「口は災いの元” 歯周病菌 糖尿病などのリスクに 」

口は災いの元” 歯周病菌 糖尿病などのリスクに

歯の健康維持に歯磨きが大切なのは当然だが、自分の歯に合った正しい磨き方を知らない大人も少なくないようだ。専門家は「大人は虫歯に加え、歯周病にも注意を払うべきだ。軽視すると歯の病気だけでなく、糖尿病など体のさまざまな病気の引き金にもなる。これぞ“口は災いの元”」と警鐘を鳴らす。

怖い「隠れ虫歯」
日本歯科医師会の昨年の調査によると、「歯科健診を受けている」人は不定期を含めて20~69歳の36・7%にとどまった。予防歯科医学に詳しい鶴見大学歯学部の花田信弘教授は「子供のときには磨き方の集団指導を受けるが、大人は生活や口の状態がさまざまなので、一律の磨き方は言えず、歯科医による定期的な個別指導が必要」と説明する。

まず注意したいのは、菌が集まった膜「バイオフィルム」が歯にかぶさり、磨ききれない10%ほどの部分だという。
唾液(だえき)はカルシウムやリン酸を十分に含んだ“液体の歯”で、歯と唾液が接していれば歯の表面は中性に保たれて虫歯にならない。ところが、「ミュータンスレンサ球菌」(虫歯菌)と食べ物の糖を基に酸性のバイオフィルムができ、歯を覆う。すると、歯からカルシウムやリン酸が溶け出し、初期の虫歯になる。「歯科衛生士がバイオフィルムを3カ月に1度程度取り除くことが望まれる」と花田教授。
虫歯予防に活用されるフッ化物は、歯を溶けにくくするなどの効果がある。花田教授は「フッ化物は歯の表層のエナメル質には効く。ただしバイオフィルムがあると、時間をかけてエナメル質の中の象牙質に“隠れ虫歯”ができる。見た目には分からないまま、まるでシロアリに食われた床下のようにスカスカになり、いつかバリッと壊れてしまう」。歯をしっかり磨くことと、フッ化物を使うことの両方が大切だ。

血管老化も進む
「8020運動」などで高齢者でも自分の歯が残るようになった分、歯の健康管理がますます重要になる。歯周病で歯肉が下がった所にできる虫歯「根面齲蝕(こんめんうしょく)」にも注意してほしいという。

また、花田教授らの近年の研究で、「歯周病菌は口から血管に入りやすく、血管の炎症を起こし、メタボリックシンドロームと同様に血管年齢を上げる」ことも明らかになってきた。歯周病菌を基にできる物質「TNF-α」が細胞に結合すると、血糖値を下げるはずのインスリンが効かず、糖尿病につながるという。
体のさまざまな病気との関連で、喫煙や飲酒、ストレスや栄養摂取の問題が言われている。「歯周病もまた、がんや呼吸器系疾患、心臓血管疾患、肥満、糖尿病、アルツハイマー型認知症のリスクにつながる」(花田教授)
歯周病を治療すると、血管年齢が戻っていくとのデータがある。こうしたことからも花田教授は「歯科分野でも、もっとこれらの病気の予防に取り組むことができる」と提言する。

歯の“4面”を意識して
厚生労働省の平成17年歯科疾患実態調査によると、毎日歯を磨く人は96・2%。1日2回が49・4%などと複数回磨く人の割合が増え、歯の健康への意識の高まりが伺える。
ただ、回数だけでなく磨き方も重要だ。花田信弘・鶴見大学教授は最低限実行してほしいこととして、「歯科医が個別に指導する方法で、1日1回は時間をかけてじっくり歯磨きを。例えば、入浴中や新聞を読みながらなど、うまく習慣化してほしい。歯の表裏しか磨かない人が多いが、歯周病を防ぐため、歯間ブラシやデンタルフロスを併用して歯と歯の間の2面を含め、4面を磨いてほしい」とアドバイスする。

【産経ニュース】



こうゆう考え方を、もっと戦略的に国民の間に広める地道な努力が必要です。
by kura0412 | 2010-06-16 16:42 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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