医師処方の市販類似薬、患者負担上げ 厚労省が検討
保険財政圧迫に対応

厚生労働省は、医師が処方する軽症向けの市販類似薬について患者負担の引き上げを検討する。一部の湿布や漢方薬を念頭に、定率の1~3割負担に一定額を上乗せする案が浮上している。がんなど重症向けで増える高額薬は保険の対象に加えていく方針で、保険財政を圧迫する。市販薬があるのに病院で処方される薬は年5千億円超あり、これに切り込む。
今秋以降に社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会などで議論し、21年の通常国会で関連法の改正案の提出をめざす。

厚労省が検討対象にするのは、処方箋なしで買える市販薬に類似した医療用医薬品だ。
具体的には一部の湿布やビタミン剤、漢方薬、皮膚保湿剤などが含まれる見込みだ。患者の自己負担は現役世代なら原則3割、75歳以上で現役並みの所得がなければ1割で済む。残りは健康保険からの給付や税で賄われる。患者としては市販薬より安価に入手でき、安易な受診につながりやすい。

日本経済新聞の調査では市販薬と同じ成分を含む医薬品の処方額は16年度で5469億円だった。
財務省によると、ある湿布薬は医療機関なら3割負担で96円だが、同じ有効成分を含む市販薬は2551円だ。財務省は価格差が大きく問題だとして、こうした薬について保険から外すべきだと主張している。一方、厚労省は保険適用を維持したうえで「保険の重点を重症者向けに置く方が適切だ」との姿勢を強めている。
厚労省内では従来の1~3割の「定率負担」を据え置き、1回500円といった「定額負担」を上乗せする案がある。保険薬局で500円の定額負担を求めると、国費で年1000億円の削減につながると試算する。このほか、患者の自己負担率を現状から引き上げる案もある。
薬の患者負担の見直しや保険外しは過去に何度も議論されてきたが実現していない。「公的医療保険の給付範囲の縮小は国民皆保険を崩壊させる危険性がある」として日本医師会などが反対してきたためだ。受診を控えるようになれば重症化を招くおそれもある。

ただ高額薬の相次ぐ登場で公的医療保険を巡る状況は変わりつつある。5月に白血病治療薬「キムリア」の公定価格が3349万円に決まった。乳幼児の難病治療薬「ゾルゲンスマ」は1億円を超える可能性があり、早ければ年内にも保険適用が承認される見通しだ。
医療保険財政の持続可能性を懸念する声が強まっている。これまで反対してきた日本医師会も「何が何でも(市販品類似薬を)保険適用という時代ではなくなっていく。財政との見合いで考えなければならない」(横倉義武会長)と理解を示す。
フランスは薬剤の種類に応じて自己負担割合を変えている。たとえば抗がん剤など代替のきかない高額医薬品の自己負担はゼロ。他の薬は有効性などに応じて自己負担割合が100%、85%、70%、35%と分かれている。重症患者ほど給付が手厚い制度といえる。
患者が保険薬局で受け取る薬剤費だけで5兆5千億円(16年度)にのぼり、医療費全体42兆1千億円の13%を占める。

(日経新聞)



この考えを一度導入されると今後拡大される可能性があります。果たして歯科界はどう考えるのか?問題提起の声すら歯科界から聞こえてきません。
# by kura0412 | 2019-08-22 08:45 | 医療政策全般 | Comments(0)

歯科が参加しないければ

予防医療をアフリカで展開 政府、中国の戦略と一線

政府はアフリカで日本企業の製品やサービスを使った予防医療の普及をめざす。非政府組織(NGO)や病院と組み、現地の人々の衛生意識を高めながら、日本の浄水装置やせっけんなどを購入してもらう。政府の資金も投入する。アフリカでは中国が資源投資とインフラ建設を通じて各国と関係を深めている。政府は中国との違いが見える支援により、日本の存在感を高めたい考えだ。

8月下旬に横浜で開く第7回アフリカ開発会議(TICAD)で「アフリカ健康構想」として表明する。まずケニアやセネガル、タンザニア、ガーナなどと協力の覚書を結ぶ。これらの国とモデル事業に取り組み、軌道に乗れば他のアフリカ諸国に広げたい考えだ。
第1弾の事業として、現地の行政機関や病院とも組み、地域の医療サービスの多くを包括的に担う取り組みを始める。
例えば、日本の医療機関などが巡回で検診を実施。立ち寄った地域の医療・保健拠点向けにNGOが手洗いの習慣や水道の衛生について指導し、清潔に保つ製品やサービス、人材育成の重要性を理解してもらう。同時に企業が衛生を改善する浄水装置やせっけんを病院や自治体に売り込む。
これまで日本のNGOや企業はアフリカで個別に衛生指導や製品販売に取り組んできた。今回の構想では、各者が一体になって現地で利用してもらえるようにする。

すでにアジアでは日本の官民が医療関連の製品やサービスを共同で売り込んできた。今回の構想はNGOとの密接な連携が特徴だ。製品などの販売を拡大するうえで、NGOによる指導などが重要だと判断した。
経済産業省や外務省、経団連、経済同友会などが立ち上げた「アフリカビジネス協議会」に健康分野の作業部会を設け、参加する医療機関やNGO、企業を募る。すでに20社程度が関心を示しているという。
資金面では政府開発援助(ODA)の活用を検討するほか、経産省や厚生労働省、環境省も各省の政策を通じた支援をめざす。国際協力機構(JICA)や日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本貿易保険(NEXI)も人材と資金で協力する。
地域の医療に丸ごと関わることができれば大きな商機となるが、アフリカでは現地の行政機関が動かず、事業が停滞することも多いという。今回は各国政府に日本との覚書を交わし、構想を支持してもらうことで滞らないようにする考えだ。

国連貿易開発会議(UNCTAD)などによると、中国からアフリカへの直接投資残高は約430億ドル(約4.5兆円、2017年時点)となり、日本からの5倍以上に達した。石油や鉱物など資源と道路や港湾などインフラに傾斜している。
日本も資源とインフラを重視しているが、生活に密接な分野や経済の自立に役立つ分野でも協力して独自性を示す考え。医療のほかにスタートアップの支援も進める。
アフリカではコンゴ民主共和国(旧ザイール)でエボラ出血熱の流行が深刻化し、世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発した。疾病の予防への関心は高まっており、診療や医薬品販売などとあわせて日本の官民で集中的に支援する。

(日経新聞)



この動きに歯科が参入しないでどうするのでしょうか。歯科界全体で積極的に。
# by kura0412 | 2019-08-09 17:32 | 歯科医療政策 | Comments(0)

孫氏も歯科定期健診受診

孫正義が3カ月に一度歯医者に行く理由

時価総額約9兆円、最近は中国の大手IT企業アリババに投資した20億円が含み益8兆円を超えるとも言われるソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏。彼が健康面で人一倍気を使っているのは、歯。世界中を飛び回り、VIPとの商談が続く多忙な中でも、定期的に3カ月に1度の歯科検診は長年続けているという。
元ソフトバンク社長室長で、現在は英語教育事業TORAIZを運営する三木雄信氏がウェブメディアにその背景を次のように語っていた。

孫氏がそこまで歯のチェックにこだわっているのは「米国などでは歯並びと白い歯がその人の健康のバロメーターという考え方があるからです。彼はサプリメントでバランスよくビタミンを摂取していたし、好んで飲んでいたのもフランス製のミネラルウォーター・ペリエでした」(ウェブメディア「マネー現代」より引用)
ちなみに、酒を一滴も飲めず、食にはこだわらないことで有名な孫氏だが、定期的な運動など、自己のメンテナンスには多大な注意を払っていたようである。
健康法というと、病気にならないための運動や食事がすぐに思い浮かぶが、孫氏のエピソードを受け、樺沢氏は「予防医療で重要なのは自己の健康状態をまず知ること」と話す。
「定期健診に足を運ぶ社長は、自身の体調におかしなところがあれば、すぐに病院に行って診てもらうフットワークの軽さを持っています。対して、定期健診に行かない人は調子が悪くてもすぐには病院に行かないため、結果的に体が蝕まれてしまう危険性があります」

定期歯科検診はもはや常識
孫氏が3カ月に1度通う歯医者についても「常識」と樺沢氏は言う。
「私も孫さんと同じく、3カ月に1度は歯医者で歯石を除去してもらっています。歯石はどうしてもたまるもの。たまり続けると歯周病が悪化します。また、残存歯数が少ないほど認知症になりやすい。歯周病がアルツハイマーの原因として関与しているという研究も出ています」
アンケート調査でも、「毎月、歯のクリーニングに行っている」(えむずう・渡部真澄氏)、「年に4回歯科検診に通っている(ぺあのしすてむ・伊藤昭浩氏)」といった歯に関する回答が相次いだ。ほかには「年2回の血液検査」(プリベント少額短期保険・花岡裕之氏)を実施している経営者もいた。
今や、経営者ならずとも定期的な検診は常識。自分の歯の寿命が、自分の仕事での“活躍寿命”を決めると言っても過言ではないのだ。
「ただし、若い頃からバリウムやCTなどで、X線を何度も浴びることは、医療被ばくのリスクが心配です。40代半ばからでよいので、定期健診を徹底してください」

(樺沢紫苑,鈴木 俊之:PRESIDENT)
# by kura0412 | 2019-08-03 09:56 | 歯科 | Comments(0)

「歯科医師の組織代表として参議院議員となりましたが、一団体、一職種のためだけに働いてきたわではありません。」
7月28に付けで参議院議員を退任された方の挨拶からです。

http://www.ishii-midori.jp/
# by kura0412 | 2019-07-30 16:17 | 政治 | Comments(0)

歯科医が愛娘に"うちは継ぐな"と言うワケ

周囲の閉院。増える患者。それでも……
過当競争の中、生き残りのため戦略的経営を余儀なくされる歯科医業界。職人的な「医者」のイメージとはほど遠く、経営コンサルを受けSEO対策に躍起になる歯科医も少なくない。だが一方で、そんな業界の風潮の中、昔ながらの方法で細々と診療を続ける地方歯科医も存在する。

舞台は関西地方にある人口14万人の小さな地方都市。この地で26年前に開業し、歯科医院を営んできた関さん(仮名)に話を聞いた――。
世間では歯科医院が増えすぎて、国が歯科医師抑制政策を行っているくらいですが、ここではそんな実感はありません。市内では過去6年間に8軒もの歯科医院が閉院し、新規開業は1軒もないという状況で、むしろ医院は年々減っています。ここは世間の流れに逆行した場所だと思っています。
寂しいことですが、当院の半径1km以内でもここ2年間で2軒の歯科医院が閉院しました。その影響で、当院には新規の患者さんが急増しています。現在、1カ月の患者数は210~260人ほどです。
患者さんが増えるのはありがたいことではありますが、最近は視力が下がり、1日にたくさんの患者さんを診ることができなくなりました。そのため、営業日数を増やしてなんとかこなしています。
もう50代も半ばなので体力的にきついときもありますが、月曜日から土曜日まで週6日間フルタイムで診療しています。
最近は10分刻みで予約を入れる歯科医院もあるようですが、私は患者さんには時間をかけて誠実に向き合いたいと思っています。その結果、長時間仕事に従事することになるわけですが、歯科医としてこの姿勢を崩すつもりは絶対にありません。
歯科医経営に馴染みのない方から見れば、「これだけ診療していれば、さぞ利益が出ているんだろうな」と思う方もいるかもしれませんが、実は収益はトントンです。保険診療費が安すぎるため、私がフル回転しても利益はほとんど出ないのです。収入は医院の維持費と家族の生活費でほとんどが消えます。

利益を得るためには、非保険診療にシフトしていくべきかと思うこともありますが、患者さんが求めていないのに、高額なインプラントやホワイトニングを勧めることはしたくありません。また、巷ではコンサルを受けて戦略的な経営を行う医院も増えていると聞きますが、増大する新規患者の治療計画の作成と既存患者のメンテナンスに追われて、私には経営のことを考える余裕はありません。もちろん、患者さんのことを後回しにして経営のことを考えるわけにはいきませんから、来る日も来る日も日々の診療を実直に行う毎日です。

「うちは継ぐな」。娘への本当の気持ち
周りの医院が相次いで閉院していったのは院長の高齢化と後継者不足が原因なのですが、それは他人事ではありません。私には歯科医の娘がいますが、自分の医院では働かせず、都市部の歯科医院で修業させています。
この医院を継がせても、ここを含めて田舎の医院には最新の医療設備などありませんし、立地が悪すぎるのでスタッフも集まらず、ハードな勤務をせざるをえないからです。毎月これだけ多くの患者さんを診ても利益がトントンという現状から、将来利益が上がることもないでしょう。娘の幸せを考えれば、そこまでのリスクを負って、娘に継がせる理由はありません。私がもっと年をとったら、近隣の医院と同じようにここも閉院する運命にあるのでしょう。
今の歯医者業界は過当競争がよく問題視されていますが、田舎の開業医である私から見ると、高齢化も重大な問題だと感じます。私の地域の開業医は60代や70代が多く、50代の私でも若輩者扱いされるほど。国の歯科医師抑制策の影響で若手の開業歯科医がどんどん減少しているからです。

医科の世界も同様ですが、歯科医師の数を減らすのではなく、開業医の地域間格差をなくすように国の政策を変えてもらいたい。後継者不足で町の歯医者が次々と閉院していったら、行き場のない患者たちはどうすればよいのでしょうか。私の医院が閉院したら、多くの患者が市内にあるもう1つの医院へ殺到し、その医院はパンクしてしまうのではないでしょうか。
田舎では、歯科医だけではなく患者の高齢化も深刻です。高齢者の訪問診療をするにしても、それを実現するためには若くて体力のある歯科医のマンパワーが必要不可欠です。若手の歯科医が地方都市に来ない現状では、地域包括ケアの構築など絵に描いた餅にすぎないと思っています。

(PRESIDENT Online)



最近同じように、私よりも若いのも拘わらず体を壊しながらも、物凄い数の患者を診ている先生の話を聞きました。都会は過当競争、そして田舎は歯科医師不足でありながらこの様な状態。歯科界全体が歪んでいるような印象です。
# by kura0412 | 2019-07-29 15:55 | 歯科 | Comments(0)

当選した日医でも

「羽生田氏、参院当選をもってよしとせず」、横倉日医会長
医師会における医政活動の在り方を抜本的に見直す

日本医師会の横倉義武氏は7月24日の定例記者会見で、7月21日に投開票が行われた参議院議員選挙を受けて、自身が委員長を務める日本医師連盟の組織内候補である羽生田たかし氏について、「15万2807票を獲得して、何とか2期目の当選を果たした。全ての人に優しい医療介護を提供できる社会の実現に向けて、2期目もより一層活躍されることを期待している」と述べた一方、「当選をもってよしとせず、しっかりと分析をしていかなければならない。今後の医師会における医政活動の在り方を抜本的に見直していかなければならない」と気を引き締めた。

羽生田氏が、2013年の初当選よりも10万票近く票を落としたことについて、「やはり我々の気持ちの中にも、また会員の先生方にも、気の緩みもあり、厳しい状況であることを徹底することが大変だった」と振り返り、「参院選の投票率が、約6ポイント減少したことや、九州地方での大雨による影響もあった」など投票率自体の問題のほか、自民党比例で社会保障関係の候補者が10人立候補し、票が分散したことも、要因として挙げた。
羽生田氏の得票数は、15万2807票。日本看護連盟で現職の石田昌宏氏、日本薬剤師連盟で新人の本田顕子氏という、いずれも自民党比例で立候補した2人の得票数を下回った(『医師候補4人が当選、第25回参議院議員通常選挙を』、『日医連推薦の羽生田氏当選も、1期目から10万票近く減』を参照)。
「今後、発言力が弱まるのでないか」との質問には、横倉氏は、「発言力が弱まらないよう、頑張らなければいけない。やはり政治の中では、医療の代表は、医師会代表の候補者であるという認識だ」と回答し、次のように続けた。「石田氏については、日頃から日本看護協会と密に連携を取りながら取り組んでいるので、そう大きな課題ではない。本田氏が上に行ったことでどんな影響があるかだが、我々は調剤技術料が過大ではないか、調剤薬局の過剰な利益を社会保障費に還元しなければいけないと主張しているが、その点については薬剤師会とよく話し合いをしていきたい」。
さらに横倉氏は、「10月には消費税率が、10%に引き上げられる。これから年末にかけて、2020年度診療報酬改定に向けた議論とともに、来年の『骨太方針2020』に向けて、厳しい議論が行われることが予想される。日医は国民に必要な医療が過不足なく受けられるよう主張していく」と決意を新たにした。

医師会の組織力強化、地方議会議員との連携強化が課題
横倉氏は、自民党で当選した医師の古川俊治氏(埼玉選挙区)、武見敬三氏(東京選挙区)、尾辻秀久氏(鹿児島選挙区)のほか、野党では日本維新の会の梅村聡氏(比例)、共産党の小池晃氏(比例)の2人の医師を挙げ、「より良い社会保障の実現のため、手を携えて協力していきたい」とコメント。一方で、医師の小松裕氏(長野選挙区)については、横倉氏自身が何度も応援に足を運んだものの、落選したことを「大変残念」とした。
「選挙前の各種世論調査では、有権者が社会保障政策を最も重視していると報じられていた。自民党比例では、社会保障関係の候補者が10人で120万票を超える票を獲得している。国民の医療や介護に対する関心が極めて高いことが選挙結果にも表われている。しかし、今回の選挙では多数の社会保障関係者が、自民党比例から立候補したこともあり、その結果として社会保障に造詣の深い候補者が国政の場に声を届けられなくなったこともあり、残念に思う」

横倉氏はこう述べ、日医だけではなく、都道府県医師会等でも選挙結果を分析し、対応していく必要性を強調し、(1)日医の組織力をより一層強化していくため、これまで時代の要請に応じた若手医師の育成と環境整備に取り組んできたが、今後は日医の考え方を一方的に理解してもらうだけでなく、若手医師の意見も吸い上げていく方式に変えていく、(2)市町村や都道府県の議会議員にも、医療の問題点を共有してもらうことが大切であり、地方議会議員に医師会の考え方を理解してもらう取り組みを進めていく――の2つを挙げた。具体的には、医師会と医師連盟のさらなる連携強化、病院をはじめとした医療機関等の若い医師への積極的なアプローチ、地域医師会と地方議会議員の日常的な連携などに取り組んでいくとした。
ただし、組織力強化や若手医師対策は従来から主張してきたものであり、それでも羽生田氏の票が10万票近く減ったことについて、改めて問われると、横倉氏は次のように回答した。「具体的には、今から議論をしなければいけない。我々の医療政策は、次の世代がしっかりと医療ができるようにしていくことが重要だが、その辺の訴えが十分ではなかった。現在の状況を継続できるように、とばかり訴えてきた反省はある。今さまざまな改革が行われている中で、もっと次の世代が医療をやりやすいよう、変えていかなければならない。こうした主張をやるべきだったが、しなかったことが、票数を減らした原因かもしれない。また多くの候補者が出たので、そこに流れすぎたこともある。しっかりと食い止めることもしていかなければいけなかった」。

(m3.com)




職域代表が当選となった日医でも今回の選挙結果を深刻に受け止め、今後の政治活動を考えているようです。
# by kura0412 | 2019-07-25 16:47 | 政治 | Comments(0)

残念ながら日歯連盟推薦の比嘉なつみ候補は自民党次点で落選となりました。短い選挙期間を考えればけっして少ない票ではありませんが、落選という結果はやはり真摯に受け止めなければなりません。
一方、神奈川選挙区から立候補していた島村大参議院議員はトップで連続当選となりました。職域代表ではありませんが、歯科医師の籍が持っていることは間違いなく、地元神奈川に加えて、歯科界の一員としての活躍も期待したいとことです。
そして、今回結果で参議院選挙に対する取り組み、また連盟活動そのものを再考する機会となるかもしれません。
# by kura0412 | 2019-07-22 17:21 | コラム | Comments(0)

1億円超す難病治療薬、ノバルティス 健保財政圧迫も

1億円を超える超高額薬が年内にも登場する。スイスのノバルティスが米国で2億円超で発売し、日本でも製造販売を申請している乳幼児の難病治療薬「ゾルゲンスマ」を厚生労働省が承認する見通しとなった。白血病治療薬「キムリア」の公定価格(薬価)が5月、過去最高の3349万円に決まり注目された。相次ぐ高額薬の登場は、日本の医療保険財政を揺さぶる可能性がある。

医療費の大半は国民健康保険や会社員が加入する健康保険組合が支払う。会社員の子どもに投薬する場合、親の収入によって月間の医療費に上限を設ける高額療養費制度もある。ゾルゲンスマの対象疾患は国が難病に指定しており、費用の大部分は国が負担する。
ゾルゲンスマは筋肉が萎縮する脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬だ。SMAは乳幼児の10万人に1~2人が発症する希少疾患で患者数は国内で数百人程度だという。重症の場合は呼吸不全に陥り死亡率が高い。
米国での価格は独立機関の助言を受けてノバルティスが5月に決めた。ゾルゲンスマなしで治療を10年続ける場合にかかるとされる費用の半分強の2億3000万円に設定した。米国では効果があった場合にだけ医療保険会社が製薬会社に薬剤費を支払う仕組みなどが検討されている。
ノバルティスは日本では2018年11月にゾルゲンスマの製造販売の承認を申請した。厚生労働省は通常1年~1年半かかる審査を半年~1年程度に短縮する「先駆け審査指定制度」の対象に指定。早ければ年内にも承認される可能性が高い。

薬価は厚労相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)が決める。海外での販売価格を参考にするため、ゾルゲンスマは1億円以上が確実視されている。
高額薬の扱いは政策課題になっている。小野薬品工業などのがん免疫薬「オプジーボ」は年換算の価格が当初は約3500万円だったが、財務省が高額を問題視し、17年に半分に下げられた。
ゾルゲンスマは化学物質を合成してつくる従来の医薬品とは違い、特殊なウイルスで病気の原因となる患者の遺伝子を書き換える。1度の投薬で治療できるという。

(日経新聞)



オブシーボで薬価価格は下げられることは実証済みですが、果たして高額薬の取り扱いはこのままの推移するのでしょうか。
# by kura0412 | 2019-07-16 08:43 | 医療政策全般 | Comments(0)

「新聞クイント・萬人一語」7月号に私のコラムが掲載されました。
https://www.quint-j.co.jp/shinbun_otameshi/2019_07/#page=1
# by kura0412 | 2019-07-03 09:58 | 政治 | Comments(0)

無給医 アルバイトで生計、労働契約結ばれず
文科省が調査 大学病院に2000人超

全国の大学病院にいる2千人を超える医師・歯科医師が、診療をしているのに給与が支払われない「無給医」だったことが文部科学省の調査で分かった。「別の病院でアルバイトをして生計を立てている」。支援組織には無給で働く大学院生らから窮状の訴えが届く。各病院が状況を精査中の医師はまだ1304人おり、無給医は今後さらに増える可能性がある。

同省が28日に公表した調査結果では、99大学の108大学病院に勤務する医師・歯科医師3万1801人のうち2191人が無給医だった。身分が大学院生などで、表向き自己研さんや研究が目的でも、実質的に労働していたり診療のローテーションに組み込まれたりしていた。
「別の病院で当直勤務をして生計を立てている」「教授の授業や研究を手伝って、数万円のアルバイト代を得て生活している」。勤務医らでつくる労働組合「全国医師ユニオン」(東京・千代田)には院生や研修医らから悲痛な相談が寄せられている。相談事例では多くが月収20万円程度で、時給が最低賃金を割り込んでいる。植山直人代表は「過労死ライン(月80時間)の2倍の残業をこなしながら、労働契約を結んでもらえない医師が大学病院に数千人はいる」と推測する。
労働契約がなければ労災保険が使えず、院内での感染や事故に対応できない。「労働基準監督署に訴えても『労使関係がはっきりしないと対応できない』と断られることがある」(植山代表)という。
ただ、窮状にあっても声を上げるのはごく一部。医局に反旗を翻せば、博士号や専門医の認定をとるのに不利になることを恐れていることが一因という。

各病院は調査を受けて対応を迫られている。123人の無給医がいた岩手医科大付属病院は既に全員と雇用契約を結び、給与を払い始めた。無給医だったのは院生らだが、同病院は「自己研さんや研究が目的で(無給であることを)これまでは問題にしてこなかった」という。
しかし、院生らは外来患者の診療や手当の出る宿直もしていた。弁護士と相談し、4月からは患者と関われば労働とみなすことを基本にしている。
一方、無給の医師が1304人いる7病院は現在も状況を精査中で、対応が決まっていない。日本大では日大医学部付属板橋病院など3付属病院の計683人への対応が未定で、取材に「現在調査中でコメントは差し控える」とした。
今回の調査では、各病院が医師に直接ヒアリングしたのは45病院(42%)にとどまり、ほかは病院長が診療科長に確認するなどしていた。医師からは「国が本人に直接聞かないと本当のことが分からない」との声も上がる。

(日経新聞)



これは医科と歯科が区別されていない発表です。そのそれぞれの統計、いわゆるアルバイトの実態がまでると歯科界の大きな問題となるかもしれません。
# by kura0412 | 2019-06-29 08:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

政府の来年度の骨太方針に歯科の項目が載りました。これで3年連続、記載された文字数も年々多くなっています。特に今回は具体的な施策に通じる語句となっています。凄いことです。
ただ、その中で気になるのが国民への情報提供、歯科健診、歯科口腔保健の充実、医科歯科連携、歯科保健医療提供体制の構築のなど前に「エビデンスの信頼性を向上させつつ」との一言があります。
実は以前から歯科にはエビデンスが足りないということが、厚労省、医科関係者から言われていました。先日も私の友人が国会議員に陳情に行った時に、ある野党の議員からこのことを指摘されたという話も聞きました。
このエビデンスを得ることは歯科界自ら行わなければなりません。果たして迅速にどこまで得られるのか。改定作業の日程が迫る中で、憂かった見方をすればこれは絵に描いた餅にもなりかねません。そしてこの内容だと、医療・介護保険、基金事業、健診等の保健事業と予算の出所が異なり複雑で総合的な取り組みとして施策を進めなければなりません。
歯科界内部からの期待感が大きいだけに、どう具現化されるか注目です。
# by kura0412 | 2019-06-24 16:39 | コラム | Comments(0)

18年の出生数91.8万人、最低を更新 出生率は1.42

厚生労働省が7日に発表した人口動態統計によると、2018年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8397人で過去最低を更新した。3年連続で100万人を割った。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.42と、17年から0.01ポイント下がった。低下は3年連続だ。晩産化や結婚をしない人が増えている影響が大きい。
出生数は17年から2万7668人減少した。最も出生数が多かったのは1949年の269万人で、18年は3割強にとどまった。比較可能な1947年以降で過去最低だった。
出生率は05年に最低の1.26を記録してから緩やかに回復し、ここ3年は1.4近辺で推移する。

出生率がほぼ横ばい圏だったのに出生数が大きく減ったのは、出産適齢期とされる女性の人口が減ったためだ。15~49歳の女性は前年に比べ1.4%減の2463万人だった。
子どもを産んだ女性を年齢別にみると、44歳以下の全ての年齢層で出産が減った。30~34歳は1万人以上減り33万4906人となったほか、25~29歳でも約7000人減の23万3754人となった。
第2次ベビーブームの1971~74年に生まれた「団塊ジュニア」世代が40歳代半ばになり、出産が減っている。第1子の出産年齢が上がっていることも影響している。
第1子を産んだ時の母親の平均年齢は30.7歳と、4年連続で過去最高水準を記録した。平均初婚年齢も夫が31.1歳、妻が29.4歳と高くなっている。結婚する年齢が上がったことで晩産化が進み、第2子、第3子を産む人も少なくなっているもようだ。
都道府県別の出生率では最も低い東京都が0.01ポイント低下し、1.20となった。神奈川県や大阪府などの大都市圏は全国平均を下回る1.3台で推移した。最も高いのは沖縄県の1.89だった。

政府は25年度までに子どもを欲しいと考える夫婦らの希望がすべてかなった場合の出生率「希望出生率」を1.8にする目標を掲げる。共働き世帯が増えるなか、出産・育児と仕事が両立しやすい環境を整えないと、出生率は上昇しない。
出生数から死亡数を引いた人口の自然増減は44万4085人減で、過去最大の減少幅だった。人口減は当面続くため、社会保障やインフラを人口減を前提にして作り直す必要が出ている。

(日経新聞)



ベストセラー・未来の年表から借りれば、まさに「静からなる有事」進行中です。
# by kura0412 | 2019-06-07 16:24 | 社会 | Comments(0)

介護施設 高齢者が「助手」 掃除や配膳、職員に余力

人手不足が深刻な介護業界で、高齢者を活用する動きが全国で広がってきた。25を超える都道府県でベッドメークなど補助業務に特化した仕事を担当する「助手」として採用されている。介護福祉士など資格を持つ職員には本来の業務に集中してもらう狙いだ。介護は2025年度まで55万人の人手確保が必要とされており、元気な高齢者の活躍が欠かせなくなった。
「介護士などの専門職が、より利用者と接する時間を増やせるようになった」。介護大手、ツクイで東京都西部の多摩北エリアを管轄する細野雪枝エリア長はこう利点を話す。同社は17年から介護助手の受け入れを始め、3月末時点で263人が働いている。このうち65歳以上が25%の67人、60歳以上だと35%の91人がいる。

介護助手に明確な定義はないが通常、掃除やベッドメーク、食事の配膳など介護の周辺業務を手掛ける職員を指す。1日3時間、週3日程度で余裕を持って勤務するケースが多く、施設から給与が出るのが一般的だ。
老人保健施設協会が主導して始まった三重県では県の基金を活用し、介護助手の採用にかかる費用を補助している。18年10月時点で約120人が介護老人保健施設で働いており「ほぼ全てが60歳以上」(三重県老人保健施設協会)という。全国では高齢者の活用は東京都や神奈川県、福岡県など25を超える都道府県に広がった。

介護助手が脚光を浴びている背景には、慢性的な人手不足の問題がある。介護業界で働く人は16年度末時点で190万人。厚生労働省の試算では25年度末に245万人が必要になる見通しで、55万人の人手が不足する。
足元でも採用に苦労しており、18年度の介護関係者の有効求人倍率は3.95倍で全職種の2.7倍に達している。
介護を受けたり寝たきりになったりせず、日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は16年までの12年間で男女ともに2歳以上延びている。定年退職後、社会とのつながりを求めるシニア世代の活躍の場として生かせれば、人手不足対策の一助となる。
介護助手を導入することで「介護福祉士」など専門的な職員の負担が軽減され、高齢者への直接的な介助や高齢者の家族との相談など、より高度なサービスに集中できる利点もある。全国に先駆けて制度を始めた三重県では、導入施設で介護職員の離職率が半分以下に低下しており、介護人材の需給ギャップの縮小につながっている。
厚労省は高齢者の参加を促すため、18年から介護の基礎知識を学ぶ入門者向けの研修制度を整えた。19年度も都道府県と合わせて124億円の予算を計上し、受け入れ体制の整備を進める。
大和総研の石橋未来研究員によると「海外では欧州を中心に、介護サービスの専門性に応じた業務分担が行われる傾向がある」という。労働集約的な介護業界に闇雲に人材を集めても、生産性向上は見込めない。専門職が高度なサービスを提供し、産業の付加価値を高めていくためにも業務の分業化が欠かせなくなっている。

(日経新聞)



記事では触れていないが、助手となる前期高齢者の健康寿命が延びることも非常に重要な要素です。
# by kura0412 | 2019-06-07 12:07 | 介護 | Comments(0)

病院ベッド回復期不足

病院ベッド、需要とズレ
回復期が不足、重症向け過剰 転換遅れ、財政に悪影響

病院ベッド(病床)と医療ニーズにズレが生じている。厚生労働省がまとめた2025年の病床数の見通しによると、重症者向けの「急性期病床」は必要量に対して18万床の過剰となった。リハビリ用の「回復期」は18万床不足する。高齢患者のリハビリニーズが高まるのに病床の転換が進まない。高額な急性期が余ったままだと、医療費が膨らむ恐れがある。

主に重症患者を治療する高度急性期や急性期のベッドは、手厚い医療を求められるため医師や看護師を多く配置する。回復期よりもコストがかかる分、病院が受け取る診療報酬が手厚い。
厚労省は団塊の世代が75歳以上を迎える25年ごろから回復期のニーズが高まるとみて、急性期のベッドを回復期に転換する政策を進めている。軽症患者が急性期を使うといった非効率な医療を変える狙いもある。都道府県は「地域医療構想」を作り、病院ごとの病床の削減策や転換策について各地域で調整を進めている。
ところが厚労省が25年の病床数の見込みについて病院に報告を求めてとりまとめたところ、目標とのズレが大きいことがわかった。
高度急性期と急性期の病床数は25年時点で53.2万床まで減らす必要があるが、72万床になる見通しとなった。回復期は37.5万床まで増やす目標だが、19.2万床までしか増えない。
転換や削減が進まないのは、自治体が運営する公立病院や日本赤十字社などの公的病院が改革を避けているためだ。公立・公的病院で急性期のベッドの過半を占める。

「急性期は高度な医療」とのイメージが強く、病院側が名乗りたがることが背景にある。公立病院は同一市町村内の移転でさえも住民の反発を招くことがあり、改革に後ろ向きな首長が多い。報酬の手厚い急性期を減らすと減収につながるとの懸念もある。
日本医師会総合政策研究機構によると、公立病院への公費の投入は年間5000億円を超える。厚労省は赤字を垂れ流す現状を問題視している。だが公立病院の所管は総務省で、交付金や補助金の見直しに直接関与できない。
厚労省は公立・公的病院を対象に、地域に欠かせないがん診療や救急などの実績を個別に検証する作業に着手した。民間病院では担えない役割を果たしているか調べるためだ。分析の結果、他の病院と代替可能と判断すれば再編を迫る考えだ。
公費の投入額や活用状況を明らかにし、問題のある公立病院の実態を浮き彫りにする案も浮上している。
国民医療費42兆円のうち入院医療費は約4割を占め、医療保険財政への影響は大きい。病院はベッドが余ると患者を入院させる動機が働きやすく、医療費の増加を助長しかねない。

(日経新聞)



医科歯科連携を唱えていますが、このベットの機能区分をを考慮する視点が欠けているように感じています。
# by kura0412 | 2019-05-31 14:23 | 医療政策全般 | Comments(0)

診療所の都市偏在を是正、在宅医療の拠点化も 厚労省

厚生労働省は診療所の新設が都市部に集中する状況を是正する。
過去5年間で増えた診療所のうち6割強は東京などの5大都市部に集中し、医療を受けられる機会に偏りがある。厚労省は医師が多い地域での開業には在宅医療や休日・夜間の診療などを担うことを求める。条件を厳しくして地方での開業を促すとともに、都市部では高齢化に対応できる医療の拡充をめざす。

厚労省によると全国の診療所は2017年時点で10万1471カ所ある。過去5年間の増加数は1319カ所で、その前の5年間の約2倍に増えた。増加が目立つのは人口が多く、多くの患者が見込める都市部だ。
東京23区と大阪市、名古屋市の5年間の増加数は計683カ所だった。札幌市と福岡市も合わせると計850カ所で、増加分の6割強を占めた。
厚労省は全国を335の医療圏に分け、人口構成や患者の移動などを考慮した人口10万人あたりの外来医師の数を集計した。その結果、全国平均の105人に対し、東京の都心部は192人、大阪市は129人、福岡市とその周辺は144人にのぼった。一方、福島県や香川県などでは50人を切る地域もある。
診療所や医師が偏ると、過疎地などで患者が必要なとき必要な医療を受けられなくなる恐れがある。都市部も集中して過剰になると、患者の奪い合いで経営が非効率になる。入院用のベッドがある病院の場合は過剰な地域では増床できない。一方、ベッドがない診療所はこうした規制がない。

厚労省は偏在の是正に乗り出す。
まず全国の335の医療圏について、医師が多い上位3分の1の医療圏を「多数区域」とする。この地域で診療所を新設する医師には、(1)在宅医療(2)休日・夜間診療といった初期救急(3)学校医など公衆衛生――のうち、都道府県が必要とする機能を担うよう求める。20年度から実施する。
厚労省はこうした機能を担えない診療所が郊外や地方などで開業を選べば、医師の偏在の是正につながるとみる。
診療所の機能を高めて医療費を抑える効果も見込む。
入院を減らして医師が患者を訪問する在宅医療が広がれば、全体で医療費の伸びを抑えられる。病院への救急搬送では比較的、対応が容易な軽症の場合も多い。診療所で対応することで大病院の負担を軽減できる。
日本の医療費は増加が続いており、17年度の概算で42.2兆円と過去最高を更新した。今後も増え続け国の財政を圧迫する見通しだ。厚労省は医療費抑制策の一環として診療所の配置の適正化に取り組む。

(日経新聞)



これからの医療はやはり医療圏が大きな基準です。
但し、方向性としては理解できても、なんとなく上手く行きそうな感じはしません。そして歯科は野放しですか?
# by kura0412 | 2019-05-24 09:41 | 医療政策全般 | Comments(0)

生活習慣病対策で「総医療費が減る」は嘘

健康寿命が伸びれば、平均寿命も伸びる
「予防をすれば国は医療費を抑制でき、民間には新しいビジネスチャンスが生まれ、個人は健康でいられる」――最近こんな言説が出回っています。
本当ならこんないい話はありません。予防で医療費は減らせるのか? データと医療政策の歴史に基づいて検証してみましょう。

「高齢化(高齢者の増加)」とは一人一人の「寿命の伸長」の結果です。高齢社会で医療介護費が増大するのは、寿命が伸びれば生涯医療介護費(正確には医療介護ニーズ)は増大するからです。要医療(入院)・要介護者の割合は加齢とともに加速度的に上昇し、85歳を過ぎれば半数の人が要医療・要介護になります。「高齢者の高齢化」が進めば高齢者の数以上に費用も増大していきます。平均寿命が男女共80歳を超える日本では、男性の25%、女性の50%が90歳を超えて生きます。寿命が伸びればこの比率はさらに高くなりますから、医療介護費は増大していくことになるのです。
日本人の平均寿命がこれほど伸長した要因は、経済成長による生活水準・衛生水準の向上、そして医療サービスの普及とイノベーションです。皆保険ですべての国民が医療を受けられるようになった。治せなかった病気が治せるようになった。諦めていた患者の命が長らえるようになった。医療にくわえて公衆衛生・栄養水準を充実させ、国民に適切なサービスを提供してきたからこそ、寿命が伸びて高齢社会が実現できた、という歴史の事実を忘れてはいけません。
先進国にふさわしい医療・介護サービスを行う限り、長寿化=医療介護ニーズの増大に応じて医療介護費は増大していきます。これはいい悪いの問題ではなく、事実として議論の前提におくべき話です。
「予防で医療費・介護費を減らそう」「健康寿命を伸ばして医療費を減らそう」という議論はこれまでも何度もありました。要するに「ニーズを減らして医療費を減らそう」という発想です。

しかし残念ながら、医療経済学の世界では「予防で医療費が減らせることはない」というのが共通の知見であり、常識です。「健康寿命が伸びれば医療にかかる人が減って医療費が減るはず」と思うかもしれませんが、健康寿命と平均寿命はパラレルに伸長しています。「健康寿命を伸ばす」とは「老化のスピードを遅らせる(今の80歳は昔の65歳)」ということなので、長期で見れば「健康寿命の伸長→生涯医療費の削減」というわけにはいきません。
たとえば禁煙対策。多くの医療経済・公衆衛生研究では、禁煙は短期的には医療費を下げますが、長期的には余命延長により生涯医療費を増加させることが確認されています。

生活習慣病対策も同じです。
「健康は個人の責任であり、個人の努力で医療費を減らすべき」という主張がありますが、これは、多くの生活習慣病には社会環境など多くの外的要因が複雑に関係している、という医学的知見を無視ないし軽視した暴論です。
実際、短期的には成功しても、長期的に医療費を減らすことに成功した予防医療の例は世界を見渡しても見当たりません。大半の予防医療は長期的にはむしろ医療費や介護費を増大させる可能性のほうが高く、予防医療に投入されるコストを考えればトータルの社会的費用は確実に増大します。

終末期医療をコストで語るな
特に看過できないのは、最近の終末期医療の議論です。「余命いくばくもない患者に無駄に医療が提供されている」「死ぬ前の数日で膨大な医療費を使った」などと個別事例を引き合いに出した議論があります。しかし、終末期の定義や、そこで提供されている緩和医療・ホスピスのような医療の意味を理解して議論しているのかかなり怪しいですし、そもそも「すべての死亡前1カ月」の医療費を総計しても医療費全体の3%にしかすぎません。
終末期医療の問題は生命観・倫理観に関わる難問です。医療費抑制というコストのために人の命を秤にかけるような議論をするのは危険です。この議論の行き着く先に何があるか、80年前のドイツで現実に起こった凄惨な歴史を想起してほしいと思います。
当たり前の話ですが、人間、最後は死にます。これだけ医療の進歩したこの国では、事故で即死でもしない限り死ぬ前には必ず一定の、それも決して短くない「要医療・要介護期間」があります。21世紀を前に私たちが介護保険を作った理由は、高齢社会の介護が「看取りの介護」から「生活を支える介護」「誰もが直面する介護」になったからです。ピンピンコロリは個人にとっては理想でしょうが、個別のエピソードと政策立案の基礎となるマクロの社会的事実は大いに異なるのです。

そもそも予防や健康寿命の伸長とは、一人一人のQOL向上のための施策です。文字通りプライスレスな価値を創造する取り組み、コストをかけてでも推進すべき施策なのであって、目先の医療費削減や健康サービスの産業化で議論するのは大きな心得違いです。
長寿社会の医療介護費対策には、発想の転換が必要です。
「抑制」「削減」は無理でも「最適化」することはできます。ニーズを抑えるのではなく供給サイドの改革をする、限られた人的・物的資源で医療介護ニーズの変化に対応していく「提供体制改革」です。

医療・介護提供体制の「選択と集中」を
働き方改革論議で、医師や看護師の過重労働が問題になっています。誤解を恐れずに言えば、今の日本の医療介護提供体制は「戦力の逐次投入」と「有限資源の薄まき」、そして「ミスマッチ」状態です。現場の医療・介護従事者があれだけ働いているのに、全体としては効率的なサービス提供が実現できていない。このままでは増大する医療介護ニーズを支えることは難しい。限りある人的・物的資源の効率的利用という観点から思い切った「選択と集中」が必要です。
具体的には、疾病構造・患者像の変化に合わせた病院機能分化の徹底。
急性期病院では資源の集中投入で早期治療・入院期間短縮を目指し、退院後は地域医療・在宅介護で支える。治療から生活支援へ、施設から在宅へ、医療から介護へ、病院・施設から地域・在宅へと医療介護全体の人的・物的資源を大きくシフトし、「地域完結-ネットワーク型」の提供体制を構築する。

人的資源の効率活用も欠かせません。専門職の機能分担を見直して、専門職は専門職にしかできないことに集中してもらう。というのも、労働人口が減る中で、患者の増加に比例して医師や看護師などの専門職の数を増やすことは不可能なのですから。
医療・介護提供体制改革に取り組むのはとても地味でしんどい作業です。政治家にとっても「不人気で有権者にウケない、地味すぎる政策」に違いありません。そんな中で、自称「改革者」たちが唱える「予防で医療費は減らせる」「取り組みが進まないのは既得権益やしがらみを持つ者が抵抗するから」という主張は、心地よく響くことでしょう。
しかし実際には予防で医療費抑制などはできず、真の改革の機会は失われ、総医療費はかえって増大します。十分な給付ができなくなり、「医療格差」が生まれ、制度への信頼・社会の統合が失われる……。過去の経験はその可能性を示唆しています。

政策とは客観的事実と大局を見て組み立てるものであり、制度を担う者が負っているのは「しがらみ」ではなく「責任」、それも「結果責任」です。その重みを理解しないものが無責任な言説を展開して、物事がうまくいったためしはないのです。
霞が関の政策担当者は結果に責任を負っています。ぜひ、専門集団としての矜持と自覚、そして使命感をもって事に当たってほしいと思います。

※本稿は個人的見解を示したものであり、外務省ともアゼルバイジャン大使館とも一切関係ありません。
香取照幸(かとり・てるゆき)
元・内閣官房内閣審議官・駐アゼルバイジャン共和国大使
1956年、東京都生まれ。東京大学卒。厚生労働省で政策統括官、年金局長、雇用均等・児童家庭局長を歴任。内閣官房内閣審議官として「社会保障・税一体改革」を取りまとめた

(香取照幸:PRESIDENT Online)



突っ込めるところが満載の内容ですが、これが局長級トップクラスの元厚労官僚の考え方です。
# by kura0412 | 2019-05-21 17:14 | 医療政策全般 | Comments(0)

GDPがプラスでも、、、

野党、不信任案の時期探る 「同日選」警戒、狭まる選択肢

菅義偉官房長官は20日の記者会見で内閣不信任案が解散の大義になるかと問われ「当然のことではないか」と述べた。17日の記者会見でも質問され「当然なるのではないか」と答えていた。立民の福山哲郎幹事長は「野党第1党の党首があたかも解散権を握るような事態は非常に不可思議だ」と警戒を強める。

野党の内閣不信任案提出を受け、採決せずに衆院を解散したのは現憲法下で5回ある。
たとえば1958年は衆院本会議で与野党による賛成、反対の討論後に当時の岸信介首相が解散に踏み切った。79年には大平正芳首相が不信任案の採決前に解散している。83年は実刑判決を受けた田中角栄氏の辞職問題で国会が空転し、中曽根康弘首相が不信任案を受けて解散した。
野党内では一時、1~3月期の国内総生産(GDP)速報値がマイナスになれば経済政策の失敗を理由にした内閣不信任案を20日にも出す案が浮かんでいた。
内閣不信任案の提出は会期末ごろが多く、6月26日が会期末の今国会でみれば1カ月以上早いタイミングだ。通常国会で会期末より1カ月以上前に出した例は自民党が結党した55年以降、5回しかない。
このうち2001年の森喜朗内閣に対する不信任案は「加藤の乱」の翌年だった。通常国会で首相退陣論が高まると、野党は不信任案の早期提出に動く。加藤紘一氏ら7人が採決を欠席した。
1~3月期のGDP速報値は2四半期連続のプラス成長となり、経済失政を理由とした内閣不信任案はわかりにくい。複数の野党幹部が「すぐに出すのは難しい」と見送る考えを示した。

衆院選準備が遅れる野党にとって内閣不信任案の早期提出は、衆参同日選の可能性をつぶす戦術の一つだった。
衆院選の投開票日は憲法で解散から40日以内と定められている。参院選は改選議員が任期満了を迎える1カ月前の6月28日より前倒しできない。
5月20日の解散なら、日曜日が投開票日となる衆参同日選は不可能だった。21~27日の解散でも同日選の投開票日は6月30日に限られる。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議は6月28~29日を予定し、外交日程と重なる可能性がある。

野党の選択肢は狭まる。
児童虐待防止法と児童福祉法の改正案は野党5党派が共同提出した対案を同時に審議しており、与党は修正協議に応じる構えだ。その成立前に野党から内閣不信任案は出しにくい。
国民民主党の玉木雄一郎代表は20日の講演で「国会が終わるころにはいつも出している」と話した。6月21~26日に内閣不信任案を出して首相が解散した場合、参院選の投開票日と目される7月21日の同日選が可能になる。野党側には解散を誘発する懸念もある。

(日経新聞)



予想外の成長も内需陰り GDP1~3月実質2.1%増 4~6月ゼロ成長予想

内閣府が20日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.5%増となった。年率では2.1%増。一部で景気後退懸念も出始めるなか、予想外の高成長となった。実際は輸入の大幅な落ち込みが成長率を押し上げた形で、内需にも陰りが出つつある。民間エコノミストは4~6月期を平均でゼロ成長と予測しており、なお先行き不透明感が強い。

市場では今回のGDPについて、マイナス成長もあり得るとの見方が広がっていた。結果はQUICKが集計した民間23社エコノミストの予測平均(前期比年率0.2%減)を超え、予測の最高値だった1.4%増も上回った。
内閣府は今月13日、景気動向指数に基づいて景気の基調判断を機械的に「悪化」に引き下げた。今回GDPが2四半期連続のプラス成長を確保したことで、景気悪化に対する過度な懸念はひとまず和らいだ。
1~3月期のGDPは、主に外需が押し上げた。前期比0.5%増の内訳を見ると内需が貢献したのは0.1%分だけで残る0.4%分は外需が押し上げた。

外需は輸出から輸入を差し引いた「純輸出」ではかる。今回、外需が増えたのは輸入の下げ幅が輸出の下げ幅より大きかったためだ。1~3月期は中国経済の減速で輸出が2.4%減ったが、輸入は4.6%減とリーマン・ショック直後の2009年1~3月以来の大きな落ち込み幅となった。企業の生産活動に必要な原油や天然ガスなどの輸入が減った影響が大きい。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長になったが「実際の景気は見かけよりもかなり悪い」(木内氏)。実際、内需の二本柱である個人消費と設備投資はどちらも2四半期ぶりにマイナスに転じた。

成長率が6月10日公表予定のGDP改定値で下方修正される可能性もある。
改定値では6月1日発表の財務省の法人企業統計を利用して、設備投資などを推計し直すためだ。過去には18年7~9月期の実質GDPが改定値段階で前期比年率1.2%減から2.5%減に下方修正された時も、法人企業統計を受けて設備投資が大幅修正されたことが響いた。
日本経済新聞が20日に集計した民間13社のエコノミスト予測によると、4~6月期の実質GDPは年率換算の平均値で前期比0.004%減と、ゼロ成長にとどまる。大型連休に伴う支出増や消費増税前の駆け込み需要が始まることで、個人消費は持ち直しそうだ。
半面、中国経済の不透明感や米中貿易摩擦の激化がリスクとして残る。第一生命経済研究所の新家義貴氏は「輸出は当面伸びにくい状況が続く。設備投資にも波及する可能性がある」とみている。

(日経新聞)




GDPがプラスとなったから衆議院解散が遠のいたのではなく、いろいろな要因で逆に近づいたとも考えられるようです。そして今週トランプ大統領が来日します。その反響によっては安倍政権のプラス材料となり一気にW選挙に動き始めることも考えられます。
# by kura0412 | 2019-05-21 17:00 | 政治 | Comments(0)

喜べないGDP2.1%増 「輸入減で高成長」の不安

景気悪化への懸念が強まる中で20日に発表された2019年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質ベースの年率で2.1%増と高めの成長率だった。民間エコノミストの多くが事前にマイナス成長を予測していただけに予想外の数値だ。ただ内容を見ると「輸入の急減が成長率を押し上げた」という統計上のカラクリがあり、手放しでは喜べない。

GDPは各種の経済統計をもとに、一定期間内に国内で生み出された付加価値を推計する経済指標だ。このうち輸入は海外で生み出された付加価値と捉え、その分をGDPの総額から差し引くことになっている。このため輸入が減れば、GDPから差し引く分が減り、前期比の成長率で計算すると伸び率は上振れることになる。
19年1~3月期の輸入は前期比で実質4.6%減った。年率換算では17.2%減と09年1~3月期以来となる10年ぶりの減少幅となった。この結果、19年1~3月期のGDP総額は予想より大きくなり、18年10~12月期と比べた成長率を押し上げることになった。

問題は輸入の急減が日本経済の停滞を映している可能性が高いことだ。
内閣府は輸入減の理由を「原油や天然ガスの輸入が減ったため」と説明する。一般に企業活動が鈍ればエネルギー関連の需要は鈍る。財務省の貿易統計によると、1~3月期は原油など燃料のほかにも化学製品や機械、半導体など電子部品の輸入も減っている。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長となったとはいえ、「実際(の景気)は見かけよりもかなり悪い」。
第一生命経済研究所の新家義貴氏も国内の需要動向を映す輸入が減っていることを重く見て、「1~3月期が想定を超える成長率になったからといって、景気鈍化の不安が払拭されたとは言い切れない」と指摘する。
企業が日本経済の先行きに慎重になり、身をかがめた結果の輸入減だとすれば、この先は設備投資の鈍化に波及する懸念が強まる。
貿易戦争などで外需が揺れる中で日本経済を下支えしてきた内需は変調の兆しが出始めた。1~3月期は設備投資が前期比0.3%減、GDP総額の5割以上を占める個人消費も0.1%減った。内需の柱が細れば、米中の貿易摩擦で外需が一段と冷え込む事態への耐久力が弱まる。
市場の事前予測と大きく食い違う結果になった1~3月期GDPの高成長は、この先の日本経済に訪れる変調をより深刻に映している可能性もありそうだ。(中村結)

(日経新聞)



この度発表に対する分析に関しては関係者の間でも意見が分かれるようです。然しながら、「リーマンショック級の経済状況」となるとどうなのでしょうか。これでW選挙は遠のいた感じがしますが。
# by kura0412 | 2019-05-20 16:01 | 経済 | Comments(0)

改正健保法が成立 マイナンバーカードを保険証代わりに

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする改正健康保険法などが15日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。2021年3月までの利用開始を目指す。公的手続きなどをネット上で済ませられるデジタル社会づくりを後押しする。

健保法を含む8つの法律を一括で改正する。マイナンバーカードの普及率は現在1割強にとどまる。健康保険証代わりに使えるようにして利用者を増やす。健康保険組合も保険証を発行するコストを減らせる。
今回の法改正では外国人労働者の受け入れ拡大に対応し、健康保険の適用対象を厳しくした。給付を受けることができる扶養家族を原則、国内居住者に限る規定を盛り込んだ。医療費の抑制や不正利用の防止が狙い。同規定は20年4月に施行する。
4月に始まった新たな在留資格「特定技能」で日本で働く外国人労働者が増えるとみられる。母国に残した家族の医療費も日本の健康保険で賄えば、医療費の膨張につながるとの指摘があった。

(日経新聞)



今後普及して税と医療を統合的に管理することになるのでしょうか。
# by kura0412 | 2019-05-16 09:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

1回3300万円の白血病治療薬、保険適用へ

1回の投薬で、約3300万円もするがん治療薬が公的な医療保険でカバーされるようになる。厚生労働省は15日、白血病などで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決める見通しだ。
厚労省は同日開く中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示す。承認されれば、キムリアの保険適用が決まる。

キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬だ。患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻す。国内では初の保険適用になる。海外では米国や欧州、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ている。
投与は1回のみだ。ノバルティスの試験では、若年の白血病患者で8割に治療効果が見られた。対象になる患者は216人と見込まれている。市場規模は72億円だ。
超高額薬でも患者の負担は少なくて済みそうだ。公的医療保険は患者の窓口負担が現役世代で3割だ。これに加え医療費の負担が重くなりすぎないよう1カ月あたりの自己負担の上限を定めた高額療養費制度がある。例えば、年収が約500万円の人がキムリアを使った場合、40万円程度の負担で済む。
問題は3300万円の大部分を税金と社会保険料で支払っていることだ。患者が加入する健康保険組合の負担は大きい。高額療養費の支給金額は2016年度で2兆5579億円となっている。

(日経新聞)


規模は72億円と推測され、オブシーボとは異なり一回投与ということですが即保険適応です。
# by kura0412 | 2019-05-15 08:47 | 医療全般 | Comments(0)

歯髄幹細胞の行方

歯神経の再生医療に参入 エア・ウォーター

産業ガス大手のエア・ウォーターは9日、2021年に歯の神経の再生医療事業に参入すると発表した。歯科医院から歯の神経の幹細胞の培養・加工を受託する。歯がないことによる病気を防ぐため、歯の再生を望む高齢者が増えると見込む。21年度に3億円の売り上げを目指す。

神戸市の開発拠点に細胞の培養設備と再生医療の臨床研究を担う歯科医院を置く。同医院の院長には国立長寿医療研究センター研究所で幹細胞再生医療研究部長を務めた中島美砂子氏を招く。培養した幹細胞を使って臨床試験し、有効性を確かめて事業化する。
一般の歯科医院から患者の親知らずなど不要な歯を受け取り、神経幹細胞を取って培養。増やした幹細胞を歯科医院に届ける。患者の歯に幹細胞を移植すると1カ月後に歯の神経が再生するという。
神経は歯の中心部にあり、重度な虫歯などの治療で取りのぞく。歯茎の炎症に気づきにくくなるため症状の悪化が進み、歯を抜くことになる場合が多い。

(日経新聞)




この記事にもあるように歯髄幹細胞は再生医療の世界では非常に有力らしく、既にある歯科大(日歯大)では積極的にこの分野を展開しています。ただ、歯科界のビジネスとして流れがはっきりと描かれていません。歯科というものが社会に大きく視線がそそがれそうなテーマだけに、注目しています。
# by kura0412 | 2019-05-13 09:26 | 歯科 | Comments(0)

「医療を守るには、そんなにお金のかかることではない」財源確保で議論

第30回日本医学会総会で4月27日、学術プログラム「超少子高齢社会を乗り切る医療制度改革と財源選択」が企画され、医療費の財源確保について議論した。座長の二木立氏(日本福祉大学名誉教授)は「医療費は対GDP比で見るのが適切であり、今後漸増するが、急騰はしない」と強調した。

二木氏は冒頭に「医療費・社会保障給付費の規模は対GDP比で見るのが適切であり、政府の公式推計では、この比率は今後漸増するが、急騰はしない。そのため、医療費の抑制ありきの行き過ぎた改革は避け、国民皆保険制度を堅持しつつ、良質で公平な医療を効率的に提供するための改革を着実に進める必要がある」と強調した。

慶応義塾大学商学部教授の権丈善一氏は「今後の日本を乗り切る医療制度改革と財源選択」として、自身が担当した2013年の社会保障制度改革国民会議の報告書や日本医師会・医療政策会議平成28・29年報告書『社会保障と国民経済』について解説した。「先入観を変えてもらわないといけない」と強調し、日本の生産年齢人口一人当たり実質GDPは世界的に見ても健闘していると説明。「デフレ下でも日本の経済はしっかり成長しており、日本はそんなに大きな病ではない」と述べた。
2018年に公表された「2040年の社会保障給付は現状の1.6倍の190兆円」という内閣府の推計についても、「名目値で見ると1.6倍だが、GDP比で見ると1.1倍ぐらいにしかならない」と説明。医療に関しては1.2倍になる見込みとして、「なんとか財源確保していかなくてはいけない」とし、消費増税の必要性などを指摘した。国の債務が増加の一途にあることについては「孫、ひ孫にどのように素晴らしい社会保障を残していくか。もう守れなくなっている」とした上で、「医療を守っていくのはそんなにお金のかかることではない」として財源調達の議論の重要性を指摘した。

厚生労働省大臣官房審議官の迫井正深氏は「医療制度改革がめざすもの -2025年以降を見据えて」として、厚労省が進める地域包括ケアシステムや働き方改革について説明した。入院医療については、「フェアで適切なデータによる分析を踏まえて、地域医療構想を着実に進めていくことに尽きる」と説明。外来については「『面倒見の良い外来』が重要で、地域にコミットするかかりつけ医の存在が重要になる」と述べた。また、医療と社会は互恵関係として、働き方改革の議論からも患者の意識を変えていくことも必要と指摘した。

産業医科大学医学部公衆衛生学教授の松田晋哉氏は「医療の『見える化』と地域医療構想」として、名古屋医療圏を例に取り、今後の変化について議論した。名古屋圏では大病院の機能分化が進んでおらず、療養病床が少ないとし「本当にこのまま進んでいくのか」。高齢者の慢性期患者をどこで診るかを考える必要があると指摘した。
各地域で進む地域医療構想に関する議論については、高度急性期、急性期は「診療報酬改定と働き方改革で自然に落ち着く」との見解を示した。一方で、今後、急増する慢性期は慎重に検討する必要があるとし、「ドクターは慢性期を甘く見ている。在宅医療が進んでいるが、さらに増やせるのかは各地域でデータに基づいて考えていく必要がある」と述べた。

「日本の医療への信頼度増している」
会場からは患者の受療行動をどのように変えていくべきかという質問が出た。迫井氏は「それぞれが粘り強くやるしかない。働き方改革をやるには地域、患者さんの協力が不可欠。予算をいただければ定期的にキャンペーンをやっていきたいと考えている」と説明。二木氏は「過去30年の範囲では、日本医師会、日本の医療に対する信頼感は強くなっている。マスコミの理解も進んでいる」と指摘した。
医師養成に関する質問では、権丈氏は「18歳人口の100人に1人が医学部進学という状況が続くといずれ供給過剰になる。しかし、現在は足りておらず、育てるのに10年かかる。今の段階で入学者を増やすわけにはいかず、今は無理をしながら調整していくしかない」と説明。二木氏は「医師数の増加が医療費増加につながるというのは学術的には完全な誤り。医師数と医療費は切り離さなければならないというのが共通理解」とコメントした。
高額薬剤の問題については、二木氏は「公的医療が多い国では、医療費は低い。(オプジーボ登場時のように)大騒ぎすることも医療のシステムであり、高額薬剤が個別に出てくることがあるが、いつの間にか公的医療保険が価格を調整する」と説明。迫井氏も「経験則だが、法外な値段をつけると売れない。インターフェロンや透析が出てきたときにも破綻すると言われたが、破綻していない」と述べた。

(m3.com)



この記事を見ての素朴な疑問。「日本の歯科医療への信頼度は増している。」と言い切ってくれる経済学者がいるか否か。またそれを軸に政策展開が可能かどうか。そして財源論を繰り口に議論も必要です。
# by kura0412 | 2019-05-08 17:25 | 医療政策全般 | Comments(0)

日歯連盟は側面から支援

自民党公認を得た「ひが なつみ」(歯科医師)氏

7月央に第25回参院選が行われるが,比例区(全国区)を目指す「ひが なつみ」氏は,このほど自由民主党の公認を得た.
同氏は1958年生まれ,福岡歯科大学卒業の歯科医師で,なつみ歯科医院経営(開業歴25年),地元の沖縄県歯科医師会副会長,沖縄県歯科医師連盟理事長,沖縄県歯科衛生士学校副校長を歴任した.
政治歴は衆院議員2期,この間,環境大臣政務官,厚生労働部会部会長代理,厚生関係団体委員会委員長などを歴任.現在は日本歯科医師連盟の顧問に就いている.

「国民皆保険」を守ります! 「歯科医療の評価」を適正化します! 「生涯を通じた歯科健診」を実現します! を約束した政治活動をしたいという.
同氏に接した人たちによると,“声高で活発に発言をする人ではないが,真に堅実な人だ”としている.
参院比例区は非拘束名簿制のため投票には候補者の氏名を書く必要があるが,日本歯科医師連盟は同氏を側面から支援することにしている.

以上,4月24日の日本歯科医師連盟定例記者会見より.

(HYORON)


この記事を見る限り、日歯連盟は側面から支援とあります。短期間でどこまで浸透できるか。時間との勝負でもあります。
# by kura0412 | 2019-04-26 08:59 | 政治 | Comments(0)

社会保障改革、後退色濃く 参院選配慮にじむ
財務省案提示、財制審で議論へ

財務省は23日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、少子高齢化で膨らむ社会保障費の抑制をめざす改革案を示した。2018年に提示した目玉政策を曖昧にするなど表現の後退が目立った。今夏に参院選を控える与党に配慮し、高齢者らの負担増となる政策を明確に打ち出しにくいという事情がある。

「社会保障に真正面から立ち向かわないといけない」「制度維持には給付と負担の適正化が必要」。23日の財制審の財政制度分科会では、出席した民間委員から将来世代にツケを回すのを抑える歳出改革に取り組むよう促す意見が相次いだ。
19年度の当初予算で社会保障費は18年度より1兆円多い34兆円と過去最大を更新。歳出総額の3分の1を占め、今後はさらに増加が予想される。
だが、23日に示した財務省案は改革に慎重とも受け取れる表現が目立った。

負担増を避ける
一つは経済成長率や人口動態に応じ、医療費の患者負担を自動的に調整する仕組みだ。18年5月の財制審の提言では「導入に向け、具体的方策について検討を開始すべき」と提起した。ところが今回は「保険給付率と患者負担率のバランス等を定期的に見える化」していくべきなどと記しただけだ。
この案は年金制度で経済成長や現役世代の人口減などに合わせて給付額も減らす「マクロ経済スライド」の医療版ともいえる。しかし、日本医師会や自民党の厚労族議員から強い反発を受けた経緯がある。
年金制度では改革案が削られた。1年前は支給開始年齢を現在の原則65歳から「さらに引き上げていくべきではないか」と主張し、付属資料では65歳から68歳に引き上げる概念図も示した。今回は年金を受け取る年齢を70歳を超えてからでも可能にすべきだと指摘したが、原則とする支給開始年齢の引き上げに関する記述はない。
歳出カットの本丸と言える改革案でも後退した。75歳以上の病院での窓口負担を1割から2割に引き上げることについて「できる限り速やかにすべき」との文言を追加した。実現まで猶予を設ける布石を打っているように映る。
介護保険の利用者負担でも、これまで主張してきた原則1割から2割負担への引き上げと併記する形で「(2割負担の)対象範囲の拡大を図る」と盛り込んだ。対象を広げることの難しさを伝えるような書きぶりだ。
薬の保険適用を巡り、財務省は湿布薬や風邪薬など市販薬と同じ成分の一部医薬品を適用から外すべきだとの立場だ。だが、23日に示した案では薬剤の自己負担引き上げについて「具体的な案を作成・実施すべき」とトーンを落とした。

増税実現を優先
一方、歳出の抑制策として約5年ぶりに指摘したのが、介護の在宅サービスで価格競争が起きる仕組みを構築することだ。民間企業が自由に参入でき、サービス価格も介護報酬以下なら設定は自由だが、実際に介護報酬を下回った価格を設定する事業者は確認できていない。こうした状況を受け、介護計画を作るケアマネジャーが利用者に複数のサービスを比較して負担も説明することで価格競争が起きると提案した。
財務省は財政健全化をめざす立場から、社会保障費を抑制する改革の旗振り役となってきた。もっとも、今年は10月予定の消費税率の10%への引き上げが最優先課題だ。7月に参院選を控えるなかでは「負担増や給付減と増税を同時に求めるのは難しい」との声が多い。
財務省は夏以降に、より踏み込んだ具体策を検討したい考えだ。22年からは団塊の世代が医療費が急増する後期高齢者になり始める。財務省幹部は「言いっ放しで終わらせず、22年に間に合わせるために改革の優先順位をつけることが必要だ」と話している。

(日経新聞)



消費税増税延期となった場合、今の国会で成立する増税対策はどうなるのか?
# by kura0412 | 2019-04-25 17:06 | 政治 | Comments(0)

参院選 自民、組織票掘り起こし 首相、団体と個別会合

自民党が夏の参院選に向けて、比例代表での組織票の掘り起こしを拡大している。郵便など組織内候補をたてる支持団体の足場を固める一方、距離が生じがちな団体とも関係強化に目を配り始めた。安倍晋三首相(党総裁)が首相公邸に団体を個別に招くなど力を入れる。圧勝した2013年の参院選の反動に加え、桜田義孝前五輪相の辞任問題の影響を懸念する声もあり、比例候補を支える態勢づくりを急ぐ。

新元号が「令和」に決まった翌日の2日、日本歯科医師連盟の高橋英登会長、日本歯科医師会の堀憲郎会長が首相公邸を訪れた。
地方の幹部も同席する中、首相は夕食をともにしながら約2時間すごした。話題の中心は新元号だったものの、18年の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に「歯科保健医療の充実に取り組む」を盛り込んだことなどを訴えた。
3日も全国漁業協同組合連合会の岸宏会長らと会食した。改正漁業法の成立で民間参入がしやすくなり、既存の漁業者は環境が大きく変わる。リース方式による新しい漁船などの導入が話題に上り、首相は「しっかりやります」と今後の予算編成で業界の要望に応える考えを示した。
首相は2月から3月にかけて党と各種団体との懇談会に連日参加し、選挙への協力を求めた。今回、個別にアプローチした日歯連も全漁連も、参院選で組織内候補を擁立する予定はない。それでも緩まずに比例候補の組織票を固めてもらう狙いがある。今後も首相は個別に団体を招いて会合を重ねる見通しだ。
日歯連の場合、旧民主党政権時代の10年参院選は旧民主党の候補の支援に回った。12年に自民党が政権に復帰すると、再び自民党支援に戻した経緯がある。こうした団体が緩まないよう引き締めをはかる意図もある。

自民党は、距離のあった団体にも触手を伸ばしている。甘利明選挙対策委員長は3月、都内のホテルで開いた「IT社会推進政治連盟」の1周年記念パーティーに出席した。同連盟は将来的に組織からの国会議員の輩出を目指している。甘利氏は「参院選を機に協力してもらえるところを増やしたい」と語る。
野党出身の元議員を擁立し、組織票を取り込む戦術もとっている。旧民主党政権で財務政務官を務めた尾立源幸氏を擁立する。大日本猟友会の参与の肩書を持ち、組織票が期待できるとみる。
一方、山口泰明組織運動本部長や井上信治団体総局長ら幹部も今年に入り、地方行脚を重ねている。なかでも32ある改選定数1の「1人区」で、野党と激しい選挙戦となりそうな11の激戦区に重点を置く。地方の農協などを訪問して協力を求め、足場を固める作戦だ。
自民党が比例票の掘り起こしを進める背景には、比例で18議席を得て圧勝した13年参院選の反動で、議席を減らす懸念があるためだ。自民党は現時点で少なくとも比例代表候補に29人を内定し、25人だった16年の参院選を超え、13年の29人を上回る可能性がある。
甘利氏は大型連休までにさらに全国的に知名度の高い人材を念頭に、比例候補を数人追加する考えだ。候補者同士が競合しても比例代表で党全体の票の上積みを目指す。当選が確実視される組織内候補も危機感を強めて票の掘り起こしに動く効果も期待している。

今年は統一地方選と参院選が12年に一度重なる「亥(い)年」。地方選の選挙疲れが地方組織に残り、参院選で組織の運動量が落ちる悪影響が出る懸念がくすぶる。
首相にとって第1次政権で挑んだ前回の「亥年選挙」となる07年の参院選は苦い経験だ。年金記録問題や閣僚の不祥事などの影響で惨敗した。
最近になって5日に「忖度(そんたく)」発言で塚田一郎氏が国土交通副大臣を辞任し、10日には桜田氏が東日本大震災の被災地に配慮を欠く発言で閣僚を辞めた。
首相は11日、相次ぐ辞任に関して記者団に「内閣全員がより一層身を引き締めていかないといけない」と語った。参院選に向けても自民党幹部が「最も選挙モード」と舌を巻く首相の活動が一段と活発になりそうだ。

(日経新聞)



官邸の意向もあっての支援候補擁立だったのかもしれません。
# by kura0412 | 2019-04-12 08:31 | 政治 | Comments(0)

島村大議員の支援に注力、比嘉議員の推薦は保留-神奈川県歯科医師連盟

神奈川県歯科医師連盟の第41回定時評議員会が3月14日、神奈川県歯科医師会館で開催された。協議は本年7月に予定される第25回参議院議員通常選挙への対応が中心となった。
鶴岡裕亮会長は、「選挙区候補者については島村大議員を重点推薦候補者とすることは言うまでもない。全国比例区については沖縄県歯科医師連盟より比嘉奈津美氏の推薦依頼があり九州地区8県が推薦を決めている。本会常務会で協議したが結論には至らず、評議員の意見を参考に検討を進めたい」とし意見を求めたが、「神奈川県は島村大議員の支援に専念すべきである。高橋氏の推薦から公認辞退までの経緯について説明責任が果たされていない」、「現職議員を推薦しない理由について説明を求める」などの意見が上がり、29日に行われる日歯連盟評議員会の協議を待つこととした。

(ikeipress)



神奈川県は地方区に島村議員が出馬するという特殊事情があるとはいえ、他の地域でも足並み揃えて比例区選挙を進めることにバラツキがでるかもしれません。
しかし日歯連盟の決定が今月末となると、実質の選挙が3カ月足らずとなります。
# by kura0412 | 2019-04-08 14:32 | 政治 | Comments(0)

【社説】人生の最期をよりよくするために

東京・福生市の公立病院で人工透析を中止した患者が死亡した。この問題をどう判断するかは調査結果を待つ必要があるが、透析に限らず回復が見通せないままに長く続く治療は多い。
人生最期をどう迎えるか判断を迫られる場面は誰にも訪れうる。納得のゆく最期のためにどうすべきか、この機会に点検したい。 

国・学会の指針生きず
医療技術が高度化し、かつては「不治の病」と言われていたような病気でも、新たな治療法や症状を安定させる方法が相次ぎ開発されている。だが、すべてが患者にとって生活の質(QOL)向上につながるわけではない。
人工呼吸や経管栄養などを含めて延命治療をするのか、またそれをいつまで続けるのか、悩みは尽きない。医療やケアを提供する側も、患者・家族も、答えの出ない日々を過ごしているケースが少なくないのではないか。
がん、心臓病、神経系の難病などで不幸にも回復をみないまま人生の幕を閉じざるを得ないこともある。日本人の長命化が進むなかで、最後まで納得できる医療やケアを受けられるか、問題は重要さを増している。
延命措置の中止や終末期医療に関する何らかのルールが必要だとする議論は、1990年ごろから活発になった。厚生労働省は2007年に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(指針)」を作成した。
基本に据えたのは、患者本人の意思の尊重だ。そのうえで、さまざまな専門職で構成する医療・ケアチームによって医療の内容が医学的に妥当で適切かを慎重に判断する、などと規定している。
18年の改訂版では患者・家族や友人、医療・ケアの専門家らが最期について繰り返し話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」の重要性を盛り込んだ。誰もが納得できる医療やケアを探る手法として評価できる。
指針は多くの場面に応用できる一般的な手続きをまとめたもので、具体的な医療・ケアの行為にまで踏み込んでいない。日本救急医学会、日本集中治療医学会、日本透析医学会などが別途、指針をつくって補っている。
しかし厚労省の指針は医療現場などであまり使われていないのが実情だ。指針を知らない医療関係者も多いという。学会の指針にも強制力はなく、十分に活用・順守されているとは言い難い。現場の声をもとに、不断に見直し活用を促す柔軟さが欠かせない。
専門家と患者・家族などに限らず、できるだけ広い層の感覚をつかむことも役立つ。学会の公開シンポジウムなどで人生の最終段階のあり方を広くテーマにしたり、国の審議会で折に触れ議題として取り上げたりしてはどうか。
アドバンス・ケア・プランニングの必要性は理解できても、時間や人材が足りず対応できない場合もあろう。現在、がん治療の拠点病院が先行実施している。大規模な病院でもぎりぎりの人員で運営している。
国と教育・医療機関などが連携を深め、人材育成を急ぐべきだ。その際は病気の治療だけでなく、体調の維持管理、生活習慣、仕事継続の可否などの相談にのるトータルケアを重視してほしい。
医学教育の現場では最先端の研究・治療に人気が集中しがちだ。研究者にとっては論文を多く出せるし、臨床現場のニーズも高い。偏りを直すにはアドバンス・ケアなどに率先して取り組む人材の評価と待遇を高める工夫がいる。 

ケア充実へ人材育成
この分野の知見を持つ人材は、病院などで治療やケアの妥当性を話し合う倫理委員会の委員としても活躍が期待される。倫理委の質を高めれば、医療やケアの提供者への不信を減らせる利点がある。
18年度の診療報酬改定で、厚労省は終末期の在宅患者への訪問診療や訪問看護について加算するなど、医療・ケア体制の充実に乗り出した。治療の方針に関する患者・家族の意思決定を支援することを条件にした項目もある。
このように、診療報酬政策を使った体制の充実は、さらに推し進めていいだろう。また介護保険制度のなかに、最期の迎え方に関する相談やケアをいま以上に組み込む考え方もある。
人生の終わりは誰にでもやってくる。専門家だけに任せるわけにはいかない。一人ひとりが、わが身のことと考え、日ごろから最期の迎え方についてさまざまな場面を想定し、周囲と話し合う。その大切さは言うまでもない。

(日経新聞)



とんちんかんな的外れが多くなった各紙社説の中で、久々に共感できる内容です。
# by kura0412 | 2019-04-08 14:24 | 医療全般 | Comments(0)

参院選に沖縄県の比嘉奈津美氏を支援(日歯連盟)

3月29日に日本歯科医師連盟の第136回評議員会が開かれ,7月に行われる第25回参院選については,沖縄県の歯科医師で前衆院議員(自民党)の比嘉奈津美氏(福岡歯科大学卒業)を支援することが決定した.当日は非公開であったため,終了後に記者会見で発表されたものである.

日歯連盟は政治資金規正法違反問題で組織代表の擁立を見送ることを決めている中で,自民党の公認を得た兵庫県の歯科医師・高橋進吾氏を支援することにしていたが,同氏の公認辞退により今後の対応が検討されていた.同日の評議員会では“何としても歯科医師の議員を実現させたい”との熱意により支援が決まったという. 
参院選の比例区は非拘束名簿制のため投票用紙に立候補者名を書いてもらう必要があるが,今後3カ月半の期間で同氏の氏名を全国にしっかり浸透させること,また日歯連盟が直接資金援助することは避けなければならず,都道府県歯科医師連盟がいかに合法的に効果的な支援活動をするか課題となるが,急ぎ対策を講じる必要がある.
ポイントは,国民も理解の度を増してきた歯科保健医療の重要性を後退させないこと,および歯科医業を含む歯科業界全体の向上を願う歯科界の強い意欲を,また,ピュアな選挙でいかに汚名を挽回するか,その決意を発揮させることであろうか……

(HYORONニュース)



決定したのですから是非当選していただきたいが、衆議院議員の経歴があるとはいえ、僅か3カ月でどこまで候補者名が全国に浸透するか。大きな決断です。
# by kura0412 | 2019-04-02 10:27 | 政治 | Comments(0)

先日、国家試験の合格発表がありました。現在歯科医師として働いて30年以上たった今でも、当時のドキドキ感は今でも脳裏にしっかりと残っています。そして、ご子息が受験者だったり、大学関係者の先生方でしたら、ご自身と同様、いやそれ以上にその結果を待ち受けていたものと思います。
既に大学別の合格率などの報道があり、その検証はされていて、私が受けた当時とは国家試験の合否の考え方が大きく違うことを感じます。資格試験でありながら選択試験化されている点などはその一番であり、また、試験内容も大きく変化しています。国家試験となると合格率に視線が注がれますが、いろいろな課題に対して歯科界として論議する時期が今あるようです。
その中で特に私が注目するのが、採点除外問題が17問にも及んだ点です。
恐らく合格率ありきとなり、新しい問題を考え、かつ機密性が求められ検討するメンバーが限られているからの結果と想像します。しかし受験生にしたら点数除外で済む問題ではありません。その除外問題で引っ掛かり時間配分を誤ることも十二分考えられます。そのそも数問ならともかく、17問も除外となる試験が国家試験と呼ばれるのでしょうか。
この問題は大学関係者だけの問題ではありません。先日、実地試験も含めて、国家試験が改正されるとの話も聞きました。国家試験は歯科界全体の問題として再考しなければいけない歯科界の課題です。
# by kura0412 | 2019-03-28 11:20 | コラム | Comments(0)

医薬分業、増殖の温床に

病院から調剤薬局を切り離す「医薬分業」が始まったのは1974年。病院内の薬局は病院と同じ財団などが運営していた。薬を出すほどもうかるので、とにかく量や種類を増やし「薬漬け医療」と非難された。

厚生省(当時)は病院が外部に発行する処方箋の価格を5倍に引き上げ、利益誘導で医薬分業を促した。薬剤師を独立させて医療の質を高めるのが目的だった。病院前に門を構える「門前薬局」が次々に誕生した。
それから40年。厚労省はかかりつけ薬局への転換を促す改革にかじを切った。「25年までに対応できないから辞めます――というならそれは当然ありだ」。厚労省幹部は強い調子でコメントする。「立地頼みで、かかりつけの機能を果たさなくても経営できる状態は、今後のあるべき姿ではない」(同幹部)
昨年からは収益構造にもメスが入った。門前薬局は年400回以上の夜間・休日対応など11の基準を満たさなければ調剤報酬が大幅に落ちる。ただ、UBS証券の高柳満アナリストは「それでも門前薬局は有利。立地を含めた採算性の良さ、悪さを考慮して競争を促さなければ」と指摘する。

(日経新聞)



調剤薬局にも本格的にメスが入ることになるのでしょうか。
# by kura0412 | 2019-03-27 11:14 | 医療政策全般 | Comments(0)