「健康データ」に成長の芽

伝統スタイル変える生保 「健康データ」に成長の芽

生命保険会社の伝統的な商品や販売手法が変わり始めている。ヘルスケア関連のサービスを保険と組み合わせたり、大手生保がネット販売に取り組み始めたりしている。金融業界の中でも保守的とされてきた保険業界に変化の兆しが出てきた。

「保険金を支払ったわけでもないのに契約者から感謝されるとは」。住友生命保険の橋本雅博社長は発売から1年を迎えた健康増進型保険「バイタリティー」が、契約者との関係にもたらした変化を実感する。
バイタリティーは健康診断の結果や日ごろの運動などの取り組みに応じて保険料が増減し、健康的な生活をするように動機づけるユニークな設計だ。1年間で契約者の1日当たりの平均歩数は2割増え、血圧が高かった契約者の約5割で血圧が下がるなど一定の効果を示した。
日銀がマイナス金利政策を導入して3年以上が経過し、国債での運用は一段と難しくなった。貯蓄性の高い保険商品は販売休止が相次ぐ。一方、金利に左右されない「健康」は、医療費の抑制や健康寿命の延伸といった社会の要請も背景に、生保への新たなニーズとして高まってきた。

日本生命保険は来春にも、健康保険組合などに対して糖尿病の予防サービスを始める。
糖尿病の予備軍や、腹囲や血糖値が高めの人を対象に、病院の保健師が食事や運動の改善を指導する。
19年度は自治体などを対象に1000人規模の実証実験を実施し、データの蓄積を進める。血糖値を24時間モニタリングするのに加えて、体重や血圧、歩数などのデータを組み合わせることで、予測や予防の精度が高まってきたという。
蓄積したデータの使い道は、健康や予防サービスにとどまらない。第一生命保険は1000万人の医療データを分析し、保険加入の間口を段階的に広げている。これまで加入できなかった一部の高血圧や糖尿病などの基準を引き下げたことで、年間約2万件の引き受けが新たに可能になった。
拝田恭一事務企画部長は「高齢化で健康不安を抱える人が増えるなか、放っておけば保険に加入できる人のパイは縮小してしまう。データを活用し縮小させないことが重要だ」と話す。
例えば目に持病がある人は、他の病気のリスクも高いとみなされ排除されてしまう。しかし、他の病気との関連がないとデータで明らかになれば、目のリスクを取り除いた保険の設計が個別に可能になる。
蓄積した健康データを使って最適なサービスを提供しようという動きもある。SOMPOひまわり生命保険の大場康弘社長は「保険販売ありきではなく、介護などのグループ内のヘルスケアサービスと保険を最適なバランスで提供していく」という。死亡保険が飽和状態にある生保業界で、健康データは新しい成長ビジネスにつながり得る芽を抱えている。
大手生保は万人単位の営業職員を動員し、職場で働き盛りの契約者を大量に獲得する販売スタイルを得意としてきた。だが、職場訪問が難しくなった今は多様化した働き手のニーズもとらえきれなくなってきた。生保を取り巻く環境の厳しさが伝統スタイルからの脱却を促している。

(日経新聞)



この視点からならば歯科でも提案でくることもあるはずです。民間保険ならば直ぐに実行に移れるのですが。
# by kura0412 | 2019-10-10 09:00 | 医療政策全般 | Comments(0)

「全世代型会議」年明け以降に本格的な議論

医療・介護、負担増が焦点 全世代型会議が初会合

政府は20日、全世代型社会保障検討会議の初会合を開いた。少子高齢化に対応するため70歳まで働けるよう雇用改革を進めるなど、支え手の拡大に軸足を置く。議長を務める安倍晋三首相は「年齢にかかわらず働ける環境を整えることが必要だ」と述べた。2022年度以降、75歳以上の高齢者が急増する。医療や介護で給付と負担の見直しにどこまで踏み込めるかが焦点になる。

社会保障は利害関係者が多いため、与党で検討する場も設ける。自民党は24日、岸田文雄政調会長が本部長を務める「人生100年時代戦略本部」を開いて議論を開始する。政府と与党で調整を進めながら方向性を決める。
年内の中間報告に向けて年金や介護、高齢者の就労拡大といったテーマの検討を進める。制度改正を控える年金と介護は、来年の通常国会での法案提出をめざす。

年明け以降は医療が大きなテーマになる。
来年6月に閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で、医療制度改革の内容を固める。
22年度以降、人口の多い団塊世代が75歳になり始め、現役世代の負担は重くなる。大企業の会社員などが入る健康保険組合では、22年度にも医療・介護・年金を合わせた保険料率が30%(労使合計)を超える見通しだ。
初会合を終えた西村康稔経済財政・再生相は「次世代に引き継ぐという視点で、給付と負担の見直しについても検討していきたい」と述べた。
年金と異なり保険料率が固定されていない医療と介護が改革の本丸になる。外来で医療機関を受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする「受診時定額負担」の導入や、現在、自己負担が無料となっている介護計画の作成支援の有料化などが焦点となる。
健康寿命を延ばして元気なうちは働いてもらい、社会保障の支え手を増やす政策も重要だ。
12年から19年にかけて生産年齢人口は540万人減った。一方、女性や高齢者で働く人が増え、就業者数は全体で450万人増えた。就業率を高めれば少子高齢化の影響を和らげる効果がある。
政府は70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする法改正をめざす。中途採用や副業を後押しし働きやすい環境を整備したり、出生率を高めたりする政策も課題になる。65歳という年齢のみで規定される「高齢者」の定義が妥当かを考え直すなど、従来の常識にとらわれない議論が欠かせない。

(日経新聞)
# by kura0412 | 2019-09-23 12:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

日医からパンチの応酬

会社員の負担増を提案 医療制度改革で日本医師会

日本医師会は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した

日本医師会(日医)は18日、政府が社会保障改革の議論に入るのを前に、医療制度改革に向けた提言を発表した。大企業の会社員が入る健康保険組合の保険料率引き上げや、消費税以外に新たな税財源を活用することなどを盛り込む一方、患者の負担は増やさないように求めた。
横倉義武会長が同日の定例会見で発表した。日医は政府が近く初会合を開く「全世代型社会保障検討会議」のメンバーに入っていないが、患者負担を増やす議論をけん制した形だ。

日医は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した。また病気やケガで働けないときに健康保険から支給される「傷病手当金」を雇用保険で賄うことも提案した。
新たな税財源について横倉会長は「賃上げや設備投資がない企業の内部留保への課税」を挙げ、政府の検討会でも議論するよう求めた。
保険料の増収と新たな税財源の投入で患者の自己負担の引き上げは避けられるとの考え方だ。政府の検討会に日医が入っていないことについて横倉会長は「外で議論できる場をつくっていく」として日医の主張を発信していく考えを示した。

(日経新聞)



健保連からいろいろな意見が出始めている中で、日医がパンチを放ちました。記事ある疾病手当金を医療保険で対応することに疑問をもっていただけに今後議論が進むかもしれません。
# by kura0412 | 2019-09-20 16:49 | 医療政策全般 | Comments(0)

「食べる」は日本の社会の大きなテーマ

先週の金土と日本摂食嚥下リハビリテーション学会に出席してきました。この学会はメンバーが多職種であるのが特徴的で、歯科医師は会員数18000人の約二割で言語聴覚士に次いで2番目、学会当日席者は6000人と聞きました。とにかくどの会場も超満員の芋洗い状態の大盛況でした。
したがって、13に分かれた会場を頻繁に移動することが出来ずに、限られたセッションでの講演ではありましたが、全体的なイメージとして「歯科の重要性」「咀嚼」について、他業種の演者から指摘されていたのが印象に残りました。
もう一つ驚くのが企業展示です。年々その数も増えると共に、参加企業も大手メイカー目白押しでした。その中でも面白かったのは「吉野家」の調整食で。のその発想の原点が社員が自分の母に最期に食べさせてやりたかったことで、会社内のプロジェクトが立ち上がり、損得抜きでの実現となった話を聞きました。
「摂食嚥下」そして「食べる」ということが、これからの大きな日本の社会のテーマであることを確認できた学会でした。歯科が先頭に立たないと。
# by kura0412 | 2019-09-09 17:34 | コラム | Comments(0)

「政府が寄せる期待に歯科医師会は応えられるか」

「健康寿命延伸」に歯科界も加勢、その裏事情
政府が寄せる期待に歯科医師会は応えられるか

歯科医は儲かる──。かつてそんなふうに言われていたことがあった。子供の虫歯が蔓延して「虫歯の洪水状態」と呼ばれた1960~70年代の頃だ。だが、それも遠い昔の話。歯科界の虫歯予防に向けた取り組みや歯磨き習慣の定着などで、子供の虫歯は激減。平成の時代だけ見ても、12歳児の虫歯の数は、1989年の平均4.3本から2018年は同0.74本となった。
さらに、年を取っても自分の歯が多く残る人が増えている。厚生省(当時)と日本歯科医師会(日歯)が提唱した、80歳で自分の歯が20本以上ある状態を目指す「8020(はちまるにいまる)運動」が始まったのは1989年。それから30年が経過し、当初7%程度だった達成者率は、2016年調査では51.2%と半数を超えた。
片や、歯科医の数は増え続け、2012年には10万人の大台を突破。今も毎年約2000人の歯科医が誕生している。歯科医院の施設数も増えており、厚生労働省の調べでは2018年1月末で全国に約6万9000カ所と、コンビニの数(約5万6000軒)よりも多い。
患者は減っても医院が増えるので、生き残りをかけた競争は激しさを増すばかり。さらにここへ来て、人手不足に伴う歯科衛生士や事務スタッフなどの人件費の上昇、歯材コストの値上がり、機器類の高額化の波が押し寄せ、大半の歯科医院の経営は苦境に追い込まれている。
歯科医療経営にとって頼みの綱の保険診療点数もなかなか上がらず、低迷したまま。実際、全体の国民医療費の総額がこの10年で約34兆円から42兆円に増大しながらも、そのうち歯科医療費は2兆円台半ば~後半で伸び悩みが続いている。

そんな事態を何とか打開しようと歯科界は新たなビジョンの策定に乗り出した。
日歯は6月19日、「令和における歯科医療の姿~2040年を見据えた歯科ビジョン」の策定に向けた検討会を設置し、初会合を開いた。堀憲郎会長は冒頭、「年号も変わった本年は歯科界にとっても極めて重要かつ歴史的な局面になる年」とした上で、「少子高齢化がピークを迎える2040年に向けて、歯科医療の新しい役割と責任を明らかにしていきたい」と抱負を述べた。ビジョンには、2040年に向けた歯科保健医療のあるべき姿とその実現に向けたアクションプランを盛り込む予定。10月をめどに取りまとめる。

口腔ケアが全身の健康につながる
では日歯はどこに活路を見いだしているのか。結論から言えば、口腔健康管理だ。今や元気に長生きするには、口の健康維持が欠かせないことはよく知られる。虫歯や歯周病などで歯を失い、よく噛めないままでは十分に栄養を摂取できず、体力が衰えてしまうからだ。噛むことは脳を活性化する効果もある。
さらに最近の研究では、口の中のケアを怠ると、動脈硬化や糖尿病、アルツハイマー型認知症、さらには膵がんの発症リスクまでも上がりかねないことが明らかになっている。歯周病が様々な臓器に影響を与えることは、疫学的には随分前から知られていた。だが、新たな動きとして、歯周病菌があらゆる臓器に影響を与えることを示すしっかりしたエビデンスが出てきたのだ。
口の健康が全身の健康に密接に関わる以上、当然ながら医療の財政側面に与える影響も大きい。日歯ではここ数年来、多くの調査結果などのデータを収集・分析することで、口腔機能管理の徹底によって、病気をしないで長生きできる期間が長くなるほか、誤嚥性肺炎の抑制や入院日数の短縮、抗菌薬の投与期間の減少などがもたらされる旨を実証してきた。いずれも医療費の抑制につながる。
これらを踏まえ今の日歯のアピールポイントは、口内の衛生管理は、全身の健康や寿命をも左右し、医療の財政側面に大きく貢献する点。実はその主張には追い風も吹いている。

安倍晋三首相の肝いりの政策である「健康寿命の延伸」。その旗印のもと、2017年6月に政府がまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太の方針)」では、「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」と、口の中の健康について初めて明記された。翌年の骨太の方針2018は、さらにその記述が拡充され、今年度の骨太方針2019に至っては、原案ベースだが、エビデンスを蓄積しつつ、国民への適切な情報提供も進めるといった一層踏み込んだ記述が見られる。
つまり、口腔内の健康を保つことで全身の健康の保持・増進に努めようという考え方は既に国の方針として盛り込まれている。

「喪が明けた」歯科医師会
果たして政府による歯科医療への追い風を生かせるかが今、日歯には問われている。口腔健康管理の重要性への国民的理解は深まりつつあり、歯科界の目指す新しい歯科医療の姿は国の方針として共有されつつある。そんな中で策定する2040年を見据えた新たな歯科ビジョン。そこで示す歯科医療のあるべき姿によって今後の日歯の行方もおのずと占えるだろう。
日歯を巡っては、これまで「政治とカネ」にまつわる事件を繰り返してきた歴史がある。日歯の政治団体である日本歯科医師連盟は2015年に迂回政治献金問題で当時の会長らが逮捕・起訴され世間を騒がせた。2004年にも自民党旧橋本派に対する1億円のヤミ献金事件が摘発され、やはり当時の会長らが有罪となった。同じく2004年には診療報酬改定を議論する中央社会保険医療協議会の委員を相手に贈収賄事件を起こすという前代未聞の不祥事も発覚した。
背景には政治にすがらざるをえない、歯科を取り巻く苦しい業界事情があったとはいえ、度重なる事件に世間は日歯に対し冷たい目を浴びせた。結果、世間へのアピールも限られてきた現実がある。だが、そろそろ「喪が明けたのだろう」と話すのはさる厚労省高官の弁。政府が歯科界に寄せる期待は大きいだけに、今後の日歯の行方を興味深くウオッチしたい。

(Beyond Health:庄子 育子)
# by kura0412 | 2019-09-04 10:53 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「社会保障改革7年ぶり始動」

予防医療、企業に補助金 社会保障改革7年ぶり始動

政府は今秋、医療や年金など社会保障制度の全体像を見渡した改革を再始動する。
糖尿病などの生活習慣病の早期治療などに力を入れる。予防医療に積極的に取り組む企業を補助金などで支援し、社員の負担を軽減する案などを検討する。年金改革は公的年金の受給開始年齢の上限を75歳に上げ、パートにも適用を拡大する方向だ。7年ぶりの改革で膨張する社会保障費をいかに抑制できるか成果が問われる。
政府が本格的な社会保障改革に乗り出すのは、2012年に当時の民主党政権が自民、公明両党と消費税率を5%から2段階で10%に引き上げるのを決めた社会保障と税の一体改革以来だ。
政府は並行して財政改革にも取り組んできたが、高齢化に伴う医療費などの急増に対応しきれていない。

22年度から団塊の世代が後期高齢者の75歳以上になり始め、40兆円を上回る医療費を中心に社会保障費の急増が見込まれる。負担増など痛みを伴う改革への切り込みが課題だ。
今回の改革は安倍晋三首相や菅義偉官房長官が取り組んできた「全世代型社会保障」の総仕上げの位置づけだ。首相はさらなる消費税増税を否定しており、予防医療や年金の担い手拡大などを改革の柱にする。月内に有識者会議を立ち上げる。
生活習慣病の患者数は全国で約1800万人いる。予防医療に積極的な広島県呉市はレセプトデータを基に糖尿病患者に保健指導したところ、新たに人工透析した患者数が6割減った。内閣府の試算では喫煙や血糖値などリスク項目が多く当てはまる社員の1割がリスク要因を改善すると年3200億円削減できる。

予防医療に取り組む企業への支援は、例えば少量の血液でがんを見つける高度な検査で、健康保険組合などが費用を補助しやすくする。人間ドックの個人負担の軽減も探る。体重や1日の歩数などをスマートフォンで管理し、糖尿病の兆候がある人に医師が改善を促す仕組みをつくる。フィットネスジムの利用負担の軽減も検討する。
給付と負担の是正も進める。年齢にかかわらず外来で受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする「受診時定額負担」の導入を検討する。花粉症薬や湿布などを保険対象から外すことも進める。

年金制度は受給者の増加を見据えた改革に着手する。公的年金をもらい始める年齢は現在60~70歳の間で選択できるが、上限を75歳に引き上げる方向だ。元気な高齢者は働けばより多くの年金を受給できるようにする。働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度も縮小し就労意欲を高める。
政府は将来的にすべての労働者が年金に加入する「勤労者皆年金」をめざす。雇用者数は約6000万人と5年前に比べ約400万人増えた。増加分の多くが約1500万人いるパート・アルバイトが占める。
現在、厚生年金は(1)従業員501人以上の企業に勤める(2)労働時間が週20時間以上(3)月額賃金が8.8万円以上――などの要件を満たす労働者を対象にする。まず従業員の規模要件を500人以下の企業に段階的に引き下げる方向だ。
介護保険を利用する際の自己負担の引き上げも検討の対象とする。現在の負担は原則1割で、一部の高所得者が2割だ。これを原則2割に引き上げるか判断する。
改革の全体像は政府が20年6月ごろに閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む。

(日経新聞)



社会保障全体の枠組みの中で歯科の位置づけをどう考えるのか。先ずはその議論の輪の中に入ることを肝要です。
# by kura0412 | 2019-09-03 09:03 | 医療政策全般 | Comments(0)

老朽パソコン

IoT導入阻む「老朽パソコン」
サポート切れ、工場に数十万台 予期せぬ生産停止懸念

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の波に国内の工場が乗り遅れている。原因の一つはサポートの切れた「老害パソコン」が数十万台規模で稼働していること。生産設備と密接に絡み、更新すると予期せぬ停止を引き起こすリスクがある。だが放置したままではサイバー攻撃の標的になりかねず、対策が急務だ。
千葉県松戸市のパソコン修理専門店「ピーシーエキスパート」には、全国各地から旧型パソコンの修理依頼が押し寄せる。毎月の引き合いは100件以上にのぼる。店内には「ウィンドウズ95」など旧式の基本ソフト(OS)で稼働するパソコンがずらりと並ぶ。

大手でも「延命」
記者が訪れた日に修理していたのは高炉大手の「製鋼用クレーン端末」だ。液晶ディスプレーが故障して設備の制御に利用できなくなったため、部品を丸ごと交換していた。同店の森田達也代表取締役は「古いパソコンをどうにか延命させたいと、中小製造業はもちろん、自動車などの大手も駆け込んでくる」と打ち明ける。5インチフロッピーディスクを搭載した30年前のパソコンを持ち込む企業もあるという。
国内パソコン市場は特需に沸く。米マイクロソフトが「ウィンドウズ7」のサポートを2020年1月に終了するのを控え、更新需要が高まっているためだ。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、19年4~6月のパソコンの国内出荷台数は217万台と、前年同期比で36%増えた。
だがピーシーエキスパートの活況は、「7」より古いOSを搭載したパソコンが延命措置を受けながら稼働し続けている実態を浮き彫りにする。正確な統計はないが、サポートが終了した旧式のパソコンは国内の工場だけで数十万台を優に上回るとみられる。
1980年代以降にパソコンが普及し、多くの工場で生産設備の制御を担うようになった。
ただし、パソコンの耐用年数が4~5年であるのに対し、生産設備は数十年にわたって使い続けることが多い。日本機械工業連合会(JMF)が6月に公表した生産設備保有期間実態調査によれば、導入から10年以上が経過した設備が62.4%を占め、30年以上も19.1%ある。

刷新費用足かせ
一般的に工場は、いったん稼働させたらシステム構成を維持し、変更を避ける傾向がある。設備の安定稼働を重視するためだ。うかつに制御用のパソコンだけを更新し、制御用ソフトが動作しないなどのトラブルで設備停止を引き起こせば膨大な経営損失を招く。
生産設備とパソコンを一緒に刷新するには数千万円規模の投資が必要となり、決断しにくい。その点、パソコンの修理のみなら数十万円で済む。こうして寿命が尽きても引退しない「老害パソコン」が増えていく。
短期的には、だましだまし使い続けるのが合理的だろう。だが先送りを続けてきたことで、老害パソコンは様々な問題の温床となっている。
特に深刻なのは、IoTの導入を停滞させることだ。老害パソコンが居座る現場では、生産設備にセンサーなどを装着して稼働状況を分析しようと思ってもうまくいかないことが多い。OSが旧式だとサイバー攻撃への対策が難しくなるためだ。サポート切れのOSでは、セキュリティーの欠陥が発覚しても原則的に修正されない。工場のサイバー対策に詳しいラックの木田良一IoT技術研究所チーフは「安易にインターネットに接続するのは危険」と話す。
17年に猛威を振るった身代金要求ウイルスの「ワナクライ」はここにつけ込んだ。欠陥を修正せずに使い続けていたパソコンに感染し、ホンダなどの工場を一時、操業停止に追い込んだ。
最新の調査からもIoT導入が停滞する様子がうかがえる。総務省の「平成30年通信利用動向調査」によると、IoTと人工知能(AI)の両方またはいずれかを導入済みの製造業は16.6%にとどまっている。

ここに商機を見いだしたのがKDDI子会社のソラコム(東京・世田谷)だ。専用通信回線を使い、社内ネットなどから切り離した環境でIoTを導入できるサービスを提供する。製造業以外も含むが、契約数は6月に100万を突破した。
ただ独立した環境でも万全とはいえない。保守作業などで外部からUSBメモリーなどを持ち込んだ際に、ウイルスに感染する恐れがある。老害パソコンに早く別れを告げることが、最も確実な対策だ。

(日経新聞)



オンライン化導入に対して大きなハードルの存在を示しているかもしれません。
# by kura0412 | 2019-08-29 11:38 | 経済 | Comments(0)

「高橋執行部、信任求める動議が否決」

日歯連盟、第138回臨時評議員会を開催
高橋執行部、信任求める動議が否決

さる8月22日(木)、AP市ヶ谷(東京都)において、日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟、高橋英登会長)による第138回臨時評議員会が開催された。通常、9月中旬に開催される評議員会だが、先般の第25回参議院選挙での結果を受け、今後の会務運営について評議員に図るべく前倒しで臨時評議員会が開催された。
開会後、比嘉奈津美氏(日歯連盟前顧問)は、自民党の公認を得たのち日歯連盟の支援を受けたものの次点となった今回の参院選の結果について、時折言葉を詰まらせながら支援を受けた会員に対して感謝の意を示した。

会長報告では、高橋会長が参院選で職域代表を出せなかったことに対して、評議員らに陳謝するとともに自身の出処進退について言及。「私がいちばん危惧していることは組織の崩壊・分裂である。ここで身を引くと、新執行部が立ち上がるまでかなりのタイムラグが生じる。組織代表が不在の今こそ、これまで培ってきた力を会員の先生方と一般国民のために発揮することが私の使命」と述べ、会長としての職責を果たしていく姿勢を示した。
その後、評議員から会長の信任を求める動議が出されたが、投票の結果否決された。次期診療報酬改定をはじめとする諸問題への対応が急務のなか、「国民の健康を支える歯科医療」実現のために政治活動に取り組む日歯連盟は一致団結できるのか。7月に発足した高橋新執行部は厳しい船出となりそうである。

(メールマガジン『クイント』)
# by kura0412 | 2019-08-29 10:56 | 政治 | Comments(0)

「市販類似薬の患者負担増、厚労省「検討の事実ない」」

市販類似薬の患者負担増、厚労省「検討の事実ない」
中医協総会で一部報道を否定

厚生労働省保険局総務課長の宮崎敦文氏は8月28日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、市販薬に類似した軽症患者向けの医療用医薬品を保険適用外や自己負担増としたりすることを同省が検討に入ったとの一部報道について、「記事にあったようなことを検討している事実はない」と否定した。日本医師会常任理事の松本吉郎氏の質問に答えた。

市販類似薬の患者負担増については、日経新聞が8月21日付、共同通信が同26日付で報じ、これと関連して健康保険組合連合会は同23日、花粉症のOTC類似薬の保険適用除外・自己負担率の引き上げや、「リフィル処方箋」の導入などの政策提言を発表した。松本氏はこの報道の事実関係について質した(『花粉症のOTC類似薬、保険適用除外や自己負担率の引き上げを』を参照)。
宮崎氏は、健保連などからの提言や関係審議会からの意見があることや、2018年12月30日に閣議決定された「新経済・財政再生計画 改革工程表2018」で「薬剤自己負担の引上げについて、諸外国の薬剤自己負担の仕組みも参考としつつ、市販品と医療用医薬品との間の価格のバランス等の観点から、引き続き関係審議会において検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる」とされていることを紹介。その上で「こうした論点については、論点ということだ。(記事は)具体的に書かれていたが、検討している事実はない」と答弁の最初と最後に重ねて否定した。

(m3.com)
# by kura0412 | 2019-08-29 08:57 | 医療政策全般 | Comments(0)

どう判断すれば一枚岩に

昨日日歯連盟の臨時評議員会が開催され、恐らく先日の参議院選挙結果の総括が議論されたと思います。そして漏れ伝わるところ会議中動議があり、採決され動議提案を否決との話です。
未確認情報ですが、歯科界が一枚岩にならなければいけないこの時期の話です。どうゆう判断をすれば一致団結できるが最優先かと思います。各都道府県歯連盟の発表、また会議の中でその実際をご確認ください。
# by kura0412 | 2019-08-23 14:28 | コラム | Comments(0)

「医師処方の市販類似薬、患者負担上げ 厚労省が検討 」

医師処方の市販類似薬、患者負担上げ 厚労省が検討
保険財政圧迫に対応

厚生労働省は、医師が処方する軽症向けの市販類似薬について患者負担の引き上げを検討する。一部の湿布や漢方薬を念頭に、定率の1~3割負担に一定額を上乗せする案が浮上している。がんなど重症向けで増える高額薬は保険の対象に加えていく方針で、保険財政を圧迫する。市販薬があるのに病院で処方される薬は年5千億円超あり、これに切り込む。
今秋以降に社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会などで議論し、21年の通常国会で関連法の改正案の提出をめざす。

厚労省が検討対象にするのは、処方箋なしで買える市販薬に類似した医療用医薬品だ。
具体的には一部の湿布やビタミン剤、漢方薬、皮膚保湿剤などが含まれる見込みだ。患者の自己負担は現役世代なら原則3割、75歳以上で現役並みの所得がなければ1割で済む。残りは健康保険からの給付や税で賄われる。患者としては市販薬より安価に入手でき、安易な受診につながりやすい。

日本経済新聞の調査では市販薬と同じ成分を含む医薬品の処方額は16年度で5469億円だった。
財務省によると、ある湿布薬は医療機関なら3割負担で96円だが、同じ有効成分を含む市販薬は2551円だ。財務省は価格差が大きく問題だとして、こうした薬について保険から外すべきだと主張している。一方、厚労省は保険適用を維持したうえで「保険の重点を重症者向けに置く方が適切だ」との姿勢を強めている。
厚労省内では従来の1~3割の「定率負担」を据え置き、1回500円といった「定額負担」を上乗せする案がある。保険薬局で500円の定額負担を求めると、国費で年1000億円の削減につながると試算する。このほか、患者の自己負担率を現状から引き上げる案もある。
薬の患者負担の見直しや保険外しは過去に何度も議論されてきたが実現していない。「公的医療保険の給付範囲の縮小は国民皆保険を崩壊させる危険性がある」として日本医師会などが反対してきたためだ。受診を控えるようになれば重症化を招くおそれもある。

ただ高額薬の相次ぐ登場で公的医療保険を巡る状況は変わりつつある。5月に白血病治療薬「キムリア」の公定価格が3349万円に決まった。乳幼児の難病治療薬「ゾルゲンスマ」は1億円を超える可能性があり、早ければ年内にも保険適用が承認される見通しだ。
医療保険財政の持続可能性を懸念する声が強まっている。これまで反対してきた日本医師会も「何が何でも(市販品類似薬を)保険適用という時代ではなくなっていく。財政との見合いで考えなければならない」(横倉義武会長)と理解を示す。
フランスは薬剤の種類に応じて自己負担割合を変えている。たとえば抗がん剤など代替のきかない高額医薬品の自己負担はゼロ。他の薬は有効性などに応じて自己負担割合が100%、85%、70%、35%と分かれている。重症患者ほど給付が手厚い制度といえる。
患者が保険薬局で受け取る薬剤費だけで5兆5千億円(16年度)にのぼり、医療費全体42兆1千億円の13%を占める。

(日経新聞)



この考えを一度導入されると今後拡大される可能性があります。果たして歯科界はどう考えるのか?問題提起の声すら歯科界から聞こえてきません。
# by kura0412 | 2019-08-22 08:45 | 医療政策全般 | Comments(0)

歯科が参加しないければ

予防医療をアフリカで展開 政府、中国の戦略と一線

政府はアフリカで日本企業の製品やサービスを使った予防医療の普及をめざす。非政府組織(NGO)や病院と組み、現地の人々の衛生意識を高めながら、日本の浄水装置やせっけんなどを購入してもらう。政府の資金も投入する。アフリカでは中国が資源投資とインフラ建設を通じて各国と関係を深めている。政府は中国との違いが見える支援により、日本の存在感を高めたい考えだ。

8月下旬に横浜で開く第7回アフリカ開発会議(TICAD)で「アフリカ健康構想」として表明する。まずケニアやセネガル、タンザニア、ガーナなどと協力の覚書を結ぶ。これらの国とモデル事業に取り組み、軌道に乗れば他のアフリカ諸国に広げたい考えだ。
第1弾の事業として、現地の行政機関や病院とも組み、地域の医療サービスの多くを包括的に担う取り組みを始める。
例えば、日本の医療機関などが巡回で検診を実施。立ち寄った地域の医療・保健拠点向けにNGOが手洗いの習慣や水道の衛生について指導し、清潔に保つ製品やサービス、人材育成の重要性を理解してもらう。同時に企業が衛生を改善する浄水装置やせっけんを病院や自治体に売り込む。
これまで日本のNGOや企業はアフリカで個別に衛生指導や製品販売に取り組んできた。今回の構想では、各者が一体になって現地で利用してもらえるようにする。

すでにアジアでは日本の官民が医療関連の製品やサービスを共同で売り込んできた。今回の構想はNGOとの密接な連携が特徴だ。製品などの販売を拡大するうえで、NGOによる指導などが重要だと判断した。
経済産業省や外務省、経団連、経済同友会などが立ち上げた「アフリカビジネス協議会」に健康分野の作業部会を設け、参加する医療機関やNGO、企業を募る。すでに20社程度が関心を示しているという。
資金面では政府開発援助(ODA)の活用を検討するほか、経産省や厚生労働省、環境省も各省の政策を通じた支援をめざす。国際協力機構(JICA)や日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本貿易保険(NEXI)も人材と資金で協力する。
地域の医療に丸ごと関わることができれば大きな商機となるが、アフリカでは現地の行政機関が動かず、事業が停滞することも多いという。今回は各国政府に日本との覚書を交わし、構想を支持してもらうことで滞らないようにする考えだ。

国連貿易開発会議(UNCTAD)などによると、中国からアフリカへの直接投資残高は約430億ドル(約4.5兆円、2017年時点)となり、日本からの5倍以上に達した。石油や鉱物など資源と道路や港湾などインフラに傾斜している。
日本も資源とインフラを重視しているが、生活に密接な分野や経済の自立に役立つ分野でも協力して独自性を示す考え。医療のほかにスタートアップの支援も進める。
アフリカではコンゴ民主共和国(旧ザイール)でエボラ出血熱の流行が深刻化し、世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発した。疾病の予防への関心は高まっており、診療や医薬品販売などとあわせて日本の官民で集中的に支援する。

(日経新聞)



この動きに歯科が参入しないでどうするのでしょうか。歯科界全体で積極的に。
# by kura0412 | 2019-08-09 17:32 | 歯科医療政策 | Comments(0)

孫氏も歯科定期健診受診

孫正義が3カ月に一度歯医者に行く理由

時価総額約9兆円、最近は中国の大手IT企業アリババに投資した20億円が含み益8兆円を超えるとも言われるソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏。彼が健康面で人一倍気を使っているのは、歯。世界中を飛び回り、VIPとの商談が続く多忙な中でも、定期的に3カ月に1度の歯科検診は長年続けているという。
元ソフトバンク社長室長で、現在は英語教育事業TORAIZを運営する三木雄信氏がウェブメディアにその背景を次のように語っていた。

孫氏がそこまで歯のチェックにこだわっているのは「米国などでは歯並びと白い歯がその人の健康のバロメーターという考え方があるからです。彼はサプリメントでバランスよくビタミンを摂取していたし、好んで飲んでいたのもフランス製のミネラルウォーター・ペリエでした」(ウェブメディア「マネー現代」より引用)
ちなみに、酒を一滴も飲めず、食にはこだわらないことで有名な孫氏だが、定期的な運動など、自己のメンテナンスには多大な注意を払っていたようである。
健康法というと、病気にならないための運動や食事がすぐに思い浮かぶが、孫氏のエピソードを受け、樺沢氏は「予防医療で重要なのは自己の健康状態をまず知ること」と話す。
「定期健診に足を運ぶ社長は、自身の体調におかしなところがあれば、すぐに病院に行って診てもらうフットワークの軽さを持っています。対して、定期健診に行かない人は調子が悪くてもすぐには病院に行かないため、結果的に体が蝕まれてしまう危険性があります」

定期歯科検診はもはや常識
孫氏が3カ月に1度通う歯医者についても「常識」と樺沢氏は言う。
「私も孫さんと同じく、3カ月に1度は歯医者で歯石を除去してもらっています。歯石はどうしてもたまるもの。たまり続けると歯周病が悪化します。また、残存歯数が少ないほど認知症になりやすい。歯周病がアルツハイマーの原因として関与しているという研究も出ています」
アンケート調査でも、「毎月、歯のクリーニングに行っている」(えむずう・渡部真澄氏)、「年に4回歯科検診に通っている(ぺあのしすてむ・伊藤昭浩氏)」といった歯に関する回答が相次いだ。ほかには「年2回の血液検査」(プリベント少額短期保険・花岡裕之氏)を実施している経営者もいた。
今や、経営者ならずとも定期的な検診は常識。自分の歯の寿命が、自分の仕事での“活躍寿命”を決めると言っても過言ではないのだ。
「ただし、若い頃からバリウムやCTなどで、X線を何度も浴びることは、医療被ばくのリスクが心配です。40代半ばからでよいので、定期健診を徹底してください」

(樺沢紫苑,鈴木 俊之:PRESIDENT)
# by kura0412 | 2019-08-03 09:56 | 歯科 | Comments(0)

「一団体、一職種のたねだかに働いてきたわけではありません」

「歯科医師の組織代表として参議院議員となりましたが、一団体、一職種のためだけに働いてきたわではありません。」
7月28に付けで参議院議員を退任された方の挨拶からです。

http://www.ishii-midori.jp/
# by kura0412 | 2019-07-30 16:17 | 政治 | Comments(0)

歪んでいる歯科界の現象か

歯科医が愛娘に"うちは継ぐな"と言うワケ

周囲の閉院。増える患者。それでも……
過当競争の中、生き残りのため戦略的経営を余儀なくされる歯科医業界。職人的な「医者」のイメージとはほど遠く、経営コンサルを受けSEO対策に躍起になる歯科医も少なくない。だが一方で、そんな業界の風潮の中、昔ながらの方法で細々と診療を続ける地方歯科医も存在する。

舞台は関西地方にある人口14万人の小さな地方都市。この地で26年前に開業し、歯科医院を営んできた関さん(仮名)に話を聞いた――。
世間では歯科医院が増えすぎて、国が歯科医師抑制政策を行っているくらいですが、ここではそんな実感はありません。市内では過去6年間に8軒もの歯科医院が閉院し、新規開業は1軒もないという状況で、むしろ医院は年々減っています。ここは世間の流れに逆行した場所だと思っています。
寂しいことですが、当院の半径1km以内でもここ2年間で2軒の歯科医院が閉院しました。その影響で、当院には新規の患者さんが急増しています。現在、1カ月の患者数は210~260人ほどです。
患者さんが増えるのはありがたいことではありますが、最近は視力が下がり、1日にたくさんの患者さんを診ることができなくなりました。そのため、営業日数を増やしてなんとかこなしています。
もう50代も半ばなので体力的にきついときもありますが、月曜日から土曜日まで週6日間フルタイムで診療しています。
最近は10分刻みで予約を入れる歯科医院もあるようですが、私は患者さんには時間をかけて誠実に向き合いたいと思っています。その結果、長時間仕事に従事することになるわけですが、歯科医としてこの姿勢を崩すつもりは絶対にありません。
歯科医経営に馴染みのない方から見れば、「これだけ診療していれば、さぞ利益が出ているんだろうな」と思う方もいるかもしれませんが、実は収益はトントンです。保険診療費が安すぎるため、私がフル回転しても利益はほとんど出ないのです。収入は医院の維持費と家族の生活費でほとんどが消えます。

利益を得るためには、非保険診療にシフトしていくべきかと思うこともありますが、患者さんが求めていないのに、高額なインプラントやホワイトニングを勧めることはしたくありません。また、巷ではコンサルを受けて戦略的な経営を行う医院も増えていると聞きますが、増大する新規患者の治療計画の作成と既存患者のメンテナンスに追われて、私には経営のことを考える余裕はありません。もちろん、患者さんのことを後回しにして経営のことを考えるわけにはいきませんから、来る日も来る日も日々の診療を実直に行う毎日です。

「うちは継ぐな」。娘への本当の気持ち
周りの医院が相次いで閉院していったのは院長の高齢化と後継者不足が原因なのですが、それは他人事ではありません。私には歯科医の娘がいますが、自分の医院では働かせず、都市部の歯科医院で修業させています。
この医院を継がせても、ここを含めて田舎の医院には最新の医療設備などありませんし、立地が悪すぎるのでスタッフも集まらず、ハードな勤務をせざるをえないからです。毎月これだけ多くの患者さんを診ても利益がトントンという現状から、将来利益が上がることもないでしょう。娘の幸せを考えれば、そこまでのリスクを負って、娘に継がせる理由はありません。私がもっと年をとったら、近隣の医院と同じようにここも閉院する運命にあるのでしょう。
今の歯医者業界は過当競争がよく問題視されていますが、田舎の開業医である私から見ると、高齢化も重大な問題だと感じます。私の地域の開業医は60代や70代が多く、50代の私でも若輩者扱いされるほど。国の歯科医師抑制策の影響で若手の開業歯科医がどんどん減少しているからです。

医科の世界も同様ですが、歯科医師の数を減らすのではなく、開業医の地域間格差をなくすように国の政策を変えてもらいたい。後継者不足で町の歯医者が次々と閉院していったら、行き場のない患者たちはどうすればよいのでしょうか。私の医院が閉院したら、多くの患者が市内にあるもう1つの医院へ殺到し、その医院はパンクしてしまうのではないでしょうか。
田舎では、歯科医だけではなく患者の高齢化も深刻です。高齢者の訪問診療をするにしても、それを実現するためには若くて体力のある歯科医のマンパワーが必要不可欠です。若手の歯科医が地方都市に来ない現状では、地域包括ケアの構築など絵に描いた餅にすぎないと思っています。

(PRESIDENT Online)



最近同じように、私よりも若いのも拘わらず体を壊しながらも、物凄い数の患者を診ている先生の話を聞きました。都会は過当競争、そして田舎は歯科医師不足でありながらこの様な状態。歯科界全体が歪んでいるような印象です。
# by kura0412 | 2019-07-29 15:55 | 歯科 | Comments(0)

当選した日医でも

「羽生田氏、参院当選をもってよしとせず」、横倉日医会長
医師会における医政活動の在り方を抜本的に見直す

日本医師会の横倉義武氏は7月24日の定例記者会見で、7月21日に投開票が行われた参議院議員選挙を受けて、自身が委員長を務める日本医師連盟の組織内候補である羽生田たかし氏について、「15万2807票を獲得して、何とか2期目の当選を果たした。全ての人に優しい医療介護を提供できる社会の実現に向けて、2期目もより一層活躍されることを期待している」と述べた一方、「当選をもってよしとせず、しっかりと分析をしていかなければならない。今後の医師会における医政活動の在り方を抜本的に見直していかなければならない」と気を引き締めた。

羽生田氏が、2013年の初当選よりも10万票近く票を落としたことについて、「やはり我々の気持ちの中にも、また会員の先生方にも、気の緩みもあり、厳しい状況であることを徹底することが大変だった」と振り返り、「参院選の投票率が、約6ポイント減少したことや、九州地方での大雨による影響もあった」など投票率自体の問題のほか、自民党比例で社会保障関係の候補者が10人立候補し、票が分散したことも、要因として挙げた。
羽生田氏の得票数は、15万2807票。日本看護連盟で現職の石田昌宏氏、日本薬剤師連盟で新人の本田顕子氏という、いずれも自民党比例で立候補した2人の得票数を下回った(『医師候補4人が当選、第25回参議院議員通常選挙を』、『日医連推薦の羽生田氏当選も、1期目から10万票近く減』を参照)。
「今後、発言力が弱まるのでないか」との質問には、横倉氏は、「発言力が弱まらないよう、頑張らなければいけない。やはり政治の中では、医療の代表は、医師会代表の候補者であるという認識だ」と回答し、次のように続けた。「石田氏については、日頃から日本看護協会と密に連携を取りながら取り組んでいるので、そう大きな課題ではない。本田氏が上に行ったことでどんな影響があるかだが、我々は調剤技術料が過大ではないか、調剤薬局の過剰な利益を社会保障費に還元しなければいけないと主張しているが、その点については薬剤師会とよく話し合いをしていきたい」。
さらに横倉氏は、「10月には消費税率が、10%に引き上げられる。これから年末にかけて、2020年度診療報酬改定に向けた議論とともに、来年の『骨太方針2020』に向けて、厳しい議論が行われることが予想される。日医は国民に必要な医療が過不足なく受けられるよう主張していく」と決意を新たにした。

医師会の組織力強化、地方議会議員との連携強化が課題
横倉氏は、自民党で当選した医師の古川俊治氏(埼玉選挙区)、武見敬三氏(東京選挙区)、尾辻秀久氏(鹿児島選挙区)のほか、野党では日本維新の会の梅村聡氏(比例)、共産党の小池晃氏(比例)の2人の医師を挙げ、「より良い社会保障の実現のため、手を携えて協力していきたい」とコメント。一方で、医師の小松裕氏(長野選挙区)については、横倉氏自身が何度も応援に足を運んだものの、落選したことを「大変残念」とした。
「選挙前の各種世論調査では、有権者が社会保障政策を最も重視していると報じられていた。自民党比例では、社会保障関係の候補者が10人で120万票を超える票を獲得している。国民の医療や介護に対する関心が極めて高いことが選挙結果にも表われている。しかし、今回の選挙では多数の社会保障関係者が、自民党比例から立候補したこともあり、その結果として社会保障に造詣の深い候補者が国政の場に声を届けられなくなったこともあり、残念に思う」

横倉氏はこう述べ、日医だけではなく、都道府県医師会等でも選挙結果を分析し、対応していく必要性を強調し、(1)日医の組織力をより一層強化していくため、これまで時代の要請に応じた若手医師の育成と環境整備に取り組んできたが、今後は日医の考え方を一方的に理解してもらうだけでなく、若手医師の意見も吸い上げていく方式に変えていく、(2)市町村や都道府県の議会議員にも、医療の問題点を共有してもらうことが大切であり、地方議会議員に医師会の考え方を理解してもらう取り組みを進めていく――の2つを挙げた。具体的には、医師会と医師連盟のさらなる連携強化、病院をはじめとした医療機関等の若い医師への積極的なアプローチ、地域医師会と地方議会議員の日常的な連携などに取り組んでいくとした。
ただし、組織力強化や若手医師対策は従来から主張してきたものであり、それでも羽生田氏の票が10万票近く減ったことについて、改めて問われると、横倉氏は次のように回答した。「具体的には、今から議論をしなければいけない。我々の医療政策は、次の世代がしっかりと医療ができるようにしていくことが重要だが、その辺の訴えが十分ではなかった。現在の状況を継続できるように、とばかり訴えてきた反省はある。今さまざまな改革が行われている中で、もっと次の世代が医療をやりやすいよう、変えていかなければならない。こうした主張をやるべきだったが、しなかったことが、票数を減らした原因かもしれない。また多くの候補者が出たので、そこに流れすぎたこともある。しっかりと食い止めることもしていかなければいけなかった」。

(m3.com)




職域代表が当選となった日医でも今回の選挙結果を深刻に受け止め、今後の政治活動を考えているようです。
# by kura0412 | 2019-07-25 16:47 | 政治 | Comments(0)

連盟活動そのものを見直すことも

残念ながら日歯連盟推薦の比嘉なつみ候補は自民党次点で落選となりました。短い選挙期間を考えればけっして少ない票ではありませんが、落選という結果はやはり真摯に受け止めなければなりません。
一方、神奈川選挙区から立候補していた島村大参議院議員はトップで連続当選となりました。職域代表ではありませんが、歯科医師の籍が持っていることは間違いなく、地元神奈川に加えて、歯科界の一員としての活躍も期待したいとことです。
そして、今回結果で参議院選挙に対する取り組み、また連盟活動そのものを再考する機会となるかもしれません。
# by kura0412 | 2019-07-22 17:21 | コラム | Comments(0)

今度は1億円超す難病治療薬

1億円超す難病治療薬、ノバルティス 健保財政圧迫も

1億円を超える超高額薬が年内にも登場する。スイスのノバルティスが米国で2億円超で発売し、日本でも製造販売を申請している乳幼児の難病治療薬「ゾルゲンスマ」を厚生労働省が承認する見通しとなった。白血病治療薬「キムリア」の公定価格(薬価)が5月、過去最高の3349万円に決まり注目された。相次ぐ高額薬の登場は、日本の医療保険財政を揺さぶる可能性がある。

医療費の大半は国民健康保険や会社員が加入する健康保険組合が支払う。会社員の子どもに投薬する場合、親の収入によって月間の医療費に上限を設ける高額療養費制度もある。ゾルゲンスマの対象疾患は国が難病に指定しており、費用の大部分は国が負担する。
ゾルゲンスマは筋肉が萎縮する脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬だ。SMAは乳幼児の10万人に1~2人が発症する希少疾患で患者数は国内で数百人程度だという。重症の場合は呼吸不全に陥り死亡率が高い。
米国での価格は独立機関の助言を受けてノバルティスが5月に決めた。ゾルゲンスマなしで治療を10年続ける場合にかかるとされる費用の半分強の2億3000万円に設定した。米国では効果があった場合にだけ医療保険会社が製薬会社に薬剤費を支払う仕組みなどが検討されている。
ノバルティスは日本では2018年11月にゾルゲンスマの製造販売の承認を申請した。厚生労働省は通常1年~1年半かかる審査を半年~1年程度に短縮する「先駆け審査指定制度」の対象に指定。早ければ年内にも承認される可能性が高い。

薬価は厚労相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)が決める。海外での販売価格を参考にするため、ゾルゲンスマは1億円以上が確実視されている。
高額薬の扱いは政策課題になっている。小野薬品工業などのがん免疫薬「オプジーボ」は年換算の価格が当初は約3500万円だったが、財務省が高額を問題視し、17年に半分に下げられた。
ゾルゲンスマは化学物質を合成してつくる従来の医薬品とは違い、特殊なウイルスで病気の原因となる患者の遺伝子を書き換える。1度の投薬で治療できるという。

(日経新聞)



オブシーボで薬価価格は下げられることは実証済みですが、果たして高額薬の取り扱いはこのままの推移するのでしょうか。
# by kura0412 | 2019-07-16 08:43 | 医療政策全般 | Comments(0)

参院選歯科界の総意はいかに(新聞クイント掲載)

「新聞クイント・萬人一語」7月号に私のコラムが掲載されました。
https://www.quint-j.co.jp/shinbun_otameshi/2019_07/#page=1
# by kura0412 | 2019-07-03 09:58 | 政治 | Comments(0)

大学病院の無給医の実態ー歯科こそ深刻な問題

無給医 アルバイトで生計、労働契約結ばれず
文科省が調査 大学病院に2000人超

全国の大学病院にいる2千人を超える医師・歯科医師が、診療をしているのに給与が支払われない「無給医」だったことが文部科学省の調査で分かった。「別の病院でアルバイトをして生計を立てている」。支援組織には無給で働く大学院生らから窮状の訴えが届く。各病院が状況を精査中の医師はまだ1304人おり、無給医は今後さらに増える可能性がある。

同省が28日に公表した調査結果では、99大学の108大学病院に勤務する医師・歯科医師3万1801人のうち2191人が無給医だった。身分が大学院生などで、表向き自己研さんや研究が目的でも、実質的に労働していたり診療のローテーションに組み込まれたりしていた。
「別の病院で当直勤務をして生計を立てている」「教授の授業や研究を手伝って、数万円のアルバイト代を得て生活している」。勤務医らでつくる労働組合「全国医師ユニオン」(東京・千代田)には院生や研修医らから悲痛な相談が寄せられている。相談事例では多くが月収20万円程度で、時給が最低賃金を割り込んでいる。植山直人代表は「過労死ライン(月80時間)の2倍の残業をこなしながら、労働契約を結んでもらえない医師が大学病院に数千人はいる」と推測する。
労働契約がなければ労災保険が使えず、院内での感染や事故に対応できない。「労働基準監督署に訴えても『労使関係がはっきりしないと対応できない』と断られることがある」(植山代表)という。
ただ、窮状にあっても声を上げるのはごく一部。医局に反旗を翻せば、博士号や専門医の認定をとるのに不利になることを恐れていることが一因という。

各病院は調査を受けて対応を迫られている。123人の無給医がいた岩手医科大付属病院は既に全員と雇用契約を結び、給与を払い始めた。無給医だったのは院生らだが、同病院は「自己研さんや研究が目的で(無給であることを)これまでは問題にしてこなかった」という。
しかし、院生らは外来患者の診療や手当の出る宿直もしていた。弁護士と相談し、4月からは患者と関われば労働とみなすことを基本にしている。
一方、無給の医師が1304人いる7病院は現在も状況を精査中で、対応が決まっていない。日本大では日大医学部付属板橋病院など3付属病院の計683人への対応が未定で、取材に「現在調査中でコメントは差し控える」とした。
今回の調査では、各病院が医師に直接ヒアリングしたのは45病院(42%)にとどまり、ほかは病院長が診療科長に確認するなどしていた。医師からは「国が本人に直接聞かないと本当のことが分からない」との声も上がる。

(日経新聞)



これは医科と歯科が区別されていない発表です。そのそれぞれの統計、いわゆるアルバイトの実態がまでると歯科界の大きな問題となるかもしれません。
# by kura0412 | 2019-06-29 08:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

「エビデンスの信頼性を向上させつつ」

政府の来年度の骨太方針に歯科の項目が載りました。これで3年連続、記載された文字数も年々多くなっています。特に今回は具体的な施策に通じる語句となっています。凄いことです。
ただ、その中で気になるのが国民への情報提供、歯科健診、歯科口腔保健の充実、医科歯科連携、歯科保健医療提供体制の構築のなど前に「エビデンスの信頼性を向上させつつ」との一言があります。
実は以前から歯科にはエビデンスが足りないということが、厚労省、医科関係者から言われていました。先日も私の友人が国会議員に陳情に行った時に、ある野党の議員からこのことを指摘されたという話も聞きました。
このエビデンスを得ることは歯科界自ら行わなければなりません。果たして迅速にどこまで得られるのか。改定作業の日程が迫る中で、憂かった見方をすればこれは絵に描いた餅にもなりかねません。そしてこの内容だと、医療・介護保険、基金事業、健診等の保健事業と予算の出所が異なり複雑で総合的な取り組みとして施策を進めなければなりません。
歯科界内部からの期待感が大きいだけに、どう具現化されるか注目です。
# by kura0412 | 2019-06-24 16:39 | コラム | Comments(0)

「静からなる有事」進行中

18年の出生数91.8万人、最低を更新 出生率は1.42

厚生労働省が7日に発表した人口動態統計によると、2018年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8397人で過去最低を更新した。3年連続で100万人を割った。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.42と、17年から0.01ポイント下がった。低下は3年連続だ。晩産化や結婚をしない人が増えている影響が大きい。
出生数は17年から2万7668人減少した。最も出生数が多かったのは1949年の269万人で、18年は3割強にとどまった。比較可能な1947年以降で過去最低だった。
出生率は05年に最低の1.26を記録してから緩やかに回復し、ここ3年は1.4近辺で推移する。

出生率がほぼ横ばい圏だったのに出生数が大きく減ったのは、出産適齢期とされる女性の人口が減ったためだ。15~49歳の女性は前年に比べ1.4%減の2463万人だった。
子どもを産んだ女性を年齢別にみると、44歳以下の全ての年齢層で出産が減った。30~34歳は1万人以上減り33万4906人となったほか、25~29歳でも約7000人減の23万3754人となった。
第2次ベビーブームの1971~74年に生まれた「団塊ジュニア」世代が40歳代半ばになり、出産が減っている。第1子の出産年齢が上がっていることも影響している。
第1子を産んだ時の母親の平均年齢は30.7歳と、4年連続で過去最高水準を記録した。平均初婚年齢も夫が31.1歳、妻が29.4歳と高くなっている。結婚する年齢が上がったことで晩産化が進み、第2子、第3子を産む人も少なくなっているもようだ。
都道府県別の出生率では最も低い東京都が0.01ポイント低下し、1.20となった。神奈川県や大阪府などの大都市圏は全国平均を下回る1.3台で推移した。最も高いのは沖縄県の1.89だった。

政府は25年度までに子どもを欲しいと考える夫婦らの希望がすべてかなった場合の出生率「希望出生率」を1.8にする目標を掲げる。共働き世帯が増えるなか、出産・育児と仕事が両立しやすい環境を整えないと、出生率は上昇しない。
出生数から死亡数を引いた人口の自然増減は44万4085人減で、過去最大の減少幅だった。人口減は当面続くため、社会保障やインフラを人口減を前提にして作り直す必要が出ている。

(日経新聞)



ベストセラー・未来の年表から借りれば、まさに「静からなる有事」進行中です。
# by kura0412 | 2019-06-07 16:24 | 社会 | Comments(0)

介護施設 高齢者が「助手」

介護施設 高齢者が「助手」 掃除や配膳、職員に余力

人手不足が深刻な介護業界で、高齢者を活用する動きが全国で広がってきた。25を超える都道府県でベッドメークなど補助業務に特化した仕事を担当する「助手」として採用されている。介護福祉士など資格を持つ職員には本来の業務に集中してもらう狙いだ。介護は2025年度まで55万人の人手確保が必要とされており、元気な高齢者の活躍が欠かせなくなった。
「介護士などの専門職が、より利用者と接する時間を増やせるようになった」。介護大手、ツクイで東京都西部の多摩北エリアを管轄する細野雪枝エリア長はこう利点を話す。同社は17年から介護助手の受け入れを始め、3月末時点で263人が働いている。このうち65歳以上が25%の67人、60歳以上だと35%の91人がいる。

介護助手に明確な定義はないが通常、掃除やベッドメーク、食事の配膳など介護の周辺業務を手掛ける職員を指す。1日3時間、週3日程度で余裕を持って勤務するケースが多く、施設から給与が出るのが一般的だ。
老人保健施設協会が主導して始まった三重県では県の基金を活用し、介護助手の採用にかかる費用を補助している。18年10月時点で約120人が介護老人保健施設で働いており「ほぼ全てが60歳以上」(三重県老人保健施設協会)という。全国では高齢者の活用は東京都や神奈川県、福岡県など25を超える都道府県に広がった。

介護助手が脚光を浴びている背景には、慢性的な人手不足の問題がある。介護業界で働く人は16年度末時点で190万人。厚生労働省の試算では25年度末に245万人が必要になる見通しで、55万人の人手が不足する。
足元でも採用に苦労しており、18年度の介護関係者の有効求人倍率は3.95倍で全職種の2.7倍に達している。
介護を受けたり寝たきりになったりせず、日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は16年までの12年間で男女ともに2歳以上延びている。定年退職後、社会とのつながりを求めるシニア世代の活躍の場として生かせれば、人手不足対策の一助となる。
介護助手を導入することで「介護福祉士」など専門的な職員の負担が軽減され、高齢者への直接的な介助や高齢者の家族との相談など、より高度なサービスに集中できる利点もある。全国に先駆けて制度を始めた三重県では、導入施設で介護職員の離職率が半分以下に低下しており、介護人材の需給ギャップの縮小につながっている。
厚労省は高齢者の参加を促すため、18年から介護の基礎知識を学ぶ入門者向けの研修制度を整えた。19年度も都道府県と合わせて124億円の予算を計上し、受け入れ体制の整備を進める。
大和総研の石橋未来研究員によると「海外では欧州を中心に、介護サービスの専門性に応じた業務分担が行われる傾向がある」という。労働集約的な介護業界に闇雲に人材を集めても、生産性向上は見込めない。専門職が高度なサービスを提供し、産業の付加価値を高めていくためにも業務の分業化が欠かせなくなっている。

(日経新聞)



記事では触れていないが、助手となる前期高齢者の健康寿命が延びることも非常に重要な要素です。
# by kura0412 | 2019-06-07 12:07 | 介護 | Comments(0)

病院ベッド回復期不足

病院ベッド、需要とズレ
回復期が不足、重症向け過剰 転換遅れ、財政に悪影響

病院ベッド(病床)と医療ニーズにズレが生じている。厚生労働省がまとめた2025年の病床数の見通しによると、重症者向けの「急性期病床」は必要量に対して18万床の過剰となった。リハビリ用の「回復期」は18万床不足する。高齢患者のリハビリニーズが高まるのに病床の転換が進まない。高額な急性期が余ったままだと、医療費が膨らむ恐れがある。

主に重症患者を治療する高度急性期や急性期のベッドは、手厚い医療を求められるため医師や看護師を多く配置する。回復期よりもコストがかかる分、病院が受け取る診療報酬が手厚い。
厚労省は団塊の世代が75歳以上を迎える25年ごろから回復期のニーズが高まるとみて、急性期のベッドを回復期に転換する政策を進めている。軽症患者が急性期を使うといった非効率な医療を変える狙いもある。都道府県は「地域医療構想」を作り、病院ごとの病床の削減策や転換策について各地域で調整を進めている。
ところが厚労省が25年の病床数の見込みについて病院に報告を求めてとりまとめたところ、目標とのズレが大きいことがわかった。
高度急性期と急性期の病床数は25年時点で53.2万床まで減らす必要があるが、72万床になる見通しとなった。回復期は37.5万床まで増やす目標だが、19.2万床までしか増えない。
転換や削減が進まないのは、自治体が運営する公立病院や日本赤十字社などの公的病院が改革を避けているためだ。公立・公的病院で急性期のベッドの過半を占める。

「急性期は高度な医療」とのイメージが強く、病院側が名乗りたがることが背景にある。公立病院は同一市町村内の移転でさえも住民の反発を招くことがあり、改革に後ろ向きな首長が多い。報酬の手厚い急性期を減らすと減収につながるとの懸念もある。
日本医師会総合政策研究機構によると、公立病院への公費の投入は年間5000億円を超える。厚労省は赤字を垂れ流す現状を問題視している。だが公立病院の所管は総務省で、交付金や補助金の見直しに直接関与できない。
厚労省は公立・公的病院を対象に、地域に欠かせないがん診療や救急などの実績を個別に検証する作業に着手した。民間病院では担えない役割を果たしているか調べるためだ。分析の結果、他の病院と代替可能と判断すれば再編を迫る考えだ。
公費の投入額や活用状況を明らかにし、問題のある公立病院の実態を浮き彫りにする案も浮上している。
国民医療費42兆円のうち入院医療費は約4割を占め、医療保険財政への影響は大きい。病院はベッドが余ると患者を入院させる動機が働きやすく、医療費の増加を助長しかねない。

(日経新聞)



医科歯科連携を唱えていますが、このベットの機能区分をを考慮する視点が欠けているように感じています。
# by kura0412 | 2019-05-31 14:23 | 医療政策全般 | Comments(0)

上手く行きそうには感じません

診療所の都市偏在を是正、在宅医療の拠点化も 厚労省

厚生労働省は診療所の新設が都市部に集中する状況を是正する。
過去5年間で増えた診療所のうち6割強は東京などの5大都市部に集中し、医療を受けられる機会に偏りがある。厚労省は医師が多い地域での開業には在宅医療や休日・夜間の診療などを担うことを求める。条件を厳しくして地方での開業を促すとともに、都市部では高齢化に対応できる医療の拡充をめざす。

厚労省によると全国の診療所は2017年時点で10万1471カ所ある。過去5年間の増加数は1319カ所で、その前の5年間の約2倍に増えた。増加が目立つのは人口が多く、多くの患者が見込める都市部だ。
東京23区と大阪市、名古屋市の5年間の増加数は計683カ所だった。札幌市と福岡市も合わせると計850カ所で、増加分の6割強を占めた。
厚労省は全国を335の医療圏に分け、人口構成や患者の移動などを考慮した人口10万人あたりの外来医師の数を集計した。その結果、全国平均の105人に対し、東京の都心部は192人、大阪市は129人、福岡市とその周辺は144人にのぼった。一方、福島県や香川県などでは50人を切る地域もある。
診療所や医師が偏ると、過疎地などで患者が必要なとき必要な医療を受けられなくなる恐れがある。都市部も集中して過剰になると、患者の奪い合いで経営が非効率になる。入院用のベッドがある病院の場合は過剰な地域では増床できない。一方、ベッドがない診療所はこうした規制がない。

厚労省は偏在の是正に乗り出す。
まず全国の335の医療圏について、医師が多い上位3分の1の医療圏を「多数区域」とする。この地域で診療所を新設する医師には、(1)在宅医療(2)休日・夜間診療といった初期救急(3)学校医など公衆衛生――のうち、都道府県が必要とする機能を担うよう求める。20年度から実施する。
厚労省はこうした機能を担えない診療所が郊外や地方などで開業を選べば、医師の偏在の是正につながるとみる。
診療所の機能を高めて医療費を抑える効果も見込む。
入院を減らして医師が患者を訪問する在宅医療が広がれば、全体で医療費の伸びを抑えられる。病院への救急搬送では比較的、対応が容易な軽症の場合も多い。診療所で対応することで大病院の負担を軽減できる。
日本の医療費は増加が続いており、17年度の概算で42.2兆円と過去最高を更新した。今後も増え続け国の財政を圧迫する見通しだ。厚労省は医療費抑制策の一環として診療所の配置の適正化に取り組む。

(日経新聞)



これからの医療はやはり医療圏が大きな基準です。
但し、方向性としては理解できても、なんとなく上手く行きそうな感じはしません。そして歯科は野放しですか?
# by kura0412 | 2019-05-24 09:41 | 医療政策全般 | Comments(0)

元厚労省官僚が、生活習慣病対策で「総医療費が減る」は嘘

生活習慣病対策で「総医療費が減る」は嘘

健康寿命が伸びれば、平均寿命も伸びる
「予防をすれば国は医療費を抑制でき、民間には新しいビジネスチャンスが生まれ、個人は健康でいられる」――最近こんな言説が出回っています。
本当ならこんないい話はありません。予防で医療費は減らせるのか? データと医療政策の歴史に基づいて検証してみましょう。

「高齢化(高齢者の増加)」とは一人一人の「寿命の伸長」の結果です。高齢社会で医療介護費が増大するのは、寿命が伸びれば生涯医療介護費(正確には医療介護ニーズ)は増大するからです。要医療(入院)・要介護者の割合は加齢とともに加速度的に上昇し、85歳を過ぎれば半数の人が要医療・要介護になります。「高齢者の高齢化」が進めば高齢者の数以上に費用も増大していきます。平均寿命が男女共80歳を超える日本では、男性の25%、女性の50%が90歳を超えて生きます。寿命が伸びればこの比率はさらに高くなりますから、医療介護費は増大していくことになるのです。
日本人の平均寿命がこれほど伸長した要因は、経済成長による生活水準・衛生水準の向上、そして医療サービスの普及とイノベーションです。皆保険ですべての国民が医療を受けられるようになった。治せなかった病気が治せるようになった。諦めていた患者の命が長らえるようになった。医療にくわえて公衆衛生・栄養水準を充実させ、国民に適切なサービスを提供してきたからこそ、寿命が伸びて高齢社会が実現できた、という歴史の事実を忘れてはいけません。
先進国にふさわしい医療・介護サービスを行う限り、長寿化=医療介護ニーズの増大に応じて医療介護費は増大していきます。これはいい悪いの問題ではなく、事実として議論の前提におくべき話です。
「予防で医療費・介護費を減らそう」「健康寿命を伸ばして医療費を減らそう」という議論はこれまでも何度もありました。要するに「ニーズを減らして医療費を減らそう」という発想です。

しかし残念ながら、医療経済学の世界では「予防で医療費が減らせることはない」というのが共通の知見であり、常識です。「健康寿命が伸びれば医療にかかる人が減って医療費が減るはず」と思うかもしれませんが、健康寿命と平均寿命はパラレルに伸長しています。「健康寿命を伸ばす」とは「老化のスピードを遅らせる(今の80歳は昔の65歳)」ということなので、長期で見れば「健康寿命の伸長→生涯医療費の削減」というわけにはいきません。
たとえば禁煙対策。多くの医療経済・公衆衛生研究では、禁煙は短期的には医療費を下げますが、長期的には余命延長により生涯医療費を増加させることが確認されています。

生活習慣病対策も同じです。
「健康は個人の責任であり、個人の努力で医療費を減らすべき」という主張がありますが、これは、多くの生活習慣病には社会環境など多くの外的要因が複雑に関係している、という医学的知見を無視ないし軽視した暴論です。
実際、短期的には成功しても、長期的に医療費を減らすことに成功した予防医療の例は世界を見渡しても見当たりません。大半の予防医療は長期的にはむしろ医療費や介護費を増大させる可能性のほうが高く、予防医療に投入されるコストを考えればトータルの社会的費用は確実に増大します。

終末期医療をコストで語るな
特に看過できないのは、最近の終末期医療の議論です。「余命いくばくもない患者に無駄に医療が提供されている」「死ぬ前の数日で膨大な医療費を使った」などと個別事例を引き合いに出した議論があります。しかし、終末期の定義や、そこで提供されている緩和医療・ホスピスのような医療の意味を理解して議論しているのかかなり怪しいですし、そもそも「すべての死亡前1カ月」の医療費を総計しても医療費全体の3%にしかすぎません。
終末期医療の問題は生命観・倫理観に関わる難問です。医療費抑制というコストのために人の命を秤にかけるような議論をするのは危険です。この議論の行き着く先に何があるか、80年前のドイツで現実に起こった凄惨な歴史を想起してほしいと思います。
当たり前の話ですが、人間、最後は死にます。これだけ医療の進歩したこの国では、事故で即死でもしない限り死ぬ前には必ず一定の、それも決して短くない「要医療・要介護期間」があります。21世紀を前に私たちが介護保険を作った理由は、高齢社会の介護が「看取りの介護」から「生活を支える介護」「誰もが直面する介護」になったからです。ピンピンコロリは個人にとっては理想でしょうが、個別のエピソードと政策立案の基礎となるマクロの社会的事実は大いに異なるのです。

そもそも予防や健康寿命の伸長とは、一人一人のQOL向上のための施策です。文字通りプライスレスな価値を創造する取り組み、コストをかけてでも推進すべき施策なのであって、目先の医療費削減や健康サービスの産業化で議論するのは大きな心得違いです。
長寿社会の医療介護費対策には、発想の転換が必要です。
「抑制」「削減」は無理でも「最適化」することはできます。ニーズを抑えるのではなく供給サイドの改革をする、限られた人的・物的資源で医療介護ニーズの変化に対応していく「提供体制改革」です。

医療・介護提供体制の「選択と集中」を
働き方改革論議で、医師や看護師の過重労働が問題になっています。誤解を恐れずに言えば、今の日本の医療介護提供体制は「戦力の逐次投入」と「有限資源の薄まき」、そして「ミスマッチ」状態です。現場の医療・介護従事者があれだけ働いているのに、全体としては効率的なサービス提供が実現できていない。このままでは増大する医療介護ニーズを支えることは難しい。限りある人的・物的資源の効率的利用という観点から思い切った「選択と集中」が必要です。
具体的には、疾病構造・患者像の変化に合わせた病院機能分化の徹底。
急性期病院では資源の集中投入で早期治療・入院期間短縮を目指し、退院後は地域医療・在宅介護で支える。治療から生活支援へ、施設から在宅へ、医療から介護へ、病院・施設から地域・在宅へと医療介護全体の人的・物的資源を大きくシフトし、「地域完結-ネットワーク型」の提供体制を構築する。

人的資源の効率活用も欠かせません。専門職の機能分担を見直して、専門職は専門職にしかできないことに集中してもらう。というのも、労働人口が減る中で、患者の増加に比例して医師や看護師などの専門職の数を増やすことは不可能なのですから。
医療・介護提供体制改革に取り組むのはとても地味でしんどい作業です。政治家にとっても「不人気で有権者にウケない、地味すぎる政策」に違いありません。そんな中で、自称「改革者」たちが唱える「予防で医療費は減らせる」「取り組みが進まないのは既得権益やしがらみを持つ者が抵抗するから」という主張は、心地よく響くことでしょう。
しかし実際には予防で医療費抑制などはできず、真の改革の機会は失われ、総医療費はかえって増大します。十分な給付ができなくなり、「医療格差」が生まれ、制度への信頼・社会の統合が失われる……。過去の経験はその可能性を示唆しています。

政策とは客観的事実と大局を見て組み立てるものであり、制度を担う者が負っているのは「しがらみ」ではなく「責任」、それも「結果責任」です。その重みを理解しないものが無責任な言説を展開して、物事がうまくいったためしはないのです。
霞が関の政策担当者は結果に責任を負っています。ぜひ、専門集団としての矜持と自覚、そして使命感をもって事に当たってほしいと思います。

※本稿は個人的見解を示したものであり、外務省ともアゼルバイジャン大使館とも一切関係ありません。
香取照幸(かとり・てるゆき)
元・内閣官房内閣審議官・駐アゼルバイジャン共和国大使
1956年、東京都生まれ。東京大学卒。厚生労働省で政策統括官、年金局長、雇用均等・児童家庭局長を歴任。内閣官房内閣審議官として「社会保障・税一体改革」を取りまとめた

(香取照幸:PRESIDENT Online)



突っ込めるところが満載の内容ですが、これが局長級トップクラスの元厚労官僚の考え方です。
# by kura0412 | 2019-05-21 17:14 | 医療政策全般 | Comments(0)

GDPがプラスでも、、、

野党、不信任案の時期探る 「同日選」警戒、狭まる選択肢

菅義偉官房長官は20日の記者会見で内閣不信任案が解散の大義になるかと問われ「当然のことではないか」と述べた。17日の記者会見でも質問され「当然なるのではないか」と答えていた。立民の福山哲郎幹事長は「野党第1党の党首があたかも解散権を握るような事態は非常に不可思議だ」と警戒を強める。

野党の内閣不信任案提出を受け、採決せずに衆院を解散したのは現憲法下で5回ある。
たとえば1958年は衆院本会議で与野党による賛成、反対の討論後に当時の岸信介首相が解散に踏み切った。79年には大平正芳首相が不信任案の採決前に解散している。83年は実刑判決を受けた田中角栄氏の辞職問題で国会が空転し、中曽根康弘首相が不信任案を受けて解散した。
野党内では一時、1~3月期の国内総生産(GDP)速報値がマイナスになれば経済政策の失敗を理由にした内閣不信任案を20日にも出す案が浮かんでいた。
内閣不信任案の提出は会期末ごろが多く、6月26日が会期末の今国会でみれば1カ月以上早いタイミングだ。通常国会で会期末より1カ月以上前に出した例は自民党が結党した55年以降、5回しかない。
このうち2001年の森喜朗内閣に対する不信任案は「加藤の乱」の翌年だった。通常国会で首相退陣論が高まると、野党は不信任案の早期提出に動く。加藤紘一氏ら7人が採決を欠席した。
1~3月期のGDP速報値は2四半期連続のプラス成長となり、経済失政を理由とした内閣不信任案はわかりにくい。複数の野党幹部が「すぐに出すのは難しい」と見送る考えを示した。

衆院選準備が遅れる野党にとって内閣不信任案の早期提出は、衆参同日選の可能性をつぶす戦術の一つだった。
衆院選の投開票日は憲法で解散から40日以内と定められている。参院選は改選議員が任期満了を迎える1カ月前の6月28日より前倒しできない。
5月20日の解散なら、日曜日が投開票日となる衆参同日選は不可能だった。21~27日の解散でも同日選の投開票日は6月30日に限られる。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議は6月28~29日を予定し、外交日程と重なる可能性がある。

野党の選択肢は狭まる。
児童虐待防止法と児童福祉法の改正案は野党5党派が共同提出した対案を同時に審議しており、与党は修正協議に応じる構えだ。その成立前に野党から内閣不信任案は出しにくい。
国民民主党の玉木雄一郎代表は20日の講演で「国会が終わるころにはいつも出している」と話した。6月21~26日に内閣不信任案を出して首相が解散した場合、参院選の投開票日と目される7月21日の同日選が可能になる。野党側には解散を誘発する懸念もある。

(日経新聞)



予想外の成長も内需陰り GDP1~3月実質2.1%増 4~6月ゼロ成長予想

内閣府が20日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.5%増となった。年率では2.1%増。一部で景気後退懸念も出始めるなか、予想外の高成長となった。実際は輸入の大幅な落ち込みが成長率を押し上げた形で、内需にも陰りが出つつある。民間エコノミストは4~6月期を平均でゼロ成長と予測しており、なお先行き不透明感が強い。

市場では今回のGDPについて、マイナス成長もあり得るとの見方が広がっていた。結果はQUICKが集計した民間23社エコノミストの予測平均(前期比年率0.2%減)を超え、予測の最高値だった1.4%増も上回った。
内閣府は今月13日、景気動向指数に基づいて景気の基調判断を機械的に「悪化」に引き下げた。今回GDPが2四半期連続のプラス成長を確保したことで、景気悪化に対する過度な懸念はひとまず和らいだ。
1~3月期のGDPは、主に外需が押し上げた。前期比0.5%増の内訳を見ると内需が貢献したのは0.1%分だけで残る0.4%分は外需が押し上げた。

外需は輸出から輸入を差し引いた「純輸出」ではかる。今回、外需が増えたのは輸入の下げ幅が輸出の下げ幅より大きかったためだ。1~3月期は中国経済の減速で輸出が2.4%減ったが、輸入は4.6%減とリーマン・ショック直後の2009年1~3月以来の大きな落ち込み幅となった。企業の生産活動に必要な原油や天然ガスなどの輸入が減った影響が大きい。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長になったが「実際の景気は見かけよりもかなり悪い」(木内氏)。実際、内需の二本柱である個人消費と設備投資はどちらも2四半期ぶりにマイナスに転じた。

成長率が6月10日公表予定のGDP改定値で下方修正される可能性もある。
改定値では6月1日発表の財務省の法人企業統計を利用して、設備投資などを推計し直すためだ。過去には18年7~9月期の実質GDPが改定値段階で前期比年率1.2%減から2.5%減に下方修正された時も、法人企業統計を受けて設備投資が大幅修正されたことが響いた。
日本経済新聞が20日に集計した民間13社のエコノミスト予測によると、4~6月期の実質GDPは年率換算の平均値で前期比0.004%減と、ゼロ成長にとどまる。大型連休に伴う支出増や消費増税前の駆け込み需要が始まることで、個人消費は持ち直しそうだ。
半面、中国経済の不透明感や米中貿易摩擦の激化がリスクとして残る。第一生命経済研究所の新家義貴氏は「輸出は当面伸びにくい状況が続く。設備投資にも波及する可能性がある」とみている。

(日経新聞)




GDPがプラスとなったから衆議院解散が遠のいたのではなく、いろいろな要因で逆に近づいたとも考えられるようです。そして今週トランプ大統領が来日します。その反響によっては安倍政権のプラス材料となり一気にW選挙に動き始めることも考えられます。
# by kura0412 | 2019-05-21 17:00 | 政治 | Comments(0)

リーマンショック級ではないようですが

喜べないGDP2.1%増 「輸入減で高成長」の不安

景気悪化への懸念が強まる中で20日に発表された2019年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質ベースの年率で2.1%増と高めの成長率だった。民間エコノミストの多くが事前にマイナス成長を予測していただけに予想外の数値だ。ただ内容を見ると「輸入の急減が成長率を押し上げた」という統計上のカラクリがあり、手放しでは喜べない。

GDPは各種の経済統計をもとに、一定期間内に国内で生み出された付加価値を推計する経済指標だ。このうち輸入は海外で生み出された付加価値と捉え、その分をGDPの総額から差し引くことになっている。このため輸入が減れば、GDPから差し引く分が減り、前期比の成長率で計算すると伸び率は上振れることになる。
19年1~3月期の輸入は前期比で実質4.6%減った。年率換算では17.2%減と09年1~3月期以来となる10年ぶりの減少幅となった。この結果、19年1~3月期のGDP総額は予想より大きくなり、18年10~12月期と比べた成長率を押し上げることになった。

問題は輸入の急減が日本経済の停滞を映している可能性が高いことだ。
内閣府は輸入減の理由を「原油や天然ガスの輸入が減ったため」と説明する。一般に企業活動が鈍ればエネルギー関連の需要は鈍る。財務省の貿易統計によると、1~3月期は原油など燃料のほかにも化学製品や機械、半導体など電子部品の輸入も減っている。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長となったとはいえ、「実際(の景気)は見かけよりもかなり悪い」。
第一生命経済研究所の新家義貴氏も国内の需要動向を映す輸入が減っていることを重く見て、「1~3月期が想定を超える成長率になったからといって、景気鈍化の不安が払拭されたとは言い切れない」と指摘する。
企業が日本経済の先行きに慎重になり、身をかがめた結果の輸入減だとすれば、この先は設備投資の鈍化に波及する懸念が強まる。
貿易戦争などで外需が揺れる中で日本経済を下支えしてきた内需は変調の兆しが出始めた。1~3月期は設備投資が前期比0.3%減、GDP総額の5割以上を占める個人消費も0.1%減った。内需の柱が細れば、米中の貿易摩擦で外需が一段と冷え込む事態への耐久力が弱まる。
市場の事前予測と大きく食い違う結果になった1~3月期GDPの高成長は、この先の日本経済に訪れる変調をより深刻に映している可能性もありそうだ。(中村結)

(日経新聞)



この度発表に対する分析に関しては関係者の間でも意見が分かれるようです。然しながら、「リーマンショック級の経済状況」となるとどうなのでしょうか。これでW選挙は遠のいた感じがしますが。
# by kura0412 | 2019-05-20 16:01 | 経済 | Comments(0)

マイナンバーカードが保険証代わりになって

改正健保法が成立 マイナンバーカードを保険証代わりに

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする改正健康保険法などが15日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。2021年3月までの利用開始を目指す。公的手続きなどをネット上で済ませられるデジタル社会づくりを後押しする。

健保法を含む8つの法律を一括で改正する。マイナンバーカードの普及率は現在1割強にとどまる。健康保険証代わりに使えるようにして利用者を増やす。健康保険組合も保険証を発行するコストを減らせる。
今回の法改正では外国人労働者の受け入れ拡大に対応し、健康保険の適用対象を厳しくした。給付を受けることができる扶養家族を原則、国内居住者に限る規定を盛り込んだ。医療費の抑制や不正利用の防止が狙い。同規定は20年4月に施行する。
4月に始まった新たな在留資格「特定技能」で日本で働く外国人労働者が増えるとみられる。母国に残した家族の医療費も日本の健康保険で賄えば、医療費の膨張につながるとの指摘があった。

(日経新聞)



今後普及して税と医療を統合的に管理することになるのでしょうか。
# by kura0412 | 2019-05-16 09:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

「1回3300万円の白血病治療薬、保険適用へ」

1回3300万円の白血病治療薬、保険適用へ

1回の投薬で、約3300万円もするがん治療薬が公的な医療保険でカバーされるようになる。厚生労働省は15日、白血病などで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決める見通しだ。
厚労省は同日開く中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示す。承認されれば、キムリアの保険適用が決まる。

キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬だ。患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻す。国内では初の保険適用になる。海外では米国や欧州、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ている。
投与は1回のみだ。ノバルティスの試験では、若年の白血病患者で8割に治療効果が見られた。対象になる患者は216人と見込まれている。市場規模は72億円だ。
超高額薬でも患者の負担は少なくて済みそうだ。公的医療保険は患者の窓口負担が現役世代で3割だ。これに加え医療費の負担が重くなりすぎないよう1カ月あたりの自己負担の上限を定めた高額療養費制度がある。例えば、年収が約500万円の人がキムリアを使った場合、40万円程度の負担で済む。
問題は3300万円の大部分を税金と社会保険料で支払っていることだ。患者が加入する健康保険組合の負担は大きい。高額療養費の支給金額は2016年度で2兆5579億円となっている。

(日経新聞)


規模は72億円と推測され、オブシーボとは異なり一回投与ということですが即保険適応です。
# by kura0412 | 2019-05-15 08:47 | 医療全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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