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歯科にも大きな可能性がー厚労省、予防・健康管理推進の概要

レセプト活用などで医療・介護費5兆円削減-厚労省、予防・健康管理推進の概要

厚生労働省は30日、「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に関する取り組みの概要を公表した。
高齢者の介護予防や現役世代の健康づくり対策などを推進し、5兆円規模の医療・介護費の削減効果を目指すというものだ。

取り組みの概要では、高齢者の介護予防として、各自治体が地域の実情に応じて効果的な介護予防や保健事業を行えるよう、地域単位で医療・介護情報の「見える化」を推進する。また、認知症の人が住み慣れた環境で暮らし続けられるよう早期の支援体制を構築。高齢者の肺炎予防の推進や、高齢者と地域ニーズのマッチングの仕組み整備の支援なども行っていく。

現役世代に対しては、
▽医療保険者のレセプト・健診情報を活用したデータヘルス
▽特定健診・特定保健指導などを通じた生活習慣病予防
▽禁煙希望者を支援するたばこ対策
―を推進し、3つの取り組みで約2兆4000億円の医療費削減効果を目指すという。そのほか、がん検診の受診率向上による早期発見や、こころの健康づくり、妊産婦や乳幼児期からの健康づくりも行う。
一方、後発医薬品の使用促進や、ICT活用による重複受診・検査の防止にも力を入れ、医療資源の有効活
用を図っていくという。

同日の閣議後の記者会見で田村憲久厚労相は、今回示した予防・健康管理の取り組みにより、「5兆円規模の医療費、介護費の削減効果を目標としている」と述べた。併せて最大の目的は医療費削減ではなく、病気や重症化の予防であることも強調した。
また、予防・健康管理の推進で国民が幸せになるだけでなく、医療資源の効率使用により医療機関に利益をもたらし、医療費財源の削減で国の財政負担も減ることを説明し、「厚生労働省として非常にやりがいのある仕事になる」と意気込みを示した。
厚労省は省内で横断的に検討するための「健康づくり推進本部」を9月中に設置し、本部長に田村厚労相が就任する予定。

【キャリアブレイン】



この中に盛り込まれている「高齢者の誤嚥性肺炎の予防に向けた口腔ケア」だけでなく、多くの項目に歯科が関与することは可能のように感じます。
ここにどう入り込むかは、次期改定の対応と同等にこれからの歯科界を左右するハードルのようです。
by kura0412 | 2013-08-31 11:37 | 歯科医療政策 | Comments(0)

0票となれば

自民・衛藤氏「高松0票」支援者、開票ミス主張

7月21日に行われた参院選の比例選で、当選した自民党の衛藤晟一・首相補佐官の得票が高松市で「0票」だったのは、開票のミスだとして、推薦した香川県遺族連合会などが、市選管に票の再点検を求めていることがわかった。
市選管は「開票は立会人の下で適正に行われた」としている。

衛藤氏は全国で20万4000票余りを得票して当選。香川県は574票あったが、高松市が0票で、他の16市町が96~3票だった。
2007年の初当選の際は、同県で得た1078票のうち、432票が高松市の票だった。
同連合会の真鍋賢二会長は選挙後、中央選管に調査を申し入れ、今月27日には市選管に口頭で再点検を要請。「私も高松市民で、期日前投票で確実に衛藤さんの名を書いた」と話す。

【読売新聞】



何十万票も集まる投票数でも、こんな風に支援団体が限定される参議院比例区選挙は怖い所であり、結果を出せばアピール出来るのが特徴です。
by kura0412 | 2013-08-30 16:26 | 政治 | Comments(0)

喫緊の歯科界の課題

参議院選挙を終えて(日歯連)

日本歯科医師連盟(髙木幹正会長)は8月21日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において定例の記者会見を行った.会見では,参議院選挙後の対応をめぐって,以下のような紹介がなされた.

社会保障制度改革国民会議が報告書を提出
有識者で構成されている「国民会議」による報告書が安倍首相に提出された.高齢者と高所得者の負担増を一応認めた形となっているが,個々の事案については,自民党としても今後勉強会を開いていく予定である.報告書だけを見ると,医療担当者側としての意見はある.しかし,これはあくまでも有識者・学者の見解であり,かつ途中経過で1つの方向を示したものと思っている.現場の実態を踏まえた場合,「あのまま,すんなりと実行されるとは思っていない」とした.

70~74歳の医療費窓口2割負担について
70~74歳の医療費窓口負担を2割とすることが閣議決定され,その方向にいく可能性が高くなったが,特に歯科にとって大きな問題である.受療率が落ち,重症化につながる恐れもあり,基本的には反対である.
すでに,平成26年から段階的に進められていくところまで示されると,それを覆す困難さはあるが,医療関係者としては“はい,そうですか”というわけにはいかない.特に高齢の低所得者への配慮を行うなど,これに代わるものや緩和する何らかの策があれば望ましい,との考えを示した.

消費税率のアップに関連して
消費増税になった分が,そのまま診療報酬改定につながるわけではない.
消費税率アップによって全体の医療費がふくらむ点については,配慮を示す必要があることを主張していく.消費税増税分を初再診料で調整した場合は患者の窓口負担も増えることになるが,医療費そのものがふくらんだわけではなく,“これは消費増税分なんだ”と認識してもらわなければならない.
 

石井みどり参議院議員との連携のあり方
石井みどり参議院議員は2期目の当選となり参院厚労委員長に就任したので,いままで以上に連携をとる必要がある.四役会や昼食会を従来以上に密に行っていきたい.同時に歯科関係議員にも呼びかけて,一緒になって話し合いをしていきたい,とした.
組織代表議員1人の力では,情報の入手等においても限界がある.歯科医師会の会員である地方議員も複数おり歯科の課題に熱心に取り組んでもらっているため,組織代表を核としながら各議員が一緒になって話し合いをし,それに基づいて活動してもらえるならば,議員の活躍の範囲も広がり,深みも増して充実するだろう,とした.

日歯・日歯連盟の連携
診療報酬1つをとっても,財源が厳しいなかで改定率だけに頼っていては<歯科界の得る>可能性は少ない.診療報酬を上げるほかに指導・監査の問題がある.両者を一緒に扱っていくことは難しいが,これも改善を図るように努めて,全体の環境改善に役立てていきたい.
いずれにしても,日歯・日歯連盟が一体となって事に当たり,短期的にできるものと,中・長期的に行うものを見越していろいろな手を打ち,総合的に考えていかなければならない,と締くくった。

【ヒョーロンニュース】
by kura0412 | 2013-08-30 10:36 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「医師会等」との連携は可能か

「在宅での医療・介護連携の制度化」を提言- 厚労省が社保審介護保険部会に

厚生労働省は28日、社会保障審議会介護保険部会(座長=山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大名誉教授)に、在宅での医療・介護の連携促進を介護保険法上で制度として位置付けることを提言した。
具体的には、地域の医師会と地域包括支援センターが連携し、24時間365日対応できる在宅医療・介護提供体制の構築や、医療・介護関係者に対する研修などを実施することを想定している。

会合で厚労省は、地域支援事業の「包括的支援事業」に「在宅医療・介護の連携推進に係る事業」を追加することを提言した。
事業の実施主体は市町村で、想定される主な内容は、
▽主治医・副主治医制などのコーディネートによる「24時間365日での在宅医療・介護提供体制の構築」
▽在宅医療・介護連携に関する研修の実施
▽地域の医療・福祉資源の把握および活用―など。
現在、「包括的支援事業」は地域包括支援センターが実務を担っているが、「在宅医療・介護の連携推進に係る事業」については、別の組織への委託や連携が可能としており、「具体的な委託先としては、地域の医師会が考えられる」(厚労省関係者)という。
また厚労省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、各自治体が作成する介護保険事業計画でも中長期的な視野に立った施策の展開が必要と指摘。「第6期介護保険事業計画」(15―17年度)以降の計画については、25年までのサービス・給付・保険料の水準の推計を記載することを提言した。
そのほか、現在は通知で位置付けられている「地域ケア会議」を、介護保険法上で制度として位置付けることなども提言した。

■市町村の負担増大を懸念する声、相次ぐ
これらの厚労省の提言に対して、会合では、市町村の負担増大を懸念する声が続出した。
大西秀人委員(全国市長会介護保険対策特別委員会委員長、高松市長)は、厚労省の提言を前向きに受け止めながらも、「現場を預かる者として、(提言された内容について)全市町村ができるのか、不安と懸念がある」と言及。「在宅医療・介護の連携推進に係る事業」の制度化などについては、次回の制度改正が予定される15年では各自治体の任意で実施した上で、その後の制度改正で義務化すべきとした。
結城康博委員(淑徳大教授)は、「在宅医療・介護の連携推進に係る事業」の制度化について、「地域包括支援センターの負担状況を考えると、多く課題が残る」と指摘。齊藤秀樹委員(全国老人クラブ連合会理事)らも、市町村の役割が重くなり過ぎる点を懸念材料として挙げた。こうした意見に対し厚労省は、市町村の事務負担が増すことは認めた上で、経過措置などの対応策を講じることも検討する方針を示した。

【キャリアブレイン】



地域包括ケアシステムは今回の社会保障制度改革の中でも大きな目玉の一つです。そしてここにもある在宅医療・介護の連携推進は、「医師会等」を想定している在宅医療連携拠点機能がケアを掌る地域包括支援センターとはまた別に設置されます。
したがって今後、歯科も在宅診療にあたってはこの「医師会等」の組織にコーディネートされるのか否かという疑問が湧いてきます。出来るならば「医師会等」と「歯科医師会等」が連携するというご語句が今後どこかの政策の中に入り込めば良いのですが。
by kura0412 | 2013-08-29 16:31 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「秋の内閣改造見送りへ」

<安倍首相>秋の内閣改造見送りへ 政策継続を重視

安倍晋三首相は、10月中旬に召集する臨時国会前の内閣改造を見送る意向を固めた。
首相は次期国会を「成長戦略実行国会」と位置付けているうえ、消費増税問題や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉、集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈の見直しなど内政、外交の重要案件を多く抱えていることから、各閣僚に継続して政策課題を担わせるべきだと判断した。複数の政府関係者が明らかにした。

首相は26日、訪問先のクウェートで、9月末に自民党役員が任期を迎えるのに合わせた内閣改造について「参院選で国民から政権に対する期待を示していただいた。政策を前に進めていくという観点から判断したい」と同行記者団に語った。
首相周辺は27日、「首相は少なくとも年末までは閣僚を交代させない」と語った。首相は臨時国会の推移を見極めつつ、来年の通常国会前の内閣改造などのタイミングを探るとみられる。
首相は9月5、6両日にロシアで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するほか、同月下旬には米ニューヨークでの国連総会が控える。10月もインドネシアでのTPP交渉首脳会合など外交日程が目白押しだ。一方、国内では、来年4月から消費税率8%への引き上げについて臨時国会召集までに政治決断を迫られる。経済再生に向けた産業競争力強化法案などを確実に成立させるため、臨時国会を現閣僚で手堅く乗り切る狙いもある。

自民党は昨年12月の衆院選と7月の参院選で大勝して党所属議員が膨らみ、早期の内閣改造への期待も根強い。このため、首相は9月に副大臣、政務官を入れ替えることで、党側に一定の配慮を示す考えだ。

【毎日新聞】
by kura0412 | 2013-08-28 12:45 | 政治 | Comments(0)

「歯科保健サービスの効果実証事業」

本日自民党厚労部会歯科医療問題小委員会(宮沢洋一委員長)が開催され歯科関係来年度予算概算要求案の説明があり、そこで新規事業として、糖尿病患者や要介護高齢者等に対する歯科検診を実施し、重症化予防・疾病予防の効果や、効果的となるスクーリング・歯科保健指導の実施方法を検証するとした「歯科保健サービスの効果実証事業」が盛り込まれました。
この概算要求が通り、効果が認められれば、歯周病のメタボ検診にむけての道は見えてくるかもしれません。
by kura0412 | 2013-08-28 12:41 | 歯科医療政策 | Comments(0)

児童虐待防止法に歯科医師の名が

もしかして虐待? に遭遇したら・児童相談所に上手に「通告」する方法

ある日、福岡県北九州市にある北九州市立八幡病院に、熱傷を主訴に1歳9カ月女児が母親に連れられて来院した。当初、母親は「腕に熱傷がある」と話していたが、服を脱がせてみると上半身に広範で一様な熱傷が認められた。
受傷機転を確認したところ、母親は「ミルクを温めるためにお湯を張ったボールを、子どもが届かないであろうと思い、卓上に置いていた。しかし、そのボールに子どもの手が届いてしまい、熱湯をかぶってしまった」と説明した。
受傷後すぐに受診しており、医療者に説明をする母親は熱傷痕に対する動揺から泣き崩れていた。受傷機転を繰り返し尋ねても答えにぶれはなく、医療者の問いかけにも終始、素直に応じる様子が見られた。
しかし、このケースのように高い位置にある加熱液体をかぶった場合、普通なら顔や肩にも熱傷を生じるはず。しかも、液体が飛び散るため熱傷面が一様にはならず、熱傷の深度が部位により異なるのが一般的だ。そう考えると、母親が話すエピソードと所見は、一致していないという見方もできる――。
事故か、児童虐待か。あなたは、このケースにどう対処するだろうか。

少しでも疑えば躊躇せず通告すべし
まず、診察時に児童虐待を疑った場合、医師がとるべき基本的スタンスについておさらいしておこう。
児童虐待は、「子どもの健康と安全が危機的状況にある状態」と定義される。身体的虐待のほか、ネグレクトや性的虐待も含まれる。虐待を受けた子どもは発育や発達に負の影響が起こり、低身長、やせ、知的障害などを伴いやすくなる。また、成長に伴い行動異常や対人関係障害など、発達障害を来たすケースも少なくない。
虐待を受けたと思われる子どもを診療した医師は、児童相談所または福祉事務所に通告する義務がある(児童虐待防止法第6条・児童福祉法第25条)。確証がなくても、虐待を疑った段階で通告するのが原則だ。このあたりは、日本小児科学会『子ども虐待診療手引き』に詳しい。
2012年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談対応件数は6万6807件で、その数は調査が始まってから約20年間、年々増加している。だが「虐待が疑われる子どもを含む報告数と考えると、その数はまだまだ少ない」というのが、児童虐待に詳しい済生会前橋病院(群馬県前橋市)小児科の溝口史剛氏の見解だ。「特に医療者からの報告数が少ないと考えられる。医学的な視点から虐待であるかどうかを判断し、少しでも疑った時点で躊躇せず市町村や児童相談所へ通告すべき」と溝口氏は続ける。

診察時に児童虐待を疑うポイントは、北九州市立八幡病院病院長の市川光太郎氏によると、
(1)家族が説明する受傷機転や病気の経過と、病状や病態が合わない、
(2)体表の凹凸に関わらず、一様な程度の傷がある、
(3)アイロンやタバコなど成傷器が推定できる、
(4)大人を異様に怖がったり、保護者がそばにいる時といない時で動きや表情が変わる――など。
ちなみに、児童相談所等への通告においては、通告者の秘密は守られるほか、医師のように職務上の守秘義務がある場合でも、通告などの正当な情報提供は守秘義務違反には該当しないことが、厚生労働省の通知などにも明記されている。
児童虐待を疑ったら迷わず通告――。それが、医師の基本スタンスと言えよう。

通告は親子との関係をうまく築いてから
しかし現実には、冒頭のような症例に遭遇した場合に、児童相談所などへの通告を逡巡してしまう医師が少なくないのが現状だ。
通告者が明かされない仕組みであるとはいえ、親からしてみれば通告者は容易に特定できてしまうことが想像されるし、結果的に虐待ではなかったり、虐待が一時的なものですぐに問題が解決されたりすれば、近隣地域でその親が医療機関の悪い噂をたてかねない。
また、親に説明をせずに児童相談所に通告してしまうことで、医師と親との信頼関係が損なわれてしまうのも大きなデメリットだ。例えば、程度の軽い虐待で、児童相談所の介入により親子関係は問題なく修復できたにも関わらず、その後の医療面でのフォローを行えないことは、虐待の再発予防の観点からも望ましくない。

では、虐待を疑った場合、通告までにどのような手順を踏むのが、医師・親子の双方にとってベストなのだろうか。
児童虐待の問題にプライマリケア医の立場で長年携わっている井上小児科医院(大分県中津市)院長の井上登生氏は、医師・患者関係をしっかりと構築した上で、「親に『今の親子関係をそのままにしておくと大事になる可能性がある』ことを理解してもらうことが大切」と説明する。
例えば、傷の処置を目的に親子が来院したケースであれば、まず親に傷ができた経緯や子どもの状態の説明を詳しく聞く。このとき「外傷に至るまでのプロセスや子どもの病態をスムーズに説明できない親子は注意して診た方がいい」と井上氏。要チェックの親子は、外傷の処置などを理由にこまめに受診をしてもらうようにして、虐待の程度が悪化していないかどうかを確認する。
一方、初診時であっても、表1に当てはまるような虐待が疑われる症例では、次回の診察までの間に、乳児家庭全戸訪問事業の状況や乳児健診や予防接種の状況を、市町村に確認する。「予防接種が適正な手順で、適切な時期に接種ができているか、ブランクがないかなど細かくチェックする」(井上氏)。あわせて、患児が通っている保育園や幼稚園にも、日常の送り迎えの状況や発達で気になっている点がないか、親の態度に違和感を感じていないかなどを確認しておく。
これら情報を手元に持った上で、親子が次に受診した際に、乳児健診や予防接種の状況などを親に確認する。そうすることで、親の子育てに対する意識を確認できるわけだ。
このような手順を踏み、関係を構築しながら診察を続けるが、それでも再診時に外傷が増えているのを発見したら……。その時は、説明を始める前に、「いつも診ているから虐待ではないことは分かっている」といった前置きを挟むのが井上流だ。
その上で、「今の日本には『児童の権利条約』があり、第三者が見て子どもの虐待と言われかねないと判断したら、医師は報告しなくてはいけない立場にある」と伝える。そして、「大事になってから、市役所や保健師から色々と言われるのは嫌でしょう? そうなる前に、あえて主治医の私から報告させてもらいます」と話すという。突き放すのではなく、親に寄り添いながら、市町村や児童相談所へ通告をする旨を伝えるという方法だ。

虐待をする親のタイプは、5つに大別できる(表2)
中には、親の神経症など、医学的治療で解決できることもあるし、子育てに関する知識や支援体制の不足であれば、保健師や児童相談所の協力を得ることで解決できるケースも多い。「医師は、いつでも相談できる相手として、子どものために、親の側にギリギリまで寄り添い、味方でいなければならない」(井上氏)。

地域ぐるみでの対応と長期のフォローが不可欠
 「医療者は『通告しなければならない』と聞くと、虐待か否かを判断しなければならないと身構えがちだが、そうではなく『育児支援をするきっかけ作りをする』と考えればいい」とアドバイスするのは、市川氏だ。

 「親には、『予防接種や集団生活での不安なことをすぐに相談できるように、担当者を紹介する』と説明してから、市町村や児童相談所に連絡するようにしている」と市川氏は話す。冒頭の症例でも、治療を続け、熱傷の治癒のめどが立った時点で児童相談所へ連絡をし、深刻な虐待事例に発展する前に、地域でうまく介入ができたという。
一方、開業医では手に負えそうもない事例に遭遇した場合には、「医師ならではの方便ではあるが、病態から考えられる鑑別疾患(表3)を挙げ、『精査が必要だ』とできるだけ早く地域の機関病院に紹介した方がいい」と溝口氏。「複数の医療機関が関わることで、地域ぐるみでの支援がしやすくなる」(同氏)からだ。
最近は、基幹病院を中心に、院内虐待対応チーム(CPT)を設置する例も増えているので、そうした病院に紹介することができればベストだろう。また、各都道府県に児童虐待に対応する拠点病院を1つ設置し、児童虐待専門コーディネーターを置いて、地域の「児童虐待防止医療ネットワーク」を構築する動きもある。昨年9月に検討会が設置されており、各地域の医療機関における同事業の推進を目的に、報告書がまとめられる予定だ。
とはいえ実際は、医療者が遭遇する児童虐待は、一筋縄で解決できる事例ばかりではない。とにかく最悪の事態を防ぐためにも、疑い事例への迅速で適切な対応と、継続的なフォローを欠かすことはできない。
 「医療者は、親の『もう大丈夫』という言葉を鵜呑みにすべきではない。『成長につれて現れる症状もあるから』などと説明し、子どもと医療機関の関わりを途切れないようにする工夫をしなければならない」と市川氏は話している。

【日経メディカルオンライン】




私自身もネグレクトまでいかなくても、育児放棄のようなケースに遭遇したこともあり、歯科健診における児童虐待の発見については既に学校関係者にも知られているところです。
しかし、児童虐待防止法を調べると第六条では、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。」
その一方、第五条では「学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。」となっています。
歯科医師はその職種として人道的責務はあっても法律的義務はないのでしょうか。
言葉尻を取るようですが、それが法律でありこの点をないがしろした結果が歯科界の現状です。
by kura0412 | 2013-08-27 15:40 | 歯科医療政策 | Comments(0)

自民党の派閥化再然とマスコミは騒ぎたてますが

もう「グループ」と呼んだらどうか!小学校のクラス分け程度の意味しかなくなった自民党派閥の無力化

自民党の派閥研修会が新聞紙面をにぎわすようになった。新聞社によっては「派閥復活」という見出しを付けるところもある。だが、派閥全盛時代を知る記者のひとりとして強い違和感を感じている。派閥の強さ、とりわけ派閥領袖と構成する議員との関係が根本的に変わっているからだ。

議員ひとりつくるのには5億円かかった
派閥の役割はカネ、ポスト配分、選挙応援の3つだった。この3つとも、今の派閥には無きに等しい。
まず、カネ。私が田中派、竹下派を担当していたとき、元首相・田中角栄、元副総裁・金丸信らは膨大な資金量を誇り、それを配った。田中は訪れた議員に数千万円のカネを渡した後、「次、いつ来る?」と聞いた。20年以上の前のことだが、金丸は当選1回の衆院議員が亡くなったとき、しきりに「もったいないことをした」とぼやいた。理由を尋ねると「彼には5億円を回していた。それなのに、すぐ死なれちゃかなわんよ」ということだった。
議員ひとりを当選させるのに、派閥は5億円もの資金を投入していたということだ。だから、当選してきた議員は恩義に感じ、派閥領袖の指示に従った。
「親分が『右を向け』といったら右、『左を向け』と言ったら左を向くのが派閥だ」―。金丸がこう言った派閥の秩序は、親分が子分のカネの面倒をみることによって成り立っていた。今どき、当時のような資金を提供できる領袖は不在であり、議員はカネをもらっても「どっち道、出所は政党交付金だろ」と思っている。
内閣改造・党役員人事になると、派閥領袖は時の首相に「推薦名簿」を提出。首相は推薦名簿を元にして人事を進めた。推薦名簿に登載されなければポストに就けないわけで、派閥の議員は領袖にゴマをすった。これに対し、昨年暮れに発足した第2次安倍内閣では閣僚はもちろん、副大臣・政務官も官邸で決め、直接、本人に通知された。

選挙応援も重要な派閥の役割だった。領袖クラスが応援に行く時、数百万円のカネを持って行くのが常識だった。また、彼らが行けば人が集まった。
今の派閥の会長で聴衆が集まり、かつカネを持って行ける人がいるのか。派閥会長を列挙すると、元外相・町村信孝、元財務相・額賀福志郎、外相・岸田文雄、副総理兼財務相・麻生太郎、総務会長代行・二階俊博、環境相・石原伸晃、前副総裁・大島理森―の7人。人が集まるのは麻生、石原、岸田ぐらいだろう。
昨年暮れの衆院選、今年7月の参院選で党の看板となったのは首相・安倍晋三、幹事長・石破茂、青年局長・小泉進次郎の3人だ。彼らは党の情勢調査に基づき、情勢が厳しいところを重点的に回った。

「グループ」に名称変更を
このように派閥が無力化してきたのは1994年に政治改革法が成立し、96年衆院選から現在の小選挙区比例代表並立制が導入されたのが大きな原因だ。
それまでの中選挙区制ならば同じ選挙で複数の自民党候補が立ったので、その数だけ派閥が必要だったが、定数1の小選挙区制では党中心の選挙となる。カネの面でも、選挙制度変更に伴い、政党交付金制度が導入され、2011年の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)をみると、自民党でさえ、交付金依存率は72.5%と7割を超えた。
政権運営についても派閥領袖の影は薄い。金丸は毎週木曜日昼に行われた派閥総会でのあいさつで「北方領土を買っていい」とか「日銀総裁のクビを切ってでも公定歩合を下げさせろ」とか物議を醸す発言を行い、それが大きく報道されて政治が動いたことがあった。今、そんなことを言う領袖はいないし、言ったにしても失笑を買うだけだろう。
たとえば、重要な政治課題となっている環太平洋連携協定(TPP)交渉で自民党のまとめ役となるTPP対策委員長・西川公也は官邸の意向を体して動き、派閥領袖の意向とはまったく関係がない。派閥領袖は政策決定にもかかわっていないのである。

メディアは派閥を大々的に取り上げるのをやめたらどうか。資金力も、人事権も、さらに政策決定権も失っている派閥に政治的意義はほとんどない。名称もいっそのこと「グループ」にしたらいい。情報交換の場として有効であっても、実際には小中学校のクラス分け程度の意味しか持っていないのだから。

【田崎史郎「ニュースの深層」】



自民党の国会議員がこれだけ増え、何がしかのグループが出来るのは当然のことで、旧来の派閥とは違いと私も感じています。
現在でも、副大臣以下の人事に便宜的にグループの意見は聞いているとの話は聞いたことがあります。そして何と言っても大きく違うのがグループ(派閥)のトップが首相、党首を勝ち取るためにグループを束ねるという議員が殆どいません。
by kura0412 | 2013-08-27 14:46 | 政治 | Comments(0)

日本人として誇らしい偉業達成

不惑迎えるイチロー、新たな世界切り開く

イチローが21日、日米通算4000安打を達成した。
大リーグ通算では2722本目で記録としての意義付けは難しいところだが、ヤンキースのジラルディ監督は言う。「彼がどれだけよく練習し、どれだけ長い間試合に出場し、健康であり続け、そして試合へのアプローチが素晴らしいかの証書」。イチローを簡潔かつ端的に評価する言葉だ。

■スタメンに名を見つけスイッチオン
ジラルディ監督は「まだイチローはやりきってない」とも話した。イチローは自虐的に「だから、時々ラインアップに名前がないんだ」。最近、球場でスタメン表を確認し、そこに自分の名前を見つけてから「気持ちのスイッチを入れる」ようになった。特に8月に入り、それほど先発を外れる日が増えている。
試合に出るか分からないのに、しっかり準備をする日が続くのはつらい。しかし、それでも今までと変わらぬルーティンを続ける。「毎日同じことを続けることで、自分を安定した状態に持っていくテクニックはある。それでも安定するとは限らない。時々しんどいと思うけれど、そこが頑張りをみせるところですかね」
チームメートが驚嘆するほどストイックな姿勢がイチローを形づくったといえるが、もう一つ欠かせない要素があると思う。無邪気というか、いい意味での子供らしさだ。

■「小さいことに満足し、達成感も」
記録達成後の記者会見で、最も印象に残ったやり取りがある。
「長い間プレーすると自分に満足する部分が見えるけれど、イチローさんは満足することがないから……」。こう話す記者を遮るように、ちゃめっ気のある口調でまくしたてた。
「いえいえ、僕はいっぱい満足します。満足したら終わりというけれど、それは弱い人の発想。僕は小さいことでも満足するし、達成感も感じる。それで次が生まれる。意図的に『こんなことで満足しちゃいけない、まだまだ』と言い聞かせる人はしんどいですよ。何を目標にしたらいいか分からないじゃないですか。うれしかったら喜べばいいんですよ」
スポーツ、特に個人競技を取材して感じるのは、トップまでいく選手たちの才能はそう変わらないということ。「スーパー」とそうでない選手を分けるのは、最後に自分を信じてあげられるかどうか。そして、そういう自信は小さな成功体験、達成感の積み重ねでしか身につかない。

■ジーターとともに得点、無邪気に喜ぶ
例えば、シーズン中にケガをしたとき。ただ残念と悔やむのか、苦手な部分を練習する時間がとれたから、これはこれでよかったと思うのか。ケガが治って初めての勝利を、ベストにはほど遠いけれど勝利は勝利と喜ぶのか、大した大会じゃないからなと捉えるのか。その先の結果はかなり違うだろう。
ピンストライプのユニホームに袖を通し、ジーターと絡んで得点したときのイチローの喜びようなど、時に見ているこちらの方が恥ずかしくなるほど無邪気だ。このところ万年Bクラスのマリナーズで、日々安打にこだわり続けたのも、小さな達成感の積み重ねだったのかもしれない。
素直に喜べ、小さな達成感がエネルギーになるから、40歳間近になっても続けられるのだろう。強い感受性を持ち、ちょっとしたことにも敏感に反応できるからこそ、ケガが少ないともいえる。身体のささいな変化を見逃さず、大ケガになる前に予防できている。故障者リスト入りは1度だけ。ケガが驚異的に少ない。

■「ネガティブなことが見つからない」
そんなイチローが、年齢による体の変化に気づいていないわけがないと思った。あるいは、ジーターが38歳の誕生日に語ったように、体が無意識にやっていた部分を経験が補っているのか。
「ま、昔できたことは今できない……」と神妙に話すと、やや間ができた。やっぱり衰えは感じているのかと思っていたら、突然、「残念でした」と言わんばかりに口調を変えた。「ということは見あたらないんですよね。昔、考えなかったことを考えるようになったということはあるけれど」。過去と現在の自分を客観的に比較しても「ネガティブなことが見つからないんですよね」。
疲れやすくなった、疲れがとれにくくなった、足が遅くなった、肩が弱くなった? 「今のところはないようです、と言っておけばいいですよね。ないと言えばまた……(批判もある)。鬱陶しいですね」
打撃については言及しなかった。打撃だけは落ちているのが打率や安打数などの数字で分かってしまう。それを「老い」という言葉で説明する人たちに、「お気の毒。年齢に対する偏った見方をしてしまう頭を持っている人に対して、お気の毒、と思うことはありますね」。
イチローにとってプロ野球選手とは「打つ、守る、走る、考える、これがすべてできる人」という。これまで突出した「打つ」力を発揮し、「守る」「走る」も超一流の域にあったが、今は「考える」部分も大きくなり、4つのバランスが明らかに変わってきている。その過程でイチローの頭の中には、今までなかった「アラフォー選手像」が見えているのかもしれない。

■年齢への偏った見方に先陣切り挑戦
常識をことごとく打ち破り、新しい世界をファンに見せてくれたイチローが、いま開拓しつつある未踏の領域。それは「年齢への偏った見方」に対する挑戦だ。年齢について聞かれると露骨にいらだちを見せるジーターも、似たようなことを考えている気がする。イチローはそれを「僕たち(世代)の使命」と言う。
「具体的な例が出てくることが大切。何十年もかかるでしょうね。論理的に説明しても、実例がないと説得力ないから。(既成概念を覆す)選手がたくさん生まれることですよ」
その先陣を切るのは自分のつもりだろう。これまでやってきたように。既成概念に縛られた「気の毒」な人たちはうるさくなるばかりだろうが、「僕、いろいろなことがあきらめられないんですよね」。性懲りもない自分を愛し、楽しんでいる。そんなイチローだから、ファンは見ていて楽しいのだ。

【日経新聞】



数年前に日本に来たアメリカ人と話した時「イチローのシアトルに住んでいる」ということで、彼の存在がアメリカではイコールJAPANとなっていることを思い出しました。
日本人として誇らしい今回の偉業達成です。
by kura0412 | 2013-08-24 15:42 | スポーツ | Comments(0)

日医は自由診療の税制に対しても要望

日医、自由診療への消費税軽減など求める- 来年度税制改正要望

日本医師会(日医)は22日、来年度の医療に関する税制に対する意見(税制改正要望)を発表した。
今秋に消費税率を引き上げるかどうかが決まるため、税制改正要望の最重点項目に、医業経営への消費税対策を据えた。社会保険診療に対する消費税の非課税制度を課税に改め、ゼロ税率や軽減税率にすることに加え、10%引き上げ時には、自由診療に対して軽減税率を適用する制度の創設を求めた。

消費税率は、来年4月に8%、2015年10月に10%に、それぞれ引き上げられる予定。中央社会保険医療協議会の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」では現在、8%引き上げ時の医療保険制度の中での手当ての方法について検討しているが、日医は10%引き上げ時には、消費税の課税化などの抜本改革を求めている。
自由診療への軽減税率を要望する理由について、記者会見で三上裕司常任理事は、「消費税率8%と10%引き上げ時の対応が、この秋にも固まるとみられる。10%に引き上げる時の低所得者対策として、軽減税率の導入が検討されているが、普通税率で課税される自由診療は、予防接種や法令に基づく健診など公益性の高い項目が含まれている」と強調した。
また、日医は、中小事業者の事務負担軽減措置として設けられた消費税の簡易課税制度は、中小医療機関にとっても極めて必要性の高い制度と位置付け、見直す場合には、慎重に対応するよう求めている。このほか、社会保険診療に対する事業税非課税の特例措置の存続や、小規模医療機関が医療に専念するための所得計算の特例措置、いわゆる「四段階制」も続けるよう要望している。

【キャリアブレイン】



日医は自由診療に対しても税制要望をしています。
消費税増税というこのタイミングを税制に対しての大きなターニングポイントとして捉えているのかもしれません。
by kura0412 | 2013-08-23 15:41 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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