慎重に、段階的に導入していくことで、委員会として了承したい」と締めくくった。

【キャリアブレイン】



厚労省内に専門家を集めた委員会を作り、そこでの議論を得ればこういったことも実現可能です。
by kura0412 | 2010-08-06 09:22 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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