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厚労省からの郵便物

厚労省から分厚い封筒が先ほど届きました。
基本的に厚労省からの郵便物は好きではありませんが、中には「確認じゃ!2つの給付金。」と題するポスター1枚とかなりの数にパンフが入っていました。年配の方も来院しますし、社会保障という括りということで送られてきたのでしょうが、問題は年金給付を受ける人を説明しているのですが、私が読んでもよく分かりません。これを給付対象者の方が読んでどう感じるか。
正直、ポスターを張ることも、パンフを待合室に置くことも躊躇します。役所仕事、もったいない。
by kura0412 | 2016-08-30 17:01 | コラム | Comments(0)

新潟県知事選挙

医療4政治団体が森氏推薦へ 近く正式発表の見通し

泉田裕彦知事(53)と森民夫長岡市長(67)が立候補を予定する知事選(9月29日告示、10月16日投開票)で、県医師会と県歯科医師会、県薬剤師会、県看護協会のそれぞれの政治団体が森氏を推薦する方針を固めたことが26日、複数の関係者の話で分かった。...

【新潟日報:16・8・27】



泉田・新潟知事、4選出馬を撤回

10月16日投開票の新潟県知事選で4選出馬を表明していた泉田裕彦知事(53)は30日、知事選から撤退すると発表した。地元メディアとの間で報道を巡るあつれきがあり、「県が組織的に虚偽答弁をしているのではないかなどの誤った印象が形成されている」と指摘。このような環境では「十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しい」とコメントを出した。
新潟県知事選を巡っては、現職の泉田知事が2月に4選出馬を表明。長岡市の森民夫市長(67)が8月10日に出馬を宣言している。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-08-30 16:46 | 政治 | Comments(0)

『医療・介護で1400億円圧縮 来年度予算案』

医療・介護で1400億円圧縮 来年度予算案
社会保障費伸び、5000億円に抑制狙う 個人負担増を検討

財務省と厚生労働省は2017年度予算案で、高齢化に伴う社会保障費の伸びを5000億円程度に圧縮する調整に入る。厚労省は概算要求で伸びを6400億円と想定している。月ごとの医療費の個人負担に上限を設ける「高額療養費制度」を見直すなど、個人の負担を増やす。厚労省の概算要求は実質的に過去最大の31.1兆円に膨らんでおり、一定の歯止めをかける。

厚労省が26日に自民党に示した概算要求によると、社会保障費のうち最も規模が大きい項目は医療。今年度予算に比べて2.6%増の11.5兆円を要求している。高齢化の進展に加え、抗がん剤やC型肝炎薬などの高額薬剤が増えており、水準を押し上げた。
伸びが目立つのは介護だ。同3.8%増の2.9兆円を計上した。14年度時点で介護や支援が必要な人は606万人。介護保険制度が始まった00年度の2.4倍の規模に膨らんだ。年金も1.4%増の11.4兆円を求めている。

こうした高齢化に伴う伸びを、厚労省は概算要求で6400億円と想定している。
これに対し政府は15年にまとめた財政健全化計画で、16~18年度の社会保障費の伸びを3年間で1.5兆円(年5000億円)に抑制する方針。
17年度は診療報酬や薬価など大きく予算を抑制できる余地のある改定作業がなく、「5000億円まで絞り込むのは難しい」(厚労省幹部)との声があるが、財務省は目標の達成を譲らない構え。年末に向け、日本医師会などを含めた激しい綱引きが演じられそうだ。
このため財務・厚労両省は社会保障費の抑制に向け、医療や介護分野を中心とした制度の見直しを検討する。月ごとの医療費の自己負担に上限を設けた「高額療養費制度」の見直しが目玉。所得の高い高齢者の月額の上限を引き上げることなどを検討する。
年2.6%のペースで伸びている薬剤費も抑える。年間の売上高が1000億円を超える見込みのがん免疫治療薬「オプジーボ」の薬価を臨時で引き下げる案がある。
ただ個人への負担増の理解を得るのは簡単ではない。かかりつけ医以外に受診した際に定額負担を求める案には日本医師会が「受診抑制につながる」と反対している。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-08-27 16:02 | 医療政策全般 | Comments(0)

『オプジーボに想定外の問題 適正使用を警告』

オプジーボに想定外の問題 適正使用を警告

小野薬品工業が日本で販売するがん免疫薬「オプジーボ」に想定外の問題が浮上してきた。海外から個人輸入したオプジーボを使い、他の免疫療法と併用した自由診療で死者が出てしまったのだ。自由診療は違法ではない。だが、安全性が確認されていない段階での無謀な使用は危険であるだけでなく、有望な新薬の将来性に影を落としかねない。

7月末、小野薬品が医療関係者向けに異例の警告文章を出した。タイトルは「オプジーボの適正使用」。オプジーボと他のがん免疫療法を併用したところ、重篤な副作用が発現し、患者が死亡に至ったとの報告だ。「オプジーボを使うのは緊急時に対応できる病院と熟練の医師、適切と判断できる場合に限定して欲しい」と注意を促した。
これに先立つ7月13日には全国の臨床医でつくる日本臨床腫瘍学会も患者に注意喚起していた。内容はもっと深刻だ。処方できる要件を満たさない医療機関が国内の製薬会社を通さずに個人輸入で使用し、患者の副作用に適切に対処できなかった問題が起きているという。
実は日本臨床腫瘍学会が事態を把握した経緯は偶然に近い。民間の病院で未承認の治療法を受けたがん患者に重篤な副作用が発生し、専門医がいる別の病院に駆け込んできた。対処した医師が気づいて学会に連絡したため、発覚した。
患者は男性で60歳代。オプジーボの投与から約3週間後に、自身から取り出した免疫細胞を活発にして体内に戻す免疫療法を自由診療で実施したとみられる。その後、多臓器不全となり心不全で死亡した。
オプジーボによって免疫のブレーキを外したところに、免疫のアクセルを踏んだ格好だ。免疫が暴走するのは当然の結果だった。日本臨床腫瘍学会の大江裕一郎理事長は「把握できているのはごくわずか。副作用、死者の事例も氷山の一角だろう」と話す。

個人輸入した医薬品を使い、保険適用外の自由診療で処方するクリニックは国内に数多く存在する。海外で販売されているが、日本では承認を受けていない未認可薬を使った治療を自由診療として施してもらいたいとする患者は多い。
胆管がん治療中の千葉県の75歳の男性も「どのみち事実上の余命宣告を受けている。効果がありそうなら(保険外でも)試したい」と話す。患者の助かりたいという望みを否定することはできない。学会や製薬会社も自由診療そのものを問題にはしていない。
ただ今回、製薬会社のほか、学会までもが異例の注意喚起をしたのには理由がある。「通常の自由診療」の範囲を超えているのだ。
世界でも安全性が確認されていない別の免疫療法との併用治療を専門外の医療機関で使ったことを危険視した。免疫療法には一部効果が認められる治療法もある。だが、「もともとは副作用の仕組みや制御、効果の判定が難しい。非常に危険だ」(大江理事長)。
実際、オプジーボのような免疫チェックポイント薬の扱いは難しい。使用できる医師や病院も制限され、誰でも使える薬ではない。国内にはクリニックや診療所を除き国や地方自治体、民間の病院が約7500カ所あるが、オプジーボが使用できる病院はおよそ800カ所にすぎない。学会の専門医が在籍し、緊急時の対応ができるなどの条件が必要だ。
使用できる医師もがん治療経験を持ち、複数の診療科との連携が可能かなど細かな要件も決められている。施設・医師と合わせ総計10項目の厳しい条件をクリアした病院しか使えない。

製薬会社も慎重だ。
小野薬品もオプジーボのメカニズムは従来の抗がん剤とは全く異なり、いつどんな副作用が起きるか現段階で不明のため、販売する病院に制限を設けている。オプジーボが「日本発の久々の夢の新薬」とされ売上高1000億円を超える「ブロックバスター」に育つ可能性があるだけにむやみな拡大路線はとっていない。

オプジーボには、専門家であっても分からない点も多い。
その最たるものが「やめ時」だ。オプジーボが国内で使用されるようになってまもなく2年が経過するが、臨床試験(治験)段階からオプジーボを使用してきた専門病院や専門医ですらその判断は難しい。愛知医科大学の上田龍三教授も「どの時点で使用をやめればいいのか、現時点では不明。現在研究のまっただ中だ」と話す。
オプジーボの投与でがん細胞が縮小する患者はおよそ3割。7割の患者への有効性は不明のままだ。だから「効き目なし」と見定めた段階で投与をストップしないと、やがては副作用を引き起こす。薬剤費が無意味にかさむ原因にもなる。国立がん研究センターなどは2017年末にも「やめどき」を探る治験を始める方針を打ち出しているが、現段階では確たる解は出ていない。
それだけ難しい治療薬を使用経験や副作用対策ができない医療機関で使うのは確かに危険だろう。現在、日本臨床腫瘍学会は適正使用を巡ってガイドラインの策定準備を進めている最中で、副作用の対策などを全国の病院と共有していくという。
皮肉なことに制限されればされるほど、オプジーボへの渇望が高まる。そのため、これまでの医療現場では常識外のトラブルも発生している。
「重要なのは効果や効能のある『本物』かどうか。海外輸入の医薬品の最大の問題点はニセ薬の可能性があることだ」(九州大学の中西洋一教授)。偽物ではないにしても、温度管理が重要な抗体医薬にしては保管環境が劣悪だったり、使用期限が切れていたりするなど「元の効能を維持できているかどうかも分からないものもある」(中西教授)。
医療現場にオプジーボが浸透するには、超えなければならないハードルがいくつもあることが見えてきた。だからといって、がん患者にもたらすインパクトが弱まるわけではない。とりわけ末期がん患者にとって漆黒の闇にともった新たな灯火(ともしび)であることは間違いない。
大切なのは、このハードルをどう超えるかだ。まず、臨床現場でのトラブルを最小限に抑えるため、学会や製薬会社、厚生労働省など関係機関が一体となり、適正な投与を徹底していくことが欠かせない。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-08-27 15:58 | 医療政策全般 | Comments(0)

『介護業界「儲けてはいけないのに、儲け至上主義の人々」』

介護業界「儲けてはいけないのに、儲け至上主義の人々」

なぜ「介護業界には独禁法が届かない」のか?
前回は、介護保険によるサービスを担う人たちが公的機関の職員か、民間企業の社員かが判別しいくい点に関して指摘し、また「地域包括支援センター」(以下、支援センター)のあり方の問題点についても触れました。
今回は、その支援センターに関して掘り下げてみたいと思います。
例えば親の介護が必要になったとき、家族が最初にお世話になるのが各地域ごとに設けられた支援センター。大半の支援センターを運営しているのは社会福祉法人という民間の事業者です。管轄市区町村の審査を受け、「この法人なら大丈夫」というお墨つきを得たところが支援センターの業務を委託されることになります。
前回も触れたように、社会福祉法人は利益を目的としてはならない公益法人ですし(その代わり、自治体からの補助や税制の優遇措置が受けられる)、市区町村の委託を受けているのですから、民間の事業者とはいえ公的な機関といっていいでしょう。
中立公正を旨として地域住民のために誠実に仕事をしてくれる。そう思えますが、ケアマネージャーのTさんは言うのです。
「中立公正を守っているところは少ないですし、中にはあからさまに儲けに走っている地域包括支援センターだってあります」
後述するように、支援センター自身がサービス事業を併設しているケースが多く、そのため支援センターを運営する社会福祉法人に出入りしているスタッフや業者は、売り上げに貢献しないと冷遇されることもあるといいます。Tさんは苦笑しながらこう断言するのです。
「結局、独占禁止法が及ばない業界なのです」
独禁法が及ばない……。いったい、どういうことなのか。Tさんに詳しく説明してもらいました。その驚くべき概要は次のようなものです。
どんな業種の会社でも、数ある同業者のなかから自社の製品やサービスをお客さんに選んでもらうには、それ相応の努力をします。製品の性能を高める、技術力を磨く、サービスの質をよくする、というように。
しかし、介護業界は支援センターを運営する社会福祉法人が“特権的立場”によって優先的に利用者を得て、その他の事業者は努力をしても利用者を増やすことにつながらない、という構造があるというのです。

入浴は、重労働で低報酬だから「週1回だけ」
コトがコトですので、改めて支援センターの在宅介護における役割を簡単におさらいしましょう。
家族の誰かが要介護状態になり、相談に行った支援センターでケアマネージャーを決め、判定された要介護度や家族の事情に合わせてケアプランを作成します。そのプランに従って、サービスを提供する事業者を決め、介護が始まるわけです。
ここでポイントとなるのは、利用者は担当するケアマネージャーやサービス事業者を選ぶことはできるのですが、ほとんどの利用者はあまり詳しい情報や知識を持っていないため、話は支援センターが決めた方向で進んでいく、ということです。
支援センターの影響力はそれだけでは終わりません。業者を利用者に仲介する役割を持っているのが、支援センターなのです。サービス事業者には、訪問介護、訪問看護、デイサービス、訪問入浴などそれぞれ専門があり、それらの事業を複数行っている事業者もあります。ケアマネージャーも支援センターを運営する社会福祉法人に所属している人や居宅支援事業所にいる人がいて、これらはすべて民間業者。彼らを仲介するもしないも、支援センターによって決まるといって過言ではないのです。
「介護業界が人手不足なのは確かですが、そのイメージとは異なり、サービス業者は数多くありましてね。他の業種と同様、顧客(利用者)獲得競争をしているんです。ただ、介護業界が他の業種と違うのは、仲介役の地域包括支援センターを運営する社会福祉法人自身も(営利目的の)サービス事業を行っていること。仲介をするという“業者を選べる”立場にあるところがサービス事業をやっているのですから、どうしたって自社のサービスを優先して選ぶことが多くなるわけです」
もちろん、そのサービスの質が良ければ問題はないわけですが、「そうしたケースは少ない」とTさんはいいます。残念な話です。中でも、がっかりしたのは次の話でした。
「例えば、デイサービスでの入浴です。家のお風呂に入るのが困難な方は多く、入浴を楽しみにデイサービスを利用される方も少なくありません。しかし、事業者側からすると入浴は重労働だし事故の危険はあるし、その割に報酬は低いしで、あまりやりたくない、というのが本音です。で、入浴は週1回と決めているところが多いのですが、なかには利用者さんの思いに応えようと、デイサービスに来られた時は毎回入浴できるよう頑張っている事業者さんもある。でも、地域包括支援センターを運営する社会福祉法人が行っているデイサービスの入浴は、週1回が多い。努力しなくても仕事が入るんですから、ラクな方に流れるわけです」

ユーザー無視 仲間の業者を“勝手”に選べる
聞けば、介護業界には特定の事業者へのサービス利用が集中しないようにする規定もあるそうです。ひとつの事業者の利用は8割までで、それを超えると介護報酬が減算されるというもの。つまり、あるケアマネージャーが訪問介護のサービスを受けている10人を担当しているとすれば、8人まではひとつの事業者を選んでいいが、それ以上になるとペナルティを課すというわけです。
一応、制限はあります。ただ、8割というのはきわめて大きい。それらを牛耳っているのが、支援センターだとすれば……。ちょっと問題です。ユーザー目線に立つと、公正な競争が行われている業界とは言いがたいかもしれません。
もちろん、すべての支援センターが儲け至上主義ではありません。
「中立公正の原則を守り、利用者により良いサービス事業者を選ぶよう指導しているところもあります。そのうえで自社の事業の質を高める努力もしているような地域包括支援センターです」
つまり、支援センターには、利用者第一の良心的なところと、利用者よりも利益追求を優先するところがあるということです。そして最大の問題は、利用者がその良し悪しを選べないことでしょう。なぜなら、住んでいる場所によって担当する支援センターは決まってしまうからです。
では、もし地元の支援センターが利益追求型だった場合、より良い介護サービスを利用することはあきらめなければならないのでしょうか。
「まず、利用している事業者のサービスが満足できるレベルかどうかを、介護経験のある人の話を聞くなどしてチェックしてみてください。問題があるセンターが仲介した業者だって質が低いとは限りませんし、担当ケアマネが頑張って良い業者を選んでくれているかもしれませんから。大事なのは、そのサービスによって良い介護ができているか。その点で納得できればいいわけです。また、サービスに不満を感じている場合はケアマネに言えば業者を替えることができます。情報を集め、その過程で聞こえてくる評判の良い業者を指定すればいいわけです」
独特の構図をもつ業界ですが、利用者側が情報収集し主張することで、より良いサービスを受けることは可能なのです。

【PRESIDENT ONLINE】
by kura0412 | 2016-08-27 08:48 | 介護 | Comments(0)

『消費税負担が診療報酬の上乗せ分を超過した場合、超過分を医療機関に還付すべき―日医』

消費税負担が診療報酬の上乗せ分を超過した場合、超過分を医療機関に還付すべき―日医
社会保険診療などに対する消費税について、現行の制度を前提として「診療報酬への上乗せ分を超過した消費税負担がある場合に、超過分の還付を行う」という措置を講じる必要があり、この措置導入までの間は「青色申告書を提出する医療機関が、医療の質向上などに向けて一定の固定資産を取得した場合に10%の税額控除・即時償却を認める」などの特例を設けるべきである―。

日本医師会は24日、2017年度の税制改正において次のような要望を行うことを明らかにしました。

ゼロ税率導入などには高いハードル、2017年度税制改正では「次善の策」を要望
日医の税制改正要望は多岐に渡りますが、重点要望項目の中で次の点が目を引きます。
(1)次のような消費税対策を行う
▽社会保険診療などに対する消費税について、現行の制度を前提として、診療報酬に上乗せされている仕入税額相当額を上回る仕入消費税額を負担している場合に、超過額の還付が可能な税制上の措置を講ずる
▽上記の措置が施行されるまでの間、青色申告を行う法人・個人が、医療の質・生産性の向上に資する一定の固定資産を取得し医療事業の用に供した場合に、10%の税額控除・即時償却を認め、登録免許税・不動産取得税等の特例措置を創設する

(2)医業承継時の相続税・贈与税制度を次のように改善する
▽持分の定めのある医療法人に係る相続税・贈与税の納税猶予制度を創設する
▽認定医療法人について相続税法第66条第4項の適用を受けないよう必要な措置を講じた上で期限を延長する
▽出資の評価方法の改善

(3)持分あり医療法人が持分なし医療法人に円滑に移行できるよう移行税制を創設し、以下の措置を講ずる
▽移行時において、出資者にみなし配当課税を課さない
▽医療法人に相続税法第66条第4項の規定の適用による贈与税を課さない

(4)社会保険診療報酬に対する事業税非課税を存続する

(5)医療法人の事業税について特別法人としての軽減税率課税を存続する

(6)病院などの医療用機器に係る特別償却制度について、中小企業投資促進税制と同等の措置が受けられるよう、特別控除制度の導入、特別償却率の引き上げ、適用対象となる取得価額の引き下げの措置を講ずるとともに、適用期限を延長する

(7)重点・中小企業投資促進税制の適用期限延長および適用対象を拡充する

(8)医療機関が取得する新規の器具・備品や建物付属設備などの償却資産の投資に係る固定資産税を軽減する

(9)社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(いわゆる四段階制)を存続する

 このうち(1)の消費税については、診療報酬で特別の上乗せ(消費税が導入された1989年、増税が行われた1997年、2014年に特別のプラス改定を実施)が行われています。しかし、一部の点数項目への上乗せであり、医療機関間で補填状況にバラつきがあります。このため、日医は「補填額<消費税負担額」となっている場合に超過分を還付できるような仕組みを求めているのです。
社会保険診療報酬については消費税が非課税となっており、患者や保険者は消費税を医療機関に支払わない。このため医療機関が卸に納めた消費税(80円)について「仕入税額向上」も受けられず、医療機関が負担することになり、いわゆる「損税」が発生する。
社会保険診療報酬については消費税が非課税となっており、患者や保険者は消費税を医療機関に支払わない。このため医療機関が卸に納めた消費税(80円)について「仕入税額向上」も受けられず、医療機関が負担することになり、いわゆる「損税」が発生する。
 なお日医は、本来的には「診療報酬上の対応ではなく、消費税をゼロ%などで課税し、仕入れ税額控除(いわば消費税負担の還付)を認めるべき」と主張してきましたが、実現にはハードルが高いことから「次善の策」として上記の要望を行っているものです。

【メディウオッチ】
by kura0412 | 2016-08-26 15:26 | 医療政策全般 | Comments(0)

『医療政策「全体を束ねるポジション必要」』

医療政策、「全体を束ねるポジション必要」-塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は24日の閣議後の記者会見で、保健医療政策について、「全体を束ねることができるポジションがあるべき」とし、医療政策を統括する役割を担う役職の創設を検討していることを明らかにした。

厚労省の「保健医療2035」策定懇談会が昨年6月に取りまとめた提言書では、保健医療政策について首相や厚労相に対して総合的なアドバイスをする「保健医療補佐官」(チーフ・メディカル・オフィサー)の創設が盛り込まれた。具体的には、「技術的、公衆衛生的な専門性・中立性を担保しつつ、大臣などをサポートする」としており、検討されている新たなポジションも、こうした役割を担うことが想定される。
会見で塩崎厚労相は、保健医療政策について、「(現在は)部局横断的にばらばらに担当が決まっているが、束ねることが期待される」と指摘。また、「グローバル・ヘルスの問題について、一元的にきちんと見る所がなければいけない」とし、保健医療政策の司令塔役を担う役職の必要性を強調した。その役割を担う人物については、「(厚労省の)中の人で、医療の知識をしっかりと持っている人を想定している」と述べた。

【キャリアブレイン】



これが新たな次官級医系技官のポストになりそうです。ということは「保健医療2035」の位置づけは非常に高いものになります。
by kura0412 | 2016-08-25 15:22 | 医療政策全般 | Comments(0)

『日本の医療費は高額 新基準で世界3位』

日本の医療費は高額 新基準で世界3位
対GDP、OECDまとめ
日本の医療や介護は諸外国と比べて安いのか。経済協力開発機構(OECD)がまとめた2015年の国内総生産(GDP)比の保健医療支出の推計値では、日本が順位を一気に上げて3位となった。厚生労働省や医療関係者は「低費用で上質なサービスを提供している」と主張してきたが、少なくともコストの面では疑ってみる必要がある。

55兆9354億円、GDP比11.2%――。日本の保健医療支出のGDP比はOECD加盟国で米国、スイスに次ぐ3位となった。近年は10位前後で推移していたが、15年の統計で急上昇した。安価な公的医療保険制度が発達せず薬剤費なども高い米国の16.9%は別格とはいえ「福祉国家」のフランスやスウェーデンより上位。このため一部の医療関係者などの間で話題になっている。
OECDの「保健医療支出」は公共・民間の両部門が医療や介護などに投じた総費用を示す。厚労省が公表している「国民医療費」に介護関係や市販薬の売り上げ、健康診査などの費用を加えた概念だ。
GDP比は医療費の水準を国際的に比べる重要な指標。厚労白書などで「日本の医療費は先進国の中で低水準で推移している」と説明する際の数字的な裏付けとなってきた。厚労省が政府の医療関係予算の増額を求める根拠にもなってきた。
日本の医療費や介護費が伸びている要因の一つは高齢化の進展だ。05年のGDP比は8.1%。OECD35カ国中17番目で、主要7カ国(G7)でも6番目だった。この間に65歳以上の人口比率は約7%上がっており、医療費などの拡大につながった。高齢化によって医療費や介護費が伸びるのは避けがたい。
ただ15年に順位が急上昇した大きな要因は別のところにある。
OECDが求める最新基準に合わせて「通所介護」や「認知症向けの生活介護」など介護関係の費用の一部が今回から新たに算入された影響が大きい。これで6兆円ほど費用が膨らみ、GDP比が1ポイント強も押し上げられた。
基準変更が特に日本に大きく影響した理由について、日本総合研究所の西沢和彦主席研究員は「多くの主要国は既に介護関係の費用を数字に含めていた可能性が高い」と指摘する。これまでの日本の順位も実態より低めに出ていた公算が大きく「精緻でない統計を根拠に日本の医療費の効率の良さを主張してきたのは問題だ」(西沢氏)。
別のOECDの統計をみると、日本の医療現場での過剰な診療や投薬をうかがわせるデータがある。13年の患者1人あたりの診察回数は年間12.9回で韓国(14.6回)に次いで2位。1人あたりの薬剤費も年752ドル(約7万5千円)で米国の1026ドルに続く2位に位置する。ともに医療費を膨らませる大きな要因だ。
日本で保健医療支出を算出している医療経済研究機構は「各国の制度は多様なので、国同士の比較は慎重にすべきだ」とクギを刺す。日本の上昇ペースが速いのは、分母のGDPの伸びの低迷も響いている。一方、ドルベースで見た1人当たり保健医療支出は14年にOECDで15位。首位の米国の5割弱だが、円安・ドル高の影響もある。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-08-22 08:49 | 医療全般 | Comments(0)

『週刊誌の「医療叩き」はなぜ起こるのか』

週刊誌の「医療叩き」はなぜ起こるのか

最近、各週刊誌等で医療に関する特集が多く見られる。その大半が手術の断り方や薬のやめ方など、手術や医薬品、治療方法の危険性を強調した内容に終始している。このような記事が多く読まれる背景には、相変わらず世間に「医療不信」が根強く残っている証左とも言えよう。それでは、実際に日本の医療レベルは低いのか。検証してみた。(多摩大学大学院教授 真野俊樹)

医療レベルを測る指標により
国際比較が可能になりつつある

最近、週刊誌も含め医療不信の話題がかしましい。実際に日本の医療レベルはそこまで低いのであろうか。
医療のレベルを図るには様々な指標がある。大別すれば、治療実績に関するものと、医療経済的なものに分けられる。前者は、個別の疾患の予後のように、その医療でどの程度病気を治すことができたのか、という指標である。これはどこの病院に名医がいるのか、がんの治療においてどこの病院が優れているのか、といった内容なので、一般の人にもわかりやすい。
後者の指標は、例えるならば、「吉野家」の「うまい、早い、安い」ではないが、国民にとって、良い医療が廉価でアクセス可能なのか、という指標である。こちらは、マクロ的な話になり、その国の医療制度(日本でいえば国民皆保険制度)が深く関係するので、一般の方は言うに及ばず、医療の専門家である医師にとっても、なじみがなく、医療経済や医療制度の専門家以外はあまり考えることがなかった。
しかし、国際的には、後者の指標の方が比較しやすかった。例えば、OECDなどに、各国の政府がデータを提出するので、その間での比較ができたからである。
ただ最近では、データ集積技術の進歩に伴い、前者の、国民全全体になじみやすい指標についても国際比較ができるようになってきたのである。

実際に比較してみれば
国際的には評価が高い日本の医療
こういった指標において、実際に国債比較した場合、日本の医療レベルは低いのであろうか。
決してそんなことはなく、むしろ、高いのである。例えば、「大腸がん」にかかり、医師の治療を受けたとする。OECDデータにおける5年生存率は、主要先進国の中では日本が世界一なのである。
であるがゆえに、日本経済の再生を目的とする「日本再興戦略」などでも日本の医療を海外に輸出しようという話になるし、アジアにおいての日本医療への関心は高く、病気の人がわざわざ日本に治療を受けにくるという、「医療ツーリズム」が起きている。
つまり、「うまい、安い、早い」に照らして考えれば、「うまい」が保障されていることになる。また、国民皆保険制度下にある日本医療では、患者の自己負担は廉価である(もちろん、皆保険の財源をどうやって維持していくのかという問題はあり、非常に重要な問題であることは百も承知であるが、今回は、自分が重い病気にかかり、いい医療を何が何でも受けたいという立場で考えてみた)。
さらに、「早い」に相当する医療機関へのアクセスも、日本は優れている。例えば、英国などでは、日本の「義務教育」のように、公費で賄われる医療は「学区制」のようになっており、いきなり病院の専門医を受診することはできない。
まとめて言えば、個別の医療レベルも高く、医療制度も優れているということになる。

なぜ医療バッシングが起きるのか
患者が抱える不満・不安が根幹
それでは、なぜ、医療バッシングが起き、今のように週刊誌で、それが大ブームになるのであろうか。やはり、自分が受けている医療サービスや接している医療関係者に対し、少なからず、何らかの不満や不安を抱えているからであろう。
その背景の一つには、データの集積により、国際的な医療比較だけではなく、国内の医療の比較も可能になった点があろう。例えば、手術数の病院ごとの差、のデータが紹介され、様々なサイトで、病院ごとの医療レベルに差があるのではないか、ということが如実に示されている。自分の受けている医療や医師について、「大丈夫なのか」という不安が生まれるのは当たり前であろう。
しかし、一方で医療サービスに対する評価は難しい。特に、医療の場合には、医療サービスを提供している医療者であっても、その提供しているサービスの結果に100%保証をすることができない。「最善を尽くす」ことしかできない特殊なサービスなのである。
昨今のバッシングが薬剤についてのものが多いのも、医療サービス評価が難しいことを裏付ける。消滅してしまう医療サービスや、通常、人生に1度か、2度しか経験しない手術に比べれば、薬剤は形があり定期的に服用するものなので評価しやすいのである。

医療者側にも問題
患者を見ていないのではないか
むろん、医療者側にも問題は大いにある。医学による「正しい」治療や診断あるいは診療報酬など経済的問題を追求するあまり、“顧客”である患者を見ていないのではないか。
いやいや、「自分は“患者第一”で行っている」という医療者が大半であろうが、現実にここまで医療バッシングが起きている点に、何も理由がないわけはあるまい。
最近では、一時期経営不振に陥ったファーストフード店のマクドナルドがキャッチコピーを「made for you」に変えた。これは、従来の「fast」の訴求から、オーダーメイドによる質の追求に移行した表れであろう。このように、「うまい、安い、早い」のようにすべてを訴求することが難しい時代になってきているのである。
この方策が成功するかどうかは問題ではない。重要なことはこのような対応の変化が、顧客を重視し、顧客の思いを感知して行われたことである。翻って、医療界では、急性期医療の「キュア」だけではなく慢性期医療や介護を含めた「ケア」も重要だ、といわれるようになっては来たが、これはマクロの話であって、個別の患者対応に変化が起きているとは言い難い。
すでに海外では、ICT技術を使って、患者が積極的に自らの医療に対して参加する仕組みができつつある。彼我の差は、大きいと言えよう。

医療は患者の協力があって成り立つ行為
医療不信は患者側にとってもマイナス
医療不信については、医療関係者だけでなく、患者も意識して避けるように努力した方がいい。理由は簡単で、「病気」という敵を倒すには、医師などの医療者の力だけでなく、患者自身の協力が不可欠であるからだ。医療不信が広がることは、患者側にとっても結果的に不幸でしかない。
マグドナルドや、吉野家に対しては、嫌いであれば競合他社を選ぶという選択肢がある。もちろん、少ないながら医療でも「競合他社」を選ぶことはできる。その極端な例が、自国が関与する医療に対する不信の結果、他国の医療を選択するという医療ツーリズムになる。
ただ、ここでは選択肢の話ではなく、もう少し本質的な点に触れて本稿を終わりたい。
つまり、繰り返しになるが、医療は患者の協力がなくては完結しないものであるという点だ。例えば、薬剤である。薬剤に副作用があるとしても効果があるから承認されているわけだ。一方の民間療法は効果が不明確であるがゆえに承認されていない。
しかし、医師だからといって強制的に薬剤を飲ませるわけにはいかない。患者が医師や日本の医療を信じ、薬剤を服用することで医療が完結する。注射にしたって同様である。患者が暴れて注射をすることができなければ、医療は完結しない。
このように、特殊なサービスである医療サービスにおいては、医療者と患者の信頼関係と患者側の協力が不可欠である。旧来の日本の医療に見られた、この「良き伝統」を失わないようにするためには、医療者と患者、両方の努力が必要なのではなかろうか。

【DAIAMONDO ONLINE】
by kura0412 | 2016-08-22 08:46 | 医療全般 | Comments(0)

歴史的快挙ー陸上400Mリレー銀メダル

400Mリレー“侍スタイル”で銀メダル ケンブリッジ「東京では今以上のメダルを」

男子400メートルリレー決勝が行われ、日本は山県亮太(セイコーホールディングス)飯塚翔太(ミズノ)桐生祥秀(東洋大)ケンブリッジ飛鳥(ドーム)で挑み、37秒60のアジア新記録で銀メダルを獲得。銅メダルだった2008年北京五輪以来、2大会ぶりのメダル獲得を果たした。

第1走者として好スタートを決めた山県は「予選よりもいいスタートが切れたと思う。歴史を作れてうれしい」と偉業を喜んだ。今大会は100メートル準決勝で自己ベストをマーク。「4年前よりも確実に成長できたということを実感できました」と充実の五輪を振り返った。
第2走者の飯塚は「山県がいい流れを持ってきてくれた。仲間を信じ切って走ることができました」と仲間への信頼を口に。競技場に入場するセレモニーでは、飯塚の発案で4人で刀を抜く仕草を披露したが「日本らしく、侍スタイルでいきました」と笑顔を見せた。
第3走者の桐生は「先輩たちが最高の位置でバトンを持ってきてくれた」と山県、飯塚に感謝。男子100メートルでは予選敗退に終わったが、「個人は悔しかったですけど、リレーではできるだけ良い位置でケンブリッジさんに繋ぐと約束したので、がむしゃらに走りました」と振り返った。
2位を死守したアンカーのケンブリッジは「すごい位置で持ってきてくれた」と仲間を称賛。ボルトの隣のレーンで走れたことを「良い経験ができたと思います」と喜び、「東京では今回を超えるタイムを出して、今以上のメダルを獲りたいです」と4年後を見据えた。

【スポニチアネックス】




リオオリンピックで日本のメダル奪取が話題になる中、メインの陸上でのこれまでの結果は淋しかったでした。しかし最後はやってくれました。
体力が勝負を決めるトラック、短距離競技。それも世界の注目が注がれるリレーでの快挙です。ジャマイカには敗れたものの、絶対にあり得ないと思っていたアメリカに先着とは驚きです。
一人一人の力は劣っていてもチームワークでそれを克服する。まさに「ニッポン」です。
彼らは日本のスポーツ界に歴史的な1ページを刻みました。これで4年後に向けて日本中が一気にボルテージが上がります。
by kura0412 | 2016-08-20 14:51 | スポーツ | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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