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医療のビッグデータ―の議論が進む

ビッグデータで医療費抑制 政府、電子カルテ分析

政府は2017年から病院のカルテ(診療簿)の収集と分析を始める方針だ。
新設する国の代理機関が全国の病院から患者名を伏せた形で電子カルテの情報を集め、匿名のビッグデータとして分析する。データは製薬会社や大学にも有料で開放する。効果的な治療法を導くとともに医療費の伸びの抑制を狙うが、個人の医療情報を病院以外が扱うことには日本医師会などに慎重論もある。
内閣官房に設置した健康・医療戦略室の「次世代医療ICT基盤協議会」で4月から制度設計を始める。今夏までにまとめる新しい成長戦略に盛り込む方向だ。16年の通常国会に個人情報保護法改正案を提出し、国の代理機関がカルテ情報を集められるようにする。

カルテの情報は全病院の2割程度で導入している電子カルテを通じて集める。
病院には分析結果と対価を出し、参加を促す。健康・医療戦略室はまず17年に1000程度の病院が参加し、30万~50万人のカルテが集められると見込んでいる。
カルテの情報からは薬の処方や検体、病理検査、放射線画像のデータなどの診療結果が分かる。ビッグデータとして分析すれば、効果の薄い治療方法をあぶり出せる。例えば、数百万円する抗がん剤の生活の質の改善や延命効果がどれぐらいか費用対効果も分かる。製薬企業や大学は医療データを新薬開発や研究に生かすことができる。
カルテを国単位で大規模に収集・分析するのは日本が初めてという。病歴という極めて高度な個人情報を扱うだけに、詳細な制度設計に入ると、医師会などとの調整が難航する可能性がある。

【日経新聞】



規制改革会議の方でもこのビッグデータ―については議論が進んでいるようです。
ただ、歯科の場合はレセプトの電子化が遅れています。そのがプラスなのかマイナスなのかはいろいろ議論があるところです。いいずれにしても、歯科界も避けては通れない課題です。
by kura0412 | 2015-02-27 10:55 | 医療政策全般 | Comments(0)

党税調のインナーメンバーがまた抜け(林農水大臣復帰)

「ポスト林」悩む自民…西川氏辞任余波 安保など重要政策の調整役、再入閣

西川公也前農林水産相の辞任の余波は思わぬところに及んでいる。
農水相で再入閣した林芳正氏は、安全保障法制の与党協議メンバーや自民党税制調査会の最高幹部など複数の重要政策の調整役を器用にこなし、党内の“便利屋”ともささやかれてきた。それだけに、党は林氏が務めていた各ポストの後継人事に頭を悩ませる結果に…。早速、林氏が仕切るはずだったある会議も延期された。

「速やかに後任をつくれたのはよかった。政策実現に向けて、しっかり取り組もう」
自民党の高村正彦副総裁は24日の党役員連絡会で、西川氏辞任の影響を最小限に抑えるよう指示した。
高村氏が最も気をもむのが、安保法制の与党協議メンバーの後任人事だ。
林氏は、約7カ月ぶりに再開した13日の与党協議で、正式メンバーになったばかりだった。ある公明党幹部は「協議再開の前に高村氏から『林氏ならいいよね』と言われた。西川氏の辞任より林氏の協議離脱がショックだ」と肩を落とした。
林氏は自民党の参院枠としての参加だが、複雑な安保法制を読み解ける自民党参院議員は少ない。27日に開催予定の次回協議まで、後継選びは難航しそうだ。
また、自民党は24日、郵政事業に関する特命委員会の初会合を、予定していた25日から来週以降に延期することを決めた。委員長に就くはずだった林氏の農水相就任に伴い、新たに委員長に内定した細田博之幹事長代行と党政調幹部との事前調整が間に合わなかったからだ。
林氏は今回の入閣直前まで、党農林水産戦略調査会長として農協改革案づくりも牽引(けんいん)してきた。新会長は西川氏が入れ替わりで就任する見通し。ただ、「少数精鋭」とされる党税調の最高幹部の後継者は、見つからないままだ。
林氏は自らを闘牛に例えて「いつも赤い旗(ポスト安倍)に突進しているわけではない」と周囲に語る。ただ、再入閣で「ポスト安倍」に向けた党内の足場固めの時間を奪われた格好となった。「便利屋」の域を脱するには、運と実力の双方が必要となりそうだ。

【産経新聞】



特に党税調は従来よりもインナーメンバーを絞って意いた中で、町田信孝議員が衆議院議長、宮沢洋一参議員が経済産業大臣、それに加えて今回の林農水大臣の起用でどんなことになるのでしょうか。
若手から台頭する議員が出るのか、あるいは官邸主導が更に強くなるのか。消費税の軽減税率の問題があるので注視する必要があります。
by kura0412 | 2015-02-25 16:38 | 政治 | Comments(0)

病名を作って医師の指導を付与

フィットネスクラブ、医師と連携し「予防医療」
高齢者需要を開拓

フィットネスクラブが医療機関と連携したサービスを相次ぎ始める。教育事業などを手掛けるポリゴンマジック(東京・港)は医療法人と共同で、医師による健康チェックが受けられるクラブの展開に乗り出す。高齢者の足腰を鍛えるプログラムを、医師のアドバイス付きで提供するサービスも始まる。フィットネスクラブは会員数が伸び悩んでおり、予防医療につながるサービスで高齢者などの需要を掘り起こす。

ポリゴンマジックは5月をめどに、医師が定期的に待機して利用者に健康アドバイスをするフィットネスクラブを東京都内に開業する。血液検査や3Dスキャナーを使って身体測定ができる設備を設け、運動と健康チェックを同じ施設内でできるようにする。
都内4カ所で診療所を運営する医療法人社団ナイズ(東京・渋谷)と共同で新会社「メディカルフィットネスラボラトリー(MFL)」を立ち上げて始める。年内にはナイズが運営する診療所の電子カルテと運動履歴を連携させ、より多角的に利用者の健康管理ができるようにする。利用料は月額3万5000円程度を見込む。3~4年で10カ所程度まで増やす。
フィットネスクラブ向けに運営コンサルティング事業を手掛けるパワーウェルネス・ジャパン(東京・新宿)は2月末にも、医師の指示に基づいて足腰の筋力を鍛える高齢者向けプログラムの販売を始める。3年間で20件のフィットネスクラブからの受注を目指す。

骨粗しょう症などにより歩行障害などがおこるロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防のための3カ月コースだ。高齢者はけがのリスクが高いため、医師のアドバイスに基づいてプログラムを組む。
日本生産性本部(東京・渋谷)によると、2013年の国内フィットネスクラブ市場は前年比3%増の4240億円。リーマン・ショック後は伸び悩み傾向が続いている。一方で国民医療費が40兆円に迫る中、国は生活習慣病などを未然に防ぐ予防医療に力を入れている。各社はこうした機運を追い風に、新しいサービスで会員の獲得を目指す。
健康コーポレーション傘下のライザップ(東京・新宿)は、医療機関が入る建物にフィットネスクラブを開設する新ブランド「ライザップ メディカル」の1号店を北九州市に開いた。トレーニングの開始前と終了後の合計2回、人間ドックの受診を組み込んだプランを用意する。来年2月までに、10医療機関と提携して施設を開設する。
大手では、最大手のコナミスポーツ&ライフが認知機能の低下予防プログラムを始めた。
セントラルスポーツは昨年12月、千葉大学医学部付属病院と包括連携協定を結んだ。糖尿病などの患者に向けて、退院後の運動プログラムを共同開発していく。

【日経新聞】




ロコモコ予防については、医師のアドバイスに基づいてのプラグラムの作成がミソです。
良い悪いは一旦置いといて、こうゆう発想を戦略的に考えないと広がりは難しい時代にきたのかもしれません。
by kura0412 | 2015-02-25 15:12 | 医療全般 | Comments(0)

異なる対応(調剤の薬歴未記載)

薬歴の記載状況、自主点検を要請 全国の調剤薬局に厚労省

ツルハホールディングス子会社の「くすりの福太郎」やイオン子会社の「CFSコーポレーション」の調剤薬局で薬剤師が薬剤服用歴(薬歴)を記載しないまま薬を出していた問題を受け、厚生労働省は24日までに、日本薬剤師会などを通じ、全国約5万の調剤薬局に薬歴の記載状況を自主点検するよう要請した。
塩崎恭久厚労相は24日の閣議後の記者会見で、「薬歴管理は本人の健康にとって必要だし、薬剤の使用が適正かを薬剤師がチェックするのも必要だ」と述べた。同省は3月中旬をメドに報告を求め、公表する。
薬剤師は患者ごとに服薬後の状況などを聞き取り、薬歴を記録する必要がある。
薬歴に基づき患者に適正な指導をして薬を出せば「薬剤服用歴管理指導料」として1回につき原則410円の診療報酬が得られる。今回の自主点検は2014年1月~12月に同指導料を請求したケースが対象。

【日経新聞】



記載をするのは保険請求のいろはです。(保険講習会で常に適切な記載を指導されます。)
でも今回は、件数が多いから指導、監査がないのでしょうか。
自主点検して記録がなかったならば、指導なしでも自主返金を求めるのでしょうか。
もし、医科や歯科とは異なった対応となると、今まで是正を求めていたのも拘わらず、頑なに拒んでいたのはいったい何だったのでしょう。
by kura0412 | 2015-02-24 17:06 | 医療政策全般 | Comments(0)

次期改定の中医協で議論始まる

在宅医療など次期診療報酬改定に関する議論をスタート―中央社会保険医療協議会・総会

厚生労働省は2月18日、全国都市会館において第291回中央社会保険医療協議会・総会および第41回調査実施小委員会を開催した。
総会の議題では、医療機器の保険適用、先進医療会議の検討結果の報告、最近の医療費の動向等に加え、「在宅医療(その1)について」が議題とされ、平成28年の診療報酬改定に絡む議論が始められた。
日本歯科医師会常務理事の堀憲郎委員は、「歯科では例えば20分ルールと呼ばれる、診療時間が20分未満であると評価が大きく下がるという問題や、在宅で高齢の夫婦を診療すると結果的に一人だけを診療した場合より評価が下がるといった矛盾点がある。次期改定では、そのような問題をしっかりと議論して対応して欲しい。また、今回の介護報酬改定をみると、特に歯科では介護と医療の連携や整合性について検討するべき部分があると考えいる。次期改定では30年度の介護との同時改定の対応も視野に入れての議論をお願いしたい」と要望した。
また、在宅療養支援歯科診療所の届出数が増えてはいるものの8%程度にとどまっている件について、「かねてから指摘しているとおり、充足が困難な歯科衛生士の配置を施設基準にしていることが影響している。推進を図るならこの要件見直しを検討するべき」と見解を示した。

【歯科News&Topocs】



一昨日の中医協の在宅診療の資料は医療全体の中での歯科の課題を浮き彫りにしていました。
木を見ることも大切ですが森も見るべし。
by kura0412 | 2015-02-20 14:07 | 歯科医療政策 | Comments(0)

介護保険は2025年までに大ナタか

介護スタッフの待遇改善、官製賃上げに限界

介護スタッフに賃上げの春は来るのか。政府は2015年度から、介護スタッフの月給を平均1万2千円上げる方針を決めた。だが、過去のデータを検証すると賃上げがどこまで及ぶかは不透明だ。財政難が深まるなかで官製賃上げは矛盾がにじむ。全国30万施設の大半を占める零細事業者の集約で生産性を高め、賃上げ原資を捻出する方策が必要になりそうだ。
「正直、アベノミクスの実感はない。賃上げに期待したい」。東京・世田谷の特別養護老人ホーム(特養)で働く介護福祉士(38)はこう話す。だが、賃上げへの道筋は視界不良だ。

■認識と実体ズレ
まずはデータから検証してみよう。
政府はこれまでも介護スタッフの待遇改善に向け資金を投じており、厚生労働省は「09年度から累計で月3万円アップの効果があった」とする。ところが、13年の賃金構造基本統計調査をみると介護スタッフの月給は約22万円。全産業に比べ10万円ほど低い水準はほとんど変わっていない。
ギャップはなぜ生じるのか。介護スタッフの賃上げでは勤続が1年延びるごとに賃金表に従って増やす「定期昇給」が8割近くと最も多い。賃金表そのものを書き換えて一律に水準を底上げするベースアップは1割どまりだ。
一方、重労働で知られる介護の現場では2年未満で辞める人が全体の3割になる。
都内の特養ホームの施設長は「3年たつと当初入ったスタッフは2割しか残らない」と明かす。短期間で転職したり辞めたりする構造そのものが変わらないと、賃上げ効果がなかなか現場に及びにくい。
政府が決めた賃上げの枠組みもつぎはぎ感が強い。
介護業に従事する人は約250万人とみられるが、賃上げの対象は7割を占める介護スタッフのみだ。介護に直接携わらないリハビリ専門職や調理師を対象外とするのは「現場の運営実態から離れた方策」(都内の特養の施設長)との声が根強い。

■零細事業者多く
政府は事業者の収入となる介護報酬を15年度から2.27%下げると決めた。
介護費が約10兆円に膨らみ「財政(の悪化)を無視できない」(塩崎恭久厚労相)ためだ。減収で経営難になる事業者は介護スタッフの賃上げに取り組みにくい。むしろ「人件費を抑えるためにボーナス削減などが進み、待遇は良くならない」(特養の業界団体、全国老人福祉施設協議会幹部)との声も出る。
介護の需要は増えているのに財源は乏しく、賃上げの効果が及ぶかわからない。八方ふさがりの感があるが、首都圏で介護事業を手掛ける大手企業の役員は「政府に頼らずに取るべき手はある」と指摘する。大規模化を進めて生産性を高める方向に活路を見いだす戦略だ。
この会社は傘下の高齢者住宅などを50カ所以上まで拡大。介護スタッフの業務見直しも進め、配膳や掃除、見回りといった専門性の乏しい仕事はパートやアルバイトに任せた。
スタッフは介護に専念させる仕組みで、限られた人件費をスタッフに重点的に充て仕事の負担も軽くできるようになった。規模拡大や分業の徹底で生産性を高めた結果、収益が向上し賃上げを可能にする原資を確保できたという。
介護サービスを提供する施設・事業所は全国で34万カ所。零細経営が多い。帝国データバンクの過去の調査では、職員数が10人未満の法人が約2割、10~50人未満の法人が約3割にも上った。
特養ホームの運営をほぼ独占する社会福祉法人も、半数は「1法人1施設」。キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹は「零細経営では限界がある。規模を拡大し合理化すれば職員の定着率も上がる。待遇の改善にもつながってくる」と指摘する。
高齢化が進むなか、25年度には介護スタッフは30万人不足する。1000兆円に膨らんだ国の借金を考えれば、官製賃上げは対症療法の域を出ない。事業者集約を促す規制緩和や制度改革を急ぎ、生産性を高めなければ介護現場の苦境からの脱却は逃げ水のように遠のいてしまう。

【日経新聞】



2025年まであと10年。それでこの現状です。介護保険はどこかで大ナタを振る時がくるかもしれません。
そして昨日の中医協の在宅診療の資料を見ると、その余波は医療保険にも波及する可能性が大のように感じます。
その激震前に歯科界はどう動かなければならないのでしょうか。早急な戦略と行動が必要です。
by kura0412 | 2015-02-19 10:55 | 介護 | Comments(0)

医科サイドから考える「口腔ケアと嚥下リハビリ」

口腔ケアと嚥下リハビリ

二木 若林先生は、誤嚥性肺炎の患者さんを往診で診られていますか? 療養型施設でも診られているのでしょうか?
若林 緊急時の往診はしています。施設については、私自身が嘱託医となっているところはありませんが、当院がもともとかかりつけだった方で、施設に入られた方から希望があれば、こちらから施設へ行って診ています。
二木 繰り返す誤嚥性肺炎の患者さんを診るときに、どのような点に留意されていますか?
若林 私はもともと神経内科医なのですが、誤嚥性肺炎については、呼吸器感染症という点に加えて神経内科的な立場でも診ています。一時的に肺炎を治療しても意味がありませんので、嚥下機能の評価・訓練を必ずセットでやるべきだと考えています。誤嚥性肺炎かそうでないかの診断はつきにくいのですが、咽頭反射が弱くなっている患者さんはおそらく誤嚥が関与しているだろうと診断しています。さしあたり外来でできる治療をするとともに食事指導をし、それでも誤嚥を起こす場合は一度入院していただき、嚥下機能訓練が必要だと思います。
二木 大学病院でも口腔ケア、嚥下のリハビリなどにも取り組まれていますか?
礒部 週1回の回診時にはリハビリ専門(リハビリテーション部:理学療法士)の方にも一緒に来てもらい、一緒にラウンドをすることで情況を把握しながら、なるべく早期退院できるようにしています。リハビリに関しても、専門の方々とお互いに勉強することを大切にしています。また、大学はなるべく早く次のステップにつなげることが非常に重要ですので、次に受けていただける施設とうまく連携ができるように取り組んでいます。現在、連携病院が3施設ほどあり、チームをつくっています。それらの施設には呼吸器内科医がいないため、大学病院の呼吸器内科医が定期的に行き連携しています。メディカルソーシャルワーカーの方にも協力していただき、早期転院退院ができるよう取り組んでいます。
二木 昭和大学はリハビリ専門の病院があるくらい、リハビリにも力を入れています。歯学部もありますから、歯科、リハビリ科、そして耳鼻咽喉科、内科の先生がチームを組んで、比較的早いタイミングで嚥下訓練をするようにしています。
礒部 それはすばらしいですね。島根大学でも、将来的には日本呼吸ケア・リハビリテーション学会などの専門学会にみんなで入って、そのような体制にもっていきたいです。

◇二木 芳人 先生
昭和大学医学部 内科学講座 臨床感染症学部門 教授
◇礒部 威 先生
島根大学医学部 内科学講座 呼吸器・臨床腫瘍学 教授
◇若林 規良 先生 
島根県堀江内科呼吸器科医院院長

【アステラス メディカルネット】



歯学部があって積極に取り組んでいる大学か、連携できる地域の開業医がいなければ、この分野も医科単独で進められるかもしれません。
by kura0412 | 2015-02-18 14:22 | 歯科 | Comments(0)

『在宅「寛大な措置」終わり、適正化へ』

在宅「寛大な措置」終わり、適正化へ
2014年度改定での引き下げに不満多く、全国在宅医療養支援所連絡会

全国在宅医療養支援診療所連絡会の第2回全国大会が2月14、15の両日、都内で開かれ、15日には、2014年度改定で大幅に引き下げられた診療報酬を巡り、「適正化に向かう診療報酬制度」と題したシンポジウムがあった。
現場からは、在宅時医学総合管理料の算定要件の変更で非効率な診療が起きている点への不満や、機能強化型の在宅療養支援医療機関の施設要件の緩和を求める声が出た。出席した厚生労働省の担当者は、従来の診療報酬について「たくさんの人が参入するように、寛大な報酬を設定してきた」との認識を示し、”寛大な措置”の期間が終わり、適正化に向かう流れを伺わせた。

「金のためにやっているのか」
現場からの不満を講演したのは、静岡県浜松市で「坂の上ファミリークリニック」などを運営する医療法人社団心の理事長を務める小野宏志氏。小野氏は2014年度改定について、在宅重視の方針や「頑張っている人が報われる」との考え方に理解を示したものの、同一建物の場合、約4分の1になった在宅時医学総合管理料を挙げて「どう考えても納得いかない。(従来が少し高めだったとしても)あまりに突然で急激。もう少し現実を良く見て判断してもらいたい」と指摘。減額への対応として月1度までまとめて訪問できる特例措置が残ったが、算定に向けて、「(月2回目以降の)ばらばらの訪問は時間の無駄。誇れる日本の医療というが、どこの国が真似をするのか」と憤った。
さらに、急激な変化に対応するために、非効率的な個別訪問をこなす中で、「(施設やスタッフ維持のための)金のために往診しているのではないかと思うことがある」と吐露し、現場のモチベーションが低下している点を指摘した上で、”支える医療”を優遇した政策を取るように求めた。

千葉県船橋市で在宅医療も手掛ける板倉病院の理事長で、日本病院会副会長の梶原優氏は、船橋において、在宅関連の85施設で立ち上げた、2007年10月の船橋南部在宅療養研究会について言及。
板倉病院では、在宅医療部の患者数が2008年には月平均34.3人だったが、2014年には89.1人まで増加した。ただ、機能強化型の在宅療養支援医療機関については、10施設から7施設に減少していることを紹介。梶原氏は、「年間で、緊急往診4件、看取り2件」との条件がネックになっているとの認識を示した。現場において、継続的に訪問していた診療所の医師が何らかの事情で不在になっていた際に、板倉病院の医師が看取るケースがあり、その場合、診療所の実績としてカウントされない仕組みになっていて、連携先の診療所などから不安が出ているという。梶原氏は、連携をしている医療機関全体の看取り件数で評価する仕組みを検討するように求めた。

在宅医療の質を評価する流れ
厚生労働省保健局医療課課長補佐の林修一郎氏は、在宅における診療報酬の考え方について講演。
2006年度に在宅療養支援診療所が新設され、2014年度改定までは一貫して引き上げ方針が続いてきた点に触れ、「高い報酬でいろいろな弊害は起こるが、極力目をつむり、頑張ってもらう方向だった」と振り返った。引き下げの1つの要因となった、高齢者の集合住宅への訪問診療に関する不適切事例については、「(税金や保険料を財源とする)貴重な診療報酬が高齢者施設に還流する事例が生じてしまった」と述べた上で、2014年度改定からは、提供する在宅医療の質の評価についても考える方針となったことを指摘。特例措置のために多くの在宅医療において、非効率な訪問となっている点については、「どういうコストに対してどう払うかを真剣に考え、あるべき姿にしないといけない」と話し、過渡期の側面があるとの認識を示した。

2016年度改定に向けては、中医協が2014年度改定の影響を調べた結果を提示。
患者1人当たりの診療時間は、同一建物の場合、平均で9.2分だったものの、非同一建物の場合21.9分と2倍を超えていることや、非同一建物の患者が、同一建物よりも要介護度が高い傾向にある点を示した。さらに林氏は、入居者全員が訪問診療を受けているケースや交通手段か確保できないために訪問診療を受けているケースに言及し、「どこまで医療保険でやっていくのかを考える時期。在宅医療は必要だが、対価が支払われるなら、いくらやっても良いというものではない」と述べ、重度の患者らに適切に行き渡る制度設計を考えたいとした。

介護報酬引き下げの影響も危惧
各演者の講演後のディスカッションでは、演者やフロアから、診療報酬も含めた不満が出た。不満が集中した1つのテーマは、施設訪問が居宅対応より、評価が低くなる流れがある点。小野氏は、「(診察時間などと関係なく)24時間対応しないといけないのは、施設も居宅も変わらない。施設ほど重症な場合があり処置している現実もある」と訴えた。
フロアからは、沖縄でクリニックを運営する医師が、施設と居宅について、「(患者の状態を管理して、情報提供をする)マネジメントの労力は変わらない」と指摘。さらに、骨折や発熱で状態が急変することも多いことから、施設の評価を上げるように求めた。林氏は、患者の個別性を評価していく可能性に言及し、「今答えがあるわけでなく、(現場の医師らと)一緒に考えたい」と述べた。

その他も厚労省の考え方に意見が相次いだ。
東京都小平市で開業している医師は、施設の場合、重症度が高いのに加え、施設の職員が看取りに慣れていないケースがある点に言及して、「国から医師会と相談して看取りの医師を探すように文書が出ているようだが、(居宅より大変な)施設をやるようには、医師会も言えない」と指摘した。小野氏も「どの医師会の施設への紹介を躊躇している」と同調した。
沖縄県と鎌倉県で在宅医療を実施している医師は、処置や気管切開チューブなどの特定医療保険材料が算定できないものが、点数の引き下げで、包括的にカバーするのが難しくなっている点を指摘し、「検査は算定できるのにおかしいのでは」とした。
林氏は、「包括と出来高をどう組み合わせるかという問題。従来、包括で(高めに設定して)たくさんの人が参入するように、寛大な報酬を設定してきた」と話し、”寛大な措置”の期間が終わり、算定の条件が厳しくなっていく流れを伺わせる発言をした。
梶原氏は、介護報酬の引き下げの影響に言及。
現在、引き下げが決まり、介護老人保健施設が積極的に在宅復帰を目指す流れになっている点に触れ、「在宅の支援体制ができてないところは、一気に在宅の医療需要などであふれかえる」と指摘して、混乱を生じる可能性を危惧した。

【m3.com】



在宅も更に厳しい方策が出てきそうです。
by kura0412 | 2015-02-17 12:06 | 医療政策全般 | Comments(0)

マイナンバー・部分的に医療にも活用

マイナンバー、予防接種など医療に活用

政府は16日、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)の利用範囲を示した。銀行の預金口座に共通番号の付与を促し、税務調査などに活用するだけでなく、医療分野での利用も始める。ただ、日本医師会などの反発を踏まえ、当初は、予防接種情報など対象範囲を一部にとどめる方針だ。

第1の柱は、銀行預金へのマイナンバーの付与だ。ひとりの人が持つ複数の銀行口座を名寄せできるようにする。ペイオフ時の預金の払い戻しに役立てるほか、生活保護を受けている人や社会保険料の未納者の資金力の調査や税務調査の効率を高めるねらいだ。
2018年から、銀行に口座開設の申請用紙にマイナンバーを記入する欄を作ってもらい、預金者が登録する仕組みとする。既存口座の預金者に対しても、郵送などで登録を促す。
登録はいずれも任意で強制力はない。必要に応じて、3年後の21年をめどに義務化を検討することも明記した。

医療分野での活用範囲を広げるのが第2の柱だ。
現行法で認められているのは、保険料の徴収などに限られているが、乳幼児が受けた予防接種や成人のメタボ健診など一部の医療情報への付番を可能にする。
病院での診療記録全般に活用できれば、医療費の削減につながるとされるが、慎重論が根強いため今回は一部にとどめ、今後の検討課題とする。
マイナンバーは10月から日本に住むすべての人に市町村が12桁の番号を通知し、16年から運用を始める。
政府はマイナンバーの普及を目指し、サービスの拡充を打ち出している。電気やガスなどの引っ越し時の手続きをネット上でできるサービスも提供する。

【日経新聞】



部分的ではありますが、マイナンバーが医療にも適応されます。さて、どう展開するのでしょうか。
by kura0412 | 2015-02-17 10:58 | 医療政策全般 | Comments(0)

胃ろうの適応を今一度

胃ろうの「是非」、問わないで- 便利な医療器具、患者により良い選択を

「胃ろうの是非を問う。このような捉え方はしないでください」―。このほど京都市内で開かれた日本医学会の市民向け公開フォーラム「いのちを考える」。「高齢者のいのちを考える-胃ろう問題とは何か」をテーマに講演した東大大学院人文社会系研究科の会田薫子・特任准教授はこう述べ、「胃ろうを便利な医療器具の1つと捉え、患者にとってより良く使う方法を考えてほしい」と訴えた。【真田悠司】

講演の中で会田氏は、医師との十分な相談が必要とした上で、
▽頭やのど、食道などのがん
▽ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病
▽クローン病などの腸の病気
-などの場合には、生活の質(QOL)の改善のために、胃ろうは有効な選択肢になり得ると紹介した。

一方で、アルツハイマーの末期や老衰の終末期の患者には、胃ろうの造設は適切ではないと主張した。
会田氏は、「高齢である場合は、体も生き終わりの時に近づいている」とし、造設が死亡の原因となる可能性があると指摘。自ら食事ができない患者に対し、人工栄養の処置を行わないことは「餓死」を連想させるが、そうした末期の患者には、これはむしろ「緩和ケア」となり、穏やかな死につながるという。
だが、医療者にとって胃ろう造設が適切かどうかの判断が難しい事例もあるという。
脳卒中や事故で患者が頭部に重い損傷を負い、植物状態となった場合だ。この場合の胃ろうは、生存期間を延ばすためには有効だが、会田氏は「意思疎通が困難な状態で生き続けることを“うれしくない”と感じるか“悪くない”と考えるかは、患者本人やその家族の価値観や死生観の問題になる」と指摘した。
講演後の質疑応答では、緩和ケアの認定看護師から「経口摂取が困難な高齢者に、むやみに胃ろうを造ることに疑問を感じる。こうした患者は家族からも見放されていることもあり、このような状態で生きていて幸せか疑問に感じてしまう」との声が上がった。これに対し会田氏は、「本人がそのような人間関係を作ってきたことも事実。自身をすり減らしてしまうのではなく、その生き方を尊重し、プロの医療者としてのケアを心掛けては」と助言した。

【キャリアブレイン】



胃ろうを全て否定することも、また肯定することもなく、今一度、その適応について考えることは大切です。
そして、その前提には、口から食べさせる努力を怠らないことを歯科界から訴えなければなりません。
by kura0412 | 2015-02-17 09:23 | 医療全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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