コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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ミラー片手に歯科医師の本音
『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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改定もいよいよ大詰めです

新規国債、今年度以下に 診療報酬は抑制 (14年度予算方針原案)  

政府がまとめる2014年度予算編成の基本方針の原案が29日、分かった。財源を穴埋めする新規国債発行額は「13年度(42.8兆円)を下回るよう最大限努力する」とし、財政健全化に取り組む姿勢を示した。
歳出では診療報酬の改定は「新たな国民負担は厳に抑制する」と安易な増額をけん制。このうち薬価は引き下げると明記した。
同方針は12月5日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で原案を議論する。12日に閣議決定し、年末に向けた予算編成作業を本格化する。

原案は15年度の国と地方の政策経費を税収などで賄いきれない部分(基礎的財政収支の赤字)を国内総生産(GDP)比で10年度から半減させる目標を堅持。目標達成のため、国の一般会計ベースで基礎的財政収支の赤字を14年度に13年度から4兆円超縮めるとした。
歳出は「社会保障などを含め、聖域なく予算を抜本的に見直す」と強調。「経済成長につながる政策に重点化する」方針を打ち出した。社会保障は「(所得など)能力に応じた負担に切り替える観点で、重点化・効率化する」と指摘した。

診療報酬は2年に1度改定され、医師の技術料である本体部分と治療に使う薬などの値段である薬価に分かれる。本体部分は、消費増税に伴う病院の仕入れ価格上昇への対応が引き上げ要因になるが「これまでの相対的な高い伸びを踏まえ、抑制する」と強調した。薬価は「マイナス改定を行う」と明記した。

地方行財政は、地方法人税の一部を国税にして国が地方に再配分することで、地域間の税源の偏りを是正する。自治体が老朽化した公共施設を解体撤去する際に、国が財政支援を検討する。公共事業も「例外とせず抑制する」とした。
歳入面では新規国債の発行を抑えるほか、人口減少や産業構造の変化を踏まえ「あるべき税制のあり方を検討する」と指摘した。

【日経新聞】



抑制がどこまで踏み込まれるか。そして医科歯科技術料の差が今回はどうなるのか。
改定率決定もいよいよ大詰めです。
by kura0412 | 2013-11-30 11:10 | 政治 | Comments(0)

政府が決断すれば医学部新設も

東北地方に医学部新設へ 15年にも、復興支援で特例

下村博文文部科学相は29日の記者会見で、東北地方の大学1校に医学部新設を認めると明らかにした。早ければ2015年春に開設させる。

医学部が新設されれば1979年の琉球大以来、36年ぶり。今回は復興支援として特例的に認可し、東北以外での新設は認めない。大学は今後選定する。
文科省はこれまで、医師数が過剰に増えることを防ぐため、大学などの設置認可基準で、医学部の新設を認めないと明示していた。
来年5月まで新設構想を受け付け、有識者の意見を踏まえ同6月に1校の構想を採択する。

【共同通信】



復興支援の為の特例とはいいながら日医の反対を押し切っての新設です。政府が決断すれば医学部新設も可能となります。
by kura0412 | 2013-11-29 16:37 | 医療政策全般 | Comments(0)

保険外併用療養制度の議論が内閣府で進められています

保険外併用療養、対象拡大の可能性も- 規制改革会議で厚労省審議官

厚生労働省の神田裕二審議官は28日、規制改革会議の公開ディスカッションで、新しい治療法の費用対効果が既存のものより低い場合でも、安全性が確保されていれば、保険外併用療養費制度の対象として認めることが「選択肢としてあり得る」と述べた。
現在、新たな治療法には、保険収載を目指す場合にのみ、先進医療として保険診療との併用を認めており、実際に患者に行って有用性が示せなかった場合は対象から外している。費用対効果の低い新たな治療法にも保険診療との併用が認められれば、事実上、同制度の対象拡大と言えそうだ。

この日は金沢大大学院の土屋弘行教授が出席し、悪性骨軟部腫瘍患者へのカフェインと抗がん剤の併用療法について説明。
この治療法は現在、先進医療として認められているが、厚労省からは、安全性と有用性を確かめる期間は終わったとして、今後は先進医療から外れて医薬品の治験などを始めるよう、通達を受けたという。しかし、同腫瘍の患者数が少なく、医薬品としての市場規模が小さいことなどから、製薬メーカーから治験の協力が得られないなどと報告。このまま先進医療から外されれば、治療費が全額自己負担となり、患者に多大な負担を強いることになるとの懸念を示した。
規制改革会議の委員からは、安全性が確認された保険外診療は、保険診療になることを前提としなくても、同制度の対象にし続けるべきではないかとの意見が続出。神田審議官は、「保険収載しないものを、どう評価するかという根本論は、議論していく必要がある。費用対効果が低いものについては、患者に選択させるが、(保険外診療の費用は)保険から出さないという範囲をつくるのは、選択肢としてはあり得る」と述べた。

規制改革会議の会合は原則として非公開だが、この日は傍聴者を募集したほか、インターネットでも中継した。テーマは「保険診療と保険外診療の併用療養制度」。
同制度の対象でない保険外診療と保険診療とを併用した場合には、保険診療部分の治療費も全額自己負担となることを、規制改革会議の委員は問題視している。

【キャリアブレイン】



答弁をしたのは厚労省の審議官でも、医療制度に係わる保険外併用療養制度の議論が内閣府(規制改革会議)で進められています。
by kura0412 | 2013-11-29 15:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

OECD並みはクリアか

OECD加盟国中,日本とイスラエルのみで直近の医療費支出が急増
「図表で見る医療2013年版」

経済協力開発機構(OECD)は11月21日,「図表で見る医療2013年版(Health at a Glance 2013)」を発表。2009年以前に比べ,加盟32カ国中30カ国で国民1人当たりの医療費支出の伸び率が大幅に抑制されていることなどが明らかになった。
一方,こうした動きとは逆に日本とイスラエルでは医療費支出の伸び率が急速に増加しているとの結果も示されている。OECDは日本向けのプレスリリースで「医療制度の効率性を高める必要がある」とまとめている。

平均寿命はスイスに次いで第2位
OECDのリリースによると,直近の調査対象年(2011年)において加盟34カ国の平均寿命が初めて80歳を突破(80.1歳)。1970年当時の70歳から10歳上回る結果が示されている。
日本の平均寿命は82.7歳で,スイスの82.8歳に次いで加盟国中第2位であった。また世界的には糖尿病と認知症の増加が目立っていたとも指摘。今後も途上国での肥満者の増加に伴い,糖尿病患者は増えるだろうとの見解が示されている。

経済危機以降,多くの加盟国で医療費支出の抑制進む
また,加盟32カ国における2009~11年の国民1人当たりの医療費支出の伸び率は平均0.2%と2000~09年の平均4.1%から大幅に抑制。ギリシャ(各期間の伸び率:5.3%,-11.1%),アイルランド(同7.0%,-6.6%)で最も大きな下げ幅を記録した他,カナダ(同3.5%,0.8%),米国(同3.4%,1.3%)など多くの国で伸び率が抑制されていた。これについて,OECDは経済危機以前の医療費支出の大幅な伸びに対する方向転換が行われたと分析。各国にとって医療制度の生産性や効率性の見直しが重要となっているとの見方を示している。報告書ではまた,各国で疾病予防プログラムに関する支出が削減されていることも指摘。肥満やアルコール,喫煙の害を減少させるといった費用効果の高いプログラムへの影響も懸念されている。
こうした動きとは逆に,医療費支出の伸び率が急速に増加していたのは日本(同2.8%,4.9%)とイスラエル(同1.3%,3.4%)の2カ国のみ(図)。その他,日本では総保健医療支出の対国内総生産(GDP)比が9.6%とOECD平均(9.3%)を初めて上回ったことも示されている。

日本は「平均在院日数の長さトップ」「1人当たりの医薬品支出の高さは第4位」
OECDは日本向けのプレスリリースで,日本では質の高い医療へのアクセスが可能と評価。
一方「今回の報告書は,日本の医療支出に対する費用効果を上げることのできる分野が幾つかあることを示唆している」とも指摘。
平均在院日数が2000年以降大幅に減少しているが,OECD平均の8日を大きく上回る18日と最長であり「計画的な病床数の減少と病院外の地域での医療・介護サービスの拡充で平均在院日数がさらに減少するだろう」としている。
また,今回の報告書で示されている日本の1人当たりの医薬品支出が米国,カナダ,ギリシャに次いで4番目に高いとの結果を紹介。
1つの要因としてジェネリック医薬品の市場シェアの少なさを挙げた。OECDは「ドイツや英国ではジェネリック医薬品のシェアは医薬品の総消費量の75%を占めるのに対し,日本では2011年の段階でいまだ25%未満」と指摘。その上で「ジェネリック医薬品の処方と消費を促進するいっそうの取り組みは,医療の成果に影響を与えずに支出を削減するだろう」との見解を示している。

【MT Pro】



これが本当ならばOECD並みの医療費要求は既にクリアしたことになります。逆に他国よりも医療費支出の伸び率の高さが抑制への動きに利用される恐れがあります。
果たして歯科医療に絞るとどうなっているのでしょうか。
by kura0412 | 2013-11-27 18:09 | 医療政策全般 | Comments(0)

『規制改革、レセプトの直接審査推進を提案- 厚労省は「議論が必要」 』

規制改革、レセプトの直接審査推進を提案- 厚労省は「議論が必要」

規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループ(WG)は26日、医療機関からの診療報酬明細書(レセプト)について、健保組合などの保険者が希望すれば直接審査を原則とする仕組みに切り替えることを提案した。
年800億円規模に上る審査費用の削減につなげるのが狙いだが、こうした仕組みに切り替えるには医療機関や保険者が使用するシステムの改修を伴う。厚生労働省ではまだ議論が必要としている。

現在の仕組みでは、診療報酬の審査・支払い業務は、診療報酬審査支払基金か国民健康保険団体連合会(審査支払機関)が行っており、保険者はレセプト1件当たり約97円の審査手数料を支払っている。保険者がレセプトの内容を直接審査するには、医療機関側の同意を得る必要があるが、実際にはほとんどの保険者が審査済みのレセプトを独自に点検しており、請求内容の確認業務が審査支払機関と重複しているという。
これに対してWGの提案は、これまで通り審査支払機関がレセプトをまず受け取るが、保険者側が希望すれば内容を先に審査できるようにする。審査支払機関が審査するのは医療機関から問い合わせがあったレセプトのみにし、支払い業務は審査支払機関が引き続き担当する。
WGはこれまでに、医療機関の合意がなくても事前に通知すれば、保険者がレセプトを直接審査できるようにする仕組みを提案しており、今回はここからさらに踏み込んだ。WGのこの日の会合に参加した厚労省は医療現場などのシステム改修に費用が掛かるほか、関係者の理解を得る必要があると指摘した。
WGの事務局を務める内閣府規制改革推進室では、今回の提案に対して「厚労省内で何らかの形で検討が行われるものと考えている」と話している。

【キャリアブレイン】



既に審査手数料は下げてもこの動きです。
もし直接請求が実現となればいろいろな問題が浮き上がってきます。今後どんな展開となるのかは注視が必要です。
by kura0412 | 2013-11-27 15:28 | 医療政策全般 | Comments(0)

政策の検証は必要です

経産省の嘘

福島第一原発の事故を受けた原発停止の影響で、火力発電の焚き増しにより、2012年度に燃料費が3.1兆円増えたと経産省は主張している。
経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第2回資料によると、2012年度実績という欄に、原発停止による燃料費の増加が3.1兆円と明記されている。

しかし、これは嘘だった。
経産省は、2008年度から2010年度の原子力発電電力量の平均2748億kWhから、泊3号機と大飯3、4号機の2012年度の発電電力量156億kWhを除いた電力量、2592億kWhを火力発電で代替したと仮定した。
その火力発電の内訳を石炭153億kWh、石油1206億kWh、LNG1234億kWhとして経産省が計算したのが3.1兆円という数字だ。
しかし、実際には、節電や省エネルギーへの取り組みが進んだこともあり、火力発電の焚き増しは1827億kWhに過ぎず、経産省の計算の前提よりも現実は766億kWhも焚き増しは少なくて済んでいる。
現実の焚き増しによる燃料費の増加は2.1兆円にとどまる。しかも、この中には原油価格の上昇に連動したLNGの価格上昇分も含まれているため、自然エネルギー財団の試算によれば、原発停止の影響による焚き増しのための燃料費の増加は1.4兆円から1.6兆円と、経産省が「実績」と称している額のおよそ半分に過ぎない。
経産省は、2013年度の原発停止による燃料費の焚き増しは3.8兆円にも上るとしているが、その数字も信憑性が低いと言わざるを得ない。

【河野太郎衆議院議員ブログ】



こここの議員が指摘すするように、官僚が示すデータ―、また政策が全て正しいとはいえません。
歯科界でも政策の検証をきちっとすることは非常に重要です。
by kura0412 | 2013-11-22 15:17 | 政治 | Comments(0)

「歯科診療所は横ばいであるが安定して黒字を確保している」

昨日の中医協総会で医療経済実態調査に対しての支払側委員からのコメントです。
「歯科診療所および調剤薬局は、横ばいであるが安定して黒字を確保している。」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000029928.pdf

個人診療所が殆どの歯科では、損益差額が経費計上できないもろもろを含めての開設者の収入です。
それも分からずに中医協委員を務めているのでしょうか。
by kura0412 | 2013-11-21 13:09 | 歯科医療政策 | Comments(0)

とうとう7%も切りました

23年度国民医療費 歯科の構成割合7%切る

厚労省は11月14日、平成23年度国民医療費を発表した。歯科は過去最高の2兆6,757億円で、前年度と比較して737億円、2.8%増えたが、医療費全体に占める割合は0.1ポイント低下し、6.9%と過去最低を記録した。歯科医療費の伸び以上に医科、調剤の伸びが大きかったのが影響した。医療費全体は3.1%増の38兆5,850億円で過去最高を更新した。

【日本歯科新聞】



時間の問題とは予想していましたが、とうとう7%も切ってしまいました。
by kura0412 | 2013-11-21 09:53 | 歯科医療政策 | Comments(0)

安倍首相の足かせになるか、あるいは・・・

昨年の衆院選は「違憲状態」 最高裁大法廷

「一票の格差」が最大2・43倍だった昨年の衆院選は違憲だとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は20日、区割りを「違憲状態」と判断した。選挙無効の請求は退けた。

選挙は、最高裁が平成23年に「違憲状態」と指摘した区割りのまま実施されており、判決から選挙までの約1年9カ月間の国会の取り組みをどう評価するかが最大の焦点だった。
昨年の衆院選をめぐっては、2つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に計16件の訴訟を提起。高裁段階では、同種訴訟で戦後初の「違憲・無効」判決が2件出されたほか、「違憲・有効」判決が12件、「違憲状態」判決が2件だった。
最高裁は23年、最大格差2・30倍だった21年選挙を「違憲状態」と判断し、都道府県に1議席を割り当て、残りを人口に応じて配分する「1人別枠方式」が格差の主因と指摘した。
1人別枠方式は条文から削除され、小選挙区定数を「0増5減」する緊急是正法が成立したが、昨年の選挙には区割りが間に合わず、当日有権者数に基づく最大格差は2・43倍まで拡大した。
一方、全ての高裁判決が言い渡された後の今年3月には、区画審が区割り改定案を勧告。6月には区割り改定法が成立し、最大格差が2倍未満まで縮小した。
山本庸幸裁判官は、「0増5減」法案の審議当時、内閣法制局長官だったことを理由に審理から外れた。

【産経新聞】




この判決が安倍首相が描く政治日程にどう影響するか。逆に、党内基盤を固めるために支持率が高い時での解散という選択肢をちらつかせる可能性もあります。
by kura0412 | 2013-11-20 17:19 | 政治 | Comments(0)

ポピュリズムと考えているのでしょうか

医療議連、300人超え 診療報酬改定にらむ

医療予算獲得を目指す自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」(会長・高村正彦副総裁)は19日、都内ホテルで開いた総会で、加盟議員が307人に達したと明らかにした。党所属議員の4分の3にあたり、大型議連の代表格として知られる自動車議連(約280人)も上回った。

医療議連は8日に設立されたばかり。当面の目的は、国が医療行為ごとに決める医療費の単価「診療報酬」の来年度改定での引き上げだ。診療報酬が変わらないと、来年4月からの消費増税で医療機関側が物品購入時などに負担増になると懸念する。高村氏は総会で「医療関係者が働く環境を整える必要がある」と増額に意欲を示した。
会場には100人以上の議員がかけつけ、代理出席や医療団体側を含めると約400人が参加。役員名簿は特別顧問に伊吹文明衆院議長、顧問に石破茂幹事長や野田毅税制調査会長が名を連ねている。出席者には豪華な箱弁当が配られ、参加者からは「数の力と資金力を見せつけられた」との声があがった。
消費増税分の税収は社会保障の充実にあてる方針だ。ただ党内には「カネに色はない」と公共工事の拡大を求める声もある。議連としては予算の争奪戦が本格化するタイミングで大規模集会を開き、社会保障予算の重要性を訴えていく。
立ち上げ人である鴨下一郎前国会対策委員長は石破氏の最側近。石破氏を顧問に迎えたため、党内では「議連で石破氏を側面支援する狙いがあるのではないか」との見方も出ている。

【日経新聞】



この議連の数をマスコミはポピュリズムと考えているのでしょうか。
by kura0412 | 2013-11-20 10:59 | 政治 | Comments(0)