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日本の歯科界を診る

不要不急の歯科治療

この週末、関東圏では外出自粛が促せられ日本全体にも緊迫感が生まれています。そしてiPSの山中先生が、この戦いは1年は続くのではないかと予想され波紋を呼んでいます。先生の専門外である分野であるのに非常にインパクトがあり、同じ気持ちになっています。
臨床の現場ではアルコール消毒液、マスクの不足などの課題はあるものの、長期戦となったら医療の現場の混「がどれまで続くか、医療崩壊への道へ進むのか。そしてその中で、それぞれの診療所は出来るのか。そんな先のテーマが浮かんできています。
特に喫緊の課題としては、緊急事態宣言が発せられた時に、歯科医療全体が不要不急に当てはまるのかという点が考えられます。ちなみに米国CDCは「歯科診療施設は診療、手術、緊急に不要不急でない通院を延期し、今後数週間にわたって緊急の通院と診療を優先する」ことを勧告してるとのことです。
# by kura0412 | 2020-03-28 16:05 | コラム | Comments(0)

中国「マスク外交」波紋 欧州、歓迎の一方で警戒感

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な欧州で、中国の政府や企業によるマスク提供などの支援が波紋を広げている。支援を歓迎するチェコやイタリア当局が、中国との間で抱える外交問題への姿勢を緩和し始めた。一方で発生源などを巡る中国の論調を警戒する声もある。中国の「マスク外交」は欧州との関係を揺るがす新たな火種になりかねない。

3月上旬、チェコのバビシュ首相はプラハの中国大使に激怒し、北京に大使の交代を要求した。その数週間後には、首相とハマーチェク内相は中国大使館と同国大使を称賛していた。
態度が豹変(ひょうへん)したのは、中国が先週末、チェコ当局による新型コロナの感染抑制を支援するため、110万枚のマスクと人工呼吸器を空輸したことと無関係ではない。ハマーチェク内相はツイッターで「支援してくれた中国に感謝する」と投稿した。
報道によると中国大使はチェコの政治家が台湾を訪問した場合、中国で活動するチェコ企業を罰すると脅迫していた。逼迫していた物資の提供のおかげで、チェコ当局はこの脅しの問題を少なくとも脇に置いたようだ。
こうした事例は欧州全体に広がる。中国内で感染率が低下し、パンデミック(世界的な大流行)の新しい震源地として欧州が台頭するにつれ、中国政府や華為技術(ファーウェイ)のような大企業でさえ、援助に乗り出している。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は先週、イタリアのコンテ首相に、広域経済圏構想「一帯一路」とともに「健康のシルクロード」を作りたいと語ったと伝えられる。イタリアのディマイオ外相は中国を念頭に「この困難な時期に私たちの近くにいた人たちを覚えている」と述べた。

だが、このソフトパワーが外交上の利益につながるという兆候は、反発を呼ぶ兆しに取って代わられようとしている。
独調査機関メルカトル中国研究所のアナリスト、ルクレツィア・ポゲッティ氏は中国の「マスク外交」について、短期的には「ソフトパワーの勝利」を獲得できる可能性があると考える一方、「行き過ぎた外部宣伝は、すでに起こっているように逆効果になる可能性がある」とも指摘する。
米軍が感染症を中国に持ち込んだのかもしれないと主張した中国外務省の趙立堅副報道局長らの「陰謀論」に対しては、一部の欧州当局者の間で警戒感も広がっている。
スウェーデンのフルトクビスト国防相は中国とロシアのメディアが危機への対応を傷つけるための偽情報キャンペーンに従事していると警告した。欧州連合(EU)の主席外交官であるボレル外交安全保障上級代表は「事実を踏まえて、われわれは中傷者から欧州を守る必要がある」と指摘した。

真偽にかかわらず、今では中国の当局者や企業が欧州の危機を利用しているという認識が広がっている。
先週、ファーウェイがオランダにマスク80万枚を寄付したと報じられた。6月にアムステルダムで予定される次世代通信規格「5G」の電波割り当ての競争入札が動機なのかと疑う声もある。オランダ当局は、スパイ行為の懸念を理由にファーウェイが5Gのインフラを開発することを禁止した米国や他の欧州諸国と協力するかどうかをまだ決めていない。

(日経新聞)


なかなか手に入らない理由の一つかもしれません。まんざら中国が欧米に持ち込んだだという考えもあるのかもしれません。
# by kura0412 | 2020-03-27 11:41 | 政治 | Comments(0)

日歯が自民党・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部に対して下記の早期の対応を求めました。

1.歯科医療機関へのマスク、消毒用エタノール等の基本的衛生用品の緊急配布
2.今後の感染拡大で流通の停滞が進み、一般的医療材料・機器の供給不全を起こすことへの対応
3.法で定められた学校歯科健診実施期限(6/30)の延長と健診時の感染防御支援
4.診療後、患者の感染の判明等で、医療機関を閉鎖する際の保障
5.診療従事に起因して歯科医療従事者に感染があった場合の保障
6.介護施設等での口腔健康管理を含む必要な歯科医療の適切な確保
7.感染が判明した患者に対する後方支援等、必要な歯科治療体制の整備と支援

最後に、歯科界として国民の健康と生活を守る立場で責任を果たす決意を示し、いっそうの連携強化を求めました。

(日本歯科医師会HP)



マスク、消毒薬他衛生用品全般に今後の確保に目途が立っていません。また、個人的には⑥の対応に苦慮しています。
施設によっては入所を嫌い診療が中断している所もあります。本来ならばこの時期だからこそ重要なのですが、私の力不足で聞き入れてもらうことは出来ません。公的な部分でその重要性を示唆してもらえば違うと思うのですが。
# by kura0412 | 2020-03-21 11:08 | 政治 | Comments(0)

介護崩壊の懸念

死亡の施設から受け入れ拒否も ケアマネ「介護崩壊」懸念 新型コロナ

クラスター(感染者集団)の発生が疑われる兵庫県伊丹市の介護施設「グリーンアルス伊丹」は9日から休業している。感染者以外の利用者については他の受け皿を探す必要があるが、介護業界は慢性的な人手不足の上、感染を恐れる他施設が受け入れを敬遠する傾向もあり、地域のケアマネジャーらは「医療崩壊より先に、介護崩壊が来る」と危機感を募らせている。

同施設には約150人が利用するデイケアサービスと約90人が利用する入所サービスがある。感染者が出たデイケア事業は9日から休止され、職員と利用者は自宅待機となっている。
「グリーンアルス伊丹の利用者が他のデイサービス施設から『来ないで』と言われた」「訪問介護を担うヘルパーが利用者の家に行きたがらない」
宝塚市ケアマネジャー協会会長の山内知樹さん(44)には、市内のケアマネから多くの相談が寄せられる。中には、ヘルパー自身が施設利用者の家族というケースもあり、「直接の濃厚接触者ではないが、出勤させていいのか」と悩んでいる事業所もあるという。
「今は一つの施設だけだが、今後営業を自粛するデイサービスが出るかもしれない」と山内さん。そうなれば、介護業界の慢性的な人材不足がさらに加速し「介護を必要な人がサービスを受けられなくなる事態になりかねない」と危惧する。

(神戸新聞)



確かにデーサービスはリスクが高く、診療所の心配よりも介護現場の方が更に深刻です。私が訪問する介護施設でも厳戒態勢です。
# by kura0412 | 2020-03-14 09:51 | 介護 | Comments(0)

日本医療国際化機構がマスクの配布を担当 日本歯科医師連盟にマスクをお届け

一般社団法人日本医療国際化機構(本部:東京都千代田区、理事長:蒋 暁松、以下 当機構)は、2020年3月9日(月)、中国電子商取引大手のアリババグループの創業者、馬雲(以下 ジャック・マー)氏によって寄贈されたマスク100万枚のうち、一部を日本歯科医師連盟(本部:東京都千代田区、会長:高橋英登様)に贈呈しました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本国内ではマスクの品薄状態が深刻化しています。とりわけ一部の医療機関においては、患者増加や感染症対策強化に伴い、調達に苦慮するケースも多いようです。日本政府は、国内メーカーに対しマスクの増産を促すなど、対策を講じていますが、解消にはまだまだ時間がかかると予測されています。このような背景の中、アリババグループの創業者、ジャック・マー氏は、2020年3月2日(月)、医療機関向けを想定した100万枚の高機能マスクを日本に寄贈することを発表しました。
この度、寄贈されたマスクの配布実務を当機構が請け負っており、配布先や枚数については、マスクの受給ひっ迫度合いや、人口や感染者数などの諸事情を勘案した上で決定します。今回は、マスク不足の影響が特に大きい医療機関の支援となるよう、日本歯科医師連盟を選定し、同年3月9日(月)着にてマスクを送り届けました。配布する先の選定や配布方法、時期に関しては同連盟に一任しています。
今後も、全国でマスクが不足している場所の支援となるよう、様々な地域や機関に対して迅速に配布していきます。

■ジャック・マー氏からマスクを寄贈された経緯
2020年2月初旬、ジャック・マー氏は、医療物資の需給がひっ迫していた中国に対し支援を行うため、日本の防護服調達のために、当機構を通じて二階幹事長と連絡を取り、防護服を確保してもらえれば、同グループで買い取ると伝えました。二階幹事長はこれを受け、日本の各方面に当たり、12万4,200着の防護服を確保し、中国に無償で寄贈したいと申し出ました。最終的に、10万着を日本側東京都からの寄付とし、2万着あまりを同グループが買い取り、同年2月9日(日)、中国に送付しました。
同年3月2日(金)、防護服の寄贈を受けたお礼とし、ジャック・マー氏が設立した「馬雲公益基金会」と「アリババ公益基金会」によって調達されたマスク100万枚が、日本と二階幹事長に寄贈されました。

■日本医療国際化機構について
日中に跨る健康・医療事業を手がけてきた中で培った経験を活かし、日本政府が国策として推進する医療のアウトバウンド事業と歩調を合わせながら、社会貢献活動としてそれを補完あるいは推進するべく、この社団法人を設立しました。中国における豊富なネットワークを活用し、日本の医療資源を中国に繋ぎ、日中間の健康・医療に関する交流をプロモートし、その他のアジア諸国にその成果を伝えていく役割を担っていきます。

(日本医療国際化機構)
# by kura0412 | 2020-03-10 16:06 | 歯科 | Comments(0)

いま、臨床の現場で先生方の頭を悩ませるのは、マスク、消毒液不足もさることながら、金パラの問題です。とんでもない状況になっており、我慢を遥かに超えています。
この問題、先日自民党組織本部からの各団体への要望要求の回答の中にこの項目が入っていませんでした。中医協での議論なのかどうか細部は分かりません。政治マターのテーマと思うのですが、どうなのでしょうか。
この苦しさは歯科医師でないと分からない点です。現在、日歯連盟では職域代表議員がいませんが、歯科医師の籍を持つ国会議員への期待はもっています。この問題が解決しなければ、その実現に苦労されたと推測する初再診アップなどは軽く吹っ飛びです。
# by kura0412 | 2020-03-06 15:15 | コラム | Comments(0)

マスク不足、解消なお時間 国内流通の7割が中国製 中小は増産投資に慎重

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、マスクの品薄の状態が続いている。国内で出回るマスクの7割は中国製で、中国からの出荷が滞っているのが一因だ。国内メーカーは増産に動くが、政府が補助金を通じて促す設備投資には多くの企業が慎重だ。花粉症流行期とも重なる中、政府がめざす「月6億枚」を達成しても品薄解消につながるかは不透明だ。

政府は2月中旬、「24時間生産などの態勢強化で毎週1億枚以上供給できる見通しができている」とした。1億枚は通常の2~3倍でマスクの品薄解消が期待されたが、ドラッグストアなどの棚の光景はあまり変わっていない。
衛生用品メーカーの日本バイリーン(東京・中央)が5割超の増産に動くなど多くは生産量を増やしている。マスクが医療機関に優先的に供給されているとはいえ、メーカーが増産しても店頭の品薄が解消しない背景には3つの理由がある。
1つは中国依存度の高さだ。
日本衛生材料工業連合会(東京・港)によると2018年度に国内向けに出荷された55億枚のうち、国産は2割だけで、7割を中国からの輸入に頼る。中国企業に委託生産する鴻洋貿易(滋賀県栗東市)は1月末、「6月末までマスクは日本に回せない」と言われたという。
さらに中国も日本製を買い集めている。
中国のある卸売業者は1月下旬、日本バイリーンに平時の5倍の生産を打診してきた。同社は製品不足を理由に断った。越境電子商取引(EC)サイトのラクーンホールディングスでは、2月上~中旬の海外向けのマスク売上高が前年同期の40倍超になった。
3つ目が業界の構造的な問題だ。
経済産業省は増産テコ入れへ設備投資するメーカーに最大3000万円を補助する。「問い合わせは相当数」(経産省)なのに、現時点で支給が決まったのはハタ工業(石川県かほく市)など3社だけだ。国内メーカーは中小企業が多く、特需に対応した追加投資には慎重だ。

あるメーカーは補助条件が3月末までの設備の導入という点に触れ「使い勝手がよくない」と指摘する。ユニ・チャームは24時間体制で通常の2倍の週2500万枚弱を生産する。4月までに1000万枚を追加増産するが使うのは遊休設備。「新設備を入れると1年近くかかる」(高原豪久社長)ためだ。
背景には労働力の不足もある。興研は神奈川県中井町の工場で、2カ月限定で夜間労働者約10人を臨時採用したが「従業員の教育に時間がかかる」。ユニ・チャームもナプキンや紙おむつなど他部門からかき集めた。
政府は3月には月6億枚超の規模にする方針を打ち出した。足元が週1億枚と月換算で4億~5億枚のため、さらに1~2億枚上積みする計算だ。
シャープが3月半ばから1日15万枚の生産を始めるなど異業種の参入もあり、政府目標の6億枚の達成には近づいている。だが業界で正確な数字が把握できておらず、「6億枚で十分かもわからない」(日本衛生材料工業連合会)との声もある。

(日経新聞)



マスク不足に頭を悩ますのはまだ続きそうです。
# by kura0412 | 2020-03-04 09:42 | 医療全般 | Comments(0)

安倍首相は小中高校の休校要請を行いました。
突如として出来てきたこの要請ですが、昨日横倉日医会長との会談で要請されています。ひょっとすると、厚労省の意見を超えて横倉会長の意見に耳を傾けた可能性があるようです。
今回の対応での厚労省へに対して、既にマスコミの中でも疑問視している意見も出ています。初めての、それもこれだけ世界を跨ぐ大規模の感染であっても、確かに厚労省の技官であっても感染症のことを熟知している職員が何人いて、どこまで議論をしていたかは疑問です。そんな実情を知ることなく、専門的な問題だから、厚労省、医師免許をもつ技官を信頼していたことは分かっても、その実際はどうなっているのでしょうか。終息の目途がたってないこの問題ですが、無事終えたとしても厚労省に対して、組織的な点も含めて議論が出てきそうです。


# by kura0412 | 2020-02-28 11:23 | コラム | Comments(0)

「エアロゾル感染」

新型肺炎は残念ながら市中肺炎レベルまで広がりました。したがって歯科医療の現場にいる我々も感染の可能性が高まりました。そして昨日、歯科医師会から新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、その対応についての事務連絡が届きました。
・(略)疑いある患者が直接来院した場合は、最寄りの保健所に連絡の上、対応について相談すること。
・院内全体で標準予防策の徹底を図ること。
・最新の情報については厚労省のホームページで確認すること。
となっています。
この文面からはその緊張度も伝わりません。無論マスク不足への対応どころか具体的な示唆もなく不安が募るばかりです。
加えてエアロゾル感染への対応として、日本環境感染学会は、起動吸引や気管管乳などのエアロゾル発生手技に関してはN95マスク装着を推奨しています。
幸いにして発生地である武漢での状況は別にして、万が一感染したとしても現時点では重篤となる可能性は低く症状は軽微です。しかし、この話題がマスコミに面白おかしく市民に伝わった時どのような反響となるかは分かりません。
今回の国の対応は明らかに遅れており、その終息後は、危機管理としても改めて新型感染への対応への再考が必要です。歯科界も同じではないでしょか。


# by kura0412 | 2020-02-15 12:06 | コラム | Comments(0)

新型肺炎の対応見ているとシュミレーションやっていなかったのか?と政府の危機管理対応に疑問を感じてしまいます。特に厚労省のスピード感のない対応は非難されても仕方ありません。感染というある意味厚労省の聖域で、周囲関係者も遠慮があったのかもしれません。それでも安倍首相の英断なかったら、、、
まだ進行中ですが、この問題が一段落したら、感染対応も官邸主導となるでしょう。加えて、安倍一次政権での年金問題からの安倍首相の厚労省への不信感が更に増長しそうです。
# by kura0412 | 2020-02-13 17:33 | コラム | Comments(0)

2020年度診療報酬改定が2月7日に答申されたのを受け、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は同日、厚生労働省内で記者会見をした。

【日本歯科医師会会長の堀 憲郎氏】


日歯会長の堀憲郎氏は、「課題が残るものの、目指す方向性への理解が得られ、国民のための診療報酬改定にすることができたと評価をしている」と述べ、その具体例として歯周病を含む歯科疾患への長期継続管理加算の新設、歯周病重症化予防治療、周術期等口腔機能管理における医科歯科連携の推進の評価などを挙げた。
 
今改定は、限られた財源の中で、今、歯科に寄せられている期待に応えるために、中医協、社会保障審議会でも、日本歯科医師会の考えを示しながら、対応してきた。結果として幾つか課題が残るものの、目指す方向性への理解が得られ、国民のための診療報酬改定にすることができたと評価をしている。

今改定で掲げてきた課題は、前改定からの継続課題も含め、第一に重症化予防、全身の健康との関わり、健康寿命の延伸に向けたかかりつけ歯科医機能の充実、具体的には長期継続管理の評価、在宅歯科医療の推進、口腔機能低下への対応があった。第二に、全身の疾患に関わる歯周病の予防の推進。第三に、評価の低い歯科の初再診料の見直し、国際的にも低評価である歯科固有の既存の技術評価の見直し、入院日数の削減等、医療ニーズの総量の縮減に資する周術期等口腔機能管理の推進とそれに関する医科歯科連携の強化――を課題として挙げてきた。

議論の結果としての今日の答申としては、次のように総括している。まず重症化予防、全身の健康との関わりについては、理解が得られ、一定の評価があったことを成果と考えている。具体的には、歯周病を含む歯科疾患への長期継続管理加算が新設された。これは目指す方向への一つの大きなポイントと受け止めている。在宅歯科医療の推進の視点では、小児在宅患者、非経口摂食患者への対応等、これは生涯を通じて患者に寄り添う方向性や、他職種との連携が評価されたということで、重要な成果だと思っている。歯周病の予防の推進は、歯周病重症化予防治療が新設された。これにより、ある程度軽い軽度の歯周病についても、継続な管理が行えるため、全身の疾患についての影響からも重要なポイントだと考えている。初再診料については、評価の引き上げがなされた。また歯科固有の技術料も約50項目の引き上げが行われた。これは評価をする一方で、まだ決して十分ではなく、今後も適切な評価を求めていきたい。入院日数の削減など、医療ニーズの総量の縮減に資する周術期口腔機能管理の推進、医科歯科連携の強化についても周術期患者の医科からの予約に対する加算の新設など、推進に向けての方向性が共有されたと認識している。

メタルフリー、パラジウムフリーの材料、医療技術について、今回はメタルフリーの材料である、CAD/CAM冠の適応拡大が認められ、一歩進んだ形になったと受け止めている。また今改定では評価がなかったが、医療技術提案としては、評価すべき技術とされた複数のメタルフリー技術がある。改定後も継続して議論していきたい。

課題としてきたもう一つの臨床の医療を窮屈にしている算定ルールの見直しも、撤廃も含め幾つかの点で是正が図られたと評価をしている。

最後に今後の課題だが、一つは歯科衛生士の配置、これを施設基準としていることの見直しを求めてきた。これについては、問題意識は共有できたものの、今改定では一部の見直しにとどまった。初再診料、既存技術の評価ともに今回の引き上げではまだ十分ではない。これらを次期改定に向けた課題として引き続き取り組んでいきたい。


(m3.com)


# by kura0412 | 2020-02-08 14:58 | 医療政策全般 | Comments(0)

金パラ、マスク

中医協から厚労大臣に診療報酬改定の答申が出ました。
最近の改定は算定要件が多く、点数は付いてもプラスかマイナスがよく分かりませんのでコメントは今日は控えます。
そして今歯科で臨床現場で最も問題となっている金パラが、実態価格との剥離が多少でも緩和されたかどうかの方が気になります。本来ならばこの問題を一つの歯科独自の課題として、何がしかの新たな動きにすることことも可能でした。果たしてどうだったのか。
改定とは別の問題となって臨床現場で浮上してきたのがマスク不足です。
出入りの材料商、通販どこ探してもありません。と困っていたら、回りまわってきた厚労省からの「新型コロナうウイルスに関連した感染症の発生に伴うマスク等の安定供給について」と題する事務連絡。
マスク着用を推奨しておきながら「マスクについては1月28日付け投下事務連絡にて関係業界団体を通じて増産要請を行ない、現在、各社とも24時間体制で増産に当たっていますが、現場の需要を満たすには未だ時間を要する見通しです。」
現在、日常臨床現場で使用するのは中国、東南アジア製であって、日本に回ってくるのは果たしているになるのか全く分かりません。もし、国内製が回ったとしても、とてもじゃないが経費がかさみ、簡単に使えるものではありません。事務連絡出したから責任ないとでも言いたいような実態です。
とにかく現場を分かっていない、考えていない象徴的な案件です。


# by kura0412 | 2020-02-07 17:06 | コラム | Comments(0)

口腔、栄養、排泄で介護報酬のアウトカム評価拡大を検討・厚労省

既存の加算の取り組み状況や効果などを分析するための調査を来年度に実施する。結果の一部を来秋にまとめ、改定をめぐる議論のエビデンスとして活かしていく。
24日、こうした計画を社会保障審議会の分科会で提案。委員から大筋で了承を得た。
介護報酬のアウトカム評価の拡大は、健康寿命の延伸や給付費の適正化を目指す政府全体の方針。利用者の自立支援、重度化防止につながる効果的なサービスの提供を促し、現場に広く浸透させていきたいという思惑がある。 厚労省は24日の分科会で、既存の加算の分析を通じて新たなアウトカム評価を導入する道を探る調査を、今年4月からスタートさせると説明。「栄養管理、口腔機能の維持、排泄支援などの既存の加算について、アウトカムに基づく加算へ移行することが可能かどうかを検証する」との構想を明らかにした。
あわせて調査の着眼点も提示。「加算の効果を適切に評価できる信頼性・妥当性が担保されたアウトカム指標が存在するか?」「アウトカム評価に必要なデータを事業所から収集できるか?」などをあげた。 厚労省は例えば、通所介護や特養などの加算を検討の対象に含めることを想定している。調査の詳しい設計は春頃に決める予定。結果の最終報告は来年度末となるが、改定の議論に役立てるため今年9月にも速報値を公表するという。
介護報酬のアウトカム評価をめぐっては、利用者のADLを維持・改善させた度合いが一定のレベルを超えた事業所にリターンを与える「ADL維持等加算」が、2018年度の前回改定で通所介護に創設された。厚労省は次期改定を見据え、この「ADL維持等加算」の改良に向けた議論も進める構えをみせている。

(JOINT)


この時期介護改定の動きを踏まえての今回の医療保険改定となっているのか否か。追い風を加速させる大きなポイントです。

# by kura0412 | 2020-01-27 17:04 | 介護 | Comments(0)

75歳以上の医療費2割負担、線引き焦点に 議論始動

後期高齢者の2割負担の新設をめぐっては、対象となる所得水準が最大の焦点となる

安倍晋三首相がめざす「全世代型社会保障」を巡り、医療制度改革に向けた具体的な制度設計の議論が20日、始まった。一定の所得がある75歳以上の後期高齢者が医療機関の窓口で払う自己負担の割合をいまの1割から2割に引き上げる方針で、対象者の線引きが焦点となる。2割負担の人が多いほど現役世代の負担は和らぐが、後期高齢者の負担に配慮して対象を絞る可能性がある。

政府は201912月、首相が議長を務める全世代型社会保障検討会議で、22年度までの医療制度改革の方向性を決めた。(1)後期高齢者の2割負担の新設(2)紹介状がないのに大病院を外来受診した患者から特別料金を徴収する制度の拡大――の2つが大きな柱だ。

厚生労働省は20日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療部会など複数の会合で議論を進める。今夏までに制度の詳細を詰め、秋に想定される臨時国会に関連法案の提出をめざす。

後期高齢者の2割負担の新設では、対象となる所得水準が最大の焦点となる。介護保険制度では年金のみで年収280万円以上の人は2割負担、340万円以上の人は3割負担になる制度を導入している。18年度末で2割負担は34万人、3割負担は26万人。2割負担の人は要支援・要介護の認定を受けた659万人の5%程度だ。

後期高齢者のうち18年度に年金だけで年280万~350万円の収入があった人は約110万人と、全体の6%程度を占めた。制度全体でみれば高齢者の自己負担が増えるほど、現役世代の負担を抑えることができる。

ただ個人でみれば対象となる後期高齢者の窓口負担は倍増する。自民党は19年末にまとめた提言で2割という数値を明記せず、単に「引き上げる」と記した。公明党も「1割負担が基本」とした経緯があり、負担増の実現は簡単ではない。

現行では後期高齢者でも現役並みの所得があれば医療の窓口負担は3割となる。この現役並みとする所得水準の見直しも議論になりそうだ。高齢夫婦2人世帯の場合は年収520万円以上が対象。この線引きだと、例えば年収500万円なら対象から外れるが、財務省は「相当の収入があっても現役並みと評価されていない」と指摘し、見直しを求めている。

20日の医療部会では主に紹介状がないのに大病院を受診した患者から特別料金を徴収する制度の拡大について議論した。

対象の病院をどこまで広げるかなどが検討課題だ。現在は高度な医療を提供する「特定機能病院」と、地域医療の拠点となる「地域医療支援病院」のうち400床以上の420施設が対象。紹介状がない患者から初診の場合5千円以上の追加料金を徴収している。対象拡大は、まずは地域の診療所を受診してもらい、大病院は入院や手術といった高度な医療に重点化してもらう狙いだ。

全世代型社会保障検討会議では22年度までに特定機能病院と地域医療支援病院に限らず、200床以上の一般的な病院にまで広げるとした。2000程度、対象数が増える計算だ。初診の場合に最低5000円としている特別料金についても、千円以上引き上げる。病院の収入に回さず、保険財政の健全化に充てる。

20日の部会では病院の団体から「制度の拡大で患者の行動がどう変化するか、しっかりしたシミュレーションをしてもらいたい」と慎重な検討を求める意見が相次いだ。

(日経新聞)


中間報告書の中には歯科関連がかなり盛り込まれています。この夏の最終報告に向けて具体的な政策を含め歯科界の議論が必要です。


# by kura0412 | 2020-01-24 14:28 | 歯科医療政策 | Comments(0)

もっと危機感を

日本を代表するトヨタが危機感を募らせているとの話を聞きました。年間2兆円もの利益を生む大企業が何故?と考えましたが、5Gなどの発達によって、IT企業が車の世界に飛び込むことへの懸念があるからだそうです。昨日発表された静岡での試みはその一環です。
然るに歯科界に目を向ければ、現実の窮状に目を向けず、将来への危機感が全くなく、裏付けのないままの理想論の列挙のままです。この差は歴然と将来の結果に導かれるでしょう。歯科界はもっと危機感をもつべきです。



# by kura0412 | 2020-01-09 17:15 | コラム | Comments(0)

私の診療所は本日をもって今年の診療を終えました。
今年は春に腰を痛め、その為日課にしていたワーキングが出来なくなり、私的には体調面に課題の残った1年でした。
では、歯科界にとってはどうだったか?
将来的な方向性は見え始めてきましたが、それぞれの足元をみると、更に脆弱になってきたようなイメージをもっています。
そしてもう一点感じたのは、若いエネルギーが目の前のことだけで、自分たちが先頭になった時の展望とそれを可能にするための現時点での若い声が聞こえてこないことです。無論、その若い声を引き出す務めを怠っている現在歯科界をリードするたちがの方の反省も必要です。
これらのことを意識しながら、このブログにも取り組みたいと思います。
そして来年は、体調面を留意して、元気印老人となるべく準備に務めたいと考えています。

1年間本ブログにお付き合いいただきありがとうございました。良いお年をお迎えください。



# by kura0412 | 2019-12-30 11:34 | コラム | Comments(0)

医療改革、仕掛けた首相 「全世代型」へ負担増にかじ

13日、首相官邸5階の首相執務室。財務省から医療費の負担上げの説明を受けた首相、安倍晋三(65)が指示した。「何をやっているんだ。受診時定額負担の文言は絶対に落とすな」
医療の負担増は2012年12月に発足した安倍政権で避け続けてきた課題だ。それが一転、安倍は負担増をけん引する姿勢に転じた。

異変が起きたのは2週間前、11月26日の自民党本部だった。全世代型社会保障のとりまとめを担う首相側近の一人、経済財政・再生相の西村康稔(57)が党政調会長、岸田文雄(62)を訪ねた。「75歳以上の医療費の2割負担、受診時定額負担の両方を12月の中間報告に盛り込みたい」
全世代型社会保障は安倍が今年9月の内閣改造時に「大胆に構想する」と表明し、検討会議を発足させた。子育てや年金、医療、介護などを包括的に見直す方針を掲げた。当初は年金の受給年齢を柔軟にするといった年金改革が目玉になるとみられていた。

西村・岸田会談を終えた11月26日夕、首相が議長を務める検討会議で局面が変わった。
元総務相の増田寛也(68)が長年、日本医師会が強固に反対していた受診時の定額負担について「開業医の8割強、勤務医の9割強が賛成だ。そのほとんどが1000円以上の定額負担に賛成している」と発言した。
医療制度改革を仕掛けたのは、安倍本人だった。1カ月前の10月末。「改革は医療も含めてパッケージでやらないと」。安倍は周辺に医療改革への意欲を語った。
高齢者の負担を増やさなければ現役世帯の保険料に跳ね返る。全世代型社会保障の看板を掲げる以上、現役世帯の負担を極力抑えたいとの政策的な考えがあった。
政権運営上の理由も大きい。安倍は11月、首相の通算在任日数で桂太郎を抜き過去最長になった。同じく歴代最長の官房長官、菅義偉(71)と第2次政権が発足してから交わし続けてきたのは「社会保障改革は政権の最後にやろう」との方針だった。
安倍の党総裁の任期は21年9月まで。厚労省は21年通常国会の法案提出を想定していたが、自らの手で確実に法案成立が見込めるのは20年のうちとなる。安倍は増税使途を変えて実現した幼児教育無償化とあわせ、社会保障改革を20年中にメドをつける政治日程を組み立てた。
この方針はほどなく政権幹部で共有される。11月29日午後、安倍は執務室に菅、西村、厚生労働相の加藤勝信(64)を呼んだ。「来年の通常国会への提出は難しいです」。加藤は医療の負担増に慎重な省内の空気を伝えた。安倍にとって厚労省は第1次政権で年金記録問題に悩まされた「政権の鬼門」といえる。
約1時間に及んだ議論の末、安倍は結論を下した。「医療も応能負担にしなければいけない」。加藤の意見を尊重して法案提出は20年秋の臨時国会に遅らせつつ、75歳以上の後期高齢者の医療費に新たに2割負担を設ける方向性が固まった。

難題も抱えた。安倍が蜜月関係を築く日本医師会会長の横倉義武(75)との関係だ。医師会の会長選は20年6月。「仮に横倉氏が会長選に出馬することになれば、医師会が強固に反対してきた受診時の定額負担は難しい」との懸念が広がった。
浮かんだのは医師会への配慮だった。すべての病院で少額の定額負担を求める「ワンコイン制度」の導入は先送りし、大病院に限定した追加負担に切り替えた。12月19日の全世代型社会保障検討会議で決定した中間報告の最終案は「定額負担の拡大」の文言を盛り込んだものの、「ワンコイン」の記述はなくなった。
75歳以上の医療費2割負担には与党が反発した。「党をまとめるのはそんなに簡単じゃないぞ」。岸田は5日、説明にきた財務省幹部に伝えた。10日の党会合では「拙速に進めたら失敗する」との慎重論が相次ぎ、最終的に対象範囲は「一定所得以上」に狭まった。
通常国会、秋の臨時国会と年間を通じて社会保障改革が刻まれた20年の政治カレンダー。安倍は同年8月に大叔父、佐藤栄作の記録を塗り替え、連続でも最長政権となる。安倍は内政の総仕上げへとカジをきったが、全世代型社会保障の名にふさわしい改革の実現は道半ばだ。(敬称略)

(日経新聞)



改定率に躍起になっている中、こんな動きがあったようです。歯科界では話題のも上がっていませんでした。歯科にとって全世代型社会保障とは何ぞや?
# by kura0412 | 2019-12-20 09:24 | 政治 | Comments(0)

歯科は+0.59%

結局歯科は診療報酬+0.59%と公表されました。
これに果たして高騰続ける金属部分が上澄みされるか否か。
# by kura0412 | 2019-12-19 11:56 | コラム | Comments(0)

診療報酬改定、0.55%上げへ 医師の技術料部分

政府は13日、2020年度予算編成で焦点の診療報酬改定で、医師らの技術料にあてる部分を働き方改革に使う財源も含めて0.55%増やすことで最終調整に入った。このうち0.47%分は医療機関や調剤薬局の収益に回る。残る0.08%分は勤務医の働き方改革が必要な病院に充てられる方向だ。薬剤費の抑制で全体ではマイナス改定となり、国民負担は軽くなる。
13日に安倍晋三首相と麻生太郎財務相、加藤勝信厚労相らが協議し、最終調整に入った。0.55%は18年度の前回改定(0.55%)と同水準となる。

診療報酬は医療従事者の技術料や人件費にあたる部分と、薬剤料などにあたる部分に分かれている。技術料部分を巡っては、日本医師会の横倉義武会長が医療従事者の賃金を上げるために前回並みの水準を求めており、財務省も一定の配慮をした。
もっとも、このうち0.08%分は病院勤務医の働き方改革に活用するため、配分先は病院に限られる見通しだ。大病院の勤務医は長時間労働が深刻で、医療職の採用を増やして業務を分担し、負担を軽減してもらう。
診療報酬のもう一つの要素である薬剤料部分はマイナス改定とする。技術料部分のプラス0.55%よりもマイナス幅が大きくなるため、全体ではマイナス改定になる。
診療報酬は公的医療サービスの対価として医療機関が受け取る収入にあたり、2年に1度改定している。診療報酬を1%増やすと医療界全体で4500億円ほどの増収になる。医療費の財源構成は25%程度が国費で、10%超が患者負担だ。診療報酬のプラス改定は国費の歳出増や患者の負担増を意味する。

(日経新聞)




0.08%がほぼ病院となると実質歯科は0.47%+α(医科歯科比率がそのまま残るとして)となります。また歯科は1%アップだと315億円(7%として)ですので、148億+α円となります。「前回の改定率の3倍」は根拠のある話ではなかった感じです。
# by kura0412 | 2019-12-17 16:27 | コラム | Comments(0)

「歯」から「口腔」へ

社保審で20年度改定の基本方針が公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08316.html
目につくのは「歯」ではなく「口腔」というワード。
時代の変化に即した点では評価できますが、果たしてどれだけの予算枠を確保して、身になる点数評価となるか。そしてその流れを22年度改定にどう繋げるるのか。歯科界の総合力が問われます。
# by kura0412 | 2019-12-12 16:55 | コラム | Comments(0)

一般紙に「22年度高齢者2割負担」とのトップ見出しをみると、あらためて今回の改定は、前回のW改定、そして団塊世代が後期高齢者となる次回改定との間に入るという点を再確認します。今回改定のない介護でも大きな議論があるように、あくまでも次回改定の地ならし的な意味合いがあるようです。財源は薬価、調剤の深堀りでねん出するようですが、大きな改正は次回廻しになるようです。
果たして歯科において、今回の改定の位置づけをどう考えているのかは分かりませんが、ある意味不安が募ります。
一方、フレイル、口腔機能低下症などが話題になっていますが、この点が改定と絡むのか、別建てで進むのか、この点が注目です。
間もなく政府予算案が公表されるこの時期ですので、政治的な折衝の段階だと思います。この点はよく見えない部分ですので、結果をもって判断するしかないようです。
# by kura0412 | 2019-12-04 13:43 | コラム | Comments(0)

IT企業と医療

米中の巨大IT企業が狙う医療スタートアップ

米グーグルの持ち株会社米アルファベットや米マイクロソフトなどの巨大IT(情報技術)企業が、医療関連のスタートアップに積極投資している。彼らが商機を見いだしているのが、新薬開発から病院まで様々なところで無駄が目立つ医療業界の非効率性だ。そこに新興企業のデジタル技術でメスを入れ、新ビジネスにつなげる考えだ。どんな企業にITマネーが流れ込んでいるのか、大手IT企業の投資動向をまとめた。
ヘルスケアは規模が大きく、非効率的な業界だ。米国ではこの業界の規模は国内総生産(GDP)の19%に上るが、一部の研究によると支出の20~25%が無駄だとされる。
こうした効率の悪さは業界全体で目につく。医師や病院の報酬を計算する医療事務の従事者は17万5000人を超え、新薬が市場に投入されるまでの費用は平均で25億ドルにも上る。企業が拠出する医療費は今や年間2万ドルに達している。
世界各地で市場が拡大し、無駄なコストがかさみ、より優れた医療への需要が高まっているため、この業界は世界の大手テクノロジー企業にとって格好の投資対象になっている。
2018年の米デジタルヘルス部門のスタートアップ企業への投資額は前年比16%増の110億ドルと過去最高を記録した。今年に入り、医療保険の米クローバーヘルス(Clover Health)がシリーズEで5億ドルを調達、遺伝子解析の米ギンコ・バイオワークス(Ginkgo BioWorks)がシリーズEで2億9000万ドルを調達して企業価値が42億ドルに、薬局の米カプセル(Capsule)がシリーズCで2億ドルを調達するなど、技術革新に取り組む企業が、多額の資金を調達している。
一方、世界第2の経済大国である中国は、高齢化やより優れた医療への需要を背景に国家政策としてヘルスケアに多額の資金をつぎ込んでいる。こうした取り組みは09年の新医療制度改革や(16年に発表された)「健康中国2030計画」により促進された。その結果、世界保健機関(WHO)によると中国のヘルスケア市場は年17%のペースで成長している。
デジタルヘルス市場の成長に伴い、医療関連以外の企業もこの分野に関心を抱くようになっている。19年の大手テクノロジー企業によるデジタルヘルス企業への投資件数はこれまでに38社に上っており、過去最高だった18年の49社に並ぶペースとなっている。
本稿では、デジタルヘルス部門への投資件数が最も多い大手テクノロジー企業上位10社について調べる。

■投資家の戦略のトレンド
大手テクノロジー企業で最も多くのデジタルヘルス部門のスタートアップに投資しているのは、米グーグル、米マイクロソフト、中国の騰訊控股(テンセント)だ。3社は大手テクノロジー企業によるデジタルヘルス部門への投資全体の7割以上を占めているが、投資先や戦略はそれぞれ異なる。

■グーグル(アルファベット)
グーグル(アルファベット)は誰もが認めるデジタルヘルス投資のリーダーで、投資件数は93件、投資企業は57社に上る。こうした投資の7割以上をコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)のグーグル・ベンチャーズ、キャピタルG、グラディエント・ベンチャーズが担っている。
生命科学分野について研究する米ベリリー・ライフサイエンス(Verily Life Sciences)など、アルファベット傘下の「ムーンショット(野心的な研究に取り組む)」企業は、自社のプロジェクトに直接関連する企業に投資している。例えば、ベリリーは個人の健康記録を手がける米スタートアップ、シチズン(Ciitizen)に資金を投じている。
グーグルが運営するスタートアップ向け育成・起業支援プログラム「グーグル・ローンチパッド・アクセラレーター」はデジタルヘルス企業17社に投資している。
グーグルの主な投資分野は「遺伝子解析」(18件)、「臨床研究」(15件)、「保険&福利厚生」(12件)だ。
遺伝子検査サービスの米23andMe、がん解析ソフトなどを手がける米フラットアイアン・ヘルス(Flatiron Health)、がんの早期発見を目指す米フリーノム(Freenome)などグーグルから出資を受けている企業は、患者のデータを大量に収集し、最先端の人工知能(AI)や機械学習を使って有意な知見を得たり、商業化を推進したりしている。これはグーグルが検索帝国を築いたのとよく似た戦略だ。
グーグルはさらに、オンラインで医療保険を提供する米オスカーヘルス(Oscar Health)と米クローバーヘルスという米国で最も企業価値の高い未上場の医療保険スタートアップにも出資している。両社は既存大手と差別化するため、最先端のデータアナリティクス(解析)と患者との革新的な関係構築モデルを活用している。
グーグルは以前は「患者の遠隔モニタリング」分野の企業に直接投資していなかったが、19年に米フォッシル・グループのスマートウオッチ研究開発部門を4000万ドルで買収し、この分野に初めて投資した。この分野はグーグルのヘルスケア、特に臨床研究戦略を進める上で極めて重要になるだろう。ベリリーは既に自社開発したウエアラブル機器「スタディーウオッチ」を複数の研究で使っている。

■マイクロソフト
マイクロソフトの投資の大半はグーグルとは違い、「マイクロソフト・スケールアップ」や「マイクロソフトAIファクトリー」といった育成・企業支援プログラムから出ている。これらのプログラムは草創期のデジタルヘルス企業を対象としたもので、プログラムを修了したデジタルヘルス企業は35社に上る。
AIを活用した理学療法ツールを提供するポルトガルのスウォード・ヘルス(SWORD Health)、遺伝子解析の米ジノークス(Genoox)、医療データプラットフォームの米ケンサイ(KenSci)、医療システムの開発を手がけるインドのシグタプル(SigTuple)など多くの企業はその後、追加の資金調達を受けている。
一方、マイクロソフトのCVC「M12」は、慢性疾患を管理する米リボンゴ・ヘルス(Livongo Health)のプレIPO(新規株式公開)ラウンドや、医療データプラットフォームの米イノベーサー(Innovaccer)のグロースラウンドなど、中後期段階のスタートアップの資金調達ラウンドに参加している。
マイクロソフトはヘルスケア部門の戦略を個人の健康データから、大手ヘルスケア企業によるこうしたデータの保存・活用の推進へと転換しており、投資先も変わっている。16年以降の投資の大半は「データ管理&アナリティクス」「遺伝子解析」企業に向けられている。

■テンセント
中国のテンセントはデジタルヘルス部門で3番目に活発に投資している大手テクノロジー企業だ。投資件数は52件、投資企業は40社に上る。そのうち31件の投資を同社の顧客基盤がある中国で実施している。
注目すべきなのは、18件が米国企業への投資である点だ。これはテンセントが海外展開を狙っていることを示している。残りはインド企業への投資だ。
テンセントは広範な企業に投資していることで知られており、18年時点での投資件数は700件以上に上る。テンセントによるデジタルヘルス投資のうち、テンセント本体による投資は84%で、残りはAI育成支援プログラムを通じて実施している。
テンセントは事業対応力の強化を目標に掲げ、「臨床研究」と「管理ツール」に積極投資している。一方、同社は「医療コンテンツ&マーケティング」への投資額が最も多い企業でもある。対話アプリ「微信(ウィーチャット)」だけで月間利用者が11億人に上るため、投資企業に貴重な顧客獲得ルートを提供している。

■その他の企業
10年以降に5社以上のデジタルヘルス企業に出資したその他の大手テクノロジー企業は、米インテル、韓国・サムスン電子、中国のネット通販最大手のアリババ集団、米アマゾン・ドット・コム、米メディア大手コムキャストだ。

コムキャストは通信会社として唯一このリストに登場するユニークな投資家だ。同社は22万5000人に上る従業員と家族のために、医療費に年約13億ドルを費やしている。そこで、従業員の医療体験を改善し、医療費をより適切に管理するために、医療システムを手がける米アコレード(Accolade)、健康アプリの米Kヘルス(K Health)や米シャイン(Shine)などのスタートアップに出資している。
米アップルはヘルスケア業界への投資件数が少ないため、10位以内には入っていない。だがこの分野では買収を重視する戦略をとっており、これまでにデジタルヘルス企業3社を買収している。
買収したのはいずれも「個人の健康データの管理&モニタリング」分野の企業で、アップルがヘルスケアで目指す方向に沿った事業を手がけている。例えば、個人の健康情報を管理する米グリンプス(Gliimpse)は、iOS端末に搭載されている革新的なアプリ「ヘルスケア」の土台になった。
グリンプスの最高経営責任者(CEO)はその後、シチズンを創業した。同社はグーグルの出資を受けている。

■分野別の投資トレンド
新たなテクノロジーの台頭や規制内容の変更に伴い、テクノロジー大手各社が注目するデジタルヘルスの分野も移り変わっている。
18年のテクノロジー大手によるデジタルヘルス部門への投資件数は過去最高に達した。18年に投資件数が最も多かった分野は「臨床研究」だったが、19年に入り投資ペースは減速している。18年には「慢性疾患の管理」への投資はわずか1件だったが、サムスン電子による出資が相次いだため、19年の投資額は増えている。
19年で投資額が最も多いのは「データ管理&アナリティクス」だ。中国のAI医療エアドック(Airdoc)、肺疾患の検出支援ツールを手がける米リバーレイン・テクノロジーズ(Riverain Technologies)、中国の万里雲(Wanlicloud)、イノベーサーなど画像を手がける企業が多額の出資を受けている。
一方、16年に投資額が最も多かったのは「遠隔治療」で、その直後の17年には遠隔治療の利用が急増した。利用が急増したのは保険の適用範囲の拡大といった制度変更などの追い風を受けたのが要因だった可能性が高い。

2社以上のテクノロジー大手から出資を受けている企業は8社だ。血液検査でがんを発見する米グレイル(GRAIL、グーグルとテンセント、アマゾンが出資)、インドの医師検索サイト運営プラクト・テクノロジーズ(Practo Technologies、グーグルとテンセント)、AIによる推論を可視化する米コグニティブスケール(CognitiveScale、インテルとマイクロソフト)などだ。
12年以降で世界のテクノロジー大手による投資企業の数が最も多いのは「データ管理&アナリティクス」「健康」「遺伝子解析」だ。
投資件数別では「遺伝子解析」が「健康」を上回り2位につけている。

「コンテンツ&マーケティング」分野の企業はコミュニティー構築やコンテンツ生成(利用者が生成することも多い)に取り組んでおり、ヘルスケア企業へのウェブアクセスの商業化を最終目標に掲げている。この分野の企業には中国の美容整形医療プラットフォームの新氧(SoYoung)、中国の外科医向けサイトの唯医骨科(Weiyi)、教育用医療コンテンツなどを手がける米アウトカムヘルス(Outcome Health)などがある。
「補助&リハビリツール」分野のスタートアップは、テクノロジーを使って身体障害者を支援したり、患者の機能回復を助けたりしている。例えば、マイクロソフトの「スケールアップ・プログラム」を修了したスウォード・ヘルスは、デジタル理学療法ツールを販売している。
「医薬品の配送」には薬局のサプライチェーン(供給網)に注目しているスタートアップなどが含まれる。

(日経新聞)





歯医者が株でもやっていない限りIT企業のことは知らないで良いと思っていましたが、この記事のこと位は一般的な知識として知っておく必要があるのかもしれません。現在、将来の歯科領域はどうなのでしょうか?
# by kura0412 | 2019-11-15 16:38 | 経済 | Comments(0)

今月の文芸春秋

【特集】健康寿命はまだまだ延ばせる

[歯科治療]「80歳で28本」歯を残そう 石井謙一郎

[誤嚥性肺炎 ]「左向き寝」「歯磨き」「バナナ」で防ぐ 大谷義夫

[ウォーキング]高齢者の「大股」「腕ふり」は間違い 田中尚喜

[排尿]「色」と「出方」で分かる重大病リスク 近藤幸尋

[脱水]水のがぶ飲みは「水中毒」にご用心 木村雄弘

[気象病]めまい、腰痛……その症状「天気痛」!? 佐藤 純

[頭痛]脳の「過剰な興奮」が痛みを起こす 清水俊彦

舌がん「ステージIV」からの生還 堀ちえみ

(文芸春秋HP)



この特集以外にも面白い内容です。珍しい。
# by kura0412 | 2019-11-09 12:08 | 思うこと | Comments(0)

予防医療、不足なら「罰則」 自治体交付金を減額
厚労省が来年度から 健康教育・検診の強化促す

厚生労働省は2020年度から、予防医療への取り組みが不十分な自治体に「罰則」を科す。事業ごとに加減点数を設け、実施率が低い自治体には減点に応じて交付金を減らす。一方で実施率が高い自治体には手厚く交付金を配分する。企業と連携した健康教育など新たな指標もつくる。厚労省と財務省は関連予算枠を今より5割増の1500億円規模に拡大し、予防医療の強化を促す。

国民健康保険(国保)の保健事業では、特定健診(メタボ健診)の実施率や健康診断の受診率、後発医薬品の使用割合などが高い自治体に交付金を手厚く配分する制度がすでにある。19年度までは1000億円の予算枠を設けてきた。20年度以降は1500億円を原資に、これらの項目の一部で「マイナス評価」による減点方式も採用する。
過去の実績よりも実施率が下がったり、全国平均より低かったり、といった項目があった場合、獲得点数が減る。点数が低いほど交付金も減る。ある項目で高い点数を取っても、ほかの分野の実施率が低いと相殺される。予防医療や健康づくりにまんべんなく取り組まないと交付金が増えない仕組みに改め、自治体による予防医療への動機づけを強める。
交付金を減らされかねない自治体の警戒心は強い。政府内には「激変緩和措置として、段階的に減点の幅や対象事業を広げることもあり得る」との声もある。厚労省と財務省は年末の予算編成過程で詳細を詰める。

現行は1000億円の関連予算策も拡充する。厚労省と財務省は20年度当初予算案で新たに500億円の予算枠を追加する方向で調整に入った。
500億円のうち、一部は新たに設ける予防・健康づくり事業に必要なお金に充てる。具体的には医療機関の専門職による保健指導、住民の健康や医療情報のデータベース構築、各種検診へのICT活用などに使ってもらう。残りはこれらの事業の達成度合いに連動して自治体に交付する原資にする。
国保の被保険者数は06年度の3678万人をピークに減少に転じた。国民健康保険中央会によると、17年度(速報値)は2945万人と3千万人を割り込んだ。
被保険者の4割超を医療費がかかりやすい65歳以上の高齢者が占める。その比率がさらに高まるのは確実だ。高齢化と医療技術の進歩を理由に、1人あたりの保険給付費は16年度で年30万7500円と5年間で約2割増えた。
予防医療を充実させれば、健康寿命が延びて医療費や介護費が増えるとの試算はある。しかし、高齢化に伴う病気を事前に防げれば、高齢者が元気に働くことができ、納税を通じた社会保障費の負担の担い手を増やす効果が期待できる。予防医療や健康管理、生活支援サービスといった「ヘルスケア市場」が新たな医療関連ビジネスとして育つ下地にもなる。
政府は6月に閣議決定した成長戦略実行計画で「公的保険制度における疾病予防の位置づけを高めるため、保険者努力支援制度(国民健康保険)の抜本的な強化を図る」と明記した。関連予算枠の拡充と成果に連動した交付金の減額制度の導入はその具体策で、予防医療や健康づくりへの取り組みを推進する狙いだ。

(日経新聞)


チャンス到来。果たして歯科界の具体的なアクションプランは?
# by kura0412 | 2019-11-08 08:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

財務省、診療報酬「マイナス改定」案の衝撃
年内の決着に向け、改定率めぐる攻防始まる

財務省は11月1日に開催された財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、2020年度に実施される診療報酬改定について、国民負担を抑制するためにマイナス改定を行うことを提案した。
診療報酬とは、公的医療保険での診療における医療行為等の対価として、病院・診療所や薬局が患者・保険者から受け取る報酬で、原則2年に1回政府が改定する。
2020年度の診療報酬改定については、年内に財務相と厚生労働相が合意して診療報酬全体の改定率を決めることとなっている。その後、各診療行為の報酬や個別の薬価等について、年明けに中央社会保険医療協議会(中医協)で改定案を取りまとめ、厚生労働相に答申して決定する。

過去10年間で保険料負担は35万円増加
目下の焦点は、年内に決める診療報酬全体の改定率である。これにより、2020年度の医療費総額(予算ベース)が決まる。診療報酬は大きく、医師の人件費など技術・サービスの評価に関わる「診療報酬本体」と、薬の値段などモノの価格評価に関わる「薬価等」に分かれる。
もちろん、医療にはお金がかかる。ただ、お金をかければかけるほどよくなるわけではない。医療にかかる財源は、誰かが何らかの形で負担しなければ確保できない。
診療報酬は、1%引き上げると4600億円の負担増となる。そのうち、税負担が1800億円、保険料負担が2300億円、患者負担等が600億円である。そして、それらが病院や診療所、薬局、製薬会社、医療機器メーカーの収入になる。
2%の消費税率引き上げで負担増はつらいというなら、診療報酬引き上げに伴う負担増も看過できないところである。2007年度と比べて2017年度は、1人当たりの年間保険料負担は約35万円、患者負担等は約4万円増えた。この10年で毎年のように増えた。
そうした観点から、医療の無駄を省き、診療報酬をマイナス改定、つまり患者の負担を抑制することを財務省は提案したというわけである。
財務省による診療報酬のマイナス改定提案は、今に始まったことではない。2年に1度の診療報酬改定に合わせて、2017年にも同様の提案があった。しかし、医療関係者の心中は穏やかではない。診療報酬がマイナス改定になれば、診療報酬単価を下げられる可能性が高くなるからだ。
単価が下がっても、高齢者が増えて患者数が増えれば、医療機関の収入は増えることもありうる。診療報酬の改定率には、患者数の変動の影響は含まれていない。従って、マイナス改定が直ちに医療機関の収入減少を意味するわけではない。
とはいえ、マイナス改定となると、医療関係者の間で「パイの奪い合い」が激しくなる。

小泉政権期以外、診療報酬本体はプラス改定
第2次安倍内閣以降の過去3回の診療報酬改定(消費増税対応分を除く)をみると、診療報酬全体では、2014年度はプラス0.1%、2016年度はマイナス0.84%、2018年度はマイナス0.9%だった。
その内訳をみると、2014年度は診療報酬本体でプラス0.73%、薬価等でマイナス0.63%、2016年度は本体でプラス0.49%、薬価等はマイナス1.33%、2018年度は本体でプラス0.55%、薬価等でマイナス1.45%だった。財務省は否定するが、薬価を下げて浮いた財源を診療報酬本体に振り替えているようにみえる。
薬価を下げられると困るのは製薬会社である。診療報酬本体が増えると喜ぶのは、病院、診療所、薬局である。
薬価は、先発薬の特許が切れて価格が安い後発医薬品(ジェネリック)が出ることで単価が下がる効果があり、1990年度以降はずっとマイナス改定だった。診療報酬本体は小泉内閣期に、2度のマイナス改定と1度のゼロ改定はあるが、それ以外はプラス改定である。
ただ、今年の議論は、少し様相が異なる。これまで薬価は2年に1度改定していたが、2018年度以降は実質的に毎年改定されることになった。
2019年度には薬価改定が行われ、すでにマイナス改定を実施している。2年に1度の改定時には2年分の薬価の下落をまとめて反映するようにマイナス改定をしていたが、2020年度改定では1年分の薬価の下落しか反映できない。
薬価を下げて浮いた財源を診療報酬本体に振り替えようにも、下げられる薬価は大きくないかもしれない。診療報酬全体をマイナス改定にするなら、診療報酬本体を大きくプラスに改定できない可能性がある。

診療報酬本体をめぐり、早くも前哨戦
そうなると、医科、歯科、調剤という診療報酬本体の中でのメリハリづけが重要になってくる。
それを察してか、早くも前哨戦が繰り広げられている。医科と歯科で報酬を減らさないなら、調剤の報酬を減らすことが考えられる。それを意図しているかわからないが、調剤報酬の構造転換を促す声は、財務省のみならず中医協でも出始めている。
中医協では、薬剤師が薬局で医薬品を調剤する際の技術料である調剤料の見直しが取りざたされている。薬局で内服薬を調剤すると、処方日数が14日(14日分のお薬を処方してもらうという意味)までは、1日長くなるにつれて調剤料がどんどん増える仕組みになっている。
入院時など院内で医薬品を調剤するときは、処方日数が何日であっても調剤料は定額である。しかし、同じ内服薬でも薬局で処方されると、日数が長くなるほど金額がかさむことになる。したがって、診療報酬本体を大きく増やせないとしても、調剤報酬を抑えられれば、医科と歯科の取り分は増えることになる。
他方、医科と歯科も問題なしとは言えない。目下注目されているものの1つに、医師の働き方改革を診療報酬にどう反映するかという点がある。病院勤務医の過労を抑えるために、医師にも時間外労働上限規制が適用されることになった。
医師の働き方改革を進めるには追加的な人件費がかかり、診療報酬を増額して対応すべきとの声がある。病院勤務医の人件費を増やすには、病院勤務医がより多く従事する入院医療に対する診療報酬を増やす方策が考えられる。

2025年までにメリハリのついた医療改革を
しかし、前述の診療報酬本体の改定率を内閣で決める際に、入院と外来を分けて改定率を決める方式は近年採られていない。2010年度に1度だけそうしたことがある。病院勤務医を対象とした診療報酬改定ということであれば、入院と外来を分けて改定のあり方を考える必要が出てくるが、そうすると、入院医療に携わる病院と外来医療が主の診療所との「パイの奪い合い」を顕在化させる懸念もある。
それよりも、病院勤務医の超過勤務を減らす分を看護師など他の医療従事者の勤務で補い、人件費が増えないように工夫することもできる。病院勤務医の中でも、診療科や病院の種別によって時間外労働の状況に大きなばらつきがあり、病院勤務医が十把一絡げに過重労働というわけではない。そうした工夫がなされれば、すべてを診療報酬の増額で対応しなくてもよい。
年内の医療に関する議論は、診療報酬改定ばかりではない。世代間の負担の公平化を目指して、高齢者の患者負担割合の見直しを図ることも重要な議題である。団塊世代が75歳以上になる2025年までに、メリハリのついた医療制度改革を着実に進めていくためには、今年の残り2カ月は空費できない。

(東洋経済ONLINE・土居 丈朗 )



いろいろな政府の委員をやられている筆者ですが、この論文を読むと意外と医療のことを知らないことを感じます。現在の看護師不足を知らないようです。
ちなみに診療報酬の部分100億円ほど足し算があいません。
# by kura0412 | 2019-11-06 11:27 | 経済 | Comments(0)

「虎の尾踏んだ厚労省」

「オレは聞いてない」 病院再編、虎の尾踏んだ厚労省

宮仕えの身なら一度や二度は覚えがあろう。そんな話は聞いていないという上役のひと言で、実現間近だと思っていたプロジェクトが仕切り直しになる――。
9月下旬、厚生労働省は地方自治体が経営する公立病院と日赤などの公的病院について、再編や統廃合を議論する必要があるとみている424の病院を名指しして公表した。心疾患、脳卒中、救急など9分野の高度医療について、2017年6月のレセプト(診療報酬明細書)データを分析し「診療実績が乏しい」「代替する民間病院が近くにある」などの基準をもとに選び出した。
これが文字どおり「聞いていない」問題を引き起こした。名指しされた側の大半が424の名前を唐突に出してきたと受けとめたのだ。再編や統廃合について、各病院をかかえる自治体や医療圏での議論の材料にしてほしいという厚労省の意図は、たちどころに吹き飛んでしまった。

「ウチは閉鎖対象なのか」(リストに載った病院の院長)、「なぜ民間病院の名前は出さないのか」(該当する自治体の首長)、「地域住民や患者に説明できないじゃないか」(地方議会の議員)といった抗議の声が同省に相次いだ。名指しされた側の被害者意識は、今なお増幅している。
たしかに唐突感はあった。筆者も日経電子版が424病院のリストを載せたのをみて初めて知り、取るものも取りあえず担当課に取材に行った。だが説明を聞くと、準備を重ねて公表にいたった経緯がみえてきた。
安倍政権は6月に閣議決定した骨太の方針2019に次のような趣旨を盛り込んでいた。「すべての公立・公的病院に関する具体的な対応方針について、診療実績のデータを分析し、その内容が民間病院に担えない機能に重点化され、(中略)医療機能の再編や病床数の適正化に沿うよう国が助言や集中支援する」
高度急性期・急性期という病院機能に着目した客観的なデータは、関係者を交えた同省主宰の「地域医療構想に関するワーキンググループ」の議論に基づくものだった。ワーキンググループに出された資料は厚労省のウェブサイトに掲載されているし、公表までに時間がかかる難点はあるが議事録も公開している。問題意識をもって一連の議論をフォローしてきた関係者にしてみれば、出るべくして出てきたリストだった。
戦後ベビーブーム期に生を受けた団塊世代のすべてが75歳以上の後期高齢者になる2025年をにらみ、病院の機能を高度急性期・急性期主体から、リハビリテーション向けの回復期や長期入院の慢性期主体に移行させる必要性は、多くの医療関係者が意識している。リストの公表はその導火線になるはずだったが「聞いていない」問題に発展した以上、厚労省の意図は二の次にされ、一気に政治的な色彩を帯びてしまった。

慌てた同省は、10月中に全国5ブロックで説明会を開くべくセットした。「意見交換会と言わなければおしかりを受ける」という気の使いようだ。11月には特に強い要望が出た県の担当部局に、手分けして個別に説明に赴くことにしている。17日に福岡市内で開いた九州ブロックの説明会では、橋本岳副大臣が冒頭にあいさつし「住民のみなさまの不安を招いてしまったことを、われわれとしても反省しています」と低姿勢で臨んだ。
それでも「聞いていない」側は収まる風がない。18日付の本紙九州経済面は、名指しされた国立病院機構大牟田病院(大牟田市)の関係者が「職員や患者は病院がなくなるのではないかと不安に思っている。風評被害を払拭するメッセージを出してほしい」と求めたと伝えている。また公立種子島病院(鹿児島県南種子町)の担当者は「医師不足で困っているのに、若い医師が来てくれるか」などと訴えた。
公立病院再編の必要性を唱えてきたある識者は「たしかに名指しされた病院は若くて腕がいい医師を集めにくくなるかもしれないが、それによって自治体の首長は再編・統廃合にいや応なく向き合わざるを得なくなるのではないか」と語る。リストの公表にはショック療法の意味合いがあるとみているわけだ。

もちろん厚労省は再編を押しつける立場にない。民間病院では代替機能を果たしにくい災害医療やへき地医療を担っている公立・公的病院もあり、一律に再編対象にするのが難しいケースも出てくるだろう。議論の素材として出したリストだったが、地方政界や医療界を巻きこむ事態に発展し、戸惑いが隠せないといったところだ。
心配なのは、厚労省がめっぽう政治に弱い官庁である点だ。行政官として理にかなった政策だと信じて出したものも、与党幹部や首相官邸がダメを出すと、たちどころに萎縮してしまう傾向が否めない。消費税収を積み立てたファンドを使ってリストラされる関係職員の退職金を割り増しするのも、政治的な妥協ではないか。
公立・公的病院の再編・統廃合はほとんどの自治体の首長が遅かれ早かれ直面する難題だ。高齢化は待ってくれない。「聞いていない」と言われてひるむのではなく「いま聞いたのだから、いいじゃないですか」と言い返すくらいの気概を厚労省に持ってほしい。

(日経新聞・大林 尚)
# by kura0412 | 2019-10-23 11:55 | 医療政策全般 | Comments(0)

「現役」に迫る保険料30% 都合よい財布やめよ

清濁併せ呑(の)むタイプという人物評を聞くことが少なくなったように思う。
下村健(たけし)。通称シモケン。2006年に75歳で亡くなったこの昭和の厚生官僚は、みごとに清濁を併せ呑んだ。
1956年(昭和31年)に入省し、社会保険庁長官を最後に89年(平成元年)に退官した。健康保険組合連合会の副会長に天下ると、国民医療費を差配する中央社会保険医療協議会の支払い側委員として辣腕をふるった。
ところが、である。歯医者に有利な診療報酬が必要だという趣旨を中医協の席で述べる見返りに、日本歯科医師会の別動隊ともいえる日本歯科医師連盟から賄賂をもらったかどで、贈賄側などとともに東京地検に逮捕されたのが04年4月。本人は罪を認め、同年暮れ東京地裁で懲役2年6月、執行猶予5年、追徴金629万円の判決が確定した。
健康保険料を月々払っている国民と経済界、さらには患者の側を代表する立場なのに診療報酬をもらう側を利すべく動いた。「濁」の真骨頂であろう。この日歯連事件は、のちに中医協の役割を制限する法改正につながった。
「清」はどんなところに表れたのか。医療政策通のあいだに定着しているのは、99年に健保連が展開した老健拠出金の不払い運動はシモケンが旗をふったからこそ成就したという評価である。
企業の健保組合が高齢者の医療費として拠出する額が集めた保険料の4割を超え、全体の8割強の企業健保が赤字に陥っていた。異常事態に業を煮やした健保連は、全国の企業健保に拠出金を延滞するよう働きかける。共鳴して運動に参加した企業健保は全体の97%におよび、日経連と連合がこれを支持した。

高齢者の医療費が足りなければ現役世代に出させればいい――。政府にとって都合のよい財布とみられることがあった企業健保の反乱は、08年に導入された後期高齢者医療制度をはじめとする一連の医療改革につながった。
同年6月の参院決算委員会で福田康夫首相が答弁している。「これ(延納)は大変だということで(中略)翌年、老健制度は変えると参院委員会で決議した。何としても変えなきゃいけないということになった」。見ようによっては、これも「濁」の一面が出たといえるかもしれない。
それから11年がすぎた。いびつな老健制度を正したはずの後期医療制度だが、高齢者医療に充てるべき税財源が慢性的に不足する状況は、かえって深刻になった。そのツケを回された企業健保は、またもや政府に都合のよい財布と化している。
およそ1400の企業健保が18年度に高齢者医療に拠出した総額は、3兆4500億円。義務的経費の46%を占める巨費だ。個別にみると、この割合が50%以上の企業健保は397を数える。
戦後ベビーブーム期に生まれた団塊世代の1期生が後期高齢者になる22年度を境に、拠出額は急速に増大する。同年度は加入者と家族の医療費に充てる分が4兆円、拠出金総額は3兆9300億円と、ほとんど差がなくなるというのが健保連の見立てだ。
このとき、厚生年金と介護保険を含めた社会保障3本柱の平均保険料率は、労使合わせて30%を突破する。現役世代と経済界にとっては明らかに負担の限界である。
ただでさえ現役世代は狙われやすい。小泉進次郎環境相がかつて提唱したこども保険は、財源を現役世代と経済界に出させる構想だった。今回の消費増税分の一部を幼児保育・教育の無償化に充てるという首相裁断で、小泉構想は沙汰やみになったが、取る側からみれば社会保険料は今も魅力的な財源である。
それは、消費税と違って高齢者に負担がおよびにくいからだ。自民党のある1年生議員は地元の駅頭で辻立ちすると、消費税は金輪際上げてもらっては困るという高齢者の声をひしひしと感じる。官僚出身の彼は社会保障財源としての消費税の優位性を熟知しているが「10%より先の話など考えられない」という。
かたや社会保険料は健康保険にかぎらず引き上げがたやすい。04年に13%台だった厚生年金の保険料率を、厚労省は毎年律義に0.354%ずつ上げてきた。17年に18.3%に達したところで固定したが、年金の水準がこの先、政府公約を下回る事態になれば引き上げ論が再び俎上(そじょう)に載る可能性がある。
マクロ指標をみれば、平成年間はそれが積もり積もった時代だったことがわかる。国民所得に対する社会保険料の比率を示す社会保障負担率は10.2%から17.6%に上がり、租税負担率は27.7%から24.9%に縮んだ。

なすべきことは言い尽くされている。後期高齢者向け医療サービスへの規律を高めるために低年金者などに配慮しつつ窓口負担を原則20%に上げる▽花粉症薬など薬局でも売っている薬は患者負担を上げたり保険適用外にしたりする▽生活習慣病の薬は有効性・安全性の確保を前提に低コストの処方指針を取り入れる――などだ。
何より公費を充てるべき医療費には、現役世代の保険料や借金に頼らず裏付けある税財源をつぎ込む。都合のよい財布あつかいされていることに、経済界と労組団体はもっと声をあげてしかるべきだ。いくら言ってもわからなければ、時に「清」のシモケンに学ぶことも必要だ。

(日経新聞・大林尚)



この論説委員は先鋭的な医療費抑制論者ですが、15年前のあの事件を引っ張り出してきました。せっかく論説するならば、その後歯科がその後どんな経緯を経たかも述べてもらいたかったです。
# by kura0412 | 2019-10-15 10:01 | 政治 | Comments(0)

伝統スタイル変える生保 「健康データ」に成長の芽

生命保険会社の伝統的な商品や販売手法が変わり始めている。ヘルスケア関連のサービスを保険と組み合わせたり、大手生保がネット販売に取り組み始めたりしている。金融業界の中でも保守的とされてきた保険業界に変化の兆しが出てきた。

「保険金を支払ったわけでもないのに契約者から感謝されるとは」。住友生命保険の橋本雅博社長は発売から1年を迎えた健康増進型保険「バイタリティー」が、契約者との関係にもたらした変化を実感する。
バイタリティーは健康診断の結果や日ごろの運動などの取り組みに応じて保険料が増減し、健康的な生活をするように動機づけるユニークな設計だ。1年間で契約者の1日当たりの平均歩数は2割増え、血圧が高かった契約者の約5割で血圧が下がるなど一定の効果を示した。
日銀がマイナス金利政策を導入して3年以上が経過し、国債での運用は一段と難しくなった。貯蓄性の高い保険商品は販売休止が相次ぐ。一方、金利に左右されない「健康」は、医療費の抑制や健康寿命の延伸といった社会の要請も背景に、生保への新たなニーズとして高まってきた。

日本生命保険は来春にも、健康保険組合などに対して糖尿病の予防サービスを始める。
糖尿病の予備軍や、腹囲や血糖値が高めの人を対象に、病院の保健師が食事や運動の改善を指導する。
19年度は自治体などを対象に1000人規模の実証実験を実施し、データの蓄積を進める。血糖値を24時間モニタリングするのに加えて、体重や血圧、歩数などのデータを組み合わせることで、予測や予防の精度が高まってきたという。
蓄積したデータの使い道は、健康や予防サービスにとどまらない。第一生命保険は1000万人の医療データを分析し、保険加入の間口を段階的に広げている。これまで加入できなかった一部の高血圧や糖尿病などの基準を引き下げたことで、年間約2万件の引き受けが新たに可能になった。
拝田恭一事務企画部長は「高齢化で健康不安を抱える人が増えるなか、放っておけば保険に加入できる人のパイは縮小してしまう。データを活用し縮小させないことが重要だ」と話す。
例えば目に持病がある人は、他の病気のリスクも高いとみなされ排除されてしまう。しかし、他の病気との関連がないとデータで明らかになれば、目のリスクを取り除いた保険の設計が個別に可能になる。
蓄積した健康データを使って最適なサービスを提供しようという動きもある。SOMPOひまわり生命保険の大場康弘社長は「保険販売ありきではなく、介護などのグループ内のヘルスケアサービスと保険を最適なバランスで提供していく」という。死亡保険が飽和状態にある生保業界で、健康データは新しい成長ビジネスにつながり得る芽を抱えている。
大手生保は万人単位の営業職員を動員し、職場で働き盛りの契約者を大量に獲得する販売スタイルを得意としてきた。だが、職場訪問が難しくなった今は多様化した働き手のニーズもとらえきれなくなってきた。生保を取り巻く環境の厳しさが伝統スタイルからの脱却を促している。

(日経新聞)



この視点からならば歯科でも提案でくることもあるはずです。民間保険ならば直ぐに実行に移れるのですが。
# by kura0412 | 2019-10-10 09:00 | 医療政策全般 | Comments(0)

医療・介護、負担増が焦点 全世代型会議が初会合

政府は20日、全世代型社会保障検討会議の初会合を開いた。少子高齢化に対応するため70歳まで働けるよう雇用改革を進めるなど、支え手の拡大に軸足を置く。議長を務める安倍晋三首相は「年齢にかかわらず働ける環境を整えることが必要だ」と述べた。2022年度以降、75歳以上の高齢者が急増する。医療や介護で給付と負担の見直しにどこまで踏み込めるかが焦点になる。

社会保障は利害関係者が多いため、与党で検討する場も設ける。自民党は24日、岸田文雄政調会長が本部長を務める「人生100年時代戦略本部」を開いて議論を開始する。政府と与党で調整を進めながら方向性を決める。
年内の中間報告に向けて年金や介護、高齢者の就労拡大といったテーマの検討を進める。制度改正を控える年金と介護は、来年の通常国会での法案提出をめざす。

年明け以降は医療が大きなテーマになる。
来年6月に閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で、医療制度改革の内容を固める。
22年度以降、人口の多い団塊世代が75歳になり始め、現役世代の負担は重くなる。大企業の会社員などが入る健康保険組合では、22年度にも医療・介護・年金を合わせた保険料率が30%(労使合計)を超える見通しだ。
初会合を終えた西村康稔経済財政・再生相は「次世代に引き継ぐという視点で、給付と負担の見直しについても検討していきたい」と述べた。
年金と異なり保険料率が固定されていない医療と介護が改革の本丸になる。外来で医療機関を受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする「受診時定額負担」の導入や、現在、自己負担が無料となっている介護計画の作成支援の有料化などが焦点となる。
健康寿命を延ばして元気なうちは働いてもらい、社会保障の支え手を増やす政策も重要だ。
12年から19年にかけて生産年齢人口は540万人減った。一方、女性や高齢者で働く人が増え、就業者数は全体で450万人増えた。就業率を高めれば少子高齢化の影響を和らげる効果がある。
政府は70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする法改正をめざす。中途採用や副業を後押しし働きやすい環境を整備したり、出生率を高めたりする政策も課題になる。65歳という年齢のみで規定される「高齢者」の定義が妥当かを考え直すなど、従来の常識にとらわれない議論が欠かせない。

(日経新聞)
# by kura0412 | 2019-09-23 12:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

日医からパンチの応酬

会社員の負担増を提案 医療制度改革で日本医師会

日本医師会は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した

日本医師会(日医)は18日、政府が社会保障改革の議論に入るのを前に、医療制度改革に向けた提言を発表した。大企業の会社員が入る健康保険組合の保険料率引き上げや、消費税以外に新たな税財源を活用することなどを盛り込む一方、患者の負担は増やさないように求めた。
横倉義武会長が同日の定例会見で発表した。日医は政府が近く初会合を開く「全世代型社会保障検討会議」のメンバーに入っていないが、患者負担を増やす議論をけん制した形だ。

日医は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した。また病気やケガで働けないときに健康保険から支給される「傷病手当金」を雇用保険で賄うことも提案した。
新たな税財源について横倉会長は「賃上げや設備投資がない企業の内部留保への課税」を挙げ、政府の検討会でも議論するよう求めた。
保険料の増収と新たな税財源の投入で患者の自己負担の引き上げは避けられるとの考え方だ。政府の検討会に日医が入っていないことについて横倉会長は「外で議論できる場をつくっていく」として日医の主張を発信していく考えを示した。

(日経新聞)



健保連からいろいろな意見が出始めている中で、日医がパンチを放ちました。記事ある疾病手当金を医療保険で対応することに疑問をもっていただけに今後議論が進むかもしれません。
# by kura0412 | 2019-09-20 16:49 | 医療政策全般 | Comments(0)