コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
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ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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医科歯科大・大学の課題は知名度向上と基礎研究の支援

「学長企画室」と「統合戦略会議」で改革進む-烏山一・東京医科歯科大副学長に聞く
大学の課題は知名度向上と基礎研究の支援

小規模大学(生徒数5000人以下)の大学ランキングで世界12位(日本1位)、医学部生の医師臨床研修マッチング(中間公表)では、応募者数が3年連続1位となるなど人気、実力ともに日本の医学部のトップを走り続ける東京医科歯科大学。近年は大学改革の在り方を巡っても注目を集める。
 理事・副学長(企画・大学改革担当)の烏山一氏は、吉澤靖之学長の就任に伴い設置された「学長企画室」と「統合戦略会議」の2つの組織が改革を牽引していると説明する。改革の状況や東京医科歯科大の将来像を尋ねた(2016年11月18日にインタビュー)。

――2014年4月の吉澤靖之学長就任以来(2017年4月より2期目に入る予定)、矢継ぎ早に大学改革が進んでいるように見えます。現在の学内の運営体制についてご説明ください。
2014年度に新たに設置されたのが、学長直属の学長企画室と統合戦略会議の2つの組織でした。学長企画室は学長がやりたいということを最初に取り組む組織で、従来は総務企画課が担っていたガバナンス関連の案件を直接担当しています。スタッフは4-5人で、若手中心。室長はまだ40代で、女性が多いのも特徴です。専属のチームを作ったのが、改革の肝だったと思います。
一方の、統合戦略会議は理事同士で情報共有をしっかり行うための会議体で、当初は月2回、現在は月1回のペースで開催しています。国立大学法人法では、理事が参加する役員会の設置が義務づけられていますが、議論をすると言うより最終決定機関という色合いが近いです。
統合戦略会議はざっくばらんに議論をすることが目的で、議事録も取りません。ゼロからどんなことをやろうかという話ができます。メンバーは理事5人、副学長2人、学部長2人で、学長と監事は“陪席”という立場です。基本的に学長はしゃべりません。法人化後には学長の権限は強化されましたが、だからこそ我々の考えにも耳を傾けようとしているのだと理解しています。

――2016年3月には「統合教育機構」と「統合国際機構」が設置されましたが、どのような組織でしょうか。
どこの大学でも同じでしょうか、大学組織は増築、増築で、全体を俯瞰することができづらくなる面があります。国際関連の組織も複雑な構造になり、リソースも分散していました。私が機構長を勤める統合国際機構は(1)留学生、海外からの研究者を支援する「Global Gateway」、(2)タイやチリ、ガーナなどの世界各地にある本学の海外拠点、(3)「グローバル企画・推進部門」――の3つの部門を柱に構成されています。
機構設置に当たってはまず、人と建物をまとめようとしました。これまでは海外から来た留学生や研究者がしばしばたらい回しに遭っていましたが、「Global Gateway」としてワンストップで対応できるようにしました。こちらは海外に日本人学生を派遣するときの窓口にもなります。
「グローバル企画・推進部門」はさらに6つのチームに分かれており、外国人向けの書類や生活情報などのバイリンガル化を進める「グローバル環境推進チーム」では、学内や病院の標識の英語併記などにも取り組んでいます。2020年の東京五輪・パラリンピックに備えて、英語の問診票なども製作中です。
統合国際機構の専任教員が9人でうち3人が外国人です。事務職員にも外国人がおり、新人採用では英語を喋れる人を優先するようにしています。

――「統合教育機構」はどのような取り組みを進めていますか。
入試から、学部、大学院、生涯教育まで一貫して取り組むことを目指しています。7つのチームがあります。
アドミッション(入試)チームでは、一部の学科で行われていた推薦入試を全学科に広めます。帰国生入試やバカロレア入試も2018年ごろから行うつもりです。東京医科歯科大は知名度ではまだまだ十分ではなく、特に関西以西では名前が知られていません。今は医学部というだけで関心を持ってもらえる状況ですが、近いうちにそうはいかなくなるでしょう。これから若者の人口がさらに減って、いかに良い学生に入ってもらえるかが、大学の生きる道になると思います。大手予備校の元職員を特任助教として雇用して全国の高校に本学を売り込んでもらっています。
2014年度には「スーパーグローバル大学創成支援(タイプA)」に採択されましたが、英語での教育も重要になります。ただ、医療系の場合は、最終的には患者のほとんどが日本人ということもあり、医学教育は日本語でやらざるを得ない。教養科目が英語でやるのに一番適しており、「教養教育チーム」「グローバル教育推進チーム」が連携して、科目作りを進めています。

――「統合教育機構」設立で新たに立ち上がったIRチームはどのようなことをしているのでしょうか。
IRはInstitutional Researchの略で、データに基づいて改革をするためのチームです。これまでは“勘”みたいなもので教育が行われた面もありますが、今は学生もデータを見せないと納得しない。継続的な学生の指導にはデータが必要ですが、これまではばらばらに管理されていました。全学生を対象に、入試から教養、学部、大学院までの成績やさまざまな活動、卒業後の進路などを個人ごとにデータを蓄積し、教育改革・改善に役立てて行く予定です。

――「統合機構」を作ったのはどのような事情があったのでしょうか。
ご存知のように医科歯科大は小さな大学で、医療系に特化しているとはいえ、大学院では2つの研究科、学部も医学部、歯学部があり、研究所も2つあります。また、新しいことをする際には、文部科学省の「○○プログラム」という支援を受けることが多いですが、その度に受け皿となる「○○センター」を作り、いくつもセンターができてしまうということになりがちです。結果として、大学全体を横断するような取り組みが必ずしもできていませんでした。
そこで、機構を作ってグランドデザインを持ってやろうという考えになりました。これまでに教育、国際の2つの統合機構ができましたが、新たに「研究」と「情報」を作ろうとしています。

――改革の成果は出ているでしょうか。
学長が変わってからスピード感が増していますが、改革の成果はそんなにすぐ出るものではないと思っています。特に教育や研究といった分野は簡単には進まないのは当然です。こうした改革は自分たちで、無い知恵を絞って考えています。大学の改革案を考えてくれるコンサルタント会社もあり、この間も説明に来ましたが高いのですよ。とても使えません。そして何より、コンサルは最終的に効率化のために「人を切れ」「無駄を排除しろ」ということになります。しかし、それは果たして、大学の姿でしょうか。
もちろん変わっていくことは不可欠です。個人的な感想では、医療系の人は、普段から目の前の患者にどんどん対応していかなくてはいけないということで、いい意味でいい加減というか、環境の変化に柔軟だと思います。総合大学だと全学的な改革はなかなか難しいかもしれませんが、本学はどの人もベクトルが近くてやりやすいのだと思います。

――今後はどのようなことに力を入れていく予定ですか。
本学の課題は、知名度が足りないということが大きいです。そのため広報にも力を入れています。専任で5人、兼任で8人のスタッフがいます。英語でのプレス発表に力を入れたり、大学の取り組みを紹介する記者懇談会を定期的に開催したりしています。
新たに設置する統合研究機構では、若手研究者の支援に力を入れたいです。医学部以外では教授と准教授はそれぞれ独立して活動しています。若手でも自分のラボを持って研究ができます。医学部はなかなかそうはいきませんが、若手でもできる人には、時限的でもラボを持てるような仕組みを考えようとしています。専門医指向の高まりもあり、基礎研究に進む若手が減少傾向にあるので支援をしていくつもりです。

【m3.com】
# by kura0412 | 2017-02-07 11:08 | 教育 | Comments(0)

『パーキンソン病のiPS治療、18年度に治験』

パーキンソン病のiPS治療、18年度に治験 京大

京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授は3日、様々な細胞に育つiPS細胞で難病のパーキンソン病を治療する医師主導の臨床試験(治験)を2018年度に始めると明らかにした。健康な人からあらかじめ作ったiPS細胞を患者に移植する。iPS細胞を患者自身から作るよりも治療にかかる費用と期間が10分の1になる見通しだ。大日本住友製薬と協力し、国の承認を目指す。

パーキンソン病は、手足が震えたり運動能力が下がったりする。脳の神経細胞が減って神経伝達物質が不足するのが原因だ。主に50歳以上で発症し、国内に約16万人の患者がいる。
神経伝達物質を補う薬を投与する治療法があるが、神経細胞が減ると効かなくなる。
高橋教授らの計画によると、神経伝達物質を出す神経のもととなる細胞をiPS細胞から数百万個作り、患者の脳に注射する。18年度に国に計画を届け出て、同年度に最初の移植を目指す。症状が中程度の患者が対象で、人数は未定という。
京大は当初、患者の血液などから作ったiPS細胞を使う臨床研究を計画したが、治療に1年の期間と数千万円の費用がかかるとされた。
備蓄した他人のiPS細胞を使えば、治療期間は6週間、費用は数百万円にできるという。高橋教授は「新しい治療法を早く患者に届けたい」と話している。
京大は15年から、拒絶反応を起こしにくいiPS細胞の備蓄を進める。治験はこのiPS細胞を使う。治験がうまくいけば、大日本住友製薬が国の承認を得たうえで、再生医療製品として実用化する。

【日経新聞】




摂食嚥下障害もあるパーキンソン病ですが、絶対的な治療法はないだけに吉報です。但し、費用がかからなくなったといえどそれでも数百万円です。医療費増大で歯科がはみ出されることはないと信じたいのですが。
# by kura0412 | 2017-02-06 15:24 | 医療全般 | Comments(0)

「キセキ」を観る

現在4人が現役の歯科医師でありながら音楽活動を続けるGreenをモデルにした映画「キセキ」を観てきました。
主人公は父が病院に勤務する医師であり、当初は医師を目指したのが歯科医師へ目標を変えたのが設定となっています。あれだけの大ヒット曲を連続に作りながら、何故、現役の歯科医師に拘った理由の一端が分かりました。(内容の設定が実際と同じならば)
正直、もう少し、歯科の特徴にもスポットライトが当たってくれば良かったのにと感じたのが正直なところですが面白かったです。是非、今後も両立して、良い曲を提供してもらいたいものです。
# by kura0412 | 2017-02-06 11:47 | コラム | Comments(0)

歯科界も恵方巻ブームを見習い戦略を

昔は節分に恵方巻を食べる習慣はありませんでした。流行りだしたのはここ10年ぐらいでしょうか。そのルーツを探ると、諸説いろいろありますが、全国に広めたのはセブンイレブンだったようですが、正確には分かりません。
いずれにせよ、節分という歴史ある行事に、上手く組わせて一代行事に仕立てあげたことは間違いなく、見事な戦略であり、巧みな販売網を使っての成功例です。
そして、今の世の中は筋が良い、また、納得できるストーリーがあれば、一躍広がることを示した例です。しかも、戦略的に考えれるネタはいくらでもあるように感じているのですが。
# by kura0412 | 2017-02-03 15:46 | コラム | Comments(0)

口腔医療革命「食べる力」・塩田芳享著

「食べられない」高齢者が急増!? 健康長寿のカギは口腔機能にあり!

お年寄りが病院から退院すると、入院前よりも“元気がなくなっている”と思ったことはないだろうか。退院はしてきたものの、体力・免疫力は返って弱っていると。実は、ここに現在医療の大きな問題が隠されている。
多くの医療現場では、『治療中なんだから食べることくらいは我慢しろ』という風潮が蔓延している。高齢者の場合、特にそれは顕著だ。合わない義歯は管理が難しいと強制的に外され、食べることが少しでも危険だと判断されると、食事はほとんどが流動食、点滴、ひどい場合は、経鼻経管栄養や胃ろうにされてしまう。なぜ、こんなことが起こるのだろうか?

急性期病院とは、専門医の集まりである。治療すべき臓器を専門医が受け持つ。
専門医とは、良い意味でも、悪い意味でも、自分の専門を第一に考え、それに危険なファクターはできるだけ排除しようとする。病院内で『食が軽視される』大きな原因は、「医科」と「歯科」が分かれてしまっていることにある。他の専門家にとって、食べるということは自分の治療にとって、危険以外の何物でもないと思うからだ。
実は病院内だけではなく、そもそも食支援に重要な役割を果たす『口腔機能』の専門家がいないという大きな問題がある。人間の体は全て、担当の専門医が決められ、診てもらうことができるが、唯一専門家のいない器官がある。それが『口腔』である。口腔とは口の中から喉までの器官。人間の体の中で、口と歯だけが医科ではなく、歯科が担当する。だから、口腔内のがんやできものは、医科ではなく、歯科の口腔外科が担う。しかし、口腔の外科医はいても、機能の低下や障がいを治療・改善する内科の専門家が全くの不在なのだ。教育すら受けていない。
医療から見放されている『口腔機能』だが、人間が生活していく上で、このうえなく重要な器官であることがわかってきた。「食べる」「喋る」「笑う」という、人間の健康にとって、最も重要な行為を支えているのだ。

今後、健康に老後を過ごすために必要なこととは……
『食支援の専門家(食医)を見つけて、しっかりと噛んで食べながら病気を治すこと』
『加齢によって低下してゆく口腔機能を自分の力で維持させてゆく』
『本人と家族が「医師任せ」にせず、適切なセカンドオピニオンを持つこと』
など、対処法までしっかり紹介。
担当編集者より ずっと元気で自分らしくいたい……多くの高齢者が望む終末期に、明るい光がさしました。それはとても簡単。「自分の歯で美味しく食べる」ことなのです。医者は歯科の知識が少なく、誤嚥を恐れて安易に「禁食」を勧め、口腔ケアを後回しにしがちですが、これが筋肉など口腔機能を弱めてしまいます。「食べる・しゃべる・笑う」ができなくなれば、脳への刺激が減り、認知症リスクも増加。家族が幸せに暮らすヒントも満載です。目次 第1章 医療現場に急増する『食支援難民』
(自分の両親が入院し、その後介護することを想定して考えていきます)
第2章 食べられない原因は『口腔機能障害』
第3章 現代医療から取り残された『口腔機能の重要性』
第4章 噛んで食べることの意義
第5章 口腔ケアと口腔リハビリの違い
第6章 急速な高齢化に付いていけない現代医療
第7章 『食支援』の専門家を作る
第8章 オーラルフレール 40代からの口腔機能障害予防
第9章 老後を健康に生きるために

【両親に対する備え】
◎食支援難民にならないためには、口腔機能に精通した食支援の専門家を見つけ、しっかりと噛んで食べながら、病院を治す。
これは本人と家族が選択すること
【自分のための備え】
◎『オーラルフレイル』に対する自己評価と予防のための体操やマッサージを行う。

【文藝春秋HP】



著者は医療人ではなくジャーナリストです。非常に面白い、まとまっている内容です。
# by kura0412 | 2017-02-02 15:32 | 嚥下摂食 | Comments(0)

「高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査」

高齢者の口腔・摂食嚥下の機能支援には、多職種連携による取り組みが必要―厚労省

厚生労働省は、1月24日、自治体による高齢者の口腔・摂食嚥下の機能支援について調査報告書を公表した。
高齢者の口腔・摂食嚥下の機能の低下は、誤嚥性肺炎や窒息事故の発生につながるが、全国的に機能の維持・向上の必要性が広く認識されているとはいいがたく、口腔ケア指導などの早期導入も実現していない。また、在宅や施設で介護サービスを受けている重度の要介護高齢者などの摂食嚥下障害の支援に向け、介護サービスの担い手と歯科分野をはじめ多職種が連携したサポート体制をいかに構築していくかも課題となっている。
そうした課題の解決に向け、高齢者の口腔・摂食嚥下の機能支援において先進的な取り組みを行っている5自治体(東京都大田区、同新宿区、千葉県柏市、富山県南砺市、岡山県鏡野町)を対象に調査を実施。その結果、これらの自治体では、歯科医師会、歯科衛生士、管理栄養士など多職種の専門職と連携し、次の取り組みを実施していることが明らかになった。

○介護予防事業で、高齢者が口腔と摂食嚥下の機能の重要性と機能の低下などに対する予防方法について学ぶ機会を提供
○重症化予防のため、自治体の主導で在宅の要介護高齢者や介護保険施設入所者への歯科医療サービスの提供体制を構築
○多職種の専門職が「食べること」 の支援ネットワークを構築できるよう、連携ツールや地域研修会を通じ、支援に伴う課題とノウハウを共有
調査結果の報告書では、それぞれの自治体の取り組みを詳細に紹介している。厚労省は、今後、全国の自治体の歯科保健担当部署に情報提供するなどし、広く取り組みの推進を図っていく。

【ケアマネジメントオンライン】



オーラルフレイルに対してのモデルケースでの実践報告です。この輪をいかにして広げていくか。
# by kura0412 | 2017-02-02 10:13 | 歯科 | Comments(0)

安倍首相、月一回歯科医院へ

外国訪問50回、ゴルフ56回 週末は月1で被災地へ

安倍首相は2012年12月に再登板する前、首相になったら月に1回、3つのことをやろうと心に決めた。外国訪問、東日本大震災の被災地視察、ゴルフだ。
「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げる外国訪問は計50回。ほぼ月に1回のペースを続けている。訪問国・地域は66にのぼる。ゴールデンウイークや国会の合間になる夏は回りやすい。
東日本大震災の被災地への視察は土日を利用して行くことが多い。計31回で、48日に1回の計算になる。昨年の熊本地震や台風被害の被災地の訪問など、東日本大震災以外の被災地訪問を合わせると42回となり、36日に1回のペースだった。被災地視察としては「月1回」をほぼ保つ。

趣味のゴルフは毎月というわけではなく、長期休暇に連日プレーする形で、これまでに56回楽しんだ。スコアは「国家機密」として自ら明かさないが、あるとき一緒にプレーした人が「91」だったと明かしたことがある。ゴルフ仲間の常連の榊原定征経団連会長の方が腕前が上とされる。首相の行きつけのゴルフ場は千葉県と神奈川県に1カ所ずつあり、別荘のある山梨県には3カ所ある。
散髪はほぼ月に1回のペースだ。首相のお気に入りの美容室は「HAIR GUEST」(東京・渋谷)。もともとは新宿のホテル内にある「村儀理容室」に通っていたが、昭恵夫人の紹介で「HAIR GUEST」に通い始めたといわれている。「村儀理容室」では6対4に横分けした髪形になるが、「HAIR GUEST」は、ふわっとしたヘアスタイルだ。
年末年始は毎年、六本木のグランドハイアット東京で親族と過ごすのが定番。ホテルにある「NAGOMIスパアンドフィットネス」は常連で、第2次政権発足から67回通っている。こちらは22日に1回のペースで体調管理に気を配る。

健康チェックも忘れない。人間ドックは毎年、春と秋の2回受ける。歯医者は月1回弱の頻度で通う。衆院第1議員会館の歯科に平日の公務の合間に行くことがほとんどだ。
旧知の友人との交友関係は大切にしている。小学校から大学まで通った成蹊学園の集まりには頻繁に顔を出す。大学卒業後に渡米した際の友人とも頻繁に会う。家族や友人と食事をする際はリラックスしていることもあり、総理番記者に「お疲れさま」と声を掛けることもある。

【日経新聞】



このニュースは陳情の時使えそうです。
# by kura0412 | 2017-01-31 15:01 | 政治 | Comments(0)

医薬分業ぼやける構想

医薬分業ぼやける構想 患者に役立ってこそ

昨年、超高額な抗がん剤の登場が話題となった。高齢化に伴い増え続ける医療費の抑制はかねて大きな課題であることから、この薬の値段は半額に引き下げられることになった。薬価全体もより引き下げが進む方向で制度を見直すことが決まった。その一方で、薬をめぐって費用が減るのか増えるのか、どう役立っているのかなどがわかりにくい政策がある。「医薬分業」だ。
医薬分業とは、病院や診療所では処方箋だけを発行し、それに基づいて実際に薬を受け取るのは病院などとは別の薬局にする仕組み。薬剤師が薬の有効性や安全性を確認し、医療の質を上げることが目的とされる。欧米では標準的な仕組みで、日本でも分業を進める政策がとられてきた。
最近では医薬分業をより進め、「かかりつけ薬局」を患者に身近な場所で決めてもらおうとの政策へ発展している。複数の医療機関を受診しても、それぞれで発行される処方箋をすべて1カ所のかかりつけ薬局に持ち込めば、重複している薬や飲み合わせの悪い薬をすぐに見つけることができ、効率的な医療が実現するとの触れ込みだ。
ところが、この流れに逆行するかのような動きが出てきた。病院敷地内での薬局開設だ。今もすでに大病院の門前には複数の薬局が存在する例があるが、さらに「門内」にも薬局をつくろうというものだ。
昨年後半から、千葉大病院、滋賀医科大病院、公立能登総合病院など各地の公的な大病院で敷地内薬局の計画が相次いでいる。さらに広がれば、各病院の処方箋は各病院の門内薬局に持ち込むケースが増えるだろう。「かかりつけ薬局構想が形骸化する」(日本薬剤師会)と批判も出始めた。
相次ぐ計画の背景には、政府が規制改革推進会議などでの議論を踏まえて、薬局の立地規制を緩和したこともあるようだ。患者の利便性を重視すれば一律制限には問題もあるが、「政府は医薬分業を進めたいのか、そうではないのかがわからない」(薬局関係者)との声もあがる。
ただ、そもそもは規制や制度で医薬分業やかかりつけ薬局を推進しようとの姿勢に無理があるともいえる。患者のために努力している薬局もあるが、今も「薬局は処方箋通りに薬を渡すだけ」との見方が残る。処方された薬の記録を管理していなかった薬局が問題になったこともあった。
こんなことでは病院の中や目の前で薬も受け取れる方が便利といわれても仕方ない。「医薬分業の費用対効果の検証が必要」(印南一路・慶応大教授)との指摘もある。
高齢者の薬の飲み残しは年間500億円分あるともいわれる。本当に必要なのかがわからない投薬があるとも指摘されている。薬局の薬剤師には、医師と連携してこのような無駄をなくし、患者の健康維持にも寄与するといった役割が期待されている。各地域での医療の質の向上、効率化に明確に役立ってこそ、医薬分業やかかりつけ薬局は真に定着していくのではないだろうか。

【日経新聞】
# by kura0412 | 2017-01-31 11:08 | 医療政策全般 | Comments(0)

医療ツーリズム

医療目的の訪日客受け入れ 政府、まず28病院

政府は治療や健診を目的に日本を訪れる外国人の受け入れに特に適した医療機関を推奨する。まず東京大学や大阪大学の付属病院、慶応義塾大学病院(東京)など全国28病院を選んだ。外国人向けのサービス体制などを海外の政府機関や医療機関に周知する。訪日客が安心して受診できる環境を整えて「医療ツーリズム」に弾みをつける。

医療の国際展開の司令塔として政府が主導して設立した一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン(東京・千代田)が審査した。患者が渡航前に大まかな費用を見積もりできるかどうかや、複数の学会認定医がいるかどうかなどを調べた。
第1弾は東大、阪大、慶大のほか、聖路加国際病院(東京)、虎の門病院(同)などを選んだ。3年間の更新制で、仙台厚生病院(宮城)、藤田保健衛生大学病院(愛知)、福岡記念病院(福岡)、米盛病院(鹿児島)など地方からも入った。
選定した病院は「ジャパン インターナショナル ホスピタルズ(日本国際病院)」として海外の政府や医療機関に推奨する。在外公館や各国大使館を通じ、受診できる診療科や先進医療など各病院のサービス体制を情報提供する。
医療目的で日本を訪れる外国人は中国を中心に増えている。医療滞在ビザの発給件数は2015年は約950件と4年前の13倍になった。ビザがなくても健診や治療は受けられるため実態はもっと多い。病院を推奨することで外国人が体制の整っていない病院に行くことを防いだり、地方の病院に患者を分散したりする効果も想定している。
今は海外から直接、病院に問い合わせる外国人も多く、病院の事務負担が重くなっている。今後はJTBなど別に認証した「医療渡航支援企業」を窓口にして外国人患者を推奨病院に誘導し、病院側の負担を減らすことも目指している。
医療機関の認証制度にはこのほかに定住外国人向けの医療機関を認証する制度がある。

【日経新聞】



歯科もこの中に入っているのでしょうか。いずれにせよ、歯科もこの種の動きは早々に出てきそうです。
# by kura0412 | 2017-01-31 10:22 | 医療政策全般 | Comments(0)

『介護福祉士ピンチ…養成校入学、定員の5割切る』

介護福祉士ピンチ…養成校入学、定員の5割切る

介護職場で中核的な役割を担う「介護福祉士」を養成する全国の大学や専門学校などで2016年度、定員に対する入学者の割合が約46%だったことがわかった。
定員割れは、データのある06年度以降11年連続で、50%を割り込んだのは2度目。定員枠自体が減少傾向にあるなかでの入学者割合の低下には、重労働の割に賃金が低い処遇が影響しているとみられる。
調査は公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」(東京)が毎年度、厚生労働相が指定する全ての介護福祉士養成施設に実施している。16年度の定員枠が約1万6700人(377校)だったのに対し、入学者数は06年度以降最低の約7700人だった。
定員数や入学者数は減少傾向が続いている。06年度は定員が約2万6800人(409校)、入学者数が約1万9200人だった。これと比べ、16年度は定員で約1万100人、入学者で約1万1500人少ない。

【読売新聞】
# by kura0412 | 2017-01-30 14:48 | 介護 | Comments(0)

『京大iPS研 供給一部停止で難病臨床研究に遅れ』

難病臨床研究に遅れ 京大iPS研 供給一部停止で

京都大学iPS細胞研究所が先週、再生医療向けに作製し備蓄したiPS細胞の企業や大学への提供を一部停止したことで、角膜の難病などで計画されていた再生医療の臨床研究が一部遅れる見通しだ。離陸期にさしかかるiPS細胞の臨床応用への影響拡大が懸念されている。

Q 臨床応用への影響は。
A 2つの臨床研究の開始が遅れるとみられる。一つは大阪大学が2016年度中に始める予定だったiPS細胞から角膜を作って移植する研究。もうひとつは京大が16~17年に計画していた、血小板を作って血液難病の患者に輸血する研究だ。いずれも最大で1年ずれこむ見通しだ。

ほかにも神経や心筋、肝臓などの病気の臨床研究が遅れる可能性がある。山中伸弥iPS細胞研究所所長は会見で「iPS細胞の臨床応用が遅れる事態を招いてしまい、おわび申し上げる」と謝罪した。

Q 停止の理由は。
A 京大は大人の血液から作ったiPS細胞のほか、赤ちゃんのへその緒の「臍帯血(さいたいけつ)」から作ったiPS細胞を備蓄している。昨年8月に後者の提供を始めたが、11月に作製に用いた試薬瓶のラベルを貼り間違え、本来とは違う試薬を使った恐れがあると判明。今月23日に出荷を停止した。今年夏までに作り直し、提供を再開する計画だ。

Q 再発防止策は。
A iPS細胞の製造を受託するタカラバイオと共同研究を始めた。細胞の製造や品質管理の基準を作り、タカラが京大の製造工程を検証、日常の作業も確認する。またラベルを貼る作業や使用済みラベルを区別する際の手順書やチェックリストを作成するという。

Q タカラバイオに事業を移管する可能性は。
A 京大の高須直子・医療応用推進室室長は「事業譲渡は考えていない」と話した。iPS細胞製造のノウハウを持ち、企業の助力があれば事業を続けられるとする。ただ事業には品質確保やコスト管理が重要で、大学より企業に強みがある。今後の速やかな移管が課題となりそうだ。

【日経新聞】



順調に進んでいると思っていたiPS細胞の開発もこんな問題が起きていました。
# by kura0412 | 2017-01-30 09:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

『まず社会保障費を軸とする歳出の削減・抑制が急務だ』

25年度より後の財政・社会保障の姿示せ

日本の財政は先進国で最悪の状態にある。政府は2020年度に、国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標を掲げているが、日本経済が実力よりかなり高い成長率を実現しても達成は難しい。政府は厳しい現実を直視し、真剣に対応策を考えねばならない。
内閣府が中長期の財政試算をまとめた。それによると、仮に中長期の経済成長率が物価変動の影響を除いた実質で2%以上、名目で3%以上で推移しても、20年度の基礎的財政収支は8.3兆円の赤字になるという。
赤字額は昨年7月時点の前回試算より2.8兆円増えた。円高で16年度の法人税収が落ち込み、収支改善が遅れるからだ。消費増税を2度延期した影響もある。
経済の成長力を高めて税収を増やそうという発想は正しいが、円相場しだいで企業収益やそれに伴う税収は増えたり減ったりする。しかも高い成長率が実現するとは限らない。やはり税収増に過度に頼った財政健全化策は危うい。

まず社会保障費を軸とする歳出の削減・抑制が急務だ。18年度は診療報酬と介護報酬の同時改定を控える。政府は直ちに社会保障の抜本改革の議論に入るべきだ。
同時に、19年10月に消費税率を10%に上げられる環境をつくる努力も必要だ。社会保障と税の一体改革を含め、財政健全化計画をゼロからつくり直してはどうか。
20年度に基礎的収支を黒字にする目標を堅持するのは当然だ。しかし、それは財政健全化の通過点にすぎない。中長期でみた国と地方の債務残高(借金)の国内総生産(GDP)比を着実に引き下げ、財政を持続可能な状態にしなければならない。
30年にかけて、75歳以上の後期高齢者の人口は15年比で約4割増える。放置すれば医療や介護を中心に社会保障費が急増し、財政がさらに悪化するリスクがある。
ところが、20年代後半から30年にかけての大事な時期の財政試算を内閣府は示していない。今回の試算は25年度までにとどまる。その後の超高齢化時代を日本が乗り切れるか否かを検証する材料を示さない対応は不十分だ。
日本人の間で財政や社会保障への将来不安は高まり、足元の個人消費が伸び悩む一因にもなっている。超長期の財政や社会保障の姿を試算することを、不安解消策を考える一歩とすべきだ。

【日経新聞】
# by kura0412 | 2017-01-27 15:48 | 経済 | Comments(0)

『子どもの医療費助成、自治体へのペナルティー廃止で充実へ』

子どもの医療費助成、自治体へのペナルティー廃止で充実へ

このところ、「医療費」といえば負担増の話ばかりだが、そのなかで唯一明るい話題といえるのが子どもの医療費助成制度だろう。
現在、子どもの医療費については、すべての地方自治体が助成を行っているものの、対象年齢や助成方法はまちまちだ。これは、財政力によるところが大きいが、実は国からの補助金の仕組みが助成の足かせになってきた面もある。
だが、少子化対策を急ぐ国の方針もあり、自治体が子どもの医療費を助成しやすくできるように見直されることになった。

子どもの医療費助成で少子化に歯止めをかける
2015年の出生数(確定数)は、前年よりも2138人多い100万5677人で、合計特殊出生率は1.45に回復した。だが、2016年の出生数は、前年比マイナス2万5000人の98万1000人と、再び大幅に減ることが予想されている。
安倍政権では、経済成長を促すための施策のひとつとして、合計特殊出生率を1.8まで引き上げることを目標としている。少子化に歯止めをかけるために、子育て世帯の経済的負担軽減策を打ち出しており、2015年9月から厚生労働省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」でも、子どもの医療費負担についての審議が重ねられていた。
病院や診療所にかかったときに、患者が窓口で支払う一部負担金は、年齢や所得に応じて1~3割。現在、子どもの自己負担の法定割合は、小学校入学前の未就学児(7歳になる年の3月まで)は2割、小学校1年生以上は3割だ。
だが、それぞれの自治体が、独自に子どもの医療費を助成する制度を設けているため、子どもが一定の年齢になるまでは実質無料で医療を受けられることも多い。「乳幼児医療費助成」「子どもの医療費助成」など、自治体によって名称は異なるが、本来なら患者が支払う窓口負担分を、都道府県と市区町村が代わり支払ってくれる制度だ。
法律で決められた制度ではなく、地方単独事業として行われているので、国からの明確な予算はついていない。まず、都道府県ごとに助成内容が決められ、市区町村が財政力や政策などによって上乗せの助成を行っているので、子どもの医療費助成の内容は次のポイントで違いが出ている。
(1)助成対象の子どもの対象年齢
(2)通院、入院による差
(3)親の所得制限の有無
(4)一部負担金の有無
(5)助成方法が、現物給付か償還払いか

子どもの医療費負担は、家計にも影響を与える。最近は、自治体の子育て支援策を調べて、子育てしやすい地域を探して暮らす場所を決める人たちもいる。人口が増加すれば、税収が増えるだけではなく、町も活性化する。そうした町興し的な意味合いもあり、子どもの医療費助成制度は拡大傾向にあるが、財政力によって助成範囲には大きな差があるのが実情だ。
対象年齢は、都道府県別では3歳未満~18歳年度末と幅が広く、さらに市区町村の独自の上乗せ助成は4歳未満~22歳年度末までとバラツキが出ている(「乳幼児等医療に対する援助の実施状況」平成27年4月1日現在)。
このほかに、親の所得制限を用いていたり、1回500円程度の一部負担金を設けていたり、助成方法が現物給付か償還払いかによっても、使い勝手は変わってくる。
できるだけ長い期間、助成を受けられるほうが、利用する側にとっては都合がいい。だが、どこまで助成できるかは、自治体の財政力によるところが大きく、さらにそこに影響を及ぼしているのが国からの補助金の仕組みだ。

現物給付方式の助成は ペナルティーの対象だが
子どもの医療費助成制度には、(5)のように現物給付、償還払いの2つの方法がある。現物給付は、自治体が医療機関に直接自己負担分を支払ってくれるもので、窓口での患者負担はしなくてよい。償還払いは、いったん患者が窓口で自己負担分を支払ったあとで、自治体に申請して払い戻しを受ける方法だ。
あとから払い戻される償還払いより、窓口負担のない現物給付のほうが、家計からの持ち出しをしなくて済むので、利用者にとってはありがたい。
だが、これまで国は、窓口でお金を支払わずに医療にかかれるようにすると過剰受診につながるとして、現物給付方式で子どもの医療費助成を行っている市区町村に対しては、国民健康保険の療養費等国庫負担金という補助金を減額する措置をとってきた。
これは、患者が窓口で支払う額に応じて減額率が決まり、現物給付方式によって増えた医療費の分だけ、本来支払うはずだった国の補助金を減額するというもので、いわば自治体へのペナルティーだ。
だが、子どもの健康を守るための助成にペナルティーを課すというのはおかしな話だ。前出の検討会では、補助金減額のペナルティーは「国として推し進める少子化対策に逆行」「廃止により各自治体では他の子育て支援策に財源を充当できる」などとして、減額調整措置の廃止を求める声が相次いだ。
また、全国知事会からの廃止要請などもあり、2018年度から小学校入学前の未就学児に対する助成については、現物給付をしても補助金は減額されないことになったのだ。
話し合いの過程では、新たに親の所得制限を設けたり、窓口での一部負担金の徴収も検討されたりしたが、すでに現物給付が導入されている子育て家庭に負担増を求めるのは難しいと判断。
この見直しによって、未就学児の医療費助成ついてはすべての市区町村で補助金の削減は行われなくなったため、子育て支援に振り分ける財源を増やせる可能性が高くなったのだ。
具体的な子育て支援策の充実は自治体によって異なるが、これまで償還払いや一部負担金があった地域は、それらが撤廃されて使いやすい現物給付に変わる可能性がある。また、すでに現物給付だった地域は、さらに充実した支援が受けられるかもしれない。
未来を担う子どもたちが、お金の心配をしないで医療にかかれることは喜ばしいことだが、今回の見直しでも、自治体による助成の格差を完全には解消できないことは残念だ。自治体の財政事情によって個人の医療費負担が左右されるのは不公平だという見方もある。
充実した医療費助成が子育て世帯を地域に呼び込む地域興しの一環となっている今、財政が乏しい自治体は人口減に悩まされることにもなる。住んでいる地域にかかわらず、どこでも充実した医療費助成が受けられるように、今後も制度の充実を期待したい。

子どもの医療費助成制度は誰かの負担で成り立っている
医療費助成のおかげで、子どもの医療費の負担は抑えられるものの、その医療は病院や診療所が無料でサービスしてくれているわけではない。子どもがかかった医療の費用は、税金や社会保険料によって賄われており、他の誰かが負担してくれていることは常に意識しておく必要があるだろう。
同時に、制度を使う子どもたちの保護者は、医療機関の適切な利用方法を覚えておきたい。一時期、休日や夜間に個人の都合で医療機関を受診する患者の増加によって、小児科医をはじめとする医療スタッフの疲弊が問題となった。
その後、不要不急の受診を減らすための啓蒙活動によって、ひと頃より医療スタッフの労働環境は改善されたものの、医療資源は無尽蔵にあるわけではない。
診療時間外に子どもの体調が悪くなった場合は、様子を見ながら受診行動を考えたいもの。自分で判断するのが難しいなら、小児救急電話相談事業「♯8000」に電話をかけるのがおすすめだ。
「♯8000」は、厚生労働省の電話相談事業で、子どもの症状を伝えると小児科医や看護師などの医療専門職が相談にのってくれて、「明日の朝まで様子をみても大丈夫」「今すぐ病院に行ったほうがいい」などと対処方法を教えてくれる。
また、国が推奨しているワクチンは接種して、死亡や重度の後遺障害につながる病気にかからないように予防しておくことも考えたい。
日本の医療制度は、税金と社会保険料によって支えられている国民共通の財産だ。医療を必要とするすべての子どもが、必要な医療を受けられるようにするためにも、医療費助成制度の充実を訴えるとともに、ふだんからそれぞれの人が適切に医療機関を利用することも求められている。

【DAOAMOND ONLINE】




ペナルティがあるとは知りませんでした。
# by kura0412 | 2017-01-26 14:48 | 医療政策全般 | Comments(0)

『菅官房長官の「官僚支配力」は、なぜここまで強くなったのか』

菅官房長官の「官僚支配力」は、なぜここまで強くなったのか
その息づかいまで霞が関は気にする

菅の息づかいまで気になる
第2次安倍政権が発足して4年余、官邸主導による政権運営が強化されるとともに、首相・安倍晋三、官房長官・菅義偉の役割分担が進んだ。
衆院解散・総選挙時期など重要な政治日程は時に首席総理秘書官・今井尚哉を交えて話し合っているが、主に安倍が外交・安全保障を、菅が国内政策を、それぞれ担っている。
もちろん、菅は安倍の了承を得た上で進めている。とはいえ、菅が調整・決定したことは、私が気付いたことだけでも、税制、農協改革、超高額の抗がん剤「オプジーボ」などの薬価……と広範囲に及ぶ。
財務省や経済産業省など各省幹部は口をそろえてこう語る。
「霞が関の官僚はいまや、菅の息づかいや表情まで気にしている。どの省庁でもそうだ」
「税制を決めているのは自民党税制調査会ではない。菅長官だ」
それぞれ担当閣僚がいるのに、菅の力がなぜこれほど強まったのか。

官僚の人事権を完全掌握
内閣官房長官は1885年12月の内閣制度発足から戦後の1947年5月に現在の名称に改められるまで「内閣書記官長」と呼ばれた。当時、内閣職員の筆頭という程度の位置づけだった。
国務大臣を充てると規定されたのは66年6月の佐藤内閣でのこと。官房長官という閣僚ポストはたかだか半世紀の歴史しかない。外務省、大蔵省(現財務省)などの大臣が内閣制度発足当初から設けられていたのに比べ、その歴史は浅い。
にもかかわらず、絶大な権限を行使できるのは官房長官が「内閣官房の事務を統轄」(内閣法第13条)し、内閣官房は次の事務をつかさどることになっているからだ(同12条)。
「閣議事項の整理その他内閣の庶務」
「内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務」
「行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務」
要するに、国政全般に何でもかかわることができるようになっている。
どの程度かかわるかは時の首相や官房長官の方針によって変わる。言い方を変えれば、官房長官に就任した人物によって仕事の範囲が変わる。
大臣の中で官房長官だけが首相官邸内にいて、首相と頻繁に打ち合わせができる。官房長官室は首相の執務室と、記者には見えない内廊下で結ばれ、その距離は数十メートルだ。
官房長官の「霞が関支配」をより強化したのは内閣人事局の設置だ。
菅が政治の師と仰ぐ元官房長官・梶山静六は橋本内閣時代に官邸に「人事検討会議」を設置し、各省庁の幹部人事が閣議にかけられる前に口を出せるようにした。

2014年5月末に発足した内閣人事局はこれを制度化。対象も局長級の約200人から審議官以上の600人に拡大し、国家公務員の幹部人事を一元管理できるようにした。
人事局の担当大臣は国家公務員制度担当だ。現在なら山本幸三だ。だが、人事局長は官房副長官。官房副長官3人の中でも衆院議員の副長官が就任し、初代が加藤勝信(現一億総活躍・働き方改革担当相)、2代目の現在が萩生田光一。
副長官は首相や長官の指示に従うわけだから、安倍や菅は霞が関官僚の人事権を持っていると言える。事務次官が大臣に人事案を示し、了承を得ればそれで決まりという時代ではない。

「これって、おかしいでしょ」 
こうした権力掌握システムが出来上がっていても、実現できるとは限らない。第1次安倍政権時代、人事局を除いて同じシステムだったが、官房長官は厚生労働大臣の塩崎恭久。塩崎は細部にこだわり、1次政権が行き詰まる原因になった。
官房長官に充てられる人物には、主張の正しさ、どんな抵抗に遭っても主張を貫く胆力、そして、この人がそこまで言うならやむを得ないと思わせる「人間力」がなければならない。
「これって、おかしいでしょ」
この言葉を、菅から最初に耳にしたのはたぶん、2002年1月、国土交通大臣政務官に就任した当時だ。
当選2回で初めて政府の要職に就いた菅は自動料金収受システム(ETC)の料金が高いのはおかしい、と言って、料金下げによる普及と、ETCを利用した高速道路の深夜料金引き下げを実現した。
これ以来、菅が「おかしい」と言って変えていく姿を何度も目撃した。行政の改革者として菅を見る時、官房長官というポストは菅には最もふさわしいと言えるだろう。

【ニュースの深層・田崎史郎】
# by kura0412 | 2017-01-26 08:49 | 政治 | Comments(0)

『地域包括ケアは「囲い込み」から「連合」へ』

地域包括ケアは「囲い込み」から「連合」へ

地域の“お隣同士”の医療機関や介護事業者、薬局などが連携して患者・要介護者の生活を最期まで支える──。そんな地域包括ケアシステムの構築が推し進められ、各地で動きが活発化しています。
「各地域では保健・医療・介護・福祉の資源が別々に整備されてきた。だが、今後はこれら資源に“横串”を通し、住民に最適なサービスを迅速に提供できる仕組みづくりが重要になる」
こう指摘するのは、医療経営コンサルタントで(株)医文研・代表取締役の茨常則氏。特に、高齢化と若年人口の減少が進む地方では、医療・介護の需要と供給のミスマッチが広がっており、「効果的・効率的な医療・介護提供体制の構築が喫緊の課題だ」と言います。
地域包括ケアシステムは、住民が住み慣れた地域で最期まで暮らせる環境の整備を目的とします。2012年施行の改正介護保険法でその構築が国や自治体の責務とされ、法的根拠が与えられました。

地域包括ケアは子育て支援も含めた町づくりにつながる概念
そのため当初は、介護分野の概念として捉えられる傾向がありました。ですが、社会保障制度改革国民会議が2013年8月にまとめた報告書では、その構築の促進が前面に掲げられると同時に、介護や医療だけでなく福祉・子育て支援も含めた、町づくりにもつながる概念として打ち出されました。
その後、同報告書を基に2014年6月に成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」(医療介護総合確保促進法)でも地域包括ケアシステムの構築を明示。介護保険事業(支援)計画だけでなく医療計画などを策定する際のベースとなる概念とされ、医療分野においても重視される形となりました。
これと並行して2014年度診療・調剤報酬改定では基本認識(方針)として、「医療提供体制の再構築」と併せて「地域包括ケアシステムの構築」が提示。その一翼を担う機能として地域包括ケア病床や地域包括診療料が創設されたのは記憶に新しいでしょう。さらに、病床再編などを目指す地域医療構想や内閣府の経済・財政再生計画の中でも言及され、地域包括ケアシステムの構築は今や国の最重要課題となっています。
もちろん、住み慣れた地域で最期まで生活を継続できる環境の整備が最大の目的ですが、これだけ同システムが重視される背景には、社会保障費の伸びの抑制があるのも事実。「ときどき入院、ほぼ在宅」「『治す医療』から『治し、支える医療』への転換」「自助・互助・共助・公助の適正な役割分担」などを推進することで、社会保障財源の効果的・効率的な配分を実現しようというわけです。
 
入院から在宅まで切れ目ない体制づくりを重視
ここ数回の診療・調剤・介護報酬改定を概括すると、入院から在宅までを担う医療・介護機能の切れ目ないつながりを強化する方向が打ち出されていることが分かります。入院においては高度急性期から慢性期に至るまで早期の退院に軸足が置かれ、外来や薬局ではかかりつけ機能の充実、在宅診療や介護では中重度者の在宅生活の継続支援などが重視されてきました。
具体的な報酬点数を見ても、医療機関・介護事業者・薬局の間の連携を後押しする項目が数多く存在します。
例えば、2016年度診療報酬改定では退院支援加算が再編・新設され、入院患者の退院を促進すれば、高度急性期から慢性期まであらゆる病棟で高い点数を算定できるようになりました。そのほか、入院・入院外の間での診療情報の共有なども手厚く評価されています。
在宅分野に目を向けると、早期退院に向けて医療機関・介護事業者・薬局の連携促進を念頭に置いた点数項目が目立つほか、患者の急変時などに多職種でカンファレンスを開いた際の評価も設けられています。介護保険リハビリテーション移行支援料(2014年度診療報酬改定で新設)のように、サービスの医療保険から介護保険へのスムーズな切り替えや、要介護者の社会参加の促進(訪問・通所リハビリにおける社会参加支援加算、2015年度介護報酬改定で新設)を図る仕組みも盛り込まれました。
国の政策の後押しを受け、各地では地域包括ケアシステムを構築する動きが活発化。「地域包括ケア推進課(室)」といった専門部署を創設し、普及に努める市町村が増えています。在宅医療の提供機関マップの作成、医療や介護などの多職種が一堂に会する会議や研修会の開催、患者・要介護者の情報共有を目的としたIT(情報技術)システムの導入といった取り組みを見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。

地域の実情で異なるシステムの形
こうした流れを受け、医療機関・介護事業者・薬局において自身の分野以外の法人や事業者と「顔の見える関係」を築かなければ、患者や介護サービス利用者の確保が難しくなると考える経営者が目立つようになりました。ある介護事業者は、「患者や要介護者を自法人ばかりで囲い込む時代は終わった。これからは、地域の外部の医療機関や他の介護事業者、薬局と連携を強めて高齢者の在宅生活を支えることが重要になる」と語ります。
地域包括ケアシステムは地域の実情を勘案して構築され、当然ながら各地域で形が違ってきます。自治体によって医療・介護資源の状況や人口推移、住民同士のつながり度合いなどが異なるからです。医療機関、介護事業者、薬局ともに、今後、自身の地域の現状や地域包括ケアシステム構築の方向性などをしっかり見極め、他法人・事業者との「ご近所連合ケア」に積極的に参加していくことが重要になるといえそうです。
 
【日経メディカル】
# by kura0412 | 2017-01-24 11:32 | 医療政策全般 | Comments(0)

『「オプジーボ」、特許で勝っても視界は晴れず』

「オプジーボ」、特許で勝っても視界は晴れず
特許使用料を受け取れるようになったが・・・

高額薬価問題で緊急値下げを余儀なくされたがん治療薬「オプジーボ」だが、特許を巡る訴訟では競合薬に実質的な勝利を収めた。小野薬品工業は1月21日、日米欧で争っていたオプジーボの特許侵害訴訟について「キイトルーダ」を販売する米メルクと和解したと発表した。
和解内容は、小野薬品工業と共同開発先の米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)の特許権をメルクが認め、両社とライセンス契約を締結するというものだ。

2017年3月期に180億円程度の特別利益
頭金として6億2500万ドル(約710億円)を両社に支払うほか、2017年1月から2023年までキイトルーダの全世界売上高の6.5%、2024年から2026年まで同2.5%をロイヤルティとして支払うことで合意した。頭金とロイヤルティの分配比率は小野薬品が25%、BMSが75%で、小野薬品は2017年3月期に180億円程度の特別利益を計上する。
小野薬品側の“取り分”は少なく映るが、「BMSとの販売ロイヤルティを考慮すると妥当」(広報部)。オプジーボは小野薬品が日本と韓国、台湾、BMSが欧米とその他のアジアで販売権を有しており、販売シェアはBMSが圧倒的に大きい。その中で小野薬品にはBMSの北米売り上げの4%(欧州とその他アジアでは15%)、BMSには日本・韓国・台湾の売り上げの4%が互いに入る契約になっている。そうした取り決めからすれば、妥当な分配というわけだ。
オプジーボはがん細胞がかけている免疫のブレーキを解除し、人が本来持っている免疫力でがんを攻撃する仕組みの抗がん剤。がん細胞を直接攻撃する従来の化学療法とはまったく異なる効き方をし、末期患者でも年単位で生存する患者が現われている。2014年に悪性黒色腫を対象に世界に先駆けて国内で発売。2015年には非小細胞肺がんにも効能が追加され、対象患者数が一気に増えた。その後も、国内外で効能追加が続いている。
一方、メルクもほぼ同時期に同じメカニズムのがん治療薬「キイトルーダ」を開発。海外市場でオプジーボとシェア争いを演じているほか、国内でも昨年、悪性黒色腫と非小細胞肺がん向けで承認された。
キイトルーダとの競合は激化しているが、その中で小野陣営とメルクが歩み寄った背景には、新たなライバルの出現が迫っていることがある。
有望市場であるがん免疫薬への参入は世界のメガファーマが狙っている。
スイスのロシュと子会社の中外製薬、英アストラゼネカ、米ファイザーと独メルクはオプジーボとは異なるメカニズムの免疫薬を開発中。これらの開発が成功すれば「オプジーボ陣営」にとって大きな脅威となりうる。その前に適用がん種の拡大などを急ぎ、リードを広げておきたいところだ。

薬価下げの影響はカバーしきれない
開発が成功した時には “夢の薬”ともてはやされたオプジーボだが、2016年は高額薬価問題の矢面に立たされた。肺がんの場合で1人当たり年間3500万円もの高額薬価が注目され、次回2018年の薬価改定時期を待たずに異例の緊急引き下げが決定。2月から薬価は50%引き下げられる。
年間販売額が1500億円超なら最大50%薬価を引き下げるという市場拡大再算定の特例が適用されたためだが、オプジーボの予想年間販売額は1260億円。それに流通経費等を上乗せして算定された。当初の薬価自体、国が決めたものであり、小野薬品としては完全な誤算となった。
今回の和解で小野薬品は、メルクのキイトルーダの売り上げに応じてロイヤルティを手にすることになるが、同薬の世界売上高は2016年1~9月で約9.2億ドル(約966億円)。1000億円とすれば、小野薬品に入るロイヤルティは16億円程度にすぎない。もちろん、ロイヤルティは今後の販売次第だが、これだけで薬価引き下げの影響をカバーするのは難しそうだ。
今後も競合薬の追い上げに加え、医療費抑制を背景にした国の薬価政策に引き続き翻弄される可能性がある。今回の和解は小野薬品にとって良いニュースであることは間違いないが、懸念材料を払拭するには物足りないというところだろう。

【東洋経済ONLINE】
# by kura0412 | 2017-01-24 10:12 | 医療全般 | Comments(0)

『天下り問題・震え上がる官僚たち』

【天下り問題】事務次官のクビを一瞬で飛ばした安倍官邸「真の狙い」
震え上がる官僚たち

天下りの起源
文部科学省が元高等教育局長の早稲田大への天下りを斡旋(あっせん)した、という問題が世間を賑わしている。この件の責任を取って、前川喜平文科事務次官が引責辞任した。
早稲田大学では、20日に鎌田薫学長が記者会見を開いて、「再就職等規制に関する本学の理解が不足していた」と謝罪。そして、早稲田大学に再就職していた元高等教育局長の吉田大輔教授は辞職した。
教育再生会議座長をはじめ、各種審議会で役所との繋がりが深く、しかも著名な法学者である鎌田学長の口から「再就職等規制の理解が不足していた」という言葉が出てきたのはかなり残念である。
世間一般では、天下り批判は、公務員が関連企業に再就職することをいう。しかし、いくら公務員であっても職業選択の自由があるので、再就職全般を禁止することはできない。
そこで、再就職活動に関連して、職員による再就職斡旋禁止、現職時代の求職活動禁止、退職後の元の職場である役所への働きかけ禁止の規制が行われている。
この天下り規制は、10年前の第一次安倍政権の時に筆者らが企画立案し成立した「国家公務員法等の一部を改正する法律」(平成19年法律第108号)に基づくものだ。
筆者は、小泉・安倍政権下で、道路公団民営化、郵政民営化、政策金融改革、特別会計改革など、各省の既得権とぶつかる数多くの改革に携わってきた。そこでは幾度となく、官僚たちが自己の保身や出身組織の防衛に走る姿を見てしまった。
天下りに固執するのは、公務員個々人の資質によるものではない。組織そのものに内在する問題と言わざるをえない。
わが国の官僚制の起源は、明治初期にさかのぼる。
1893(明治26)年、文官任用令、文官試験規則が改正され、官吏は原則として公開試験によって任用されることとなった。1899(明治32)年、山縣有朋は公開試験制度を活用し、内務省などの省庁の高級官僚から憲政党などの政党員を締め出し、自分の配下となる官僚群を作った。
それが、難関な文官高等試験(高文試験)の合格者のみが特権的な任用を受ける「キャリア制」に連なっていったという見解もある。まさしくマックス・ウェーバーの言う通り、「権力の闘争とは官吏任命権の争い」なのだ。
ただ、天下りの起源はそれほど古くはない。
昭和初期から漸増し、組織的な天下りはいわゆる1940年体制下で確立された。戦時統制経済期に、経済統制機関や金融統制機関に官僚が送り込まれたのだ。当初は天下りというよりも、国策を徹底するための、官界からの人材派遣という側面が強かった。
こうして始まった天下りは、戦後の高度成長期にはある程度は社会に許容されたかもしれない。しかし、今ではきわめて厳しい批判にさらされている。
ちなみに、天下り先の政府法人を売却すれば、国債の大半はなきものになる。しかし、官僚はこの天下り先に世間の関心が向かうことを好まない。
このため、天下り先への資金供与である出資金、貸付金は政府の巨額な資産の一部であるにもかかわらず、財政問題ではもっぱらバランスシートの右側の負債(国債のストック残高)のみが強調され、左側の資産は無視される。
これは、天下り先への資金供与に国民の目が向かないようにとの配慮である。

「天下り規制」にブチ切れた官僚たち
さて、天下りは日本だけに特有なことではないというものの、先進国の中ではあまり類例がない。
官僚天国といわれるフランスでは「Pantoufle」といわれており、友人のフランス人に聞いたら、スリッパ、室内履きという意味に加え、「居心地がいい」という意味もあるそうだ。ただし、日本ほど広範に天下りは行われていないという。
そのような慣行のないアメリカでは対応する言葉がなく、日本語を直訳して「Descent from Heaven(天下り)」といい、最近では「amakudari」と言っても、日本にある程度詳しい学者の間では通用する。
官僚では年功序列を原則とするから、上級ポストが少なくなって肩たたきされた退職者にも天下りで高給を保証する構造になりがちだ。それをただすには、予算・許認可権限をもつ各省人事当局による斡旋を禁止するのがもっとも効果的である。
役人を長くつとめていれば、このシステムこそが各人に各省への忠誠心を誓わせる原動力になっていることは、誰でも知っていることだ。国民のための政策といいながら、結局、天下り先確保のために組織作りに汲々としている役所幹部の見苦しい姿を、筆者は何度も見てきた。
第一安倍政権において、筆者らが企画した天下り斡旋等の禁止は、官僚側から猛烈な抵抗を受けた。
当時の官僚トップとして官邸にいた的場順三内閣官房副長官(財務省OB)は、内閣府職員から天下り斡旋の禁止を盛り込んだ経済財政諮問会議の民間議員ペーパーの事前説明を受けると、机を叩いて激怒した。
そして、「欧米とは事情が違う。欧米には、再就職斡旋の慣行がないなんて言うな」といい、「欧米には再就職斡旋の慣行がない」というペーパーの注記を削除した。その注記は正しいにもかかわらず、削除されたのだ。
さらに、総理秘書官(財務省出身者)が民間議員ペーパーの事前説明を内閣府職員から受けていたが、それらの内閣府職員に対して「お前ら全員クビだ」と怒鳴ったという。
それほど、天下り斡旋等の禁止は組織の根幹を揺るがすものだったのである。
実際、各省の意思決定をしている幹部官僚ほど、天下りの確保は自分の人生の問題として切実だ。官僚が出身省庁に忠誠を尽くすのは、仮に出世競争に敗れても天下りによる給与が保証されているからであった。
役所の人事サイドから見れば、退職者に対し「退職依頼+天下り斡旋」のセット、退職者から見れば「依頼承諾+斡旋依頼」となって両者は満足だ。しかし、国民から見れば最悪なのである。
官僚の猛烈な抵抗にもかかわらず、10年前の安倍総理はぶれずに、「国家公務員法等の一部を改正する法律」を国会で通した。
ただ、その成立にあまりに多くのポリティカル・キャピタルを投入せざるを得なくなり、結果として第一次安倍政権は短命に終わった。それゆえといべきか、退任時の安倍総理は、記憶に残る仕事として公務員改革を掲げていた。
その間の様子をよく見ていたのが、現在の菅義偉官房長官である。そして、天下り斡旋等の禁止の威力を誰よりも理解していた。

選挙に備えてのにらみ?
実は、「国家公務員法等の一部を改正する法律」に基づき2008年12月に再就職監視委員会が設置されたが、当時の民主党などの反対で国会同意人事が行えず、発足後も委員長・委員不在で開店休業状態だった。
こうした事情を知っている筆者から見れば、民主党は公務員擁護の党であり、公務員改革に熱心でなかった。今、蓮舫代表が、天下り問題で安倍首相を責めるというが、民主党お家芸のブーメランにならなければいいが、と懸念してしまう。
結局、民主党政権末期の2012年3月にようやく再就職監視委員会の委員長・委員の国会同意人事が得られた。
第二次安倍政権は、一次政権時の国家公務員改革の成果をうまく使っている。2013年3月の国土交通省職員による再就職斡旋、2016年3月の消費者庁元職員による求職が、国家公務員法違反と認定されるなど、監視委員会はやっと本格的な活動を始めた。
第二次安倍政権では内閣人事局も発足させ、各省のトップ人事を菅官房長官がしっかりと掌握している。ここが、第二次安倍政権の絶対的な強みである。
今回、再就職監視委員会は、国交省、消費者庁に次いで文科省にメスを入れたのだが、今回の文科省はあまりに不用意だった。
ただし、他省庁でも、程度の差こそあれ、似たようなことはやっている。なにしろ、国家公務員法で違反としているのは、再就職のための情報提供、再就職依頼の禁止などである(国家公務員法第106条の2など)。これらは、事実行為であり、いわゆる天下りにはつきものなのは、国家公務員であれば誰でも知っているはずだ。
今回の文科省の一件で、他の霞が関官僚は震え上がったに違いない。なにしろ事務次官のクビがあっという間に飛んだわけだから、官僚としては大騒ぎだ。
10年前にあっさり倒れた安倍政権ではなく、今や空前の長期政権にもならんとしている安倍政権である。それも、知謀の菅官房長官が、内閣全体ににらみを利かしている。
10年前の第一次安倍政権崩壊時に祝杯を挙げたという霞が関官僚は、これから頭を高くして眠れないのではないか。もっとも、伝家の宝刀は抜かずに、その威光だけで官僚たちをひれ伏させることもできるので、宝刀の無駄振りはしないだろう。
こうなってくると、第一次安倍政権では横行したような、官僚発の「倒閣運動」はやりにくくなる。今年は総選挙の年になると言われているので、安倍政権は選挙がやりやすいように、しっかりと内部から固めているのだろう。
最後に、マスコミにその気があるなら、天下り問題について比較的簡単に調査報道ができることを示しておこう。「国家公務員法等の一部を改正する法律」では、天下りの斡旋禁止だけではなく、再就職状況を公表するようになった。

今回の早稲田大学の件でも、内閣官房のHPで毎年の再就職状況が個人名と再就職先を含めて公開されている(http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/kouhyou_h280920_siryou.pdf)。
ここはネタの宝庫であるので、マスコミはこれを活用して、是非とも天下り問題をしっかり解明して欲しい。

【高橋洋一・ニュースの深層】
# by kura0412 | 2017-01-23 14:22 | 政治 | Comments(0)

『歯科衛生士の不足、介護に影 高齢者ケアに重要な役割』

歯科衛生士の不足、介護に影 高齢者ケアに重要な役割
訪問診療まで手回らず

口内のケアを担う歯科衛生士の不足感が強まっている。様々な病気の予防にもつながるケアは特に高齢者に対して重要だ。衛生士の不足は健康や医療の先行きに暗い影を落とす。
千葉県市川市のある歯科医院は2014年から、歯科衛生士がいない。治療と予防歯科を担当するのは院長(57)1人だけ。「ハローワークなどを通じて求人しているが、勤務条件に合う人材が集まらない」と嘆く。
歯科衛生士は歯の掃除など口腔(こうくう)ケアと呼ばれる業務を担当する。治療行為はできないが、受け付けや歯科医師の診療の補佐的な役割のみをする歯科助手と異なり、国家資格が必要となる。
一般に1医院で最低2人の衛生士が必要だといわれるが、14年時点の全国平均は約1.5人にとどまっている。

■有資格者の就業5割未満
歯科医院の間で衛生士の奪い合いが起きていることが大きな要因だ。歯科医院の数は全国で約7万カ所とコンビニエンスストア(約5万店)より多く、競合が激化している。歯科衛生士の数自体も増えてはいるが、患者数が多く厚待遇を提示できる歯科医院に人気が集まる傾向にある。その結果、5人以上抱える医院がある一方、ゼロか1人だけのところも出てくるなど、衛生士の偏在が進んでいる。
衛生士を取り巻く労働環境も厳しい。大都市圏では平日20時以降まで、さらには週末も開く医院が目立つ。厚生労働省の調査では、常勤の女性衛生士の残業を除く労働時間は看護師より月9時間長い。そのため出産・育児を機に離職する人が多く、25万人以上いる有資格者のうち、実際に働く人は5割に満たない。

衛生士の不足感が高まることで特に影響が懸念されるのが介護が必要な高齢者だ。
高齢になると飲み込む力が低下し、細菌が唾液と共に誤って肺に流れ込み肺炎を起こすことが多い。これを防ぐには口腔ケアが効果的だ。口腔ケアに詳しい米山武義・歯科医師らの研究では、口腔ケアを受けた高齢者の肺炎の発症率は11%と、ケアしない高齢者(19%)より低かった。
口の中が汚れていると糖尿病や動脈硬化の危険も高まる。東京医科歯科大の品田佳世子教授らの研究では、40歳以上で歯周病が重度の患者の医療費の総額はそうでない人の1.5倍超に達した。口腔ケアが受けられない高齢者が増えると、医療費がさらに膨らんでいく可能性がある。
歯科への通院が難しい高齢者のため、介護施設や自宅に出向く訪問歯科の必要性は高まっている。厚労省によると、訪問歯科を実施する歯科医院1カ所あたりの14年の訪問件数は、病院や高齢者施設向けが月35件と3年前に比べ3割増加し、個人宅向けも月10件と同2割増えた。今後も増え続けていくのは確実だ。
にもかかわらず、歯科医院側は衛生士が集まらず、訪問歯科まで手が回らないところが多い。衛生士がいない市川市の院長は「うちの患者の高齢化が進んで訪問歯科が必要になっても、このままでは対応できない」と頭を抱える。
高齢者の保健に詳しい国立保健医療科学院の三浦宏子・国際協力研究部長は「訪問歯科の重要性は今後、ますます増していく。それに対応できるだけの衛生士が各地域に一定数いないと将来、医療費がさらに増えていく可能性がある」と警鐘を鳴らす。

■自治体と組む例も
危機感から自治体と組んで対策を進める例も出ている。東京都豊島区歯科医師会が運営する「あぜりあ歯科診療所」では12人の歯科衛生士が年間約3800人の訪問歯科を手掛ける。区の委託費などで運営され、産休など福利厚生も整備し衛生士を確保する。
高齢化社会の到来で、介護の人材不足ばかりに目が行きがちだ。しかし、歯科衛生士も、行政の後押しも含め、職場復帰しやすい環境を整えるなど人材確保の手を今から打っておかないと、日本の高齢者に対する福祉の未来はますます暗くなる。

■ネットをのぞくと「仕事は好きだけど……」
ツイッターでは歯科衛生士のつらさに関する声が多かった。「仕事は好きやけど今の職場とか忙しすぎやし人間関係も微妙やし、早く辞めたい」「看護師の方が絶対有利。歯科衛生士の寿命は短いから長く出来んし、若い子ばっかり増やしたがるけんな…何の得もない」などとつぶやかれていた。
一方で「やっぱり仕事楽しい」「あの人がいるからいこうかなって、思ってもらえる歯科衛生士でありたい」と意欲的な声も。「自信を持って歯科衛生士ですって言いたい。国家試験つらかったけど頑張って受かって仕事してんだから」と誇りがうかがえる書き込みもあった。調査はホットリンクの協力を得た。

■復職支援事業、活発に
離職した歯科衛生士を対象にした復職支援の動きが活発になっている。各地の歯科衛生士会が研修会を相次ぎ実施しているほか、国も復職支援事業に乗り出した。
2016年7~8月、東京都歯科衛生士会が開いた再就業支援の研修会に約20人が集まった。皆、出産・育児や転職などで衛生士の仕事から離れていた。離職者はブランクの期間が長いほど、自らの技能や最新設備の使い方などに対する不安が強い。研修を通じて自信を取り戻してもらうのが狙いだ。
同会では14年から研修会を始めた。5日間連続で歯科医療の最新知識や実技を習得する。神奈川県から参加した女性(49)は20年以上前、歯科医院で4~5年働いた。その後はアパレル店員などを経て、介護職に就いていた。「高齢者を介護していると、口の中の汚れが気になるようになり、衛生士に戻ろうと考えた。ただ技能に不安があったので受講した」という。研修後は都内の歯科医院に勤務する。
政府も動き出した。国として初めて、17年度予算案に復職支援事業を計上した。総額は約1億円で、主に衛生士を対象にした復職のためのガイドラインを作るほか、既存の歯科大学や衛生士養成学校を使った実技研修会を開催する。
中高年や育児中の人の場合、復職後、訪問歯科での活躍を期待されている。訪問先1軒あたりの所要時間は20~30分、往復の時間を合わせても1時間~1時間半で終わるため、育児中の人にとって柔軟な働き方ができる。また、中高年の衛生士は高齢者とのコミュニケーションの取り方がうまい人が多く、訪問歯科に向いていると言われる。
とはいえ、訪問歯科の場合、復職した人が必ずしも即戦力になれるわけではない。訪問先には衛生士が1人で訪ねる場合が多く、個人宅では口の中を照らす照明器具がないなど、口腔(こうくう)ケアをするのに不便さが伴うからだ。さらに脈拍や血圧などを測定し、医師や看護師に情報提供する役割も求められる。このため、各地の歯科衛生士会では、訪問歯科の研修会にも力を入れている。

【日経新聞】
# by kura0412 | 2017-01-23 09:31 | 歯科 | Comments(0)

経済政策転換必至⇒解散の大義名分にも

トランプ新政権 TPP離脱の方針を表明

トランプ新政権はホワイトハウスのホームページで政策課題のひとつとして通商政策をとりあげ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしました。協定の発効には、アメリカの承認が欠かせず、去年、日本を含む12か国が署名したTPP協定は発効のめどが立たなくなりました。

トランプ新政権はホワイトハウスのホームページで、政策課題のひとつとして通商政策を取りあげ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしました。TPP協定をめぐっては、去年2月、日本やアメリカなど12か国が署名し、各国で国内の承認手続きが進められていました。
協定の発効には、アメリカの承認が欠かせない仕組みになっていて、今回、アメリカが正式に離脱を明らかにしたことでTPP協定は発効のめどが立たなくなりました。トランプ新大統領は、TPPの代わりに、アメリカの国益を反映させやすい2国間の経済連携協定の交渉を進めたい考えです。
ただ、アメリカ抜きで中国や日本が参加しているRCEP=東アジア地域包括的経済連携の交渉が進められるなど、アジアでアメリカの存在感が薄まる可能性があります。また、トランプ新大統領は貿易赤字が膨らんでいる中国に対して、輸入品に高い関税をかける構えを見せるなど、中国との貿易摩擦が強まるおそれもあり、自国の利益を最優先にする保護主義的な通商政策は、世界の貿易の低迷を招くとする懸念も出ています。

日本の通商戦略に大きな影響も
トランプ新政権が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしたことで、日本の通商戦略は大きな影響を受けそうです。TPPが発効するためには、加盟12か国のGDP=国内総生産の85%以上を占める少なくとも6か国以上が国内手続きを終える必要があります。
このうち、アメリカが全体のGDPのおよそ60%を占めるため、トランプ新政権がTPPからの離脱を正式に明らかにしたことで、発効のめどが立たなくなりました。ほかの加盟国からは、アメリカを除く11か国で協定を発効させるべきだという意見も出ていますが、その場合、11か国で再協議する必要があります。
日本政府内では、TPPは経済規模が大きいアメリカの参加を前提に、各国が一定の譲歩をして合意したことから、アメリカが抜ければ11か国の協定を新たに取りまとめることは難しいという意見が大勢です。このため日本政府は、トランプ新政権や議会の関係者に対し、粘り強くTPPの意義を説明して、国内手続きを進めるよう働きかけていく方針に変わりありません。
一方、トランプ大統領は、これまで通商交渉はTPPのような多国間ではなく、二国間で進めるという方針を示していて、今後、日本に対しても2国間の交渉に応じるよう求めてくる可能性もあります。日本政府としては、あくまでTPPを優先すべきだとしていますが、安全保障など幅広い分野で協力関係にあるアメリカに対し、みずからの主張を貫けるか不透明です。

トランプ新政権の貿易政策は
トランプ新大統領は就任前から、アメリカ国内の雇用が奪われるとして、TPPについて離脱する考えを示していたほか、NAFTAについても見直す考えを示し、アメリカへの輸出に関税がかからないメキシコに工場を移転する動きを厳しく批判していて、その矛先はトヨタ自動車など外国のメーカーにも向けられていました。こうしたトランプ氏の保護主義的な政策は、貿易相手国や企業などからの反発を招く可能性があります。
トランプ新大統領は今月11日、大統領選挙のあと初めて開いた会見で、「国境を越えて、アメリカで売ろうとすれば、高い『国境税』を支払うことになる」と述べました。この「国境税」をめぐっては、国外に移転した工場から輸入される製品に高い関税をかける案と、法人税を見直して企業が輸出する際の税負担を軽くする一方、輸入には課税を強化する案の2つの案が浮上しています。
共和党が提案している法人税を見直す案に対して、トランプ新大統領は「複雑すぎる」と批判していますが、専門家の間ではいずれの案も自由貿易のルールに反するという指摘もあります。また、トランプ新大統領は、大統領就任後もこうした圧力を企業にかけ続けることで、国内の雇用を増やす方針を引き出そうとするのではないかと見る専門家もいます。
ピーターソン国際経済研究所のゲイリー・ハフバウアー上級研究員は、「トランプ氏の企業への“脅し”は、ビジネスマンとしての彼のテクニックだ。商務長官に指名したロス氏や通商代表に指名したライトハイザー氏にも、外国の政府と交渉する時に、交渉の武器として“脅し”を使ってほしいとトランプ氏は望んでいる」と話しています。

為替政策にも注目
アメリカは「強いドル」が国益にかなうという為替政策をとってきましたが、トランプ新大統領は、為替政策をめぐって、アメリカのメディアのインタビューで、「ドルは強すぎる」と警戒感を示したことから、どのような為替政策をとるのか注目されています。
発言は、中国との貿易を念頭においたもので、日本を名指ししたものではありませんが、円相場は一時、1ドル・112円台とおよそ1か月半ぶりの円高ドル安水準にまで値上がりしました。トランプ新大統領の経済政策でアメリカ経済は上向くとの期待から進んだドル高は変化が起きつつあります。
トランプ新大統領は、選挙期間中から、貿易赤字が膨らんでいる中国の為替政策を批判してきました。アメリカのメディアのインタビューでは、新大統領は、「中国が自国の通貨を意図的に安くし、アメリカ企業の競争力が損なわれている」と述べました。そのうえで、中国を「為替操作国」に認定するかどうか、「まずは中国側と協議する」としています。
円相場に大きく影響するアメリカの為替政策は、トランプ新政権と中国との外交や貿易政策をめぐる交渉の行方に左右されることになりそうです。

【NHK NEWS WEB】



TPPを軸に自由貿易推進を進めて経済成長を目指す安倍政権としては経済政策の大きな転換が迫られました。これは解散の理由になるかもしれません。
# by kura0412 | 2017-01-21 10:46 | 政治 | Comments(0)

介護医療院

厚生労働省は19日、通常国会へ提出する9つの法案の概要を自民党の厚労部会で説明した。

このうち介護保険法の改正案には、来年度末をもって廃止する介護療養病床の代わりに新設する施設の名称を、「介護医療院(仮称)」とする考えが盛り込まれている。転換の準備のために設ける経過期間は、2018年度から2023年度末までの6年間とされた。法案は2月上旬に出す予定。出席した議員から異論は出なかった。
介護療養病床の再編は、いわゆる「社会的入院」を解消して医療費の抑制につなげることが狙い。厚労省は昨年末、看取りを含めた医療サービスも受けられて「生活の場」となる新たな施設へ転換させ、重度の高齢者などの受け皿とすることに決めていた。具体的な基準や報酬は、来年度の介護報酬改定に向けたプロセスで設定する方針。

【JOINT】
# by kura0412 | 2017-01-20 11:30 | 医療政策全般 | Comments(0)

『次の医療計画、地域包括ケア計画に』

次の医療計画、「地域包括ケア計画に」-厚労省医政局長

厚生労働省の神田裕二医政局長は19日、各自治体の厚生労働行政の担当者を集めた「全国厚生労働関係部局長会議」で、2018年度から6か年の次期医療計画について、「実質的に地域包括ケア計画といえるもの」にするよう呼び掛けた。
25年には団塊世代が75歳以上となる。国は、重度な要介護状態になった人でも住み慣れた地域で暮らし続けられるように、必要な医療・介護サービスなどを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を、同年を目途に推進している。
19日の同会議で神田局長は、必要な医療提供体制を確保するために都道府県が定める医療計画と、必要な介護サービスを確保するために市町村が定める介護保険事業計画などが、いずれも18年度から次期計画に移る予定だと指摘。2つの計画の整合性を取る必要性を強調した。

■基金、医療構想実現に向けた計画踏まえ配分
また神田局長は、17年度の「地域医療介護総合確保基金」の交付について、「地域医療構想」に盛り込まれた将来の必要病床数の実現に向け、具体的な整備計画が策定されているかどうかなどを踏まえて配分する方針を示した。
同基金は、地域包括ケアシステムの構築などを進めるため、各都道府県に設置されたもので、医療分と介護分がある。医療分は、▽地域医療構想の実現に向けた整備▽在宅医療の提供▽医療従事者の確保―のいずれかに関する事業が交付対象。16年度は904億円のうち、同構想の実現に向けた整備に関する事業に458億円(50.7%)が配分された。
17年度の医療分の交付額は、16年度と同額の見込みだが、神田局長は、39都道府県が昨年末までに同構想を策定済みで、残る8府県も年度内に策定する予定だと指摘。同構想に向けた整備事業への配分を、より重点化させる考えを示した。
一方、在宅医療の提供や医療従事者の確保に関する事業への配分については、「継続実施が不可欠な事業に配慮しながら調整を行っていきたい」と述べ、例えば院内保育所の新設などには別の政府予算の活用を検討するよう促した。

■医療構想実現へ、権限の行使検討して
神田局長は、地域医療構想の実現に向けた調整についても言及し、地域の医療機関の関係者同士が話し合って進めるのが基本だと強調した。その上で、例えば話し合いが前に進まない場合には、都道府県知事が権限を行使し、公的医療機関に指示を出すことなどを検討してほしいと呼び掛けた。
現行のルールでは、関係者同士の話し合いが進まない場合に、都道府県知事が医療審議会の意見を聴いた上で、地域で不足している医療機能を担うよう公的医療機関に指示することなどが認められている。一方、民間医療機関に対する指示は認められていない。
神田局長は、「権限の施行状況を踏まえて、(権限などについて)また検討することになっている」とも述べた。

■かかりつけ薬剤師の実績積み重ねて
19日の同会議で同省の医薬・生活衛生局の武田俊彦局長は、地域包括ケアシステムの中で、薬剤師・薬局が積極的に職能を果たし、患者の「かかりつけ」となることが必要だと強調した。特に、18年度に診療報酬・介護報酬の同時改定が予定されていることも踏まえて「実績を積み重ねることが大事」だと訴えた。
武田局長は、「かかりつけ」の薬剤師・薬局に求められる機能などは15年10月に同省が示しており、16年度はその機能のモデル事業を実施していると紹介。17年度も、予算を増額してモデル事業を実施する予定で、3月までに募集を開始したいとした。

【キャリアブレイン】
# by kura0412 | 2017-01-20 11:14 | 医療政策全般 | Comments(0)

150点の為に

BP製剤使用の患者、リスクを考慮しつつ積極的な処置が必要
日本有病者歯科医療学会の25周年記念シンポジウムが1月14日、東京歯科大学・血脇記念ホールで、『薬剤関連顎骨壊死に関する医科・歯科連携コンセンサスミーティング』をテーマに開催された。

山王メディカルデンター・女性医療センターの太田博明センター長は、BP製剤と顎骨壊死の関連が2003年に初めて報告されてから今日に至るまでの経緯を解説。「2012年に発表された『BP関連顎骨壊死に対するポジションペーパー』の中で、〝休薬は抜歯の3ヶ月前、再開は抜歯の2ヶ月後〟という目安を示したところ、〝3ヶ月〟という点だけが一人歩きして正しい理解が進まないままBP製剤を使用する患者の歯科治療が敬遠されるようになった」と指摘。
ディスカッションに先立ち、東京歯科大学の柴原孝彦教授は「BP製剤を休薬することには根拠がない」とし、「顎骨壊死を怖れて感染部を有する患歯を抜歯しないのは誤りで、リスクを考慮しつつ積極的な処置が必要」と考えを示した。

【ikeipress】



リスクに対して細心の注意を払ってもBRONJ発症の可能性は捨てきれません。それで加算も何もなしで150点は?医科の先生は歯科の評価を知ったらどう反応するでしょうか?
# by kura0412 | 2017-01-19 16:05 | 歯科 | Comments(0)

迂回寄付事件初公判

迂回寄付事件 堤元会長・髙木前会長「起訴内容」を否認 日歯連盟も無罪主張

日本歯科医師連盟を巡る迂回寄付事件で政治資金規正法違反(虚偽記載等)に問われた堤直文元会長、髙木幹正前会長と団体としての罪を問われた日本歯科医師連盟の初公判が1月13日、東京地方裁判所(前田巌裁判長)で開かれ、罪状認否で堤・髙木両氏は起訴内容を否認した。なお、髙木氏らの裁判と分離して行われている村田憙信前副理事長の第1回公判(昨年12月7日)で、村田氏は「問題となった資金移動は政治資金規正法の違反には当たらない」と起訴内容を否認している。

堤氏は「起訴状にある客観的事実は間違いないが、何ら違法なことはしていない。会計事務には疎く会計責任者(村田前副理事長)に一任し、問題となった寄付については『適法』であるとの説明を受けていた。また、村田氏と予め共謀したということもない」と起訴内容を否認した。髙木前会長も「起訴状による資金移動や収支報告書の作成・提出に直接関与していない」「会計担当だった村田氏は常に合法的処理を心がけ会議の場でもそのような発言をしていたし、村田氏を全面的に信頼していた。今でも、村田氏が違法なことを承知の上でこのような処理をしたとは思っていない」「会議の場でもそれ以外の場でも、村田氏と共謀した事実はない」旨を述べ、起訴内容を否認した。
団体として起訴された日歯連盟代表者の代理人は「髙木氏の主張等を踏まえ、日歯連盟とても無罪を主張するが、裁判所においては、慎重かつ公正な判断をお願いする」と述べた。

【デンタルタイムス21 Online】
# by kura0412 | 2017-01-17 08:41 | 政治 | Comments(0)

『混合介護、東京・豊島区で解禁へ』

混合介護、東京・豊島区で解禁へ
家族向けサービスも一体提供

介護保険と保険外サービスを組み合わせる「混合介護」が2017年度中にも東京都豊島区で解禁される見通しとなった。地域限定で規制緩和する国家戦略特区の制度を活用し、豊島区が月内にも事業計画をまとめ、国に提案する。実現すれば全国で初めてとなる。介護と一体的に多様な業務を認め、職員の賃金や生産性の引き上げにつなげたい考えだ。

介護保険のサービスは、原則1割の負担で利用できるが、保険外のサービスとは同時・一体的に提供できない。混合介護は、介護が必要な利用者本人だけでなく、その家族向けにも調理や炊事・洗濯などを事業者が同時に提供できる仕組みだ。
簡単な庭掃除や草むしりなども訪問介護の時に一緒に提供できる。家族はいつも利用する顔見知りの事業者に別のサービスも頼めるため、事業者の収入の機会が増える。介護職員の平均給与は全産業平均より低く、事業者の経営や職員の待遇の改善が課題だった。
豊島区は近く有識者会議を設置し、事業者が満たす要件などを詰める。政府も国家戦略特区ワーキンググループと厚生労働省が解禁に向け協議に入る。保険と保険外のサービスを「明確に区分すべきだ」とする厚労省見解を見直す方向だ。
東京都の小池百合子知事は昨年、混合介護の推進を表明した。都が保険制度の運営主体である市区町村と協議を始め、知事が国会議員時代に地盤だった豊島区が最初に手を挙げた形だ。他の自治体も水面下で関心を示しており、豊島区の事例を参考に追随しそうだ。
介護を手掛ける民間事業者や社会福祉法人の期待も強い。最大手のニチイ学館は混合介護を「成長機会」とにらむ。SOMPOホールディングスやベネッセスタイルケア(東京・新宿)など他の大手からも解禁へ準備する企業が出てきそうだ。
一方、混合介護が解禁されると事業者が保険外の高額なサービスを優先し、保険内の介護を十分に提供しない懸念もある。悪意のある事業者が不当に高いサービスを提供したり、高齢者が過度に介護サービスに依存して自立支援を妨げたりする、との指摘もある。
政府は利用者保護のため一定の規制を設け、基準を満たさない事業者に混合介護を認めない方針。豊島区の混合介護では、事業者に「保険内サービスを単体で一定割合以上こなす」との要件を課す案が浮上している。

【日経新聞】
# by kura0412 | 2017-01-16 09:29 | 介護 | Comments(0)

『「医療のことに口出しするな」怒られたケアマネ』

「医療のことに口出しするな」怒られたケアマネ

「医療のことに口を出すな!」「家族に対して余計なことを言うな!」――。これらは、ケアマネジャーが開業医の先生方からよく浴びせられる言葉です。

在宅介護におけるケアマネジャー(介護支援専門員)とは、介護保険制度の利用者が住み慣れた住まいで継続した日常生活を送るために必要なフォーマルサービス(介護保険サービス)とインフォーマルサービス(介護保険外サービス)を組み合わせてケアプラン(居宅サービス計画)を作成し、各サービスの日時の調整やマネジメントまで行う役割を担っています。ケアマネジャーが仕事を行う上で苦労するのが、医療機関との連携。特に在宅医療を担う開業医の先生は、多くのケアマネジャーにとって敷居が高すぎる存在のようで、連携するにも数々の困難があるようです。

「お世話になっている先生にそのようなことは言えない」
先日、こんな事例がありました。褥瘡が発生している要介護5の利用者Aさんは、介護保険サービスとして訪問看護、訪問介護、訪問入浴などを利用していました。地域の診療所の主治医による訪問診療も月2回程度ありました。
ケアマネジャーのBさんがAさんの担当になって約2か月たった頃、訪問看護師からAさんの褥瘡の状態について相談がありました。「褥瘡の状態を主治医に診てもらっているがどんどん悪化している。主治医は皮膚科専門ではないので、『一度皮膚科の往診医に診てもらった方がよいのではないか』と家族に提案しているが、家族が『お世話になっている先生に対してそのような話は申し訳なくてできない』と拒否されている」とのことでした。
確かに、Aさんの主治医はとてもプライドが高そうな雰囲気で、普段の診察時に、Aさんの家族からも主治医に聞きたいことが聞けていない状況でした。「Aさん本人のことを思うとすぐにでも皮膚科の専門医に診てもらいたい……」。ケアマネジャーのBさんや訪問看護師がそう思っていても、家族の了承が取れなければ動き出すこともできません。
その後、Aさんは家族のレスパイト目的で介護施設のショートステイを15日間利用することになりました。Bさんと訪問看護師は、これはチャンスとばかりに、ショートステイを利用する間、施設に併設されたクリニックに褥瘡の状態も診察してもらえるよう、家族の了承を取った上で依頼。併設クリニックの医師と、施設の看護師がしっかりした褥瘡治療とケアを行ってくれたおかげで、自宅に戻ってくる頃にはAさんの褥瘡は回復傾向となっていました。
ところが、在宅生活に戻ると、見る見るうちに褥瘡の状態は悪化。このままではAさんに申し訳ないと思い、Bさんがついに勇気を出して主治医に「褥瘡の状態が悪くなっているので皮膚科の専門医に診察を依頼するのはどうでしょうか」と提案します。
すると主治医は、「医療のことに口を出すな!」「家族に対して余計なことを言うな!」とBさんに激怒しました。しまいには、主治医から家族に対して「今の担当ケアマネジャーを変更しなさい!」と指示して、家族はやむなく了承。Bさんは担当ケアマネジャーを外されることになりました。家族は、何も言えず主治医の言う通りにするしかなく、訪問看護師も申し訳なさそうにしていたようです。

医師に対する恐怖心が強いケアマネ
ここまで極端なケースではなくとも、冒頭のように医師から心ない言葉を投げかけられた経験を持つケアマネジャーは少なくなく、彼らは医師との関係に気を揉んでいます。利用者のことをどのように主治医に相談したらよいか悩み、結局主治医に言い出せないまま、結果的に利用者が不利益を被ってしまうケースは少なくありません。
もちろん、在宅医療を手がけられている先生方の多くはチームでの医療介護サービスの提供を大切にしておられますし、まだまだケアマネジャーの力量に問題があるのも事実です。しかし、特に介護職種からケアマネジャーになった方の場合、元々医師に対する敷居は非常に高く、医師に対して必要以上の遠慮や恐怖心もあるようです。そんな中、事例のようなことが一度でもあると、医師への恐怖心が倍増してしまうのです。
在宅医療を手掛けられる先生方には、ケアマネジャーなどの職種がこういった心理状態にあることを知っていただければありがたいと思っています。
今後、高齢者が住み慣れた地域で在宅生活を継続できるよう支援するためには、医師をはじめとした医療職種と介護職種、そしてケアマネジャーが何でも情報交換できるフラットな関係を築き、協働で支援していくことが欠かせません。それぞれの専門職が互いに笑顔で相談できる関係こそが、患者や利用者の笑顔につながるのではないかと思うのです。

【日経メディカル・樋口 昌克】



歯科医師も気をつけなければいけませんし、逆に医師に対しても同じようなケースもあります。
# by kura0412 | 2017-01-14 09:58 | 介護 | Comments(0)

『診療報酬と介護報酬、同時改定に向けた議論開始』

診療報酬と介護報酬、同時改定に向けた議論開始…中医協

厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は11日、総会を開き、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けた議論を始めた。
高齢化の進展を踏まえ、医療・介護の連携強化や在宅医療の充実などが主な検討テーマで、18年2月までに結論を出す。
診療報酬は、2年ごとに見直される医療サービスや薬剤の公定価格。介護サービスを提供した事業者が受け取る対価である介護報酬の改定は3年ごとで、18年度は、6年に1度の同時改定となる。
介護報酬の改定は、社会保障審議会介護給付費分科会で4月頃から議論が始まる見込みだ。医療・介護の連携強化については、中医協と分科会の委員が意見交換を行う場を設けて議論する方針だ。

【読売新聞】
# by kura0412 | 2017-01-13 14:50 | 医療政策全般 | Comments(0)

『初公判で無罪主張』

日歯連前・元会長「共謀なく、違法性もない」 初公判で無罪主張

政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)をめぐる迂回(うかい)献金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載、量的制限)罪に問われた日歯連前会長、高木幹正被告(72)と元会長、堤直文被告(74)、団体としての日歯連の初公判が13日、東京地裁(前田巌裁判長)で開かれた。各被告はいずれも無罪を主張した。
共犯者として同罪に問われた日歯連の元会計担当役員、村田憙信(よしのぶ)被告(72)も昨年12月の初公判で無罪を主張している。
高木被告と堤被告は「会計は村田被告に一任していた。共謀はない」と主張。両被告の弁護人も「資金の流れは忠実に政治資金収支報告書に記載されており、違法性はない」とした。
検察側によると、各被告は日歯連が擁立した候補を高い得票で当選させ日歯連の発言力を増すためには多額の資金が必要だと考え、迂回献金を計画。高木被告は村田被告と共謀し、平成25年、1つの政治団体への献金は年間5千万円までと定められているのに、日歯連の口座から民主党議員(当時)の後援会を迂回させるなどして自民党候補の後援会に計9500万円を献金。堤被告は村田被告と共謀して22年、民主党候補の後援会に民主党支部を迂回させるなどして計1億円を献金したとされる。

【産経新聞】
# by kura0412 | 2017-01-13 14:48 | 政治 | Comments(0)

『歯磨き粉4万7千個超回収』

サンスター、歯磨き粉4万7千個超回収 自社の基準を上回る微生物検出

サンスターは12日、歯磨き粉「セッチマはみがきSP80g」で自社の基準を上回る微生物が検出されたとして、4万7760個を自主回収すると発表した。
対象は、昨年11月15日から12月22日までに製造された製品。サンスターは見つかった微生物について「自然界に広く存在するもので、重篤な健康被害が生じる恐れはない」としている。
材料を混ぜ合わせた後、次の工程に進む配管を洗浄した際、乾燥が十分でなかったため微生物が発生して増えた可能性.

【SANSPO.COM】
# by kura0412 | 2017-01-13 10:16 | 歯科 | Comments(0)

『「恒久財源5兆円提示」衆院選公約で民進・野田幹事長』

民進・野田幹事長「恒久財源5兆円提示」 衆院選公約で

民進党の野田佳彦幹事長は10日、日本経済新聞のインタビューで、目玉政策に据える教育無償化など「人への投資」に必要な5兆円を、消費税など全て恒久財源で賄うよう努める考えを示した。次の衆院選の公約で財源案を示す方針だが、どこまで具体的な案を示せるかが焦点となる。今夏の東京都議会選挙で、小池百合子知事との連携もあり得るとの認識を示した。

――昨年12月に「経済政策」をまとめたが、政策の全体像が見えない。
「この間の経済政策は政権公約の一部で『人への投資』を主眼においた。全体像は選挙の際の旗印にする。社会保障は社会保障、エネルギーはエネルギーで打ち出さなければいけない。異次元の金融緩和は異次元の副作用しかないが、異次元の人への投資は労働生産性の向上にも資する」

――旧民主党政権は財源を捻出できなかった。
「『人への投資』では、就学前教育などでの教育無償化を目指している。約5兆円かかるが、消費税1%分や金融所得課税の強化、歳出の見直しなど、全て恒久財源をあてる。旧民主党時代には特別会計からの捻出などワンショットの金も混在していたので、そこは進化だ。ほかの政策も財源論はきちんと踏まえる」

――将来の消費増税の可能性も含めた国家像を示してほしい。
「現政権は2回引き上げを引き延ばした。まず2019年10月までに10%にちゃんと上げるか注視する。民進党は『未来への責任』を理念に掲げており、財政に関わる部分は相当大きい。理念を踏まえて対応するので、静かに期待してほしい」

――天皇陛下の退位で皇室典範改正を主張している。特例法にしたい政府との溝は埋まるか。
「合意形成できるようにしたい。陛下のお気持ちを忖度(そんたく)しない制度論はない。天皇は国民の総意に基づく存在で、世論を踏まえた対応をするのが大事な視点だ。政府側は政局にしないように慎重な運びをしてほしい」

――夏の都議選で小池知事と連携する可能性は。
「小池氏が都議会自民党と戦っていく立ち位置なら、連携はあり得る」

――どういう形の選挙協力をやるのか。
「個別の選挙区ごとにいろんな相談(が必要)になる。一定の調整が必要になるところもある」

――支持率がいっこうに上がらない。
「蓮舫代表への評価はまだ定まっていない。発信力を生かし、安定感あるチームだということを示していく。長期政権は慢心が生まれ、隙ができる。無党派の人たちの支持が向かうよう存在感を示したい」

――支持団体の連合が政権や自民党と距離を縮めている。戦略ミスではないか。
「全幅の信頼を置いている。疑心暗鬼になったことはない。首相と連合会長が会うことが『(民進党との)分断だ』と書かれるが、ペンの走りすぎだ」

――仙谷由人元官房長官は野田氏を「担がれる人であっても、人を動かす人じゃない」と評した。
「向いてないということですかね」

――動いてほしいという期待があるのでは。
「先輩の叱咤(しった)激励として受け止める」

――野田カラーが見えない。消費税の主張も控えめすぎないか。
「私も物足りない。ただ、幹事長というのは己をむなしくすることで、カラーを出し過ぎるとよくない。あまり出しゃばらない」

【日経新聞】



ここで消費税10%上げ+αで5兆円ねん出と言っていますが、既にこの部分は社会保障費財源に組み込まれることなっているはずです。どう考えているのでしょか?
# by kura0412 | 2017-01-11 15:22 | 政治 | Comments(0)

『心肺停止!でもAEDは簡単に借りられるとは限らない理由』

心肺停止!でもAEDは簡単に借りられるとは限らない理由

学校や駅、役所、警察、交番などの公共施設、民間企業にもAED(自動体外式除細動器)が設置されているのを見かけたことが一度はあることだろう。しかし設置場所に行っても、意外に借りられるとは限らないことがわかった。今回は、一般社団法人日本防災教育訓練センター代表理事で国際消防&防災ジャーナリストのサニー神谷氏がAEDに関する現状にどうすればいいのか、語ってもらった。

現在、一般的に行われている心肺蘇生法講習で「119番通報をお願いします」「AED(自動体外式除細動器)を持ってきてください」と当たり前のように指導されていますが、実際にいくつかのAED設置場所に行って、AEDの貸し出し条件を確認したところ、必ずしも簡単に借りられるとは限らないことがわかりました。
また、AEDの販売会社や各種AEDマップアプリを提供している財団などにもAEDの貸し出し条件について電話で質問してみましたが、「AEDは任意設置なので、貸し出し条件やバッテリー充電確認などの管理条件はお任せしています」とのことでした。
心肺蘇生法等の救命講習で指導する立場として、受講者に「AEDを持ってきてと頼んでください」と教えるのは簡単ですが、実際にAEDを借りに行かれる方が貸し出しを断られたり、貸し出し簿の記載を求められたら、せっかくの勇気あるバイスタンダー行為が傷ついてしまうのではないかと感じています。

AEDの貸し出し条件には事前調査が必要である
そこで、私が保育園や中小規模の民間事業所など東京都内のAEDを設置していない事業所で心肺蘇生講習を行う際、次の2つの事前調査をお願いしています。
・半径100m内(約1分以内)にAEDを借りてこられる場所を調べ、リストにして受講者に配れるようにしてください。
・周囲のAED設置場所から緊急時に貸りられる時の詳細な条件を調べてきてください。
この受講前事前調査によって、AEDを設置している公的機関や民間事業者ごとに、貸し出し条件が様々であることを明確に把握することができます。

(1)警察署や派出所でAEDを借りる場合:
まず、確実に借りられる場合が考えられる警察署の条件として、受講者から下記の2つの調査報告がありました(注:日本全国同じとは限りませんので、この内容を鵜呑みにせず、必ずご自身で確認してください)。
A:警察署や派出所に警察官が居る場合:
「基本的に警察官が同行するが、警察官は定期的に心肺蘇生法を受けていない場合も有り、また、AEDの使用方法を知らない場合もあるので、同行しても、心肺蘇生法はしないと考えておいてください」

B:警察署や派出所に警察官が居ない場合:
「派出所内に誰も居ない場合で施錠されていない場合でも、AEDを持ち出していただいて結構ですが、借りた人、または、関係した人が返却時する際、AEDを使った人の名前、住所、電話番号、使った場所、内容などを書いて報告していただくことをお願いしてます」

(2)ある民間企業のロビー内のAEDの場合:
「このAEDはビル建物と敷地内で発生した心肺蘇生法が必要な事案に対応するためのもので、基本的に敷地外には貸し出しておりません。もし、数分内の近くで起こった場合、臨機応変に貸し出すことも可能かもしれませんが、総合防災センターの職員が同行できればの話です」
(注:上記は、AEDの周りに誰も居なかったために入り口の警備員さんにAEDの貸し出しについて訪ねたところ、総合防災センターに問い合わせた結果です)

(3)某コンビニエンスストアの場合:
店員さん曰く「すいません。たぶん、使っていただいていいと思いますけど、店長に確認してきます」しばらくして、店長が出てきて、「貸し出したことがないですが、本部からは地域貢献のために自由に使っていただいてくださいと言われていますので、使用後に返却していただければ問題ないと思います」
などなど。貸し出し条件がさまざまであることがわかっているため、現時点では、民間で任意設置されているAEDは、貸し出し条件などを統一化するのは難しいと思います。そのため、身近なAEDを設置している各公的機関、民間事業所などの貸し出し条件を調べてみてリスト化しておくことをおすすめしています。
また、借りる手続きに時間が掛かったり、簡単には借りられないばかりか、場合によってはバッテリー切れのAEDもあるかもしれませんので、現状から考えると実際の心肺停止の救命現場で「あなた、AEDをお願いします」とたった1人に頼むのではなく、数名の方にAEDを頼んだ方が救命率は上がると思います。

AEDを借りたら使用報告をしなくてはならない
AEDを借りた場合、返却時に使用報告の記載を求められることが多いそうですが、特に報告書のフォームや記載内容などが決まっておらず、また何のための報告書なのか、どのように活かされるのかも特に決められていないことがあります。そのため、救命について意識の高い事業者に対して下記のようなフォームを作成し、自由に使っていただくよう、お配りしています。
■自動体外式除細動器(AED)使用報告書
もし可能であれば、この「自動体外式除細動器(AED)使用報告書」が心肺蘇生法のマニュアルなどに参考として掲載されたり、各AED設置事業所などで活用され、どこか公的な救命講習指導団体や大学研究機関などで統計データとしてまとめられれば、新しいAEDの開発時や救命手法の検討などにも活かされそうな気がいたします。

まとめ
実際に心肺蘇生法などの講習を行う時間が限られているため、講習時間内ですべてをお伝えするのは難しいと思いますが、事前に予習資料を提供して受講者に読んできてもらったり、また、下記のようなクイズを出して、答えていただくのもいいかもしれません。

クイズ1:AEDを取り出すとき、ボックスを開けると大音量が鳴りますが、それはどうしてでしょう?
A 盗難防止
B 周りの人に気づかせるため
C 119自動通報装置が作動するため

クイズ2:AEDは何をするためのものでしょう?
A 心臓の動き(細動)を止めるため
B 電気ショックで心臓をよみがえらせるため
C 脳に電気的刺激を与えて目を覚まさせるため

いかがでしたか?
私はガイドラインに従って、ただ事務的に心肺蘇生法を教えるのではなく、いかにバイスタンダーの立場になって、実際に起こることを予測して指導する必要性を強く感じています。
もしみなさんのなかで、現行の心肺蘇生法の指導方法に改善が必要と感じていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、今回の記事の内容を検討されてみてください.

【DAIAMOND ONLINE】
# by kura0412 | 2017-01-11 14:54 | 医療全般 | Comments(0)