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来年はさらに強まる抑制圧力の中で

社会保障費、最大の31兆円 15年度予算 抑制策が課題

政府の2015年度予算の一般会計で、医療や介護、年金などへの社会保障費が過去最大を更新する見通しとなった。14年度の30.5兆円を上回り、31兆円台となりそうだ。高齢化などで経費が増え、4月の消費増税とセットで実施を決めた子育て支援など社会保障の充実策も広げる。社会保障費はすでに予算全体の3割強を占め、抑制策は今後の課題として残る。

社会保障費が増え続けているのは、高齢化や医療技術の高度化などによる「自然増」を抑えきれないことがある。8月末の15年度予算への関係省庁からの要求は自然増だけで計0.8兆円強あった。企業業績の改善を受け、生活保護や失業給付などは想定より少なくて済みそうだが、自然増は数千億円規模に達する。
政府は8%への消費税率上げとあわせ、子育て支援を中心として社会保障施策を拡充する方針を決めた。来年10月に予定していた10%への消費再増税は見送りを決めたが、来年度の消費税収の増加分などを使い、充実策を今年度より広げる。
保育所や認定こども園を増設し、職員の数や給与も増やす子育て支援で国費投入を今年度より約1千億円増やす。難病患者への医療費助成の対象拡大でも約1千億円積み増す。住民税を課されない低所得者への現金給付を続けるため約1800億円、高齢者が多い国民健康保険(国保)への財政支援のため1700億円超も新たに盛り込む。

一方で、10%に増税する時ほど消費税収は伸びず、財源不足で15年度中の実施を見送る施策がある。低年金者への月5千円の給付上乗せや、年金を受け取るために必要な保険料の納付期間の短縮などだ。これらは年間ベースで6千億円近い財源が必要とされていた。
さらに政府は歳出抑制に向け、15年度に改定する介護報酬を引き下げる。1%のマイナス改定で国の負担は約260億円減り、最大3%の引き下げも視野に調整している。介護ではこのほか、特別養護老人ホームに新たに入れる人を介護の必要度が高い人に限定したり、介護費の自己負担割合を年金年収が多い人は1割から2割に引き上げたりして経費を抑える。

【日経新聞】




来年はさらに強まるこの抑制圧力との格闘が歯科界一番の課題となりそうです。
果たしてこの中でどう生き延びるのか・・・
今年の1年間このブログにお付き合い頂いありがとうございました。
先生方、来年も頑張りましょう。
by kura0412 | 2014-12-30 09:29 | 医療政策全般 | Comments(0)

「今の僕があるのはカープのおかげ」

黒田 悩み抜いて男気の決断 メジャー21億円より4億でもカープ愛

ヤンキースからFAとなり、去就が注目されていた黒田博樹投手(39)が8年ぶりに古巣・広島への復帰を決めたことが26日、分かった。年俸は総額4億円超とみられる。27日に正式発表される。

悩みに悩み抜いた。メジャーではヤンキースが再契約を熱望し、08年から4年間在籍したドジャースのほか、今オフ大型補強を敢行しているパドレスなど複数球団が争奪戦を繰り広げた。中でもパ軍は最大で年俸1800万ドル(約21億6000万円)を用意し、ド軍も年俸1600万ドル(約19億2000万円)プラス出来高払いを提示。巨額オファーで本気度を示しラブコールを送り続けてきた。
金額だけで判断するなら、答えを出すのに時間はかからない。来年2月で40歳。それでも21億円超の破格オファーを用意したパ軍の熱意や、家族の住むロサンゼルスが本拠地のド軍復帰に心が動いたこともあった。

「今の僕があるのはカープのおかげ。いずれは帰り、恩返ししたい気持ちはある。日本に帰るならカープしかない。帰るなら、バリバリやっている時に帰りたい」
メジャー移籍後に発した言葉だ。野球人生の集大成。しかも、第一線で活躍している投手として帰りたいとの思いが強かった。熟慮を重ねる中、今月14日にあった第3回交渉後、気持ちは復帰へと大きく傾いた。プレー環境が再び激変するリスクは承知。金銭面でも大差がある。それでも最後は、愛着のある球団で優勝に懸ける道を選んだ。黒田らしい決断だった。

【スポーツニッポン】



黒田の男気と広島のもつチームの魅力を感じさせる話です。
こうゆうチーム、世界は可能性大です。
by kura0412 | 2014-12-27 08:53 | スポーツ | Comments(0)

政治的環境をバックに一気に

恐るべき安倍の政局を動かす力ーー集団的自衛権行使容認の法制化を阻む者なし

この1年の政治を振り返ると、安倍政権の勢いは依然として衰えず、首相・安倍晋三一人がすっくと立っている印象だ。
まず、9月3日の内閣改造・自民党役員人事で、ライバルと見られた谷垣禎一を幹事長に、石破茂を地方創生担当相に据え、取り込んだ。
その上で、大方の予想を裏切って、11月に衆院解散を断行し、12月14日投票の総選挙で自民党を圧勝に導いた。アベノミクス等の政策面だけでなく、安倍が政局を動かす力にもっと注目すべきではないか。

政権の推進力得る
衆院解散やアベノミクスについて、今でもさまざまな批判がある。しかし、総選挙で自民党が圧勝したことによって、安倍が信任され、今後の政権運営において、推進力を得たことは間違いない。
とくに影響を与えそうなのが、来年の大きな政治課題である集団的自衛権の行使容認を具体化する安全保障の法制化だ。統一地方選後の5月連休前後に、法案の審議が始まる。
その際、今年7月に憲法解釈変更を閣議決定した時と同じように、「戦争に巻き込まれる。参戦への道」という批判が起こるだろう。その時、安倍はこう言える。「私たちは総選挙で国民の支持をいただきました」と。
年内解散に踏み切った安倍の脳裏には祖父の岸信介の姿があった。岸は1960年1月、訪米し、大統領・アイゼンハワーと新日米安保条約に調印した。その直後、岸は解散を目指したが、自民党幹事長・川島正次郎が賛成せず、果たせなかった。「岸信介証言録」(原彬久編著、中公文庫)にこう書かれている。
「総選挙になれば絶対勝つという確信をもっていました。選挙に勝利して議会に臨んだら、議会がいくら騒いだって、国民が新条約を支持しているではないかということになるんです。……あのとき解散をやっておけば、あんな騒動はなかった」
岸の日米安保条約は、安倍にとって集団的自衛権行使容認の法制化だ。
もう一人、父・晋太郎が師事した元首相・福田赳夫も、幹事長・大平正芳に解散を阻止された。解散していれば、78年11月の自民党総裁選で大平に敗れ、退陣することはなかっただろう。
安倍は今回、10月末にいち早く谷垣に解散する可能性を伝えた。首相経験者である二人の先人の失敗に学び、まず幹事長を取り込んだのである。このような政局カンを持っている政治家は数少ない。もともとカンが良い官房長官・菅義偉とのコンビは現在の政界において、無敵と言っても過言ではない。

次の解散時期は?
安倍は総選挙圧勝によって、来年9月の自民党総裁選での再選を確実にした。おそらく、無投票再選に近い形になるだろう。そこで、3年の総裁任期を得て、2018年9月まで続く可能性が極めて高い政権になった。
総選挙で選ばれた衆院議員の任期は18年12月13日までだ。つまり、安倍は総裁任期中に解散しなくても済む形を整えた。もちろん、解散してもいい。解散しても良し、しなくてもまた良しという政治状況をつくり上げた。
このために、民主党議員は「16年夏の参院選との同日選があるのではないか」、「いや、17年4月に消費税を10%に引き上げる前、16年暮れか17年1月に解散があるのではないか」ーーといった疑心暗鬼に陥っている。野党が内閣不信任案を提出するなら、安倍はこれ幸いと解散に踏み切る可能性がないわけではない。
これは、政治に緊張感をもたらす。野党はつねに衆院解散・総選挙を警戒して、選挙準備を怠ることができず、国会での攻め口も慎重に考えざるを得ない。

この分だと、「安倍1強体制」が2015年も続きそうだ。(敬称略)

【田崎史郎:ニュースの深層】




今回の解散は結果的にも安倍首相の決断は、ご自身の構想通りのストーリーに展開してお見事の一言です。
ここにある政治的な動きを背に、とにかくいろいろな分野に大きくメスを入れることは間違いありません。その中には社会保障、医療も含まれます。
by kura0412 | 2014-12-24 08:45 | 政治 | Comments(0)

『歴史的に嫁探しは親の役割だった』

「口説かれたい」日本女子、「口説けない」日本男子
ビジネスマンが学ぶべき「近現代史」【婚活・出会い編】

歴史的に嫁探しは親の役割だった
──ネットの発達などで、男女が出会う機会が増えているにもかかわらず、結婚しない人が増えているのはなぜなのか。

エマニュエル・トッドの家族類型学では、日本は「直系家族類型」に分類されます。親は子の結婚相手を探し、長子(基本は長男)夫婦と同居する。次・三男や娘は長子の“控え”で、結婚したら家を出る。土地を分割せず、人口をむやみに増やさない知恵であり、韓国やドイツも同じタイプです。
一方、フランス、イギリス、アメリカは「核家族類型」です。子は成人すると家を出て、よその土地で結婚相手を得て家族をつくる。日本では、欧米の思想が流入した明治期や、アメリカの文化に影響を受けた戦後、“家”に縛られない次・三男や女子を中心に、核家族的な振る舞いや恋愛結婚が増えました。そこでは男は口説き、女は口説かれたりもしたのです。
しかし、うわべの生活様式が変わっても、根底の思考様式はそう簡単には変わりません。今は社会が豊かになって一人っ子が増えたので、必然的に直系家族の行動様式に戻っているのです。
つまり、家族類型学的に見て、日本の男には、自分で女性を口説いてセックスに持ち込む能力は備わっていない。結婚するには親という“強制的な出会い”が不可欠なのに、親が子の結婚に干渉しなくなったので、子は家に居続け、引きこもりやオタクになるのです。
男は口説きたくても口説くに至らず、女は口説かれたくても口説いてくれる男がいない。この状況が進めば、口説けないオタク男は全滅。女は科学の力で単性生殖するか、少数の口説ける男が複数の女性との間に子供をつくり、女性上位のアノミー社会が到来するでしょう(笑)。

未婚男女を合宿でダンスさせる
──口説けない男にとっての福音は、藩制(地方分権)や旧来の会社形態の復活、それにダンスなのだという。その理由は?

口説けない日本男児を結婚させるには、親の強制力に代わる「枠組み」が必要になります。まず考えられるのは“地元”の枠組み。都心への人口集中を避け、地方分権体制を進め、若者が都会に出ていかないようにすれば、地元の共同体の中で出会いが促進されるでしょう。
次に考えられるのが“職場”の枠組みです。日本型企業の復権も有効です。終身雇用の家族的な組織で、結婚相手は社内で見つけられます。
最後の手段は、枠組みを人工的につくってしまうこと。車の免許合宿でカップルが生まれやすいのが好例ですが、極端なことをいえば、未婚男女に「青年の家」のような合宿所で、長期休暇を過ごさせる制度をつくるのも必要なのかもしれません。
そこでは連日連夜、ダンスパーティーを開催する。ダンスは問答無用で男女が身体を密着させます。動物本来の性欲は嗅覚に由来するので、恋愛の条件が整います。
これで、口説けない男と口説かれない女もカップルになれる。めでたしめでたしです。

口説ける男がいたのは高度成長~バブルまで

【930年(平安時代)】男性が女性の家に通う「妻問婚=ヨバヒ」から、徐々に「婿取り婚」へと変化。 女系家族の形態が崩れる。

【1200年(鎌倉時代)】没落した貴族や政争に巻き込まれた女性の嫁ぎ先を斡旋する「中媒」(仲人)が登場。

【1880年】大阪で山口吉兵衛が「養子女婿嫁妻妾縁組中媒取扱所」を始める。「高砂屋」として普及。

【1945年】第二次大戦で適齢期男子が減少したため、女性が結婚難に。ジルバやマンボが流行し「ダンスホール」が出会いの場に。

【1959年】皇太子明仁親王(今上天皇)と正田美智子さん御結婚。「テニスコートの自由恋愛」が話題に。

【1960年】東大と東女大、東京教育大とお茶の水女子大などの学生間で「合コン」がブームに。

【1965年】1965~70年に、恋愛結婚が見合い結婚を初めて上回る。

【1972年】ベビーブーム世代が適齢期で空前の結婚ラッシュ。年間婚姻組数が110万件。東京五輪後の需要減にホテルが結婚式・披露宴の新ビジネスを展開。

【1978年】「サタデーナイトフィーバー」でディスコブーム到来。ナンパの場に。

【1981年】英国でチャールズ皇太子とダイアナ妃が結婚。

【1987年】映画『私をスキーに連れてって』が空前のヒット。出会いの場がゲレンデに。フジテレビ『ねるとん紅鯨団』放送開始。「ねるとんパーティー」がブームに。

【1988年】ホンダ「プレリュード」、日産「シルビア」がデートカーとして大人気に。運転席から助手席シートが倒せる機能が人気だった。

【2014年】晩婚化もついにここまで!? 「おひとりさま結婚式」(ソロウェディング)が登場。


【PRESIDENT online: 鹿島 茂】




歯科には全く関係ありませんが、適齢期の子供を持つ親として興味ある内容なので先生方にもご紹介します。
by kura0412 | 2014-12-22 15:09 | 思うこと | Comments(0)

科学的には存在証明できず

「魂の限界」、退職へ 小保方氏、監視下で実験

「STAP細胞はある」と訴えてきた理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(31)自身もSTAP細胞は作れなかった。小保方氏は7月から、細胞の有無を調べる検証チームに参加。神戸市の理研では期限の11月末まで、出勤する姿が度々目撃されていた。「魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果に大変困惑しております」。19日コメントを発表し、退職届を提出したことを明らかにした。最近は体調が悪化しているという。

神戸市の多細胞システム形成研究センター(旧発生・再生科学総合研究センター)は、小保方氏が使う実験室を独立して設置し、カメラでの監視と第三者の立ち会いを徹底。チームとは別に単独で実験を続けた。
「存在を実証するため最大限の努力をしたい」と意気込んだ小保方氏。代理人を務める三木秀夫(みき・ひでお)弁護士は参加前に体調面の不安も指摘していたが、関係者によると、きちんと実験に臨んでいたという。
小保方氏は4月、論文に「不正がある」との調査結果を理研の調査委員会が公表した直後に体調不良で入院した。その後、不正を否定し「STAP細胞はあります」と述べる記者会見を開き、一貫して存在を主張し続けてきた。
7月初旬、実験参加のため出勤する際に約3カ月ぶりに報道陣の前に姿を見せたが、取材には応じなかった。下旬には実験からの帰途、取材しようとした記者やカメラマンらに追い掛けられ、負傷する騒動も起きた。
8月には、論文共著者で指導役だった理研の笹井芳樹(ささい・よしき)氏が「STAP細胞を必ず再現してください」との趣旨の言葉を残して自殺。「尊敬する笹井先生」と呼ぶ上司の死に、小保方氏は大きな衝撃を受けたとみられる。
三木弁護士によると、小保方氏は少なくとも6月末までは入院したままだったが、実験参加以後、同弁護士は入院や通院の有無を明らかにしなくなった。しかし関係者によると最近、心身の状態が悪化しているという。
11月初めごろ、センターで小保方氏を見掛けた男性研究者は「1人でエレベーターに乗っていたが元気がないように見えた」と話す。
4月の会見以降も論文には多くの疑惑が指摘されたが、小保方氏はその後、公の場で一切語っていない。三木弁護士は今月18日、今後小保方氏が直接説明する機会はないのかと報道陣に問われ「今のところ何とも言えない」と言葉を濁した。

【共同通信】



いろいろ科学、研究領域における課題を浮き彫りにした一連の騒動でした。
若い小保方先生には、良い指導者に恵まれ、これからの再起に期待したいです。
by kura0412 | 2014-12-20 12:09 | 思うこと | Comments(0)

各都道府県の基金の具体的な事業をみて

各都道府県の地域医療介護総合確保基金の具体的な事業が分かりました。
是非、先生方の地域の計画を確認してください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068065.html

この財源は本来ならば改定に回す予算が財源で歯科は総医療費は約7%ですので、計画の7%の予算確保が一つの目標となります。
こうなると、各地方自治体に歯科専門職の職員の存在の有無が大きく影響してきそうです。また、この基金の存在は、改定と共に、今後の歯科医療の充実に影響します。となると、もっと日歯、各都道府県歯はこの対応を専門的に取り組み必要性に迫られているはずです。
ちょっと覗いただけですが、神奈川県は歯科の事業が相当額割り当てられていたのが目につきました。
by kura0412 | 2014-12-19 10:12 | コラム | Comments(0)

日医の自民党への要望

安倍政権の医療制度改革
衆院選後の自民の安定基盤を評価、横倉日医会長
「経済成長で、社会保障財源の確保が可能」

日本医師会会長の横倉義武氏は、12月17日の定例記者会見で、今回の衆院総選挙で自民公明の両党で議席の3分の2以上を獲得し、安定した政権を確立したことを評価、「政策を実行できる安定した政権基盤により、経済成長を取り戻し、十分な社会保障財源を確保することができる」と述べ、第3次安倍政権に期待を込めた。

日医は11月に、谷垣禎一幹事長ら自民党幹部に、国民皆保険の堅持など6点から成る要望書を提出している。横倉会長は「これらは自民党の『重点政策集2014』に盛り込まれ、今後の施策に反映されることになっている」との認識を示し、引き続き日医としては、「国民の安全の医療に資する政策か」「公的医療保険による国民皆保険を堅持できる政策か」という二つの判断基準を基に、与党と協議していくとした。
さらに、横倉会長は、消費増税が1年半延期されても、「社会保障と税一体改革は着実に進めていかなければいけない」と強調。もっとも、医療の財源確保については、消費税収を充てるべき経費が、年金・医療・介護の高齢者3経費から、子育ても含む社会保障4経費になった点を挙げ、容易ではないことをにじませた。

直近の問題としては、2015年年度の予算編成が迫っている中、今年度は904億円の「新たな財政支援制度(基金)」の財源が、どの程度確保できるかが注目点だ。
横倉会長は、2014年度は消費税率引き上げ分で5兆円の増収だったが、2015年度は満額の8兆円の増収になる一方、基金の対象は医療だけでなく、介護にも拡大されると説明、具体的な目標は掲げず、「できる限り、2014年度よりも多く確保するよう、厚生労働省に努力してもらいたい」と述べるにとどまった。
今回の総選挙は、消費増税延期について、国民の信を問うことが目的だったにもかかわらず、増税財源を充てる予定の社会保障の在り方やその財源は争点にならず、選挙後の安倍晋三首相の会見でも、言及はなかった上に、医療を「岩盤規制」の一つとして、規制緩和を進める意向が示された(『安倍首相「医療は岩盤規制」の認識示す』を参照)。
横倉会長は、「消費増税分は社会保障の財源に充てることは、2012年6月の三党合意による国民との約束」「デフレ脱却によって経済成長が進めば、社会保障の充実に充てることができる。2025年に向けて着実に歩みを進めていくことが重要であり、国民の健康を守るために必要な財源の確保を引き続き要望していく」と述べたものの、来年の介護報酬改定については引き上げが予定され、医療財源の確保は容易ではないだろう。

衆院選に先立ち、日医は6点を要望
11月21日に、自民党に提出した要望書の内容は、
(1)世界に冠たる国民皆保険を守る、
(2)地域における必要な医療の確保、
(3)かかりつけ医を中心とした切れ目のない医療・介護を国民に提供し、地域包括ケアを推進する、
(4)持続可能な社会保障制度とするため、社会から支えられる側であった高齢者が、社会を支える側になるよう、健康寿命の延伸を目指す、
(5)医療機関における控除対象外消費税問題は抜本的解決を図る、
(6)TPPや過度な規制緩和については、公的医療保険の給付範囲を縮小しないよう、将来にわたって阻止する――の6点だ。

来年の通常国会の焦点の一つが、健康保険法改正。ただし、衆院解散前の11月上旬、自民党議員が、後期高齢者の低所得者などの特例軽減措置の廃止に反対、議論がストップしている。この点についての質問に、横倉会長は、「所得に応じて自己負担してもらうことは、日医の一貫した主張。収入が多い高齢者には応分の負担をしてもらうことが必要」とコメント。
介護報酬改定の引き下げが検討されていることについては、横倉会長は「特別養護老人ホームは内部留保が大きいため、議論になっている。同時に介護職員の給与の待遇改善も重要な問題。引き下げとなると、待遇改善に回す財源がなくなる。このバランスをどう取っていくかが課題」などと述べ、介護保険の財政全体を考えながら、議論されていくとの見通しを示した。

【m3.com】
by kura0412 | 2014-12-18 15:27 | 医療政策全般 | Comments(0)

医師の資格を持つ候補者14名、歯科医師は3名当選

民主半数落選、次世代全滅で、党勢影響か

12月14日に投開票された衆議院議員総選挙で、医師資格を持つ候補者22人の当落が出そろい、14人が当選した。
単独で改選前の議席数をほぼ維持し、自公で占める議席数が前回を超える勝利となった自民党の公認候補は全員が当選。一方で、支持が伸びなかった民主党の公認候補は半分以上が落選し、議席数が10分の1近くなった次世代の党の候補は全滅した。改選前の当選回数が1回以下の候補者が8割近くを占める中、一部の候補を除いて、党勢の影響も大きい結果となった。

自民党公認候補者は9人全員が当選し、中には、今回の当選議員の中で唯一新人である大隈和英氏(大阪10区、比例復活)も含まれる。
民主党公認候補者は7人中3人が当選。民主党政権下で、厚労大臣政務官を務めたものの、前回選挙で議席を失った岡本充功氏が、議席に返り咲いた。
維新の党と次世代の候補は、いずれも前職だったが、維新の党は3人中2人が当選。次世代の党は、党全体で19議席から2議席に激減した中、医師資格を持った候補者2人はともに議席を失った。
ベテラン議員では、自民党公認で元環境大臣を務めた鴨下一郎氏は8回目の当選、民主党公認で出馬した阿部知子氏は6回目の当選をそれぞれ果たした。医師資格を持った前職が2人いた長野1区では、自民党の小松裕氏が議席を守った。安倍晋三首相の地盤である山口4区において、無所属で立候補した渡辺利絵氏は、安倍氏の7分の1以下の票しか獲得できずに敗れた。

【m3.com】



一方、歯科医師では、自民党の白須賀貴樹(千葉13区)、渡辺孝一(北海道比例)、比嘉奈津美(沖縄3区・比例復活)の三名の先生、また医師ではありますが日本歯科大学教授である三ツ林裕己先生が再選となりました。
by kura0412 | 2014-12-17 09:40 | 政治 | Comments(0)

介護は引き下げへ

介護報酬を最大3%引き下げへ 9年ぶり、利用者負担軽く

政府は、介護サービスの公定価格である「介護報酬」を引き下げる調整に入った。引き下げは2006年度以来で、9年ぶりとなる。下げ幅は0~3%の間で、今後詰める。年明けの予算編成過程で決定し、15年度からの実施を目指す。
介護報酬を下げると、利用者の支払いが減り、保険料や税金の負担も軽くなる。高齢化で介護にかかる費用が膨らむのを抑える。

介護報酬は税金や保険料のほか、サービス料の1割にあたる利用者負担で賄う。政府の試算によれば、報酬全体を1%下げると1千億円の削減につながる。税金部分で520億円、保険料部分で410億円の削減効果があるほか、利用者負担も70億円減るという。
介護報酬は3年ごとに見直し、15年度が改定年にあたる。消費増税の延期で、介護に振り向ける財源は限られる。財務省は3%程度の引き下げを求めている。厚生労働省は大幅な引き下げに反対しているが、引き下げ自体は受け入れる方向だ。
報酬全体を下げるとした後に、その中身となる個々の介護サービスごとの報酬を1月中にも決める。
例えば、特別養護老人ホームや通所介護(デイサービス)、有料老人ホームは、利益率が10%前後と一般企業に比べ高いため、引き下げる方向だ。
一方で、介護職員の賃金が低く人手不足を招いているため、1人あたり月額1万円の賃上げができるように、事業者への加算措置を拡充する。介護職員の賃上げは報酬の増額に働くが、特養ホームやデイサービスなどの減額と合わせて、報酬全体では引き下げる。
高齢化に伴い、介護費は14年度で総額10兆円(予算ベース)に上り、25年度には21兆円と倍増する見込みだ。介護報酬を引き下げれば、少なくとも介護費の増加ペースを抑えることができる。

【日経新聞】



本当に引き下げて介護職員報酬増額出来るのか注目です。
介護は抑制圧力が更に強まるのは必至です。そして医療は・・・
by kura0412 | 2014-12-16 10:08 | 介護 | Comments(0)

『総選挙で日本人は愚かでない選択をした』

「総選挙で日本人は愚かでない選択をした」
極右を排除、低投票率で無意味な選挙に抗議
ピーター・エニス :東洋経済特約記者(在ニューヨーク)

――安倍首相率いる自公連立政権が過半数を獲得しましたが、自民党はいくつか議席を失い、公明党と合わせてもそれほど議席数は増えていません。安倍首相は選挙を行ったことで何を得て、失うものがあったとしたら何を失ったといえるのでしょうか。

安倍首相にとって、今回の選挙は権力の維持がすべてです。安倍首相が総理大臣の地位に留まり続けるうえでの最大の脅威は、野党ではなく与党に潜んでいます。主に経済動向に左右され、世論調査の形で表れる支持率が低下すると、安倍首相に対する自民党内部からの圧力は強まります。
選挙前までの動向を考えると、来年秋の自民党総裁選挙で安倍首相が危機に立たされる可能性がありました。今回の選挙に勝利することで、安倍首相は有力な挑戦者たちを退け、内閣の認識を劇的に変えてしまうような外部要因を取り除く必要があったのです。そこで総理大臣は時間をかせぎ、政治的資本を多少ながら再構築しました。そこで次に問題となってくるのが、彼はその時間と政治的資本を使って何をするかです。

公明党が議席を増やしたことの大きな意味
――自民党は多くの議席を失うかもしれないという予想があったにもかかわらず、実際はいくつかの議席を失うにとどまった。

今回の勝利は、事実上体制が維持されたことを示しますが、実際のところ自民党は議席数を増やすことになるだろうと各報道機関が予想していたことを考慮すると、いくらか決定性に欠けると見られることが重要な点でしょう。

――公明党が議席数を増やしたことは、集団的自衛権や核エネルギーといった複雑な問題に関する連立政権の意見集約を複雑化させる要因となるのでしょうか。

私は公明党が議席数を増やしたことに大きな意味があると考えています。基盤は連立政権によって支えられていたかもしれませんが、議席数を増やしたのは公明党自身の力です。そのため、消費税の引き上げ延期に関連した税政策や、集団的自衛権に対する内閣の決断を反映する安全保障法の改正などの問題を議論する際、連立政権内における公明党の立ち位置は、以前よりも有利なものとなるでしょう。
しかし、この力を公明党が利用するかどうか、そしてどのように利用するかは別の問題となります。公明党はジレンマに陥っています。公明党は、連立政権に加わることで政党が力を持ち、自民党との間で行う交渉を正しい方向に導くことができると投票者たちに訴えています。しかし、彼らが実のところ何を追い求めているか理解できていないとしたら、その議論にどんな意味があるというのでしょうか。

――これから民主党はどこへ向かうのでしょうか。

民主党は、将来の選挙に備えて反対勢力の中心としての立ち位置を守ることしかできませんでした。しかし今なお民主党は、アンチ自民党としての政党アイデンティティをはっきりと示し、政治を導くことができる存在であると日本の有権者たちに再度信頼してもらう必要があります。与党としての信頼性を証明しようとするあまり、中道もしくは中道右派を突きつめ過ぎると、自民党との差別化に失敗してしまうことになります。代表がいま変わろうとしていて、これから誰が浮上するかが明らかになります。民主党は初心に立ち返り、中道左派でリベラルな改革派政党としてのアイデンティティを取り戻す必要があると、私は考えています。
具体的には、かつては日本の躍進を先導したものの今や成長と世界経済における機能を阻害する要因となっている官僚主義的資本主義制度からの脱却、権力の一極集中から地方分権への促進、反中国の封じ込め戦略ではなくアジアとの関わりにつながる外交政策の模索、日本国粋主義者による歴史改ざんへの反対などを掲げる政党となることです。ここには、維新の会や左派 (日本共産党など) にさえ大いに通じる部分があると考えられます。

――明確な保守派である次世代の党が実質的に一掃されたことには、どのような意味があるのでしょうか。

極右派は、概ね支持を集めませんでした。これは、こういった団体が唱える人種差別的・極右派的レトリックに日本人たちが現状のところ翻弄されていないことを示す良い兆候だといえます。

――その反対に日本共産党は支持を集めました。なぜでしょうか。

日本共産党は、自民党に反対する明確な政綱をもった唯一の野党でした。彼らは消費税増税を(他の政党のように延期を支持しただけではなく) 真っ向から否定し、反原発の姿勢を明確にし、改憲や日本の自衛権拡大に強く反対し、沖縄基地拡大に反対する運動を先導し、そしてクリーンな印象があります。民主党など他の政党には自民党との明確な差異化がみられなかったため、安倍政権への反対票を投じたい多くの人々が日本共産党を選んだのです。

投票率の低さは日本人が愚かではないことを示した
――投票率の低さは何を示しているのでしょうか。

これは日本の人々が愚かではないことを示しています。彼らは、今回の選挙が「ジェリー・サインフェルド的選挙」(アメリカのコメディアンによる長寿テレビ番組にまつわる表現で、何の意味も持たない選挙の意) だということが分かっていたのです。そのため、家から出ないことを選んだのです。

――今回の結果は、何かしらの政策的含意を帯びてくるのでしょうか。例えば、TPP交渉や農業改革についてはいかがでしょうか。

知的財産保護など他の政策と同様、TPP賛成派のアメリカや他の国々に倣って日本の農業市場の開放を推し進めたいと安倍首相が望めば、そうすることは可能です。問題となるのは、彼がその必要性を理解するか、もしくはそれに関連した政治的代償を払おうとするかです。安倍首相が追い求めるものにはいずれも代償がついてきます――安全保障法制の整備や、来年出される予定の戦争に関する談話、憲法の改正などもそうです。
それでは、彼は自身のもつ政治的資本を何に使いたいと考えているのでしょうか。私たちには知る由がありません。安倍首相とそのブレーンたちは、オバマ大統領が共和党への協力の証拠としてTPPを通すことに必死になるあまり、最終的に農業市場問題に妥協を示すことをいまだに期待しているのではないかと私は疑っています。そうだとしたら、彼らはアメリカの政治を誤解しています。例えば、共和党は巨大農業地域の意見を代表しているため、日本の農業市場の開放を求めている、といったように。
アメリカが立場を改めずに交渉の場に臨んできた場合、安倍首相はそれに対処する準備ができているのでしょうか。今後数週間でどのような展開を見せるのか、注目しましょう。

――集団的自衛権についてはいかがでしょうか。

安倍首相は、日本国民の支持を得ていない状況下でも、大概のことを望み通りに進められる力を持っています。今回の選挙は、その現実を変えるには至りませんでした。しかし戦略上、安倍首相は公明党と何かしらの交渉を行わなければなりません。この問題に関する公明党の要点は何であるのか、また彼らが戦うにあたってどの程度強い意識を持っているのか、私にはわかりません。

――安倍首相は原子力発電を推進していくのでしょうか。

はい、安全であるとリストに記された発電所を再稼働するつもりだと思います。

沖縄では騒乱が起きる可能性
――沖縄問題についてはいかがでしょうか。

沖縄の人々は、知事選と今回の衆院選の2つの選挙で意思を表明してきました。そして、普天間基地の辺野古移設に対してはっきりと反対の意を示しました。沖縄県知事は、埋め立てを承認したことを覆すための解決策を探ることになります。それに失敗した場合、抗議者の群れがゲート前に押し寄せ、暴動となるでしょう。そのようになれば、東京の官僚やその仲間たちが、アメリカに対する約束を果たすための方策を用意しているかどうかが分かります。
率直に言うと、より大きな基盤構造を脅かしかねない沖縄のそういった騒乱に対し、アメリカがどの程度容認を示すかが分かります。それは、1972年の返還以来、沖縄にとって最も重大な瞬間となるでしょう。
安倍首相とその仲間たちは、現状のまま推し進めるだろうと私は確信しています。
なぜなら、アメリカへこの贈り物を捧げることによって、反中国・反韓国政策を推進する裁量がより与えられることになるからです。そして、安倍首相個人としてより重要なのは、それにより日本に対して戦後に下された戦時中の非行に対する判決を逆転させようという歴史改ざん運動も、いっそう進められることになるのです。

【東洋経済ONLINE】
by kura0412 | 2014-12-16 09:01 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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