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1年間ありがとうございました

1年間このブログをご覧いただきありがとうございました。

2015年は歯科界にとって激変の1年でした。そして、この厳しい状況をどう打破するかは、この世界の属する者のエネルギーなしでは成し遂げられません。その先生方の何かのヒントにでもなればと思い、来年もこのブログを続けます。
尚、デンタルタイムズ21・1月5日号と新聞クイントにこれからの連盟について書きました。お時間があれば目を通して頂ければ幸いです。

良いお年をお迎えください。
by kura0412 | 2015-12-30 12:17 | 思うこと | Comments(0)

『ドラッグストアの理想』

スギ薬局、狙うは日本一の「かかりつけ薬局」
杉浦広一会長が挑むドラッグストアの理想

医療費の増大に頭を悩ませる国が今、熱い期待を寄せているのが、ドラッグストアだ。「医者にかかる前に、身近にあるドラッグストアで、気軽に健康相談や検診を受けてほしい」「医者へ行ったら、門前薬局ではなく、自宅や職場から近い『かかりつけ薬局』に処方箋を持って行き、薬の重複や飲み残しを減らしてほしい」。2016年度からは、こうした機能を担う店舗に認証を与え、税の優遇なども検討している。

ドラッグストアの新たな役割作りで、国がお手本の一つとしているのが、スギ薬局などを展開する、業界5位のスギホールディングス(本社:愛知県安城市)。スギ薬局の調剤併設比率は推定約8割で、調剤売上高比率は全体の2割にあたる約770億円(2014年度)。業界首位のマツモトキヨシが7%、2位のサンドラッグが2%だから、スギの比率は高い。同社が愛知県内で展開するモデル店では、広い調剤カウンターを備えるだけでなく、本格的な健康診断機器のほか無菌室まで備えており、その一角は医療機関さながらだ。
第1号店を開いた40年前から、かかりつけ薬局の必要性を説いていたスギに、次なる成長を模索するドラッグストア業界も注目している。同社の目指すドラッグストアの姿とは。成長の踊り場を迎えたドラッグストアが進むべき方向性とは。創業者の杉浦広一会長に聞いた。

かかりつけ医の薬剤師版であるべき

――スギ薬局は、国が「かかりつけ薬局」を推進するはるか前から、これを目指していたと聞いたが。
薬学部を卒業してすぐの1976年に、妻(現副社長の杉浦昭子氏)と2人でスギ薬局を開業して以来、薬を単なるモノとして売ろうとは思ったことはない。お客さんは、杉浦という薬剤師に相談に乗ってほしいから店に来る、いわゆる「かかりつけ医」の薬剤師バージョンであるべき。そればかり言っていた。

――40年前の日本に、かかりつけ薬局という概念はあったのか。
まったくない。私は当たり前のことをしていたつもりだが、当時の薬屋は、他社よりも安くして儲けようというのが一般的で、かかりつけ薬局という考え方はなかった。当時のスギは、企業規模が小さくて影響力がなかったので、この概念はまったく広がらなかったが、今やっと概念として普及しつつある。そうは言っても、これを実現できているところは、まだほとんどない。
日本橋三越(東京都中央区)の近くに、わずか30坪で、スギ薬局の一番小さい店舗がある。そこには、近隣に職場がある患者を中心に、100以上の医療機関から処方箋が集まってきており、非常に好調だ。かかりつけ薬局として機能しているということ。都心のあんな狭い店で処方箋調剤なんて、調剤室を置くスペースもないし、薬剤師も集まりにくい。他社なら普通はやらない。が、住宅地の近くだけではなく、都心でもかかりつけ薬局は十分成り立つ、ということがわかった。今後もこうした都市型店を増やしていきたい。

――20代で米国へ視察に行っている。
あのときの感動といったら! 当時の日本の薬局というと、暗くて、入ると何か買わされて、日曜日は休み。一方、全米一のドラッグストア、ウォルグリーンはその真逆だ。300坪と広くて、自分で自由に店内を見て回れて、年中無休。そして何より、処方箋調剤をやっていた。渡米した30年前のウォルグリーンは、調剤売上高比率が18%だったが、現在は60%にまで上がった。スギの調剤売上高は現在20%で、ようやくウォルグリーンの30年前の水準に追いついた。これからは、調剤売上高60%を目標に、東名阪エリアに1500店舗、全国に3000店舗まで拡大させるのが目標だ。

――現在、日本のドラッグストアは、こぞって食品を強化している。米国でも同様の流れはあった?
米国でも、広い店舗のディスカウント型ドラッグ店で食品を強化していたところはあったが、そういう専門性を持たないところは、1990年代にことごとく買収や倒産で消え去った。当社がモデルとするウォルグリーンは、一貫してディスカウント型の食品路線を歩まず、調剤を強化して専門性重視。そして現在も米国一のドラッグストアチェーンに君臨し続けている。米国の歴史がすべてだ、というつもりはないが、米国をモデルとして発展してきた、日本のドラッグストア業界の今後を考えるうえで示唆的だ。
米国の投資家が日本にやって来て、ドラッグストアに入ると、「これはドラッグストアではない、スーパーだ」とびっくりする。スギ薬局に来て、ここは自分たちの知るドラッグストアだと。現在はドラッグストアの再定義が必要になってきている。この業界の市場規模は5兆円と言われているが、それは食品を入れてのことだ。一方で、調剤には、7兆円の市場がある。ここを強化しない手はないだろう。

あえて食品を強化する必要はない

――食品強化は、客の利便性を上げることにならないのか。
スーパーが近くになくても、今はコンビニも食品を強化しているから、あえてドラッグストアが食品をやる必然性はない。しかも、生鮮や冷凍食品を置くと店内が寒くなり、処方箋を持った病人にも優しい環境とはいえない。ドラッグストアの食品は、大きなファミリー単位で買えば確かに安いけれども、今は核家族化でそんなファミリーも少なくなった。安くはないが、小包装の食品を置いて成功しているコンビニを見れば、わかることだ。

――米国のドラッグストアは、調剤併設であるだけでなく、店内にクリニックもあると聞いたが。
米国ではドラッグストア内のクリニックが当たり前だ。日本でそういう例はないが、実は医療機関から、スギ薬局の敷地内に開院したいという相談を受けることもある。現在でも、愛知県内で展開するモデル店舗では、血管年齢や骨密度が測れるなど、方向性としては、医院に近いことをやっている。

――調剤事業は今後も成長するか。
大型病院の門前で儲け過ぎている薬局には、国も厚労省も医師会も、厳しい見方をしている。2016年の医療制度改革では、厳しく見直されるであろうから、経営に影響するところも出てくる。経営が成り立たなくなった分の処方箋は、調剤併設ドラッグストアに回ってくるのではないか。

――ただ、調剤に参入したくとも、薬剤師の採用難と高い人件費がボトルネックとなっている状況だ。
薬剤師の確保は当社でも課題の1つ。だが、スギ薬局に就職すれば、ほかのドラッグストアと比べても医療に深く携われるということは、薬剤師にとって魅力になる。ただ、薬剤師をかかりつけ薬局の担い手として、一人前にするには教育投資が必須。当社では、入社後3年間は、東京・大阪・名古屋の研修センターで勉強させている。
当社がこれほど人件費をかけても、業界3位の好採算を維持できるのは、粗利の低い食品の割合が13%程度と低いからだ。食品は来店頻度を上げると言うが、うちは食品にウェイトを置かなくても、かかりつけ薬局として頻繁に来店する固定客が多い。
薬剤師への投資を惜しまずに調剤売上高を伸ばす。2020年度には、総売上高で現在の1.3倍となる5000億円、調剤売上高では2倍の1500億円を達成するつもりだ。

【東洋経済ON LINE】
by kura0412 | 2015-12-30 08:47 | 医療全般 | Comments(0)

基金への取り組みが更に重要性増す

地域包括ケア構築に充てる基金、一気に3倍増 新たに2285億円投入

「介護離職ゼロ」を目標に掲げている政府は、地域包括ケアシステムの構築を進めるために用意している基金の規模を大幅に拡充する。今年度の補正予算案に1040億円を計上。24日に閣議決定した来年度の予算案では、今年度の当初予算と同額の483億円を上積みする方針を打ち出した。地方が負担する分(3分の1)もあわせた総額は2285億円。724億円だった今年度の3倍強を投入する。
政府は先月26日、2020年代初頭にかけて50万人分以上の介護サービスを新たに整備する計画を立てた。基金はこれを推進するための原資となる。さらに、人手不足の解消につなげる施策にも活用されていく。

具体的には、特養や老健、グループホーム、小規模多機能、定期巡回・随時対応型サービスなどの開設・運営の後押しに充てる。
プライバシーを保護するために多床室を改修したり、空き家を再利用したりする費用の補助にも使う。
人材の確保に向けては、働く環境の改善をはじめとして様々なアプローチをする。
例えば、職場体験や各種の研修・実習の充実、現場で働きながら介護福祉士を目指す人への支援、施設・事業所内の保育所の設置、地域の関係者による協議の場の運営などがある。要望の多い賃上げについては、介護報酬改定による対応を検討するとして基金では実施しない。
こうした事業を実際にどう組み合わせていくかは、地域の実情に応じて自治体が決めていく。都道府県や市町村が詳しい計画をつくり、国がその内容を確認して資金を配分する仕組みだ。今後のプロセスでは、2285億円にのぼる巨額の財源をいかに効果的に使っていくかが大きな課題となる。

【JOINT】



歯科界も基金、介護への取り組みが今まで以上に大切になっているようです。
by kura0412 | 2015-12-26 11:25 | 介護 | Comments(0)

『診療報酬本体プラス、動いたのは… 』

診療報酬本体プラス、動いたのは…

「『4人会』を知らないのはモグリだよ」。自民党厚生労働族の1人はこう解説した。2016年度の診療報酬改定は8年ぶりのマイナス改定だったが、医師や薬剤師の技術料にあたる本体部分はプラスだった。その舞台裏で4人会といわれる族議員のボスたちが影響力を及ぼしたという。それは事実なのか、関係者の証言をたどった。

■えりすぐりの最高幹部
自民党厚労族のなかでは約10人が「ボス」と位置づけられている。例えば党税制調査会長の宮沢洋一、税調最高顧問の野田毅、地方創生相の石破茂側近で元環境相の鴨下一郎、財務相の麻生太郎が首相だったとき官房副長官として仕えた松本純らがその一角を占める。
4人会はボスのなかでも、えりすぐりの最高幹部をさす。筆頭格は党幹事長や財務相などを歴任した元衆院議長の伊吹文明と、厚労相経験者で元参院副議長の尾辻秀久のベテラン2人だ。首相、安倍晋三の補佐官である衛藤晟一、第2次安倍内閣で厚労相だった田村憲久が脇を固める。4人は国会周辺でひそかに会合を開いては事務方と綿密な調整をしたとされる。
「日本医師会長の横倉義武さんが最終盤で『0.5~0.6%でお願いします』と4人会に伝えたようだ」。別の自民党厚労族はこう話す。横倉は16年夏に会長選挙を控える。診療報酬の本体について医師会内には、0.7%以上の引き上げを求める強硬論があった。0.49%のプラス改定での決着は「横倉さんの面目を保てるギリギリの線」(党政調幹部)という。

ただ、4人会より、自民党と連立を組む公明党が影響力を発揮した部分もある。本体プラスを裏づける財源問題だ。
「恒久財源を明示する必要はない。参院選で負けたら元も子もないだろう」。公明党政調会長の石田祝稔は、政調会長代理の桝屋敬悟とともに財源問題で踏み込みたくないと、かたくなだった。
16年度の財源は全国健康保険協会(協会けんぽ)への国の補助金を減らすことで穴埋めできる。ただ、それは1年限りの財源だ。17年度以降の恒久財源はほかに探さなければならない。
17年度以降の財源を、患者負担の月額上限を定める高額療養費制度を見直すことで確定させたい――。こんな考え方のもと、財務省は合意文書案をつくった。石田らは高額療養費に関する記述をそっくり削除し、文書案を突き返したという。
「高額療養費の見直しと書くだけなら、中身に踏み込まないのだから、それでよかったのに。公明党は固かった」。自民党幹部は振り返る。

■4人会でも公明党でもない
一方で、日医関係者はこんな見方も示す。「本体プラスの流れをつくったのは4人会でも公明党でもない。安倍さんだ」

「医療の現場で働く人の給料の問題にしっかり対応してくれればいい」。8日、首相の安倍晋三は首相官邸を訪れた横倉にこう伝えた。アベノミクスの恩恵はサラリーマンにとっては賃金の引き上げであり、医師らにとっては診療報酬の引き上げだ。
安倍はかつて自民党社会部会長(現厚労部会長)として診療報酬改定に直接かかわった。社会保障は得意分野でもある。官邸主導が強まる安倍政権の政策決定のなかで、安倍の意向抜きの「本体プラス」はありえないという見方は有力だ。=敬称略

【日経新聞】




私は後段の意見だと思っています。
by kura0412 | 2015-12-25 14:59 | 政治 | Comments(0)

薬剤、調剤の方は凄いこでとになっていますね

中医協 薬価制度改革の骨子まとめる

厚生労働大臣の諮問機関である中医協=中央社会保険医療協議会は、25日の総会で、医療費の抑制に向けて、価格が安い後発医薬品、いわゆるジェネリックの価格をさらに引き下げることなどを盛り込んだ薬価制度改革の骨子をまとめました。

それによりますと、医療費の抑制に向けて、ジェネリックの使用を促進するため、現在、原則として新薬の60%とされているジェネリックの価格を50%に引き下げるとしています。また、予想販売額を上回った医薬品のうち、年間の販売額が1000億円を超えた物は最大25%、1500億円を超えた物は最大50%、それぞれ価格を引き下げる特例を設けるとしています。
さらに、一定期間がたってもジェネリックへの置き換えが進んでいない医薬品の価格を特例的に引き下げている今の制度について、これまで置き換え率が60%未満の物としていた価格の引き下げの対象を、70%未満にまで拡大するとしています。
厚生労働省は、こうした制度の改革で国費の削減分はおよそ500億円に上るとしています。中医協は、この薬価制度改革の骨子に基づき、年明けから具体的なルールの議論を進め、来年4月から実施することにしています。

【NHK NEWSweb】
by kura0412 | 2015-12-25 14:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

日歯会長予備選挙結果・堀憲郎氏当選

日本歯科医師会会長予備選挙結果
堀  憲郎氏  372票(当選)
山科  透氏  225票
富野  晃氏  040票
 
  ・選挙権者総数 641人
  ・投票総数   637票(12月24日(木)午後2時到着分)
   (内訳)有効投票数 637票
        無効投票数 000票


御礼のご挨拶(日歯会長予備選挙結果について)

この度の日本歯科医師会会長予備選挙に当選させて頂きました。
日本歯科医師会会員の皆様、選挙人の皆様、そして支援頂いた後援会の皆様に心から感謝したいと存じます。
まだ予備選挙に当選した段階に過ぎませんが、「歯科界として、内外にきちんとけじめを示したい」という、選挙の目的のひとつは達成できたと認識致します。
今後は、3月の代議員会で承認を頂いたら直ちに多くの課題に取り組めるよう遅滞なく準備を進めます。
今回の選挙で内外の多くの皆様から頂いた「何とか歯科界を変えて欲しい」という声を励みに、期待に背かぬよう全力を尽くしたいと存じます。
歴史を振り返って「あのときが歯科界再生への転機だった」と評価されるよう、歯科界の英知を結集して、歯科界全員でスクラムを組んで、実績を積み重ねたいと願います。
引き続きご理解とご支援をお願い申し上げて、当選のお礼と致します。

平成27年12月24日
堀 憲郎


【掘 憲郎後援会・蒼龍会HP】
by kura0412 | 2015-12-24 17:54 | 歯科 | Comments(0)

『お薬手帳、窓口負担引き下げへ…同じ薬局利用で』

お薬手帳、窓口負担引き下げへ…同じ薬局利用で

厚生労働省は2016年度の診療報酬改定で、患者が同じ薬局を複数回訪れた際、薬の名称や服用回数などを記録する「お薬手帳」に関する窓口負担を引き下げる方針を固めた。
手帳の利用を促すと共に、患者が「かかりつけ薬局」を決めて服用歴を自己管理しやすくする狙いがある。

お薬手帳は、主に薬剤師会などが発行するA6判サイズの冊子。薬の重複や悪い飲み合わせを避けるため、処方された薬の名称やアレルギー歴、副作用歴などが記録される。
現行制度では、薬剤師が薬の処方情報を手帳に記入すると、診療報酬の「薬剤服用歴管理指導料」として1回につき410円が加算され、患者には原則3割の120円の窓口負担が生じる。厚労省などによると、手帳の所持や持参は任意のため、窓口負担を嫌う患者が交付そのものを拒否するケースもあり、薬の処方全体のうち約2割は、手帳への記録がないまま行われているという。

【読売新聞】
by kura0412 | 2015-12-24 17:17 | 医療政策全般 | Comments(0)

調剤の方は『薬剤費ベースで7100億円前後消失』

平成28年度診療報酬改定 本体プラス0.49%(歯科:0.61%)、薬価等1.33%の引き下げに

政府は平成28年度診療報酬改定について、医師・歯科医師の技術料などの本体部分を0.49%(国費で500億円程度)引き上げ、薬価部分については市場価格に合わせ1.33%(国費で1300億円程度)引き下げることを決めた。ネットではマイナス0.84%となる。全体のマイナス改定は平成20年度の改定以来8年ぶりとなるが、前回平成26年度診療報酬改定も消費増税に伴う補填分を除けばマイナス改定であり、実質は2回連続のマイナス改定となる。

今回の改定は、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価や質の高い在宅医療の推進など地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携等、効率化・適正化を通じた制度の持続可能性の確保に視点が置かれた。医科・歯科・調剤の配分は、医科:1、歯科:1.1、調剤:0.3を堅持することになり、結果、医科:プラス0.55%、歯科:プラス0.61%、調剤:プラス0.・17%となった。また、薬価部分については薬価:1.22%、医療材料:0.11%の引き下げとなる。なお、厚労省は薬価の市場拡大再算定で0.19%、合計1.52%引き下げるとしており、その場合、ネット改定率はマイナス1.03%となる。

日本歯科医師会の山科透会長は12月21日、診療報酬改定に係わる臨時記者会見を開き、本体プラス0.61%の結果について要旨以下のとおり見解を示した。——平成26年度改定では、本体プラス0.73%だったが、このうち0.63%は消費税分であり、実質的な本体のプラスは0.1%だけであった。今回は消費税の要素は含まれていないため、医科も歯科も大きなプラスになったと考えている。平素から政府・与党に対し協力的に接し、ある時は我々の思っているところを強引なくらいの姿勢で臨むことが大切であり、今後も『お願い』ではなく『具体的にどれだけの財源が必要かを明示して訴え続けていく』ことが重要になる——
また、山科会長は日歯連盟による政治資金規正法違反事件の影響について「平成18年度改定とは異なり、事件による影響は全くなかった。日歯が事件に関わった形跡はなく、厚労省内の各審議会等でも謝罪の必要はないとされてきた。我々の正当な要求は受け入れられるとの感触を得ていたし、歯科議連にも訴えるべきことは訴えた。改定結果は、歯科環境が厳しいことについて理解が得られたということだと思う。今後、地域医療の充実を図ることについて国の考えと一致しているし、歯科の役割についても議員や政府から確約を取れたと自負している。事件と言えば事件だが、影響は全くなかったと言って構わないと思う」と述べた。

【デンタルタイムス21 Online】



本誌試算 16年度薬価改定 薬剤費ベースで7100億円前後消失 7%強に相当

塩崎厚労相と麻生財務相は12月21日、大臣折衝を行い、2016年度診療報酬改定を本体プラス0.49%(国費プラス500億円程度)とし、外枠改定分として610億円程度を改定財源とすることを決めた。医薬品関連では、特例再算定として280億円程度、通常の市場拡大再算定として200億円程度、経腸栄養用製品の給付適正化で40億円程度、湿布薬の枚数制限などで30億円程度、後発医薬品関連で20億円程度を追加財源とした。この結果、薬価に関しては、市場実勢価格に基づく薬価引き下げで1200億円、特例再算定など外枠改定分で500億円を確保した。これにより単純計算で国費ベース1700億円分が引き下げられることになる。本誌が試算したところによると、薬剤費ベースに換算すると7100億円前後で、7%強の市場が消える。
今改定における市場実勢価に基づく薬価の引き下げは国費ベースで1.22%引き下げ、薬価ベースに換算すると5.57%の引き下げとなる。今改定は市場拡大再算定を外枠改定とした。このため過去の薬価改定率と比較する場合は、今回の市場拡大再算定分として国費ベースで0.19%、薬価ベースで0.90%引き下げを加える必要があり、これらを合算した国費ベースで1.41%、薬価ベースで6.47%の引き下げを用いる。
後発医薬品関連では、初収載の後発医薬品の薬価0.5掛け(10品目超の内用薬では0.4掛け)、後発医薬品への置き換えが進まない長期収載品の特例的引下げ(いわゆるZ2)の置き換え率の引上げで、国費ベースで20億円を確保する。

◎巨額な医薬品「特例再算定」は国民皆保険堅持の観点から 田村前厚労相
塩崎厚労相は大臣折衝後の記者会見で、前回改定の0.10%の約5倍、さらには前自民党政権時代の2008年度改定の0.38%を上回るプラス0.49%を実現できたと説明。「医療機関の経営状況や医療従事者の賃金動向を踏まえて適切な財源を確保できた」と評価した。
一方で、国民皆保険堅持の観点から、巨額な売上をあげる製品については鋭い切込みがあった。田村憲久前厚労相は同日昼に行われた自民党厚生労働部会後に記 者団に対し、「製薬企業がどう思っているかわからないが、思ったよりも利益が上がっているのは確かだ。公的保険の持続性を考えるのであれば、一定のことをせざるを得ない」と語った。イノベーションを阻害するとの指摘が製薬業界側にあることに対しては、「公的保険がなくなったらイノベーションどころではない。公 的保険がパンクしたらその時点で全部自費でやってくれということになる」と述べ、理解を求めた。

◎7100億円前後消失 企業経営へのインパクト大 ビジネスモデルの転換も
今回の薬価改定に伴い薬剤費ベースで7100億円前後が消失する。製薬企業各社の業績にも大きなインパクトをもたらすことになるだろう。各社の業績を支えたブロックバスターが相次ぎ特許切れの時期を迎え、その一方で国は後発医薬品の80%目標の達成を閣議決定した。塩崎厚労相も大臣折衝後の記者会見で、16年度改定を契機に、今後3年間を重点改革期間と位置づけ、「改革工程表に沿った着実な実行」を求めたところ。ならば政府は後発医薬品80%の着実な達成に向け、まずは17年央の数量シェア目標70%をクリアするための施策を繰り出してくることは間違いない。長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却はもはや避けられないだろう。一方、今改定では巨額医薬品に対する「特例再算定」も導入された。17年度には消費税増税改定が、18年度には再び薬価通常改定が控えるだけに、製薬企業の経営は正念場を迎える。厚労省はこの改革を通じ、「地域包括ケアシステム」への転換を強固に推し進める方針だ。今改定を通じ厚労省は、新しい医療マーケットに見合うビジネスモデルの構築をメッセージとして製薬各社に突き付けられたともいえそうだ。

【2016年度診療報酬改定等】(国費▲1500億円程度/医療費(平年度ベース)▲6200億円程度)
(1)診療報酬本体 +0.49%(国費+500億円程度)
各科改定率 医科 +0.56%
歯科 +0.61%
調剤 +0.17%
(2)薬価等
①薬価▲1.22%(国費▲1200億円程度)
※上記のほか
・市場拡大再算定による薬価の見直し(国費▲200億円程度)
・年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施(国費▲280億円程度)
等により国費▲500億円程度
②材料価格▲0.11%(国費▲100億円程度)
(3)診療報酬・薬価等に関する制度改革事項
①医薬品価格の適正化(国費▲500億円程度)
・新規収載された後発医薬品の価格引下げ
・後発医薬品の数量シェア目標の引上げを踏まえた長期収載品の特例的引下げの基準の見直し
・市場拡大再算定による薬価の見直し、年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施
②大型門前薬局等に対する評価の適正化(国費▲40億円程度)
③経腸栄養用製品に係る給付の適正化(国費▲40億円程度)
④その他(湿布薬の1処方当たりの枚数制限等)(国費▲30億円程度)

【ミクスonline】




調剤の方は相当切り込まれたようです。但し、今までが一本調子で上がっていました。これからは深掘りされて財源ねん出することが多々出てくるかもしれません。
by kura0412 | 2015-12-22 11:21 | 医療政策全般 | Comments(0)

『外枠改定』して歯科はプラス0.61%

16年度診療報酬改定 改定率本体0.49%引き上げ 
きょうの大臣折衝で600億円の「外枠改定」追加合意へ

安倍晋三首相と麻生太郎財務相は12月18日午後5時ごろ、首相官邸で2016年度診療報酬改定の改定率について会談し、本体を0.49%引き上げることを確認した。
薬価は、市場実勢価格に基づく改定を行うこととし、1.22%引き下げる。材料は0.11%引き下げる。これにより診療報酬全体(ネット)の改定率はマイナス0.84%となる。
ただ、特例再算定や大型門前薬局の適正化など改革項目による「外枠改定」で約600億円を追加財源とする考え。「外枠改定」は、きょう21日に塩崎恭久厚労相と麻生財務相による大臣折衝で合意される見通しだ。

16年度改定は、診療報酬全体(ネット)では、2008年度改定以来のマイナス改定となる。ただし、14年度改定は消費税増税分を上乗せしており、実質的には2回連続マイナス改定となる。医科、歯科、調剤の配分は1:1.1:0.3を堅持し、医科はプラス0.55%、歯科はプラス0.61%、調剤はプラス0.17%となる。

◎「外枠改定」特例再算定で280億円、大型門前適正化で40億円
「外枠改定」の項目は、C型肝炎治療薬や抗がん剤・アバスチンなど1000億円超の巨額医薬品に対する「特例再算定」で280億円、通常の市場拡大再算定で200億円、大型門前薬局の適正化で40億円を財源とした。“抜本的な改革”を求められた調剤報酬だが、これによりネットでも30億程度のプラス改定となる見通し。そのほか、後発医薬品の初収載時の0.5掛け(10品目を超える内用薬は0.4掛け)に加え、湿布薬や経腸栄養食品の適正化などで、約80億円の財源を確保した。
そのほか、協会けんぽへの補助金を抑制。財務省は社会保障費の伸びを当初の6700億円から1700億円圧縮し、年間約5000億円とすることを求めていた。厚労省側は5000億円まで圧縮した上でさらに、プラス改定の財源を確保したことになる。

◎「プラス改定」を実現させた政策プロセスの変更
厚労省は、2016年度、18年度、20年度の改定を通じて、2025年に到来する超高齢化社会に向けて「地域包括ケアシステム」の構築を目指している。財務省もこの点には理解を示し、社会保障改革を単年度ベースとせず、今後3年間を重点改革期間とした改革工程表を作成し、それに基づいた政策を実施するようプロセスを変更している。このため今回の診療報酬改定に向けた財務・厚労の折衝では、社会保障費の伸びの圧縮が必要であるものの、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師の推進など、診療報酬本体プラスを容認する方向に傾いてきた。
2000年代前半の小泉政権時代には社会保障費の自然増に2200億円のキャップがはめられ、診療報酬本体に切り込むマイナス改定の連続から地域医療が崩壊した経緯がある。加えて日本医師会など医療団体も改定ごとに執行部が交代を繰り返し、政策の路線が定まらない時期もあった。今回の地域包括ケアシステムはまさに地域医療の再整備を目指すものであり、厚労省は、地域医療を担う医師会や薬剤師会との連携・協力が必要と判断した。なお、16年には参院選に加え、日本医師会、日本薬剤師会ともに会長選挙が控えている。
この間の財務省との折衝を通じても、厚労省はこの点を強く訴求し、2008年度改定のプラス0.38%を上回る改定率を目指した。さらに与党自民・公明の厚労関係議員とも連携し、最終的には日本医師会の横倉義武会長や日本薬剤師会の山本信夫会長が安倍首相に直談判するなど強い要請により、0.49%のプラス改定を実現させた。

【ミクスonline】



外枠改定など改定率の課程に変化があったようです。
by kura0412 | 2015-12-21 08:56 | 医療政策全般 | Comments(0)

『16年度、診察料は0.49%増額』

診療報酬8年ぶり下げ 16年度、診察料は0.49%増額

診療報酬は医療サービスの公定価格で、診察料と薬価からなる。2年に1度見直しており、患者はこのうち原則3割を窓口で払う。
財務省と厚生労働省は財政健全化に向けて、来年度の予算編成で社会保障費の伸びを概算要求から1700億円分抑える方針だ。市場価格の下落による薬価改定はマイナス1.33%(医療材料含む)で約1500億円分。さらに約200億円以上を削る必要があった。
そのため厚労省は来年度、高額医薬品の価格を最大5割値下げするなどの制度改革で約600億円を削減する。その結果、社会保障費の抑制は1700億円を大きく超える。超えた部分を診察料の積み増しに充てる。
診察料と薬価を合わせた全体の改定率は単純計算でマイナス0.84%。制度改革の効果も含めた最終的な改定率を21日に決める。薬価と全体の改定率はコンマ数ポイント下がる可能性がある。

【日経新聞】



残りの200億円削減の財源の明細はまだ決まったないようです。政治的な判断での決着であるのはいうまでもありません。
by kura0412 | 2015-12-19 08:56 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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