この時期での意見であるだけに

民主党の歯科医療改善に対する取り組み

民主党の玄葉光一郎政策調査会長は6月21日、日本歯科医師会と同連盟に「歯科医療改善に対する取り組みについて」の文書を提出した。同文書は、民主党の参院選マニフェストに歯科の文言を明記しなかったが、平成24年の次期診療報酬改定を視野に入れつつ、歯科医療改善のための歩みを着実に進めることを政権与党民主党として約束したもの。文書の要旨は以下のとおり。

民主党の「歯科医療改善に対する取り組みについて」
<略>歯科医療をめぐる厳しい状況に変わりはありません。政権党としての民主党の取り組みはまだまだ十分とはいえないとのご指摘を真摯に受け止めながら、2012年の次期診療報酬改定を視野に入れつつ、歯科医療改善のための歩みを着実に進めていきたいと考えます。
日本は欧州の先進国と比べるとその経済力と比して医療に財源を十分投入していないと言われております。今回、診療報酬が上がったとはいえ、「まだ足りない」とのご指摘は十分承知しております。少子高齢化が進む中、質の高い医療を受ける効率的な医療体制を整える一方で、財源をどう工面していくのか、国民全体の議論が必要であると考えます。
民主党は2008年6月、歯の健康の保持が高齢者をはじめとする国民の健康と質の高い生活を確保するために重要であるという観点から、「歯の健康の保持の推進に関する法律案」を国会に提出いたしました。残念ながら、まだ法制定にはいたっておりませんが、今後も幅広く議論を進めていきたいと考えております。また、歯科医師の需給問題の解消、歯科技工士・歯科衛生士の皆様の待遇改善等の取り組み、そしゃく機能障害について身体障害者手帳交付申請する際、歯科医の診断書を用いることについても引き続き検討してまいります。

<以下、略>6月24日の定例会見で、日歯の大久保満男会長はこの件に関し「今般の参院選における民主党のマニフェストについては、歯科の文言が明示されていなくとも、社会保障、特に診療報酬の引き上げに努力するということであれば、本会は了承する考えであった。今回、自民党のマニフェストも視野に入れ、あえて民主党から『今後も歯科の重要性を十分認識した上で努力する』旨の文書が提出されたことは評価したい」旨の見解を述べた。

【IDN・デンタルタイムス21速報】



選挙を意識しての意見であることは当然で、内容的には特筆するものはなくても、政権与党からの意見ですので重みはあります。果たしてこの文書が選挙結果に影響するか否か。
by kura0412 | 2010-06-28 16:24 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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