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「都議会公明、都民フとの連携解消検討」

都議会公明、都民フとの連携解消検討
小池与党は過半数割れへ

都議会公明党は25日、小池百合子都知事が実質的に率いる「都民ファーストの会」との連携を解消する検討に入った。
小池知事側近の若狭勝衆院議員らが旗揚げする新党の役職に小池氏自身が就任した場合、都議会での都民フとの連携を解消する。都民フは単独では都議会の過半数を確保していないため、知事与党は過半数割れが避けられず、都政運営が混乱するのは必至だ。
若狭氏らは小池氏が共同代表や顧問など新党の要職に就く方向で調整しているが、都議会で小池氏と連携する公明党は強く反発している。小池氏が新党の幹部に就任した場合、国政で連立を組む自民党との関係悪化が避けられないため、衆院選の公示前に都議会での連携解消を宣言し、知事与党から離脱する方向で調整している。役職に就かない場合でも選挙応援などで新党に関与すれば、同様の対応を取るとみられる。
現在の都議会(定数127)は都民フと、同会と協力関係にある公明党で過半数を占めている。都議会第2党で23議席を有する公明党が離脱すれば、知事与党は過半数割れとなり、小池氏が進める都政改革が後退することは避けられない。自民党や共産党も小池氏への反発を強めており、都政が一気に流動化する可能性もある。

都議会公明党の幹部は「小池氏は都政に専念して改革に取り組むと約束したから都議選で協力した。国政に関与するなら信頼関係はなくなる」と強調。新党構想が表面化して以降、都議会公明党は知事周辺に小池氏の新党へ参画しないように繰り返し要請してきたが、小池氏から明確な返答はないという。別の公明都議は「小池氏は我々が知事与党を離脱する大義を自らつくった」と批判した。
都議会公明党は昨年12月、独自の議員報酬2割削減案をめぐって自民党と対立し、「自民、公明の連立でやってきたが、信義は完全に崩れた。独自の改革を進める」と表明。自公による「知事与党」の枠組みの解消を宣言した。その後、小池氏の都政運営に全面的に協力し、今年7月の都議選での都民フの大勝も公明党との選挙協力が大きく貢献した。
こうした動向に対し、都幹部は「公明が与党から離脱すれば都政は混乱する」と述べ、これから編成作業が本格化する来年度予算の審議などへの影響を懸念した。
舛添要一前都知事の退任は都議会公明党が前知事から離反したことが決め手となった。小池氏の動向に対し、ある公明都議は「小池氏は第2の舛添氏になる」とし、「都政に専念すると約束した。都政をなめてはいけない」と反発している。

(日経新聞)



この報道通りとなると、小池新党へのブームへの期待も薄らぐかもしれません。何せ東京都では、まだ具体的な成果は何も成し遂げていません。そもそも国政と都政の支持を別途に考えることにも無理がありました。公明党としては逆にスッキリするかもしれません。
by kura0412 | 2017-09-25 16:03 | 政治 | Comments(0)

解散の大義名分となり得ます

消費増税、使途変更問う 首相、教育無償化に
衆院選 財政健全化遠のく

安倍晋三首相は18日、2019年10月の10%への消費増税を予定通り実施し、増税分の使い道に子育て支援や教育無償化の財源を加える検討に入った。8%から10%への増税分の約8割を財政健全化に回すとした使途割合も見直す。憲法改正とともに10月22日投開票の衆院選で訴える。ただ20年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)を黒字化するとの目標は先送りが不可避だ。

首相は、消費増税分の使い道の見直しの意向を25日の経済財政諮問会議で表明し、衆院選で民意を問う考えを示す。
増税分の使い道では、5%から10%への増税で見込む税収約14兆円のうち、11.3兆円を国債償還や基礎年金の財源など財政健全化に、2.8兆円を社会保障の充実にそれぞれ充てることになっている。12年の税と社会保障の一体改革を巡る3党合意で決めた。
そのうち19年10月の8%から10%への消費増税では約5兆円の税収増を見込む。現在これを4対1の割合で財政健全化と社会保障の充実に充てるとしている。

首相は使い道として教育分野などを加え、使途割合も見直す。社会保障への割り当てを増やして教育財源にも充てることで、1兆円を超える教育財源を捻出できる可能性がある。
増税分の使途見直しは19年度予算から実施する。幼児教育を段階的に無償化し、所得制限を設ける形での高等教育の負担軽減策も検討する。
首相は選挙戦で社会保障制度の高齢者偏重を見直し、現役世代向け施策を拡充するための「全世代型社会保障制度」の構築を訴える。
民進党の前原誠司代表は8%から10%への消費増税を認める代わりに、増税分の全額を教育を含む社会保障支出に充てるよう訴えている。これに対し、首相は「財政再建とのバランスは重要だ」と指摘し、増税分の全額を教育財源に充てることは避けると主張する。
首相は12日の日本経済新聞のインタビューでも、教育無償化の財源確保について「最後は私の責任で強い決意でしっかり財源を確保していく」と明言。野党を念頭に「わが党は無責任な政策はしない」と語っていた。
20年度のPB黒字化目標を巡っては、首相は当面、堅持する考えを掲げるとみられる。ただ18年度に実施する20年度までの財政健全化計画の中間検証での先送りは必至。増税で見込んでいた財政健全化の財源は減り、首相周辺は「PB黒字化目標は2~5年先送りせざるを得ない」と語る。
国の予算では高齢者向けの社会保障費が毎年5000億円以上増え続けている。高齢者向け支出の効率化にメスを入れることなく、教育関連予算も増やすことになれば、財政健全化に向けたタガが外れる懸念は大きい。せっかく掲げた「全世代型社会保障制度」も、全世代向けのポピュリズムとの批判を免れ得ない。

(日経新聞)




当時の民主党との合意を変更するのですから、野党が避難する解散の大義名分に成り得ます。しかし、対北朝鮮問題に大きなポイントとなるトランプ大統領来日、天皇の御譲位の時期を加味すると、この解散は与党としては絶好のタイミングです。
by kura0412 | 2017-09-19 16:18 | 政治 | Comments(0)

日本摂食嚥下リハビリテーション学会(幕張メッセ)に出席

昨日,幕張メッセで日本摂食嚥下リハビリテーション学会に出席してきました。
学会発表の内容も勉強になりましたが、その出席者数の多さには驚きました。7000人は超えていたようで、おかげで三会場あったランチョンセミナーは、どこの会場も満員で入ることが出来ず昼食抜きでした。参加者の職種は言語聴覚士、管理栄養士、看護師、医師、歯科医師、歯科衛生士と多種多彩で、歯科だけの学会とは雰囲気が少し異なります。関連業者の展示会も大盛況で、私も歯科材料とは異なっているだけにそれだけも随分参考になりました。
昨年も出席をしましたが、エネルギーが増加している印象を受けました。これだけの人数となり、医師も無関心でいられなくなってか医師の発表も多くなっている感じです。そして、その学会の中核で活躍していたのは歯科医師の先生方で、学会だけでなく、この分野をリードする一角に位置していることは間違いありません。
歯科界という立場からも、もっとこの分野を後押しすることによって歯科の新しい領域を広げと共に、多職種連携を深めることをもっと努めるべきではないでしょうか。
by kura0412 | 2017-09-16 15:26 | 思うこと | Comments(0)

「在宅歯科診療が広がらない理由は?」と問われて

先日聞かれた歯学部の学生さんからの質問です。
「在宅歯科診療が広がらない理由を明かす文献探しているのおですが、ご紹介頂けますか」
在宅に関して前向きな論文はいくらでもありますが、確かにこのような実態を踏まえた論文の記憶はありません。
その鋭い感性に、僕が指導医だったらこの質問だけで合格です。
by kura0412 | 2017-09-08 14:20 | コラム | Comments(0)

『介護度改善で報酬上げへ』

介護度改善で報酬上げへ 利用者の自立評価

厚生労働省は介護サービスを受ける人の自立支援で成果を上げた事業者への介護報酬を手厚くする方針だ。いまは要介護度が軽くなれば報酬が減ってしまうため、自立支援の成果が報われるよう上乗せ措置をつくる。事業者を通じて利用者の要介護度の改善を促し、将来的な介護給付費の抑制につなげる。2018年度からの介護報酬改定に反映したい考えだ。

介護保険制度では、サービスを受ける人が利用できる費用上限は要介護度に応じて定まる。利用者の要介護度によって事業者の収入も左右される。
例えば要介護3の人の場合、費用は月に20万円ほど必要だが、要介護2に改善すると15万円程度まで減る。その分だけ介護サービスを提供する事業者の得られる報酬が減少する計算になる。
介護保険制度の目的の一つはサービスの利用を通じて自立を促すこと。いまのしくみでは、介護事業者に利用者の自立をサポートするインセンティブが十分に働かないのが問題視されている。
今回の見直し案では、自立と判断するための評価基準をつくる。要介護度の改善は重要な指標となるほか、サービスによって利用者のニーズがどの程度満たされているかなども反映したい考え。一部の介助にとどまる要介護3以下の利用者が主な対象になる見通しだ。

一方で自立支援に消極的な事業者などへの報酬を引き下げるしくみも検討する。メリハリをつけて優良な介護事業者の育成につなげる。導入直後は介護費の増加要因になる可能性があるが、厚労省は要介護度の改善が進めば将来的に抑制効果が期待できるとみる。
事業者に自立支援を促す制度は、一部の自治体が独自に進めている。埼玉県は16年度から通所介護(デイサービス)の利用者の要介護度が改善した場合、報奨金を配るしくみを試行。要介護度の改善した人の割合が12.7%に上り、40%改善した事業所もあった。
厚労省によると、介護給付費は12年度の8.1兆円から25年度には19.8兆円と2倍以上に膨らむと推計。団塊の世代がすべて75歳以上になり、手厚い介護が必要な高齢者が急増すると予想されるからだ。医療が5割増、年金は1割増で、伸びが突出している。

12月に決まる18年度の介護報酬改定では、厚労省は自立支援の成果反映に加え、介護ロボットの普及に向けた報酬の上乗せなどを検討。全体でプラス改定をめざすが、財務省は否定的。改定率によって自立支援の成果分の報酬額が変化するため、事業者にどの程度の見返りがあるかは今後の政府内調整で決まる。

(日経新聞)



既に取り入られているのかもしれませんが、歯科として提案できる所は多々あるはずです。
by kura0412 | 2017-09-08 14:12 | 介護 | Comments(0)

「公務員定年を65歳に」

公務員定年を65歳に 政府検討、19年度から段階的に

政府は現在60歳の国家公務員と地方公務員の定年を65歳に延長する検討に入った。2019年度から段階的に引き上げる案を軸に調整する。公務員の総人件費を抑制するための総合策もあわせてつくる。少子高齢化が加速するなか、労働人口を確保する。政府が率先して取り組むことで、企業への波及効果も狙う。

今夏に内閣人事局や人事院、総務省の局長級計10人程度からなる関係省庁会議を設置し、具体策の検討を始めた。年度内にとりまとめ、18年の通常国会に国家公務員法改正案の提出を目指す。
国家公務員の定年は国家公務員法で原則60歳と規定している。業務に重大な支障を及ぼす場合などには最長3年の勤務延長が可能だが、多くが60歳にとどまっている。地方公務員も各自治体が国の制度を基準に条例で定めており、事実上、60歳が定年だ。
65歳への引き上げを軸とするのは、公務員の年金制度にあわせるためだ。支給開始の年齢は13年度から25年度にかけて65歳に段階的に引き上げる予定だ。定年が60歳のままだと定年後に年金を受けとることができない人が多く出る恐れがある。

引き上げにあたっては、国家公務員法で62歳と定める省庁の事務方トップの事務次官の定年延長も議論する。事務次官の年齢があがると局長や課長などの年次で構成する霞が関の官庁の人事制度全体も修正が避けられなくなる。

課題は公務員の総人件費への対応。
単に定年を延長するだけでは、公務員の全体数が増えて総人件費が膨張する。この事態を避けるため、人件費抑制に向けた総合対策もつくる。
職員全体に占める割合が年々増えている中高年層の給与の減額案が中心となる。60歳以降は管理職から外す「役職定年制」の導入で60歳以降の給与水準を下げたり、中高年層の給与水準を全体的に低く抑えたりする手法が浮上している。
定年延長には、民間への影響も計算する。高齢者雇用安定法は企業に65歳までの雇用確保を見据え企業に定年廃止、定年延長、再雇用の3つの選択肢を求めている。
現時点では再雇用を選択する企業が大半。厚生労働省の調査によると、定年を65歳以上としているのは16%、定年制を廃止しているのは2.7%にとどまっていた。
25年度に団塊の世代がすべて75歳以上になると、国内の労働人口の目減りはさらに加速しかねない。政府は働き方改革や生産性の向上を進めることで人手不足を補おうとしてきた。労働力を効果的に増やすには、定年延長もあわせて考える必要が指摘されていた。

(日経新聞)



人口構造の概念を大きく変えることになるかもしれません。
by kura0412 | 2017-09-01 09:07 | 社会 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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