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良いお年をお迎えください

診療室の掃除を終え、私の診療所の2013年はこれで終わりです。
待合室を改めて覗いたら、保険関係の通知の貼り紙だらけです。
美的センスに欠ける姿です。これだけでもなんとかしたいものです。

1年間本ブログにお付き合い頂きありがとうございました。
来年こそ少し明るい歯科界をと思いだけでも続けたいものです。
良いお年をお迎えください。
by kura0412 | 2013-12-30 17:46 | コラム | Comments(0)

甘利大臣は歯科でなく耳鼻科を受診した模様です

総 覧

「正確には生検をしてみなければはっきりしたことは言えませんが、私の経験からすると癌の可能性が高いと思います。」慎重な言い回しをしながらも、医師から下された所見に衝撃を受けました。

二か月ほど前から朝方、口の中でピリピリとするような感覚がありました。
『また寝不足で口内炎ができたかな。』と思いつつも、日中全く気にならない状態でした。しっかり眠ると翌朝はピリピリ感も消えていました。しかし、寝不足の朝はまた同じような感覚になります。
そんなことがひと月も続いたある日、鏡に向かって、口内炎の場所を突きつめてやろうと口の中とにらめっこをしていた時に、舌の脇中ほどに小さな潰瘍が見つかりました。『はー、こいつが正体か。』と思い、綿棒で触りましたが口内炎ほどの痛みはありません。とりあえず、国会内の耳鼻科に行き、口内炎用の薬を処方してもらいました。
ところが、普通ならよくなるはずの口内炎が、2週間たっても一向によくなりません。『これはおかしいんじゃないかな。』と思い、公務の合間を縫って再び耳鼻科を訪れ、「口内炎が薬を使っても一向に良くならないのは、おかしいんじゃないんですか?他の病気が疑われるということはありませんか?」「そうですね。では専門医を紹介しましょう。」

家に帰り、家内と相談すると「来週なんて悠長なことを言っていないで、明朝すぐにでも専門医の診断を受けるべきよ。」家内の言葉に背中を押され、翌日からあわただしい行動が始まりました。入院して精密検査を行い、最終的に出た結論は早期の舌癌でした。

医師の所見が告げられた時点で、総理には辞意を申し出ました。
総理からは「まずは精密検査の結果を待とう。それに通常国会まではまだ十分余裕があるんだから。」と慰留されました。官房長官にも翌日に、閣僚辞任になるやもしれぬ旨を伝えました。

その翌日は、TPPの最大の山になる日米交渉です。これが大臣最後の仕事になるだろう、という悲壮な思いをもって会談に臨みました。『通商交渉、かくあれり。』と臨んだ交渉は、昼食をはさむはずが昼食抜きで三時間近くぶっ通しでのハードネゴシエーションとなりました。結局、その場で決着はつきませんでしたが、アメリカが初めて日本のセンシティビティーを深刻に受け止めた日となりました。

翌日から入院して、ありとあらゆる検査が始まり、最終的診断は生体検査、つまり、患部の細胞を摂取して顕微鏡等で検査をする、病理診断によって癌が確定しました。
その日の夜に、再度総理に病室から電話で辞意を申し出ました。
総理からは「時間的余裕はあるのだから、癌を克服して、たくましく職務復帰をする姿を見せて、病に苦しむ多くの人たちに勇気を与えてやってほしい。」と慰留されました。そこまで考えて頂いているのならと、総理の指示に従った次第です。

盲腸の手術すらしたことのない私にとって癌の宣告は、極めて辛い経験でありましたが、記者会見後、多くの人々から心配やら、激励やら応援を頂きました。政界、官界、経済界、後援者、そして見ず知らずの人たちからも・・・。自分がいかに多くの人たちに支えられて政治活動をしているのかを痛感する数週間でした。神は私に、立ち止まって感謝をする機会を与えてくれたんだと思います。
面識のなかった医学界の重鎮からは「甘利大臣は、日本の宝です。この道の第一人者を紹介しますから、是非その先生の診察を受けてほしい。」との連絡が知人を介してありました。そうしたアドバイスも含め、最善の道が選択できたと思います。
術後、3、4週間で公務復帰との見通しも、2週間に縮まりました。
今後私が成すべきは、更なる努力精進を通じて、今までに倍する貢献を国家国民の為になすこと、と決意を致しました。ご厚情に衷心より感謝申し上げます。


【甘利 明社会保障・税一体改革担当大臣HP】



この内容をみると口腔外科ではなく耳鼻科を受診した模様です。
大臣が口腔管理を定期的に行っていれば、もう少し早く対応は可能だったと思います。
by kura0412 | 2013-12-28 12:44 | 歯科 | Comments(0)

「基金」の配分

診療報酬でなく「基金」で医療充実、厚労省予算

厚生労働省は12月24日、2014年度の予算案を発表した。総額は昨年度から4.5%(1兆3115億円)伸びて、30兆円7430億円となった。医療分野の注目点は、医療提供体制の充実に向けて、「基金」が新設され、多くの予算が振り分けられた点だ。
一方、診療報酬改定は、額面はプラス0.1%で、消費税負担分を考慮すると実質でマイナス1.26%となった。

消費税による増収分の5兆円は、「全て社会保障の充実・安定化に向ける」との方針に基づいて、社会保障に振り分けられている。
医療関係では、
(1)「社会保障の充実」が5000億円、
(2)「消費税率引き上げに伴う社会保障4経費の増」に2000億円。
(2)のうち、消費税率引き上げに伴う医療機関の損税を補填するための予算は、医療費ベースで1.36%分に当たる、1899億円が確保されているとの説明だが、薬価の引き下げ分と相殺されていて、実際に増額を実感できる形ではない。5兆円の残りは、「基礎年金国庫負担割合2分の1とする措置の恒久化」に2.95兆円などが充てられている。

医療機関には「使い勝手の悪い」基金
(1)には、「医療・介護サービスの提供体制改革に使う」とされてきた消費税増税財源の約1000億円が含まれている。実際の合計額は、930億円で、日本医師会などは多くを診療報酬改定の財源とするように求めてきたが、改定財源として確保されたのは0.1%増分の140億円。別枠で、7対1入院基本料を算定する病床削減に向けた、暫定的な予算措置として213億円も計上され、実質的には診療報酬の財源に当たる。ただ、「(予算措置は)2015年度どうなるか不明」(厚労省保険局)な状況である上、仮に213億円を「プラス改定財源」と捉えたとしても、「実質マイナス改定」は変わらない。

930億円のうち、最も多いのは、次期医療法改正後に設置される都道府県の基金の予算。
で、544億円を確保。基金には、一般財源360億円も投入されて、計904億円規模となり、「(都道府件に設置されるので)地域の実情に沿って運用される」(医政局指導課)形となり、田村憲久厚労相も「使い勝手が良い。最終的には医療機関に入るかもしれない」とする。

ただ、基金の目的としては、
(1)医療従事者等の確保、要請、
(2)在宅医療の推進、
(3)医療提供体制の改革に向けた基盤整備――などが並び、
日医などが「医師が主体的に取り組んでいく」として、イニシアチブを取ることを強調してきた項目が並ぶ。都道府県との調整や審査が必要となり、「基金」という形での決着は、医療機関からすれば、「使い勝手の悪い」財源となった。

「必ず救急受け入れる病院」は30程度にとどまる
今年8月の概算要求と比べると、大幅減額となっている項目もある。
「必ず救急を受け入れる病院を100カ所程度整備」とされていた、「救急医療体制の強化」は、23億円の要求に対して、予算案は8億円。厚労省医政局指導課は、「実際の機能は変えないが、100カ所を3分の1程度として対応する」として、30施設程度とする考え。
「ドクターヘリ運航体制の拡充」は119億円から49億円、「専門医養成プログラムの作成支援等」は9.7億円から3.4億円と、半減以下となっているが、厚労省大臣官房会計課は「夏は予算額を載せずに項目だけ要求したものもあり、全体の調整の結果。厳しい状況であるが、最低限は確保できた」としている。

安倍晋三政権が目指す経済成長につながる創薬や研究開発の分野の予算案は、大きく減っていない状況。「予防健康管理の推進等」は214億円から207億円、「医療分野の研究開発の司令塔機能の創設に伴う取組の推進」(概算要求段階では、「日本版NIH」)は、524億円から476億円、「臨床研究中核病院などの整備」は34億円から26億円、「創薬支援機能の強化」は78億円から59億円となり、力を入れていることが伺える。
「難病対策」は562億円から719億円に増額され、「がん対策」は255億円から230億円となっている。



「904億円を医療に充当」、評価は早計
2015年度予算の新基金、執行状況を注視すべき

厚生労働省の2014年度予算案で、注目を集めているのが、「医療提供体制の改革のための新たな財政支援制度(基金)」だ。要求額は計904億円。内訳は、消費税増収分544億円、その他の一般会計からの上乗せ分360億円。
2014年度診療報酬改定の改定率が全体では0.1%、消費増税に伴う補填分1.36%を差し引くと、1.26%の引き下げになっただけに、基金への医療関係者の関心は高い。しかしながら、「904億円の予算が医療に新規に充当される」と期待するのは早計だ。

「新たな財政支援制度(基金)」の発端は、2013年8月の社会保障制度改革国民会議の報告書。
今後の財政支援の在り方として、「病院の機能転換や病床の統廃合など計画から実行まで一定の期間が必要なものも含まれることから、その場合の手法としては、基金方式も検討に値する」と打ち出された。これを踏まえ、先の臨時国会で成立した社会保障制度改革プログラム法に、基金の設置が盛り込まれた。

まず注意すべきなのが、「904億円」という額。「新たな財政支援制度(基金)」の対象事業は、
(1)医療従事者等の確保・養成、
(2)在宅医療の推進、
(3)医療提供体制の改革に向けた基盤整備――が想定されている。
この中には、医師確保対策の一環として2011年度からスタートした地域医療支援センター(8月の概算要求時点で13億円)や、看護師等養成所の運営等への補助(同52億円強)なども含まれている。他にも、既存事業のメニューが「新たな財政支援制度(基金)」の対象事業に入っており、年末の予算編成で、国の医療関係の予算が904億円純増したわけではない。

地域医療再生基金との違いも多々
「新たな財政支援制度(基金)」は、都道府県が主体となり、医療提供体制の改革を目的として、単年度ではなく複数年度に渡り予算を組むという点で、2009年の補正予算からスタートした「地域医療再生基金」に類似していると言える。ただし、地域医療再生基金は2013年度までの5年間の基金として開始したが、「新たな財政支援制度(基金)」は、何年間の基金になるか、現時点では未定だ。
地域医療再生基金は、2010年度以降も継続して予算化され、2012年度までに計6050億円の予算が計上された(東日本大震災の復興事業も含む)。2012年度補正予算は2013年度末までに開始する事業が対象だが、地域医療再生基金の予算化は2012年度で終了している。
二つの基金には、幾つかの相違点がある。
一つは、事業費の負担割合だ。地域医療再生基金の場合、国と都道府県の負担割合にはさまざまなパターンがあった。国の予算に、都道府県が上乗せをせずに事業を行う場合には、国の負担割合は10分の10。
一方、都道府県も予算を組み、上乗せした事業では、国の負担割合は10分の5などに下がる。都道府県がどの程度負担するかについては自由度があった。これに対し、「新たな財政支援制度(基金)」は、国が3分の2、都道府県が3分の1という負担割合。国が想定しているのは、消費増税に伴い、都道府県の税収も増えるため、それを充ててもらう図式だが、都道府県によって取り組み姿勢が異なってくる可能性はある。

「公立・公的重視」から脱却できるか
そもそも、地域医療再生基金自体、予算の執行状況は進んでいるとは言えない。
厚労省が11月22日の社会保障審議会医療部会に提出した資料によると、初年度の2009年度分でも執行率は54.0%にとどまる(資料は、厚労省のホームページに掲載〔参考資料2-1、2-2〕)。医療機関の施設整備費は、原則として工事完了後の支払いになることなどが理由で、基金事業終了時点での執行率は100%になる予定だが、円滑な予算執行には都道府県における迅速な調整や審査が求められる。
その上、地域医療再生基金における公立・公的と民間の医療機関の補助率は、73.9対26.1。同基金に対しては、「公立・公的に手厚い」との指摘は、民間医療機関から根強い。

「新たな財政支援制度(基金)」の開始は、2014年の通常国会に提出が予定されている、医療法改正法案の成立後。
地域医療支援センターは、既に2013年度時点で全国30都道府県に設置されている。4月以降に成立がずれ込めば、既に稼働している事業については4月に遡って予算が執行される見通しだが、同基金の補助対象や執行状況を注視していく必要がある。

【m3m com】



これらをみる限り歯科への配分は在宅診療ぐらいでしょうか。
by kura0412 | 2013-12-27 14:36 | 医療政策全般 | Comments(0)

実質(?)プラス0.12%の改定

診療報酬改定について日歯がコメントを発表

12 月24 日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において,日歯・日歯連盟による次期診療報酬改定に関する臨時記者会見が開催された.
大久保満男・日歯会長(写真:左),髙木幹正・日歯連盟会長(同右),堀 憲郎・日歯常務理事(中医協委員)から,それぞれの立場で意見が述べられた.

歯科は診療報酬本体がプラス0.99%,そのうち0.87%が消費税増税対応のため,実質(?)プラス0.12%の改定となったが,これは30 億円強の金額となる
前回の改定では500 億円超プラスされたことを鑑みると,10 分の1 以下の結果ではあるが,診療報酬改定の具体的な貼り付け作業はこれからで,諮問,答申までに若干時間がある…….

安倍総理を巻き込む形で「官邸主導の決着」をみたが,尽力いただいた多くの歯科系議員,国民歯科問題議員連盟の方々をはじめとする与党議員の皆様 には感謝したい.消費増税と改定の時期が重なったが,平成27 年10 月からの10%への消費増税,また次回の改定時(平成28 年)も同様の対応となるのか,あるいは今回が特別(特例)なのか問題である.
従来は薬価のマイナス部分を診療報酬本体に回す手法がとられていたが,今回は薬価のマイナス分をそのまま反映させる方式となっていない.これが恒久化(固定化)されるものか,今回限りのものであるのか注視していく必要がある.「持続可能な社会保障制度」を実現するために消費増税がなされるわけで,診療報酬がそれに見合ったものにならなければ,増税の意味が 失われかねない.
いずれにしても,歯科の医療現場は大きく疲弊している状態であるから,マイナス改定という最悪の事態だけは避けられたことに,ホッとしている.

【ヒョーロンニュース】
by kura0412 | 2013-12-26 17:55 | 歯科医療政策 | Comments(0)

医科では「非常に強い憤り」

中央社会保険医療協議会
「非常に強い憤り」、改定率で安達氏、中川氏が抗議
薬価改定財源の消費税対応への充当はルール違反

「歯ぎしりするほど悔しい思い。非常に強い怒りを覚える。消費税対応分は当然、税収で賄うのが国家財政の基本だろう。しかし、それを充てずに薬価引き上げ財源を充当した。これはルール違反に限りなく近い。今改定により、医療崩壊が再び加速することを予見している」
12月25日の中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)で、12月20日に決定した2014年度の診療報酬改定率が説明された、それに対し、強い抗議の意を示したのは、日本医師会社会保険診療報酬検討委員会委員長の安達秀樹氏。

日本医師会副会長の中川俊男氏も、安達氏の意見を支持し、「非常に悔しい思いをしている」と述べ、「消費税に対応するための改定分と、通常改定分を明確に切り分けて予算編成してもらいたいと主張してきた。
ところが、非常に分かりにくい予算編成になっており、いろいろな人が混乱した、
まさに財政当局の思惑通りになったのではないか」と指摘。「小泉政権下ですら、財政当局は薬価や材料の引き下げ財源は、診療報酬本体の改定財源として認めてきた。今後の改定においては、薬価・材料引き下げ財源を、(2014年度改定のように)本体改定財源にしないことが前例にならないように、厚労省は全力を尽くしてもらいたい」と強くけん制した。

安達氏が言う「ルール違反」の論理はこうだ。
「薬価改定率がマイナス0.63%、それに対して、診療報酬本体の消費税対応分はプラス0.63%であり、同じ数字。これは偶然ではないと思う。消費税非課税になっている医療の現状に鑑みて、医療機関の負担増に対する配慮として、0.63%の消費税対応が図られるはず。つまり、非課税の対策は、当然、税収で賄うのが、国家財政の基本的な運用の常識だろう。それを充てずに、薬価引き下げ分で充当した。国家財政の運用上、あるいは税収の運用上、ルール違反に限りなく近い」。

「全改定率0.1%」の解釈は、メディアでも分かれ、「0.1%」のプラス改定になったという見方の一方、消費税対応分1.36%を差し引き1.26%の引き下げとの意見も強い。
安達氏が支持したのは、後者だ。「考えようによっては、1.36%という消費税対応分のうち、1.26%は医療機関が持ちなさいと言われたという解釈が成り立つだろう。別な見方をすれば、実質上は1.26%の引き下げという見方もできる」。
さらに安達氏は、病院の損益分岐率が95%、97%など、経営が厳しい状況で、1.26%の引き下げになれば、損益分岐率が限りなく100%に近付くとし、「小泉政権下での4回にわたる全体改定率の大幅な引き下げの後、民主党政権下で2回のわずかなプラス改定が行われた。それでもまだ回復していない医療に対して、損益分岐点が100%近くなるマイナス改定を行えば、医療崩壊を再び加速することを予見する。このことに対する政府見解も示されず、非常に強い怒りを覚える」と語気を強めた。

厚生労働省保険局医療課長の宇都宮啓氏自身、改定率を説明する中で、「厳しい改定率との指摘もある」と認め、「中医協でこれまで議論されたことは、診療報酬で対応していくことが基本だが、厳しい改定率でもあるので、基金で対応していくことも一部あり得る」との見解を示した。
「基金」とは、次期医療法改正後に設置される都道府県の基金で、計904億円の予算を確保の予定。
もっとも、改定率は決定事項。
今後の中医協の議論は、来春に向けた各論の具体的議論に入る。12月25日の中医協総会では、支払側と診療側それぞれが今後の議論に向けた意見書を提出した。

【m3.com】



歯科は医科に比べても比較ならないほどヒドイ状況で、憤り通り越して諦めの心境です。
もう少し冷静になった段階で詳しく分析したいと思います。
by kura0412 | 2013-12-26 12:14 | 医療政策全般 | Comments(0)

これからは本体改定率で通すのか

「“医療崩壊”の悪夢」現実か、実質1.26%引き下げ
2014年度改定、消費増税補填分含め0.1%増

2014年度診療報酬改定は、全体でプラス0.1%になることが12月20日、決定した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。2014年4月の消費増税の補填分1.36%が含まれるため、実質的にはネットで1.26%のマイナス改定だ。マイナスになるのは、2008年度改定以来、6年ぶり。
診療報酬本体はプラス0.73%(うち増税補填分0.63%)、薬価・材料はマイナス0.63%(同プラス0.73%)。診療報酬本体の内訳は、医科がプラス0.82%(同0.71%)、歯科がプラス0.99%(同0.87%)、調剤がプラス0.22%(同0.18%)。

財務省は早くから、従来の改定とは方針を変え、薬価引き下げ財源を診療報酬改定財源に充てることはしないなど、厳しい姿勢で臨んでいた。財務省の意向通りになれば、「2000年代の悪夢が再現される」(日本医師会副会長の中川俊男氏、『“医療崩壊”の悪夢再現、阻止を!』を参照)との強い危機感が医療界にあったが、それが現実になったわけだ。

厚生労働大臣の田村憲久氏は、20日午後5時過ぎ、財務大臣の麻生太郎氏との折衝後に、記者団の取材に応じ、消費増税対応分1.36%が確保されたことについては、「(厚労省の)要求通り、負担対応の財源が十分確保できた」「損税が生まれないようにしたのは一定の成果」とコメント。
実質的な「マイナス改定」との指摘には、田村大臣は診療報酬とは別に、医療機能分化・連携、在宅医療の推進などのために新たに約900億円の基金を作ることを説明。
「基金」という制度にした狙いについては「国民の負担に跳ね返らないようにする」と述べた。財務省が薬価引き下げ財源を診療報酬本体に充てることに否定的だったことについては、「今までとは変わっていない。必要な政策をどれくらい積み上げるかだ」と述べ、問題視しなかった。

日医、「実質マイナス改定」問題視せず
改定率決定を受け、日本医師会は、横倉義武会長名で見解を公表。しかしながら、「実質マイナス改定」など、改定率を問題視する文言は見当たらない。
確かに、診療報酬本体だけを見れば、0.73%から増税補填分0.63%を差し引けば0.1%増になる。横倉会長は、この点に触れ、「消費税率引き上げと同じタイミングで、保険料・患者負担という国民負担が増えることがないよう、調整された。地域医療を再興させ、切れ目のない医療を提供するための手当て等として、診療報酬本体として0.1%の財源が確保された」とコメント。その上、約900億円の基金については、「地域包括ケアの中心を担う、かかりつけ医機能を持つ医療機関に配分される」との期待を込めた。

もっとも、従来から改定率は、診療報酬本体と薬価・材料の改定率の差し引きの「ネット」で見てきた経緯があるだけに、診療報酬本体だけを取り出して議論するのは、日医の路線変更と言っていい。
その上、診療報酬本体に限って見ても、前回の2012年度改定では、プラス1.379%。0.1%がいかに小さな数字であるかが分かる。同改定では、薬価等がマイナス1.374%で、全体ではプラス0.004%だった。

日医と対照的な反応を示したのが、日本病院団体協議会議長の武久洋三会長。m3.comの取材に対し、「かなりのマイナス。実質的な消費税の負担分は、『自分たちで払え』ということなのだろう。『お前たちは儲かっているのだから、自分たちで何とかすればいい』という突き放した態度だと思う。実際には、相当体力があるところではないと、かなり厳しい。どう考えても、消費税(増税への政府の対応)に関しては納得できない」と憤りをあらわにした。
さらに武久氏は、次のように続け、病院の窮状を訴えた。
「そもそも、診療報酬と消費増税への対応を一緒に考えること自体が間違いだった。2014年には病床機能報告制度も始まるなど、病院にとっては四面楚歌の状況だ。小泉政権時代の大幅マイナスで、国民からも『あまりに病院がかわいそう』と哀れみの目で見られたことを記憶している。またそのような哀れみの目で見られる時代が、ここ2、3年のうちに来るのではないか。大企業は優遇して、医療は締め上げるという考え方も改めてもらいたい」(武久氏)。

改定内容は例年通り、2月に決定の見通し
武久氏が言及したように、2000年代の小泉政権下では、社会保障費抑制政策が打ち出され、2002年度は2.7%減、2004年度は1.0%減、2006年度は3.16%減、2008年度は0.82%減と、いずれもマイナス改定が続いていた。
これに対し、民主党政権への交代後に行われた2010年度改定では、10年ぶりのプラス改定になり、全体ではプラス0.19%、診療報酬本体がプラス1.55%(医科1.74%、歯科2.09%、調剤0.52%)、薬価等がマイナス1.36%という内訳だった。2012年度改定でも、全体ではプラス0.004%、診療報酬本体がプラス1.379%(医科1.55%、歯科1.70%、調剤0.46%)、薬価等がマイナス1.374%。

2014年度改定の基本方針は、既に社会保障審議会で決定、社会保障制度改革国民会議の報告書を踏まえ、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実などが柱となる。
消費税率引き上げへの対応は当初、高額投資などは別建てで行うことが検討されたが、最終的には全て診療報酬で対応する方針に決まった。
今後は、基本方針に沿った点数の配分の議論に焦点が移る。例年通り、2月上旬から中旬に、中医協で諮問・答申が行われ、2014年度改定の内容が決まる見通し。

【m3.com】



今回の改定を機にネット改定率での比較はなくなるのでしょうか。そして消費税増税分込みの数字が一方的に使われることへの懸念が出てきます。
薬価差額分はほぼゼロ査定。そして歯科には基金を利用する案は殆どありません。
by kura0412 | 2013-12-25 14:16 | 医療政策全般 | Comments(0)

次の改定を考えるならば

診療報酬、「微増」で決着…実質はマイナス改定

政府は20日、2014年度予算編成の焦点となっていた診療報酬について、全体で0・1%のプラス改定とすることを決めた。
ただ、同年4月の消費税増税対応分を除く実質的にはマイナス1・26%で、08年度の福田内閣以来、6年ぶりのマイナス改定となった。

麻生財務相、田村厚生労働相が同日の閣僚折衝で合意した。診療報酬とは別に904億円の公費を投入し、医療提供体制の見直しに向けた基金を創設することでも折り合った。
改定率決定に向けた調整では、田村氏が大幅なプラス改定を求めたのに対し、麻生氏がマイナス改定を主張。互いに一歩も譲らず、調整は難航していた。
診療報酬は、2年に1回改定され、医師の技術料などの「本体」と、医薬品などの「薬価」からなる。医療提供体制を充実させるため、本体は0・1%(実質)引き上げ、薬価は市場の実勢価格に応じて1・36%(同)引き下げる。
一方で、消費税が増税された場合、医療機器などを仕入れる際の医療機関の負担が増えることに配慮し、特別な措置として診療報酬に1・36%を上乗せすることから、差し引きの改定率は0・1%のプラスとなった。この場合の内訳は、本体が0・73%、薬価がマイナス0・63%とした。

【読売新聞】



「“医療崩壊”の悪夢」現実か、実質1.26%引き下げ
2014年度改定、消費増税補填分含め0.1%増

2014年度診療報酬改定は、全体でプラス0.1%になることが12月20日、決定した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。2014年4月の消費増税の補填分1.36%が含まれるため、実質的にはネットで1.26%のマイナス改定だ。マイナスになるのは、2008年度改定以来、6年ぶり。
診療報酬本体はプラス0.73%(うち増税補填分0.63%)、薬価・材料はマイナス0.63%(同プラス0.73%)。診療報酬本体の内訳は、医科がプラス0.82%(同0.71%)、歯科がプラス0.99%(同0.87%)、調剤がプラス0.22%(同0.18%)。

財務省は早くから、従来の改定とは方針を変え、薬価引き下げ財源を診療報酬改定財源に充てることはしないなど、厳しい姿勢で臨んでいた。財務省の意向通りになれば、「2000年代の悪夢が再現される」(日本医師会副会長の中川俊男氏、『“医療崩壊”の悪夢再現、阻止を!』を参照)との強い危機感が医療界にあったが、それが現実になったわけだ。
厚生労働大臣の田村憲久氏は、20日午後5時過ぎ、財務大臣の麻生太郎氏との折衝後に、記者団の取材に応じ、消費増税対応分1.36%が確保されたことについては、「(厚労省の)要求通り、負担対応の財源が十分確保できた」「損税が生まれないようにしたのは一定の成果」とコメント。

実質的な「マイナス改定」との指摘には、田村大臣は診療報酬とは別に、医療機能分化・連携、在宅医療の推進などのために新たに約900億円の基金を作ることを説明。
「基金」という制度にした狙いについては「国民の負担に跳ね返らないようにする」と述べた。財務省が薬価引き下げ財源を診療報酬本体に充てることに否定的だったことについては、「今までとは変わっていない。必要な政策をどれくらい積み上げるかだ」と述べ、問題視しなかった。

日医、「実質マイナス改定」問題視せず
改定率決定を受け、日本医師会は、横倉義武会長名で見解を公表。しかしながら、「実質マイナス改定」など、改定率を問題視する文言は見当たらない。
確かに、診療報酬本体だけを見れば、0.73%から増税補填分0.63%を差し引けば0.1%増になる。
横倉会長は、この点に触れ、「消費税率引き上げと同じタイミングで、保険料・患者負担という国民負担が増えることがないよう、調整された。地域医療を再興させ、切れ目のない医療を提供するための手当て等として、診療報酬本体として0.1%の財源が確保された」とコメント。その上、約900億円の基金については、「地域包括ケアの中心を担う、かかりつけ医機能を持つ医療機関に配分される」との期待を込めた。

もっとも、従来から改定率は、診療報酬本体と薬価・材料の改定率の差し引きの「ネット」で見てきた経緯があるだけに、診療報酬本体だけを取り出して議論するのは、日医の路線変更と言っていい。その上、診療報酬本体に限って見ても、前回の2012年度改定では、プラス1.379%。0.1%がいかに小さな数字であるかが分かる。同改定では、薬価等がマイナス1.374%で、全体ではプラス0.004%だった。

日医と対照的な反応を示したのが、日本病院団体協議会議長の武久洋三会長。m3.comの取材に対し、「かなりのマイナス。実質的な消費税の負担分は、『自分たちで払え』ということなのだろう。『お前たちは儲かっているのだから、自分たちで何とかすればいい』という突き放した態度だと思う。実際には、相当体力があるところではないと、かなり厳しい。どう考えても、消費税(増税への政府の対応)に関しては納得できない」と憤りをあらわにした。
さらに武久氏は、次のように続け、病院の窮状を訴えた。
「そもそも、診療報酬と消費増税への対応を一緒に考えること自体が間違いだった。2014年には病床機能報告制度も始まるなど、病院にとっては四面楚歌の状況だ。小泉政権時代の大幅マイナスで、国民からも『あまりに病院がかわいそう』と哀れみの目で見られたことを記憶している。またそのような哀れみの目で見られる時代が、ここ2、3年のうちに来るのではないか。大企業は優遇して、医療は締め上げるという考え方も改めてもらいたい」(武久氏)。

改定内容は例年通り、2月に決定の見通し
武久氏が言及したように、2000年代の小泉政権下では、社会保障費抑制政策が打ち出され、2002年度は2.7%減、2004年度は1.0%減、2006年度は3.16%減、2008年度は0.82%減と、いずれもマイナス改定が続いていた。
これに対し、民主党政権への交代後に行われた2010年度改定では、10年ぶりのプラス改定になり、全体ではプラス0.19%、診療報酬本体がプラス1.55%(医科1.74%、歯科2.09%、調剤0.52%)、薬価等がマイナス1.36%という内訳だった。2012年度改定でも、全体ではプラス0.004%、診療報酬本体がプラス1.379%(医科1.55%、歯科1.70%、調剤0.46%)、薬価等がマイナス1.374%。

2014年度改定の基本方針は、既に社会保障審議会で決定、社会保障制度改革国民会議の報告書を踏まえ、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実などが柱となる(『2014年度改定の基本方針ほぼ了承、医療保険部会』を参照)。
消費税率引き上げへの対応は当初、高額投資などは別建てで行うことが検討されたが、最終的には全て診療報酬で対応する方針に決まった(『消費税負担問題、分科会の中間報告を了承』を参照)。今後は、基本方針に沿った点数の配分の議論に焦点が移る。例年通り、2月上旬から中旬に、中医協で諮問・答申が行われ、2014年度改定の内容が決まる見通し。

【m3.com】



今回の結果を歯科界が肯定するような発言があれば28年度改定も同じ結果を導きます。残念ながら次を視野に敗北宣言するべきです。
by kura0412 | 2013-12-21 12:26 | 医療政策全般 | Comments(0)

ネット・マイナス1.26%

診療報酬全体、実質はマイナス1.26%-14年度改定

2014年度の診療報酬改定は、医師の人件費などに当たる「診療報酬本体」を、消費増税分を含め0.73%引き上げることで決着した。
本体部分は08年度以来、4回連続での引き上げだが、今回の0.73%は消費税率引き上げによる医療機関の負担増への補てん分0.63%を含んだもので、これを除く実質での引き上げ幅は0.1%。
一方、薬価のマイナス0.63%から消費税率引き上げ対応分の0.73%を差し引くと実質の引き下げ幅は1.36%で、これに本体を合わせた診療報酬全体(ネット)では1.26%マイナスとなる。【CBニュース編集部】

本体の改定率を各科ごとに見ると、医科0.82%(うち消費税率引き上げ対応分は0.71%)、歯科0.99%(同0.87%)、調剤0.22%(同0.18%)のいずれもプラス。田村憲久厚生労働相は記者団に対し、本体と薬価を合わせた税率引き上げ分の1.36%について、「(財源を)十分確保することができた」との認識を示した。

厚労省は14年度の報酬改定で、急性期病院が算定する7対1入院基本料の要件を一層厳しくする。医療の効率化を進める狙いだが、これによって7対1を算定できなくなる病院への影響を和らげるため、一定の準備期間を設ける方針。そのため、これに必要な財源として約200億円(公費ベース)を別途、確保する。
がんや認知症、精神疾患対策に取り組むため、診療報酬とは別に約900億円(同)の基金も創設する。同省では、これらの対策を14年度報酬改定の最優先課題としてとらえている。基金の創設によって対応するのは、消費増税に加え診療報酬の負担増が国民に及ぶのを防ぎながら対策を進めるため。
田村厚労相は記者団に対し、「これ(基金)をいかに使い勝手の良いものにするかが残された課題だ」と述べ、制度の具体化に意欲を示した。

【キャリアブレイン】
by kura0412 | 2013-12-21 08:35 | 医療政策全般 | Comments(0)

子宮頚がんの話題再び、なのに口腔ガンは・・・

子宮頸がんワクチンの安全性、25日判断へ-接種勧奨は再開か否か

重篤な副反応が相次ぎ報告され、定期接種であるにもかかわらず、「積極的には勧めない」とされている子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)。接種を受けるかどうか、保護者らに判断が委ねられて約半年が経過した。この間、接種後の健康被害に対する診療・相談体制が整備される一方、専門家らによる検証が進められてきた。
接種勧奨が再開されるか否か、HPVワクチンの効果とリスクについての結論が、25日に開かれる厚生労働省の検討部会で示される見通しだ。

HPVワクチンは今年4月、定期接種に追加された。定期接種化されたことで、対象年齢の小学6年から高校1年までの女子は、計3回の接種費用が原則無料となり、市町村による接種勧奨も積極的に行われた。ところが、全身の痛みなどの重篤な副反応報告が相次ぎ、厚労省は2か月後の6月14日、定期接種は維持する一方で、「自治体による積極的な接種勧奨は一時中止する」と通知した。

これに対し、千葉県野田市は6月、「安全性を最優先し、HPVワクチンの接種そのものを見合わせる」と独自に決定。定期接種のため、「どうしても希望する人」は接種を受けられるが、副反応との因果関係が明らかになるまで原則中止とする姿勢を打ち出した。
さらに、全国市議会議長会も11月、接種の一時中止と接種者全員に対する追跡調査などを国に要望。
ほかにも今月、横浜市議会が通学できないなど学校生活に支障が出ている生徒への支援などを、北海道議会が自治体に相談窓口を早急に設置することなどを、それぞれ求める意見書を国に提出するなど、徹底した安全性の検証と健康被害に対する支援を訴える声が相次いでいる。
一方、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会、日本婦人科腫瘍学会は9月、世界保健機関(WHO)の声明などにより、「HPVワクチンの安全性に大きな懸念がないことが再確認されている」などとして、安全性を確認後、積極的な接種勧奨を早期に再開するよう国に求めている。
ワクチン接種後の副反応については現在、全国17か所の病院で専門的な治療体制が整備されている。

【キャリアブレイン】



子宮頚がんに対してはこれだけ話題になっているのに、ガン全体で同等の死亡率がある口腔ガンに対しては検診すら進まないのは何故なのでしょうか。
by kura0412 | 2013-12-20 13:10 | 医療政策全般 | Comments(0)

『アベノミクスが失望に終わる理由』

アベノミクスが失望に終わる理由

日本の安倍晋三首相がとても懸念しているのは、自国の経済が中国の経済に比べて衰えることだ。安倍氏が経済の再生を目指して「アベノミクス」をぶち上げたのはそのためだ。
では、この施策は成功を収められるだろうか? 答えはイエスだが、その成功は部分的なものにとどまるだろう。デフレを終わらせる可能性は十分にあるが、経済成長率を大幅に引き上げることはできそうにない。
アベノミクスは「3本の矢」で構成される。第1の矢は、デフレの終結を目指した金融政策。第2の矢は、短期的には日本経済の下支えを、長期的には財政の安定性を目指した柔軟な財政政策。そして第3の矢は、投資の増額と経済のトレンド成長率の引き上げを目指した構造改革である。

命中する可能性が最も高いのは第1位の矢の金融政策
この3本のうち、命中する可能性が最も高いのは第1の矢だ。日銀は今年1月、消費者物価の2%上昇という目標を明示した。だが新しいアプローチが生まれたのは、日銀出身でない黒田東彦氏が新総裁に任命された後のことだった。
黒田氏のリーダーシップの下、日銀は「量的・質的金融緩和(QQE)」という野心的なプログラムを発表した。上記のインフレ目標を「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」のがその狙いだ。
具体的には、日本国債の保有額を2年間で2倍に拡大し、その平均残存期間を2倍以上に延長することを公約している。かつて米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長の職にあったクリスティーナ・ローマー米カリフォルニア大学バークレー校教授はこの方針を、米国による1933年の金本位制離脱に匹敵する「レジーム転換」だと称賛した。
黒田氏が本紙(フィナンシャル・タイムズ)とのインタビューで語っているように、日銀の新しい政策は金利の引き下げ、比較的リスクの高い資産の保有増加、そしてインフレ期待の引き上げという3点を通じて経済に影響を及ぼすことにある。「まだ道半ばだ」と黒田氏は話している。「最新の統計によれば、インフレ率は0.9%に達している。だが、先はまだ長い」

楽観論を弁護することは可能だ。
第1に、消費者を対象とした調査の結果や債券市場の動きからは、インフレ期待が上昇しつつある様子がうかがえる。
第2に、経済全体の供給力の余剰(GDPギャップ)は恐らく非常に小さい。日銀はこれを潜在GDPの1.5%にすぎないと見ており、現在の失業率が4%前後であることはその裏付けとなっている。
第3に、日本経済は向こう2年間、潜在成長率の2倍のペースで成長すると予想されている。その通りになれば、供給力の余剰は解消されるだろう。第4に、日銀は日本経済をインフレにするのに必要なことは何でもやるとの決意を明らかにしている。

そもそも中央銀行というものは、その気になれば、自らが創造している貨幣の価値をいつでも引き下げることができる。ただその場合には、インフレ期待が2%で安定するどころか大幅に高まってしまい、日銀が金融引き締めを余儀なくされるというリスクがある。
黒田氏はまた、期待インフレ率がプラスになれば経済活動が促進されるとも述べている。なるほど、期待インフレ率がプラスになれば実質金利はマイナスになり、家計や企業の支出が促されるだろう。もし投資が増えれば、持続可能な経済成長率も上昇するだろう。
さらに、もし民間部門の資金余剰(昨年はGDP比11%)が急減するようなことがあれば、財政赤字が次第に、経済活動にダメージを及ぼすことなく縮小していく可能性もあるだろう。
このように日銀の新しい戦略は、期待インフレ率を2%にとどめることができずにデフレの期待を不安定化させてしまうリスクはあるものの、経済の再生をある程度促進するかもしれない。しかし、金融政策では経済内部の構造的な不均衡を解消することはできないし、基調となる経済成長率の底上げに大きく寄与することもできない。

2%のトレンド成長率の実現が難しい理由
日本政府は、実質ベースのトレンド成長率を年2%に引き上げたいとしている。これは不可能ではないが、かなり野心的な目標だ。
日本の生産年齢人口(15~64歳)は年率0.7%ほどのペースで減少している。また2012年のデータによれば、15~64歳の男性の就業率は80%で、ほかの主要な高所得国より高い。女性の就業率は61%で、米国(62%)や英国(66%)、ドイツ(68%)に大きく離されているわけではない。つまり、女性の労働参加率をさらに引き上げることは可能なのだろうが、それで経済成長の見通しが大きく変わるということにはならないだろう。
上述の経済成長率の目標を達成するには、就業者1人当たりのGDPを年2.5%に近いペースで伸ばさなければならない。だが、1990年から2012年までの期間に、高所得国の生産性のトレンド上昇率がそのような高水準に達した例はない。
確かに2012年には、日本の就業者1人当たりのGDP(購買力平価ベース)は米国のそれの71%相当額にすぎなかった。しかしこれも、ほかの主要な高所得国に大きく離されているわけではない。労働生産性の遅れを挽回する余地は、主にサービス業でまだ残っているものの、追いつこうとすれば社会的・経済的な大変動が生じることになるだろう。今日議論されている穏当な改革ではとても無理だ。

また、今日議論されていることは日本の構造的な不均衡への対処にもつながらない。
ここで言う不均衡とは、民間の過剰な貯蓄が巨大な財政赤字によって吸収され、公的債務残高の急増という形で顕在化していることを指す。
実際、日本で行われている議論は、企業部門で莫大な資金余剰が発生していることを、そして家計の可処分所得や個人消費のGDP比が低いことを全く無視している。つまり現在の財政政策は、少なすぎる消費にかかる税を引き上げる一方で多すぎる企業収益にかかる税を引き下げることを目指しているのだ。
アベノミクスには、いつもながらの「構造改革」の方策が盛り込まれている。だがこれらは、真の構造問題とは無関係だ。

日本の真の構造問題
スミザーズ・アンド・カンパニーのアンドリュー・スミザーズ氏は、企業が損金に算入できる減価償却費を減らすことを推奨している。
企業収益から家計へと所得を移転させなければ、経常収支の黒字が大きく拡大しない限り、構造的な財政赤字を解消することはできない。経常収支のさらなる拡大という戦略を取るのはユーロ圏だけでたくさんだ。日本は同じことをしようと考えるべきではない。
新しい金融政策にも支えられて、今日の日本は景気の循環的な上昇を謳歌している。デフレは解消されるかもしれない。だが、経済のトレンド成長率も加速するのではとの見方は楽観的すぎるし、構造的な障害に関する議論も限定的すぎる。人口動態を考えれば、日本は年1~1.5%の経済成長を遂げれば上出来であろう。
また、GDPに占める消費の割合を高めなければ、経済の活力を財政再建に結びつけることもできないだろう。家計の貯蓄率は低位であるため、企業からの所得移転がなければ消費の割合は高まらない。だが、この課題を認識するつもりは誰にもないように見受けられる。それどころか日本では、既に過大な水準にある投資をさらに増やすべきだと思われているようだ。これは間違っている。

では、アベノミクスの1年目はどう評価できるのだろうか。
筆者の見立ては、早々と成功したが完全な成功にはほど遠い、というものだ。 (By Martin Wolf)

【Financial Times 】



もしアベノミクスが成功しなればば、経済だけでなく政治も大混乱となります。
by kura0412 | 2013-12-19 15:06 | 経済 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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