<   2015年 06月 ( 16 )   > この月の画像一覧

複雑な心境ー東南アジアでクリニックチェ-ンが他の会社の株式取得

Q&Mデンタル、歯科3社の株60%取得

Q&Mデンタル・グループ(シンガポール取引所上場の歯科クリニックチェーン) マレーシアのペナンで営業する同業3社の株式の60%を1229万リンギ(約4億円)で取得することを22日、明らかにした。

この3社は同国有数の大都市、ペナンにスマイルベイ・デンタル外科クリニックを6つ所有している。既に所有するクアラルンプールとジョホールバルの8つを合わせると、同社がマレーシアで展開するクリニックは14になる。
1996年創業のQ&Mはシンガポールに71のクリニックを所有し、市場シェアは9%。近年は海外への進出に力を入れている。中国東北部の中規模都市を重視し、2014年には瀋陽に3つの大型歯科医院と3つのクリニックを持つグループの株式60%を1億800万元(約21億5000万円)で取得した。遼寧省東港市の2つの大型歯科医院の株式60%も取得している。(

【日経新聞】



こうゆう話題が日本ではあまり聞かれないことは零細経営の我々にとって喜ばしいことなのか、また経済界としては成長しない分野とみられて悲しいことなのかは複雑な心境になります。
by kura0412 | 2015-06-29 12:15 | 歯科 | Comments(0)

3M社製CAD/CAM材料販売中止へ

CAD/CAM材料「ラヴァ™ アルティメット」 販売中止へ

スリーエムジャパン株式会社ヘルスケアカンパニーは、「ラヴァ™ アルティメット」(歯科切削加工用レジン材料製品)の販売を6月19日付けで中止することを発表した。

同製品は2012年より販売していたが、今般、海外3Mの調査で、被せ物用途について一般的な脱離率と比較し、同製品の脱離率が高いことが判明した。この結果を受け、同社として同製品が3Mとしての品質レベルを満たしていないと判断し決定したという。なお、インレー、アンレー、べニアに限定した製品については、後日改めて発売を予定するとしている。
■販売中止日:2015年6月19日(金)
■販売中止対象製品名
〈製品番号:製品名〉
▼69140等:ラヴァ™ アルティメット (CNC500ミリングマシーン用)歯科切削加工用レジン材料 全製品
▼2012A2-LT等:ラヴァ™ アルティメット ブルーマンドレル(汎用ミリングマシーン用)歯科切削加工用レジン材料 全製品
▼2912A2-LT等:ラヴァ™ アルティメット(セレック®用)歯科切削加工用レジン材料 全製品(シロナデンタルシステムズ株式会社の取り扱い製品です)

【歯科 News & Topics | DENTAL VISION】



この製品が保険適用になっているのかどうかは確認していませんが、いろいろな所で波紋が広がるかもしれません。
by kura0412 | 2015-06-24 11:04 | 歯科 | Comments(0)

『医療適正化も成長の新エンジン』

医療、適正化も「成長の新エンジン」期待、骨太の方針
後発品は、2017年央までに70%以上

政府の経済財政諮問会議が6月22日に開かれ、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針)について、大筋で合意した(資料は、内閣府のホームページ)。後発医薬品の利用目標については、「2017年度末まで80%以上」とするように求める声がある中、「2017年央までに70%以上」と盛り込まれた。2020年までのプライマリーバランス黒字化が最大の目標となる中、医療などの社会保障については、民間企業が請け負う領域の拡大を想定して「成長の新たなエンジン」としている。一方で、地域間の医療費格差縮小などに焦点を当て、歳出を減らす方針も打ち出している。同日、産業競争力会議も開かれ、「日本再興戦略 改定2015」を大筋合意(資料は、首相官邸のホームページ)。内容として、個人番号カードを保険証に活用する方針や、海外から患者の受け入れ意欲のある病院を「日本国際病院(仮称)」として発信することなどが盛り込まれている。いずれも、6月30日に閣議決定する見込み。

社会保障改革「国民運動に」
「骨太の方針」においては、医療を含む「社会保障」については、「歳出改革の重点分野」との位置付け。社会保障改革の基本的な考え方では、持続可能性を重視すると同時に、「国民の納得感を醸成し、その参加の下に改革を進める」と言及。社会保障給付費の増加抑制について、「個人や企業の保険料等の負担の抑制することにほかならない」とも書かれている。会議で、安部晋三首相も、社会保障改革について、「国民運動として取り組むことで、公共サービスの質を低下させることなく、抑制を実現する」との考えを示した。医療界などに改革に慎重な意見がある中で、国民に広く理解を得ることで、スムーズな歳出適正化改革につなげたい意図が見える。
社会保障費の伸びについては、ここ3年の伸びが、高齢化の増加分1.5兆円程度となっていることを踏まえて、2018年度までに、今の基調を維持し、集中改革期間に取り組みを進めた上で、「2020年度に向けて、高齢化による増加分と消費税率引き上げを行う充実等に相当する水準に収めることを目指す」としている。全体として伸びの範囲にキャップをかけたとの見方に対して、終了後の会見で内閣府特命担当大臣(経済財政政策)の甘利明氏は、経済物価動向も踏まえる点に言及し、経済成長次第で伸びを容認する可能性に含みを残した。

「後発品の使用の原則化」の検討も
具体的な項目も並んでいる。政府が力を入れたのは、病床数や平均在院日数の地域差。地域医療構想の策定とデータ分析をする中で、「見える化」した上で、入院受療率の地域差縮小などの地域差解消を目指す。外来医療費も対象とする方針。
後発医薬品の利用率については「2017年央までに70%以上」と明記された上で、2018年から2020年のなるべく早い時期に80%以上とすることを求め、「保険制度における後発医薬品の使用の原則化」の検討も求めている。ただ、厚生労働省が主張した通り、医薬品の安定供給や、医薬品産業の国際競争力強化に向けた措置の検討も盛り込まれた。薬価改定についても、「毎年改定」は外れたものの、消費税率10%引き上げに向けて、実質的に3年連続で診療報酬改定が必要なことから、「(3年間の)改定実績も踏まえて、その頻度も含めて検討する」とされた。また、日本医師会などが強く反対している外来時の定額負担は、かかりつけ医の診療報酬上の対応を合わせて、検討事項として挙がっている。
適正化の項目が並ぶ中一方で、医療は、他の公共サービスも含めて、「成長の新たなエンジン」に育てる方針となっている。公的分野への民間企業の協力などを通じて、効率化を実施し、新サービスの創生などを狙っている。具体的には、医療関係職種の活躍を促進するほか、医療法人や医療関係者の実施可能な業務範囲については、「障壁となっている規制がないかを検証」するとし、グレーゾーンの解消を目指す方針。この日の会議で、諮問会議の民間議員は、「公的サービスの産業化は重要で、官需主体から民需主体のバトンタッチがアベノミクスの本質」と指摘した。

その他、骨太の方針に盛り込まれた医療関連の主な事項は、以下の通り。
・2016年度改定における保険薬局の収益状況も踏まえた調剤技術料・薬学管理料の妥当性の検証
・高齢者医療確保法第14条の診療報酬特例(都道府県別診療報酬)の在り方検討
・機能に応じた病床の点数・算定上要件の適切な評価
・国民への疾病予防、後発医薬品の使用、適切な受療行動のさらなる促進と、セルフメディケーションの推進
・金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みの課題整理と検討

「日本国際病院」を発信
産業競争力会議でおおむね了承された「日本再興戦略」にも医療関連の項目が含まれている。個人番号カードについては、2017年7月以降の早期に、医療保険のオンライン資格確認システムを整備する前提で、個人番号カードを健康保険証として利用できるようにする方針が盛り込まれた。  マイナンバー制度活用に向けては、年金、国税、地方税の各種行政手続きを一括処理できるようなワンストップ型サービスを提供し、年間10万円を超えた場合、所得税や住民税における「医療費控除」の申告手続きにおける簡素化を実施したい考え。
医療の国際化に向けては、アウトバウンド、インバウンド、ともに推進する方針。海外から患者を呼び込むインバウンドにおいては、受け入れ意欲のある医療機関については、「日本国際病院(仮称)」として、海外に発信する。アウトバウンドについては、新興国や途上国に対して、日本の医療を輸出するための基盤となる保健サービス、システム強化を支援していく考えを示している。
国家戦略特区においては、離島やへき地以外での遠隔診療の取り扱いの明確化、往診などにおける「16キロルール」の保険適用の柔軟化、予防医療ビジネスの推進などを目指す方針となっている。

【m3.com】



この考えがベースにあって改定作業は進められるのでしょうか。
by kura0412 | 2015-06-24 10:58 | 医療政策全般 | Comments(1)

南シナ海の緊張は共通認識のようです

 『南シナ海波高し』

海洋法上、島とは満潮時にも海面上に陸地が出ているものと定義されています。満潮時に海面の下にある岩礁を埋め立てて、島であると主張してもそんなことは認められません。そんな人工島をベースに領海や排他的経済水域を主張することも認められません。

平成16年12月に訪中した折、この海洋法をめぐる解釈について、当時の対日政策のキーマンである国務委員(副首相級)と激論になりました。この年、沖ノ鳥島周辺における事前通告なしの調査船の活動など、わが国の国民感情を害する事件が多発しました。そこで、私は「お互いにナショナリズムを煽り立てることは不幸なことであり、貴国はもっと行動を慎むべきではないか」と、指摘しました。
すると、彼は「太平洋上にある島を根拠に排他的経済水域を設定しているようだが、あれは岩礁に過ぎない」と、切り返してきました。
この発言に対して、私は「沖ノ鳥島は満潮時でも水没しないが故に、岩礁ではなく明らかに島である。かつて、満潮時には水没してしまう岩礁に高床式の掘っ立て小屋を立てて、南沙諸島を実効支配した貴国にとやかく言われる筋合いはない」と、反論しました。
このやり取りを鮮烈に覚えていた私は平成21年秋に財務副大臣に就任すると、最初に手がけた補正予算の中に沖ノ鳥島と南鳥島の整備費約7億円を計上しました。岩などといわれのない批判を受けないための「小さくてもキラリと光る予算」だったと自負しています。

一方、緊張が高まっている南シナ海において、中国が着々と進めている埋め立てによる人工島づくりは、明らかに国際規範への挑戦です。今回の場合は、高床式の掘っ立て小屋の比ではなく、滑走路を有する軍事施設として利用することも可能になります。これ以上既成事実が勝手に作られていくことを看過してはなりません。
フィリピン、ベトナム等の近隣諸国のみならず、南シナ海は重要な通商ルートでもありますので、懸念を有する関係国との強い連帯が必要です。中国は人工島の12カイリ内を領海と主張するでしょうが、長年にわたり国際法に則り航行の自由を貫いてきた米国との連携は不可欠になります。

【野田佳彦衆議院議員ブログ】



南シナ海は緊迫の度を増しているのは野田元首相も認識しているようです。
となるとこの考えと安保法案はどうリンクするのか否か。
by kura0412 | 2015-06-24 10:31 | 政治 | Comments(0)

<日歯会長>高木氏を選任

<日歯会長>高木氏を選任 日歯連会長、捜査続く中

日本歯科医師会(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)を巡る政治資金規正法違反事件の捜査が続く中、日歯は18日、東京都内で代議員会を開き、任期満了に伴う次期会長に日歯連会長の高木幹正氏(70)を選任した。任期は2年。

日歯連が組織内候補を支援するために設立した政治団体を巡る2013年の資金移動が「迂回(うかい)寄付」などに当たるとして、東京地検特捜部は4月、日歯連を家宅捜索。こうした中での選任に、高木氏は「大変厳しい中、信任いただき、真摯(しんし)に受け止めたい」などとあいさつしたが、事件については「捜査が終わり次第、説明したい」などと述べるにとどまり、報道陣の問いかけにも応じなかった。
日歯内部には選任を問題視する声も根強く、出席した幹部の一人は「事件の説明が不十分で、不安だらけのスタートといった感じだ」、別の出席者は「新会長には世間から厳しい目で見られていることを自覚してほしい」と話した。

【毎日新聞】


日本歯科医師会の新執行部が正式決定、髙木幹正氏が新会長として記者会見

6月19日の日本歯科医師会代議員会終了後に行われた理事会で、新会長に髙木幹正氏が正式に決定し、記者会見で各役員の所管業務等が発表された。
あいさつに立った髙木新会長は、「まず前執行部からの引き継ぎをしっかりと行った上で具体的な政策立案を進めていく。会長予備選挙で示した通り、歯科界の環境改善が第一の課題と考えている。組織としては政策集団から政策実現集団を目指し、前執行部の提案等を具現化していきたい」と抱負を述べた。
また、髙木会長は質疑の中で信任投票の結果について、「選挙を行えばさまざまな主義主張の違いが明らかになる。結果を真摯に受け止め、会務運営に反映させていく」とした。

【歯科 News & Topics | DENTAL VISION】
by kura0412 | 2015-06-20 14:01 | 歯科 | Comments(0)

日歯24名の理事選任

本日行われた日歯代議員会で現執行部から上程された、高木幹正氏以下理事24名、また監事3名は当選されたとのことです。
by kura0412 | 2015-06-18 18:05 | 歯科 | Comments(0)

薬価の仕組みにもメスが入るのか

後発薬価格下げ求める 行革会議、歳出改革で中間報告

政府の行政改革推進会議(議長・安倍晋三首相)で歳出改革を検討する有識者チームが17日午後にまとめる中間報告が明らかになった。
後発薬の使用促進に向け、後発薬の薬価引き下げや新薬の薬価の仕組みの改善を促すのが柱。後発薬の普及率を2013年度の46.9%から20年度に80%にする目標時期の前倒しも厚生労働省に求める。政府の財政健全化計画に反映をめざす。

後発薬の普及が進んでいない理由として
(1)後発薬メーカーは中小企業が多く医薬品の種類が多すぎる
(2)新薬メーカーは特許の期限切れ新薬に収益の多くを依存している
――と問題点を指摘。後発薬と新薬の薬価の仕組みを改善するよう求める。
具体的には後発薬は「先発薬の6割」となっている薬価をもっと下げ、大量生産して採算が見合う商品に絞り込むのを促す。
新薬メーカーが期限切れ新薬に頼らず革新的な新薬開発で利益を確保できるよう、期限切れ新薬の薬価を下げるとともに特許期間中の薬価を維持する新薬創出加算の仕組みを改め、より革新的な新薬開発を促す。

後発薬の普及率を80%に高める目標時期の前倒しに関しては当初、17年度をめざす方向で議論したが、実現性について有識者の意見が割れたため具体的な時期を明記するのは見送る。
中間報告は政府の財政健全化計画や経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映をめざす。最終報告は年末の予算編成に向けてまとめる。
有識者チームは土居丈朗慶大教授を座長に今春発足、後発薬の普及策などについて医薬品メーカーや日本医師会などの実務者から意見を聞いた。

【日経新聞】
by kura0412 | 2015-06-17 17:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

『日本老年学会が高齢者の定義見直しに関する声明』

日本老年学会が高齢者の定義見直しに関する声明
今年度内に正式発表

日本では高齢者を多くの先進国同様「65歳以上」と定義している。日本で行われてきた各種調査研究から,高齢者の生物学的年齢の「若返り」が進んでいるとの知見を踏まえ,日本老年学会は日本老年医学会と共同で今年度内をめどに高齢者の定義見直しに関する声明を取りまとめる。本日(6月12日)の第29回日本老年学会総会合同大会(同日〜6月14日,横浜市,会長=東京都健康長寿センター理事長・井藤英喜氏)のシンポジウムで,日本老年学会理事長の甲斐一郎氏が明らかにした。

「現在の高齢者は10~20年前に比べて5~10歳は若返っている」
日本では,現在65~74歳を「前期高齢者」,75~89歳を「後期高齢者」,90歳以上を「超高齢者」と定義している。日本の人口構造が劇的に変わる中,1990年には1人の高齢者を5.1人の生産人口(20~64歳)で支えていたところが現在(2012年)は2.4人,2060年には1.2人で支えるようになると予測。増える「高齢者」の実態を分析し,社会状況の変化に応じた在り方の見直しが喫緊の課題となっている。

日本老年学会は「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」(WG,座長:甲斐氏,日本老年医学会理事長・大内尉義氏)を設置。大内氏はシンポジウムの中で「高齢者の定義見直しには,ネガティブなイメージの“高齢者”を社会の支え手としてモチベーションを持った存在と捉えポジティブなイメージに変える意義の他,社会の支え手を増やし,明るく活気のある高齢社会を築くといった意義もある」と説明。一方,高齢者の社会参画を進めるに当たり「高齢者の身体能力の改善は未来永劫続くのか」「社会保障政策への影響」といった点についても議論や検討が必要との見解を示した。
WGでは,高齢者の定義見直しの基礎資料となる国民の意識調査や疾病構造,身体・心理・社会機能の変化に関する検討を重ねてきた。現時点で示された声明の要旨は次の通り。声明の内容は昨日の同学会理事会で了承され,今年度末をめどに最終的な取りまとめが行われる見通し。

日本老年学会からの声明
最新の科学データでは,高齢者の身体機能や知的能力は年々若返る傾向にあり,現在の高齢者は10~20年前に比べて5~10歳は若返っていると想定される。個人差はあるものの,高齢者には十分,社会活動を営む能力がある人もおり,このような人々が就労やボランティア活動など社会参加できる社会をつくることが今後の超高齢社会を活力あるものにするために大切である。

国民の意識調査による高齢者は「70歳」
シンポジウムではWGの委員らが,これまでの検討で得られた知見を紹介した。荒井秀典氏(国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター長)によると,昨年(2014年)12月に実施された内閣府の高齢者に関する意識調査では「70歳から」を高齢者と自覚,あるいはその年齢に達していなくてもそう捉える人が増加。過去17年間の同調査結果の推移を見ると「何歳からを高齢者とすべきか」の年齢が上昇していたことが分かった。

慢性疾患による受療率,死亡率の解析から「生物学的年齢の低下が示唆」
秋下雅弘氏(東京大学附属病院老年病科教授)らは,患者調査などの解析を実施。65~79歳の年齢層の脳血管疾患や骨折,肺炎といった慢性疾患の受療率が1995年から徐々に低下しており,受療率低下に影響するこれらの疾患による死亡率や要介護認定率も同様に低下していたと報告した。同氏は「高齢者の健康状態の改善,そして疾患によっては患者層がより高齢期に移行していることから5~10歳の生物学的年齢の低下が示唆される」と考察した。

高齢者の「若返り」で生活機能評価も変化
東京都老人総合研究所の「中年からの老化予防・総合的長期追跡研究(TMIG-LISA)」や国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NIL-LSA)といった各種検討から,歩行速度や血液検査所見などで示される高齢者の健康度や身体機能は過去にくらべ顕著に高まっている,と指摘したのは鈴木隆雄氏(国立長寿医療研究センター研究所)。こうした変化を受け,1986年に開発された高齢者の生活機能の評価ツール「老健式活動能力指標」は最近見直された。同指標と同氏らが2013年に開発した「新活動能力指標(JST版)」の評価項目を比べると,過去と現在の高齢者の能力の差は一目瞭然だ。新しい評価スケールには,項目が増えただけでなく,DVDプレーヤーの操作や携帯のメールや,詐欺やひったくりに関する質問も盛り込まれている。いずれも時代を反映する項目だが,同氏によるとすべて妥当性の評価を経て組み込まれている。

心理的機能や歯数の評価からも,老化の遅れ示す変化
この他,NILS-LSAなどの解析結果から「最近の70歳代はかつての50~60歳代に匹敵するほど,心理的な老化の発現が遅くなっている」(内藤佳津雄氏,日本大学文理学部心理学科教授)との成績や,「咀嚼機能に必要な20本の歯数を維持する年齢は徐々に向上し,昭和時代の65歳の歯数は今や80歳前後に相当する。歯数を前提にすれば高齢者の定義は変わる」(那須郁夫氏,日本大学松歯学部教授)などの知見も報告された。

若返った高齢者は「生涯現役」であるべきか
高齢者の「若返り」のエビデンスが次々と示され,明るく活気ある高齢社会への機運が盛り上がりそうな中「“元気で長生きの高齢者”が社会参画し続けるべきか」にあえて疑問を投げかけたのは,古谷野亘氏(聖学院大学人間福祉学部教授)。以前は「老人」だった言葉が「高齢者」に取って替わり,年齢による線引きを導入せざるを得なくなったと指摘した。身体・認知機能の加齢変化を遅らせる意義に異論はないものの,例えば高齢者の就業継続が若年者の就業や高齢者自身の生き方の多様性などに与える影響も考慮すべきとの問題を提起。「社会生活の加齢変化は,遅らせるのが望ましいとは限らない」との考えを示した。

【MT Pro】


予てから私も早期に見直す必要があると考えていました。那須先生の報告は非常に興味深いものがあります。この結果は、医療だけでなく社会全般に大きな影響を及ぼしそうです。
by kura0412 | 2015-06-16 09:16 | 医療全般 | Comments(0)

安倍・橋下会談

それでも安全保障法案は今国会で成立へ。安倍首相と橋下徹・維新最高顧問との会談で形勢は明らかに

今国会の最大の焦点である安全保障関連法案に逆風が吹き荒れ、同法案の今月中の衆院通過が危うくなっている。首相・安倍晋三のやじ、自民党推薦の参考人までが衆院憲法審査会で「同法案は憲法違反」と断じたことが集中砲火を浴び、加えて年金情報の流出が国民の政府不信を招いている。
このため、法案審議が滞り、成立させるためには今月24日で切れる今国会の大幅な会期延長は必至だ。しかし、だからといって、安保法案が今国会で成立しないことはあり得るのだろうか?

法案、難解でも…
安保法案の最大の弱点は分かりづらさにある。
法案は抽象的な概念の羅列で、自分の身に引き寄せて考えるのが非常に難しい。具体的事例を挙げて説明しようとすると、中国を仮想敵国とすることになり、政府は中国を例にして説明することができない。
南シナ海の南沙諸島における中国の岩礁埋め立てを見れば、中国の脅威が高まり、この脅威に米国一国だけで対処できなくなっている。だから、日本が「一国平和主義」にとどまらず、国際的役割を果たさなければならなくなっていることは、なんとかのみ込むことができる。
しかし、自衛隊が出動できる状況を定義している5つの事態のうち、とくに「存立危機事態」、「重要影響事態」の区分けが分からない。
前者は「他国に対する武力攻撃によって日本の存立を脅かす事態」。後者は「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」となっている。だが、「存立を脅かす」ことは「平和と安全に重要な影響を与える」のと、どこがどう違うのだろう。
このため、賛否を問われたなら、にわかに賛成するとは言い難い。だが、法案の成否を問われたならば、以下の理由から成立する可能性が高いと見ている。

数、景気、安倍の決意が強み
まず、「数の力」だ。
国会の攻防では民主党などが押しているように見えても、最後にものを言うのは各党の議席数だ。自民党は290、公明党の35を含めると325で、与党は参院で否決されても衆院で再可決できる3分の2の議席を持つ。これに対し、民主党は72、共産党の21を含めても93にすぎない。
参院でも与党が過半数を持っている。にもかかわらず、衆院での再議決をすることになったら、2013年の参院選で有権者はなぜ自民党に多数を与え、「衆参ねじれ」を解消したのかということになる。
次に、報道機関による世論調査で、「政府の説明は不十分」「今国会での成立反対」との声が8割に達しても、6月の内閣支持率は3~5ポイント程度下がっただけだ。支持率は依然として、不支持率を10ポイント以上上回っている。つまり、安保法案への批判が内閣支持率低下には直結していない。有権者は安倍内閣の経済政策に一定程度、満足しているためとみられる。
加えて、安倍の強い意志だ。
安倍は4月末、米議会上下両院合同会議で安保法制についてこう言明した。
「戦後初めての大改革です。この夏までに成就させます」「必要な法案の成立を、この夏までに必ず実現します」
このように約束したのに、できませんでしたということになれば、安倍政権の信任が揺らぐ。

これに対し、野党陣営では、民主党は今月1日に次期衆院選小選挙区の第1次公認候補53人を決定した。この中には維新の党の現職とバッティングする選挙区が含まれ、維新の神経を逆なでした。
また、民主党は国会で維新とは別行動を取り、12日、衆院厚生労働委員会の開催を実力で阻止し、衆院平和安全法制特別委員会の審議を拒否した。民主党が頑なな姿勢を取れば取るほど、世論の支持を失い、維新も離れていく。
民主、維新両党間に生じたきしみを突くように、安倍と官房長官・菅義偉は14日夜、都内のホテルで、維新の党最高顧問の橋下徹(大阪市長)と顧問の松井一郎(大阪府知事)と3時間にわたって会談した。維新は安全保障法案の修正案を準備している。
安全保障法案がどのような形で衆院を通過するか、会期の延長幅がどの程度かはまだ分からない。しかし、攻防の形勢はしだいにはっきりしてきたのではないか。(敬称略)

【田崎史郎・ニュースの深層】




武力でなく外交で解決などといっているような状況ではなく、南シナ海の情勢は相当緊迫した情勢のようです。それを公的な発言で説明することも出来ないわけで、安倍政権としては辛い立場の部分もあるようです。
そして政治的には昨日の安倍・橋下会談は今後の政局に大きな意味をもつものだったのかもしれません。
by kura0412 | 2015-06-15 10:08 | 政治 | Comments(0)

再び年金問題が安倍政権を揺らがせます

何でこんなに遅いんだ 狙われた年金情報(ルポ迫真)

6日午後、東京都心のオフィス街にある日本年金機構の年金事務所。明かりを半分だけつけた部屋で、休日出勤の職員が自分の年金情報が漏れていないか、確認に来た人の対応に追われていた。

「あまりにずさんだ。インターネットにつないだ端末で個人情報を扱うなんてあり得ない」。怒鳴る男性に職員は「その通りです。申し訳ありません」と頭を下げた。
旧社会保険庁時代から約30年働くこの職員はぼやく。「人事交流も少なく、本部のことはよく分からない。でも本部のミスでも謝るのはいつも我々現場の職員だ」。125万件もの個人情報が流出する非常事態にあっても、本部と現場の一体感は見えない。
発端は福岡市だった。5月8日、JR博多駅近くにある機構の九州ブロック本部。午前10時半ごろ、公開メールアドレスに1本のメールが届いた。「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)に関する意見」。実在する文書と同じ表題に職員は疑いを抱かず、メールの末尾にあったアドレスをクリックした。
その直後、首相官邸に近い内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の室内は慌ただしくなった。「厚生労働省が関係するサーバーから異常な量のデータが通信されています」。NISCは同省に「不審通信あり」と通報。ウイルス感染が確認された。
機構が解析を依頼したウイルス対策会社は15日に「外部に情報漏洩するタイプではない」と報告。だがその後も攻撃は続いた。18日に東京を中心に大量の不審メールが届き、22日には九州で不審な通信をしているパソコン2台が発覚。NISCは厚労省に2度目の通報をした。それでも機構がネット接続を遮断したのは該当地域だけだった。
19日時点で機構は都内の高井戸警察署に捜査を依頼したが、厚労相の塩崎恭久(64)に一報が入ったのは警視庁が情報流出の可能性を指摘した28日になってからだった。
「なんでこんなに遅いんだ」。29日昼、個人情報流出の報告を受けた塩崎は周囲にいらだちをぶつけた。「原因究明と再発防止策をしっかりやれ」との号令が国会内の控室にむなしく響く。首相官邸に報告し、NISCから情報セキュリティ緊急支援チームの派遣を受け入れた塩崎は6月1日夕、記者会見を開き、事実を公表した。

「警告」は実は4年前から発せられていた。
2011年6月、東京都杉並区の日本年金機構本部。有識者でつくる運営評議会で、ネットを通じた個人情報の漏洩対策が議題になった。
「(国内外の組織で)最近、外部からの攻撃で個人情報が流出した例が相次いでいる。セキュリティー対策にご尽力いただきたい」。座長で東大教授の岩村正彦(58)らの問題提起に、機構本部の幹部は「考え得るリスクにしっかり対策を取っていく」と応じた。だがこの後、本部が約1万人の職員に厳しく注意喚起した形跡はない。
機構を監督する厚労省にも、対策を強化する機会はあった。
今年3月18日、政府は12省庁対抗のある競技会を都内で開いた。サイバー攻撃を想定し、情報漏洩の有無や被害端末特定の優劣を競う。厚労省は目標をクリアできなかった6省庁の中でも見劣りし、表彰式で「残念な結果だった役所は猛省してほしい」と官房長官の菅義偉(66)にくぎを刺された。その1カ月半後、今回の問題は起きた。
4年前からの警告を素通りし、場当たり的な対応を繰り返した年金機構。政府首脳や自民党の幹部には、持ち主が分からない約5000万件もの年金記録が見つかった07年の第1次安倍政権での悪夢がよぎる。ずさんな実態がさみだれ式に判明。追及を強める民主党に押され、09年の政権交代につながった。
「年金機構は旧社会保険庁そのもの。そこを議論しないと根本的な解決にならない」。6月4日、自民党本部で開いた会議で元厚労相の尾辻秀久(74)は力説した。記録問題に直面した当時の首相、安倍晋三が社保庁を「解体」して年金機構をつくったように、今回も怒りをぶつけるような組織論が浮上するのか。
塩崎は8日、衆院決算行政監視委員会でこう宣言した。「機構の組織を徹底的に見直す。そのために厚労省の監督も強化する」(敬称略)
125万件もの個人情報が政府機関から流出した。その舞台裏を探る。

【日経新聞】




第一安倍内閣が退陣となった原因の一つに年金問題がありました。官僚から上がってくる情報を信じて「最後の一人まで解決をする」と明言した安倍首相の発言が今でも思い出されます。
恐らく、安倍首相は一切官僚の発言を信じず、独自の情報収集と自らの判断を下すと思います。
安保法制の国会審議の行方、また新たな問題となったこの年金情報、アベノミクスの結果が出る前に安倍政権は大きなハードを超えなければいけないことなりました。
by kura0412 | 2015-06-09 09:39 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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