日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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歯科の再生医療から

歯周病:幹細胞で歯ぐき再生、広島大がヒトで成功 患者3700万人に希望

歯ぐきが細菌によって溶ける歯周病について、患者の骨髄液から骨や筋肉のもとになる幹細胞を採取して培養後に患部へ移植し、歯ぐきを再生させることに広島大の研究グループが成功した。患者を対象にした臨床研究で、移植をした患部は4~8ミリほど歯ぐきが回復した。細胞培養技術の向上などで再生効果を高め、3年以内に厚生労働省へ先進医療を申請、実用化を目指す。
広大の栗原英見教授(歯周病学)と広大発祥のベンチャー「ツーセル」(広島市、辻紘一郎社長)の臨床研究で、18日から広島市である日本再生医療学会で成果を発表する。

30~65歳の歯周病患者の男女11人から骨髄液を採取。この中に含まれる間葉系幹細胞を培養・増殖させ、医療用コラーゲンと混ぜて歯周病患部へ注入した。11人のうち、転居などで経過を追跡できなかった3人を除く8人中6人で、歯ぐきの回復や、歯周病で生じた歯と歯ぐきの間のすき間(歯周ポケット)が小さくなった。移植した幹細胞が歯周組織となったり、もともとあった細胞の増殖を促す物質を出して自力での組織再生を後押ししたとみられる。
歯周病患者は軽症者も含めると国内に約3700万人いるとされる。今回の臨床研究は軽症者を対象としたが、今後、中・重症者でも効果が出るよう、採取した細胞からある程度組織を作成したうえで移植するなどの方法で臨床研究を重ねる。
栗原教授は「治療へ向けた基本的なスキーム(計画)は出来上がった。これを進化させてさらに効果を高め、多くの人に使える治療法を確立させたい」と話している。

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■ことば
◇幹細胞による再生医療
幹細胞を使った再生医療は、さまざまな細胞になる能力を持つ人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究が盛んだが、がん化などの副作用が課題で、病気の治療に使うには10年以上かかるとされる。一方、間葉系幹細胞はもともと体内に存在し特定の部位の細胞になる能力を持つ「体性幹細胞」の一種。副作用の危険性が小さく、治療への応用が始まっている例もある。

【毎日jp】



このニュースではいくつかのことを感じます。
まず、歯科領域も再生医療が続々と研究、開発が進んでいることを再確認します。そんな遠くない時代に、臨床応用が実現するかもしれません。
次に、この研究が大学とベンチャー企業との共同体で進められている点です。今後歯科界発展の為には民間企業とのコラボが必須です。この点、非常に興味が沸いてきます。
そして、こんなトピックスがマスコミから出てくると、歯科が何で制度上、また臨床環境がこんなにも違っているのかの疑問が残ります。
by kura0412 | 2010-03-19 08:55 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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