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医療政策は厚労省だけにあらず

厚労行政、成長戦略を左右 混合診療、ネット薬…緩和案件集中

安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の成長戦略に欠かせない規制緩和のターゲットが厚生労働行政に集中し、厚労省以外の政府内の組織が改革前進を目指してしのぎを削っている。政府は成長戦略を6月に取りまとめる構えだが、厚労省と他の組織の主導権争いが激しくなりそうだ。
田村憲久厚労相は27日に開かれた同省の健康・医療戦略推進本部の初会合で「医療分野は安倍内閣の成長戦略の大きな柱だ。国の富を形成する」と述べ、重要な役割を担っていることを強調した。

政府内では、同省以外でも、産業競争力会議(内閣官房)、規制改革会議(内閣府)、健康・医療戦略室(内閣官房)の3組織が集中して厚労分野の規制緩和や新施策を検討中で、同分野に熱視線を注いでいる。
その結果、医療機器の規制緩和については、厚労省が産業競争力会議に押される形で、審査期間を縮めるため民間の認証機関に審査を任せる対象製品を拡大する方針に転換。今国会に薬事法改正案を提出する考えに傾いた。
また、規制改革会議は今月15日、医療分野で混合診療のさらなる拡大、労働分野で解雇規制の緩和などを検討テーマとして提示。25日には、薬のネット販売の規制緩和を「最優先課題」とすることを決めるなど、動きを活発化させている。
ただ、薬のネット販売については、厚労省が独自に検討会を設置している。政府内で同じテーマを別々に検討する事態となり、省内からは「明らかに参院選を意識している動きだ」(幹部)との声も上がる。
今後、同省が施策の立案作業を進めていく健康・医療戦略推進本部と、他の組織との間で軋轢(あつれき)が生じる可能性もあり、田村氏のかじ取りが規制緩和の成否を左右しそうだ。

【産経新聞】



医療政策は厚労省だけの管轄ではなくなっているようです。
by kura0412 | 2013-02-28 18:28 | 医療政策全般 | Comments(0)

国民皆保険堅持を謳っても

焦点に医療保険浮上 厚労省「国民皆保険制度」崩壊に危機感

安倍晋三首相が参加に向け調整を開始した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、焦点の一つに医療保険分野が急浮上し、所管する厚生労働、総務両省は「国民皆保険制度」が崩壊するのではないかと危機感を強めている。

田村憲久厚生労働相は26日の記者会見で、交渉参加が国民皆保険制度に及ぼす影響について「何としても避けなければならない。首相も『絶対ない』と言っているので、交渉の中で壊れていくことはない」と強調した。
首相は、今月19日の参院予算委員会で「国民皆保険は守っていく。わが国の主権の問題だ」と述べた。25日には、官邸を訪ねた日本歯科医師会の大久保満男会長らに対し、交渉に参加しても国民皆保険制度を維持する考えを伝えている。
それでも、厚労省は「米側が交渉中に絶対に俎(そ)上(じょう)に載せないという保証はない」(幹部)と不安を隠せない。昨年までの民主党政権が当初、医療保険制度について「議論の対象外」と説明してきたのにもかかわらず、途中から「可能性は否定できない」と態度を変化させてきたからだ。
同省は、国民皆保険制度が廃止されると、自在に価格を設定できる自由診療が基本となり、外資の民間保険加入者と未加入者との間で医療格差が広がる可能性が高くなると強調する。同省も米国側の動向を独自に収集し、同制度の存否が交渉案件にならないよう、与党議員に働きかけを強めることにしている。

【産経新聞】



問題は国民皆保険制度そのものは守る姿勢があっても、米国が求める民間保険の解放をどう取り扱うかが大きな焦点になりそうです。
by kura0412 | 2013-02-27 16:21 | 医療政策全般 | Comments(0)

歯科界のTPPに対しての対応が変わります

国民皆保険「壊れない」=田村厚労相

田村憲久厚生労働相は26日の閣議後記者会見で、環太平洋連携協定(TPP)の交渉に日本が参加した場合、国民皆保険制度に及ぼす影響について「首相も絶対ないとおっしゃっている。皆保険が壊れていくことはないだろう」との認識を示した。
その上で「公的医療保険が影響を受けるのは何としても避けなければならない」と強調した。TPPに関する日米共同声明では、「保険」が日米間の懸案事項の一つとして明記された。 

【時事通信】



TPP反対一辺倒から、この大臣の言う「公的医療保険が影響を受ける」その範囲をどう見極めるかが、今後TPP問題に対しての歯科界の大きな課題となりそうです。
by kura0412 | 2013-02-26 12:07 | 医療政策全般 | Comments(0)

『歯科医師会が自民と「和解」』

歯科医師会が自民と「和解」 会長、首相官邸を訪問

安倍晋三首相(自民党総裁)は25日、首相官邸で日本歯科医師会の大久保満男会長や日本歯科医師連盟の高木幹正会長と会い、関係修復を確認した。
歯科医師連盟は2010年参院選で民主党候補を支援したが、今夏の参院選は自民党現職の石井みどり氏を推薦する。

【日経新聞・電子版】
by kura0412 | 2013-02-26 12:00 | 政治 | Comments(0)

トップ交渉経て安倍首相は決断します

交渉参加を事実上表明=政府の専権「早く決断」―安倍首相

安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日午前)、オバマ米大統領との首脳会談を受けてワシントンで記者会見し、環太平洋連携協定(TPP)交渉に関し「会談で聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と指摘、「なるべく早い段階で決断したい」と述べ、交渉参加を事実上表明した。

会見で首相は、反対論が根強い自民党内の状況を踏まえ「交渉に参加するかどうかは政府の専権事項だ」と強調。「25日の役員会で会談結果を説明し、政府への一任をお願いしたい」と述べた。首相は一任を取り付けた上で、交渉参加を正式に表明する見通しだ。
一方、首相は、日銀の次期正副総裁人事について、「月曜日(25日)から進める。
その週には候補者本人、与党の自民、公明両党の了解を得て、各野党に(協力を)働き掛けたい」と説明。さらに首相は、沖縄県・尖閣諸島の問題で対立する中国の習近平総書記との首脳会談にも言及。「同世代の指導者として、いろんなことを話し合う機会があればいい」と述べ、開催に意欲を示した。 

【時事通信】



反対だけでなく、参加となればどんな問題が予測されそれに対応しなければならないのか。また歯科界として利するポイントはないのか。政策を詰める作業が必要になってきました。
by kura0412 | 2013-02-23 12:10 | 政治 | Comments(0)

これはまだ序曲か・相次ぐ離党の動き

参院選へ相次ぐ離党の動き 民主に見切り 崩壊第2幕
■川崎氏・植松氏が意向、岩本氏も

夏の参院選をにらみ改選を迎える参院民主党議員の離党の動きが21日、相次ぎ判明した。
支持率が低迷し、日本維新の会など第三極との選挙協力もままならない民主党。党内からは「一刻も早く泥舟から逃げ出すというわけか…」(中堅)とため息が漏れる。見切りをつけた議員たちが、われ先にと“脱走”しようとしている。

離党の意向を固めたのは川崎稔(佐賀選挙区)、植松恵美子(香川選挙区)両参院議員。2人は22日に離党届を提出し、無所属となる予定だ。衆院選大敗後の離党の動きはこれが初めて。このほか20日には、党福岡県連が、現職の岩本司参院議員が公認候補の公募に応じなかったことを明らかにしている。

川崎氏は昨年11月に参院選不出馬を表明している。
産経新聞の取材に「平成24年度補正予算案や日銀総裁人事など重要案件が続く。自由な立場で(賛否を)判断したい」と語ったが、地元の首長選に超党派の支援を得て出馬するのではともささやかれている。
植松氏は党公認候補に内定しているが、もともと鳩山由紀夫元首相に近く、昨年8月の消費税増税法の採決では造反票(反対)を投じた“前科”がある。選対幹部は「無所属のまま第三極の推薦を得て戦うのだろう。仕方がない…」と諦め顔だ。岩本氏に関しては維新にアプローチしているとの見方がもっぱらだ。

この時期の離党の動きは、24日の党大会前にけじめをつける意味合いがある。
もう一つは、維新やみんなの党に選挙協力を呼びかけているにもかかわらず、蚊帳の外に置かれていることへの焦りもある。
21日には維新の橋下徹共同代表(大阪市長)から「価値観が決定的に違う人たちが集まっている政党。党としての体(てい)をなしていない」と言われる始末だ。
川崎、植松両氏が離党すれば参院民主党会派は85人になり、第2会派の自民党との差は2人に縮まる。第1会派から転落すれば、参院でわずかながら残っていた影響力も地に落ちる。このため、執行部は離党しても会派にはとどまるよう説得する方針だ。
「じゃんじゃん離党すればいい!」
参院幹部は投げやり気味にこう語るが、民主党内では、参院のみならず、衆院でも複数の離党候補者の名前がささやかれる。

民主党が「崩壊の第2幕」に突入したのはもはや疑いようがない。

【産経新聞】



安倍内閣の支持率も上がって、党内が相当ギクシャクしているのかもしれません。
by kura0412 | 2013-02-22 15:33 | 政治 | Comments(0)

マイナーナンバー制が導入されると

マイナンバー制 関連法案 来月1日、閣議決定 共通番号制導入へ

政府・与党は20日、国民一人一人に番号を割り振り、納税情報や社会保障情報を一元的に管理する共通番号「マイナンバー」制度を導入するための関連4法案について、3月1日に閣議決定する方針を決めた。今国会で予算関連法案として成立させ、平成28年1月の利用開始を目指す。

4法案は、民主党政権が昨年の通常国会に提出後、自民、公明、民主3党の実務者で修正協議を続けていたが、昨年11月の衆院解散でいったん廃案となっていた。政権交代後、政府・与党は3党の修正協議の結果を踏まえて、法案を国会に提出する。
法案は、27年に市区町村が国民全員にマイナンバーが記載された「通知カード」を送付する。希望者に、通知カードと引き換えに顔写真付きの「個人番号カード」を配る。
個人番号カードは本人確認のための公的証明書として利用できるほか、民間カードとの連携も期待されている。行政機関にとっては、事務効率化に加え、正確な所得情報の把握や社会保障の不正受給防止などのメリットがある。

ただ、個人情報の一元化に伴い情報漏洩(ろうえい)の被害も予想される。
法施行1年後をめどに、マイナンバーを適切に利用しているか行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」の権限拡大を検討する。政府のインフラ投資の無駄を減らすため、政府の電子システムを統括する政府CIO(最高情報責任者)に「内閣情報政策監」としての法的権限も持たせる。

(用語解説)マイナンバー制度
住民基本台帳ネットワークをもとに国民全員に番号を付け、年金、医療、介護、福祉、労働保険、税務などの利用情報を結び付ける制度。効果的な社会保障給付や災害時の被災者支援などでの活用が期待できるが、個人情報漏洩や目的外利用を懸念する声も根強い。

【産経新聞】




果たして日常の臨床現場にどんな影響があるのか今後の進展に注意が必要のようです。
by kura0412 | 2013-02-21 10:34 | 医療政策全般 | Comments(0)

参議院選挙と社会保障改革は対として考え

首相、社会保障制度改革「先送りする考えない」

安倍首相は20日午前の参院予算委員会で、政府の社会保障制度改革国民会議や、自民、公明、民主3党で議論している社会保障制度改革について、「先送りする考えはしていない。しっかり議論しながら成案を得るべく、参院選でも『こういう基本姿勢でやっていきたい』と堂々と述べたい」として、今年夏の参院選前に一定の方向性を示す考えを明らかにした。
同委員会で行われた「安倍内閣の基本姿勢」に関する集中審議で答弁した。

国民会議は、昨年の自公民3党合意で成立した社会保障制度改革推進法に基づき内閣に設置され、有識者が社会保障の将来像を議論する。同法では、法施行1年後の今年8月21日までに、同会議の結論を踏まえた法制上の措置を講ずることを、政府に求めている。

【読売新聞】



参議院選挙と社会保障改革は対に考える必要がるようです。
by kura0412 | 2013-02-20 17:40 | 政治 | Comments(0)

自民党基本方針6項目がTPP参加のハードル

TPP、例外設けられるかどうかだ…首相

安倍首相は19日午前の参院予算委員会で、環太平洋経済連携協定(TPP)について「我が党は聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には参加しないとの選挙公約を掲げて(衆院選の)選挙戦を戦った。(日米首脳会談では)日本の国益を守る代表として交渉に臨むわけだから、国益を確保するために全力を尽くしていきたい」と語った。
交渉参加の是非を判断するため、22日(日本時間23日)の日米首脳会談で関税撤廃に例外が設けられるかどうか可能性を探る考えを示したものだ。

自民党外交・経済連携調査会が国民皆保険や食の安全などに関する6項目の基本方針をまとめたことについては「重く受け止めている」と述べた。
質問に立った自民党の山田俊男氏が日本の例外品目は840に上ると強調したのに対し、首相は「様々な経済交渉を実際に行ってきた経験の蓄積がある。経験に基づく責任ある判断をしたい」と述べるにとどめた。

【読売新聞】



自民党内でまとめた基本方針の6項目がTPP参加のハードルのようです。
なお質問した山田議員は農協支援の職域代表議員です。
by kura0412 | 2013-02-19 18:07 | 政治 | Comments(0)

民主党の経済金融政策の考えは

【主張】安倍政権の経済財政・金融政策について
民主党「次の内閣」ネクスト財務・金融大臣 前原 誠司

わが国の経済は東日本大震災で大きく落ち込んだ後、ゆっくりとではありましたが回復軌道に乗っていました。しかし、昨年の春から夏にかけて、EU・中国など海外の景気の減速などを受けて回復のペースが鈍っていました。当時、私は政調会長を務めており、景気の状況に注視をしていました。9月に野田内閣の改造が行われ、私が経済財政担当大臣に就任した前後から、景気の状況を示す指標に低下傾向が見られたことから、私は野田総理と相談をして早期に経済対策に取り組むことにしました。
そして、担当大臣として10月、11月と立て続けに経済対策をとりまとめ、国費で1.3兆円程度(経済対策の事業規模としては5兆円程度)の支出を決定しました。政府の経済運営を担当する大臣としては、経済対策の規模として不十分であり、選挙後に本格的な経済対策を講じるべきと考え、総理の了解も得、選挙期間中も党の政策として訴えて参りました。

選挙によって政権が交代し、昨年末に発足した安倍内閣は1月11日に経済対策を、15日に経済対策を実施するための補正予算を決定しました。経済対策の必要性自体は、民主党も共有しますが、問題はその中身だと考えています。
安倍総理は自らの経済政策を「3本の矢」と称しています。すなわち「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を同時展開していくと主張をされています。
「大胆な金融政策」については、民主党政権でも積極的に取り組んできました。とりわけ、私が民主党の政調会長の任にあった一昨年の夏から昨年の夏にかけては、党内で積極的な議論を行い、私も様々な形で日銀と意見交換を繰り返していました。その結果、昨年2月に日銀は「物価上昇率1%を目途とする」と実質的に「インフレ・ターゲット」に踏み込みました。また、私が日銀との連携を図る政府側の窓口である経済財政担当大臣であった昨年10月には、歴史上初めて政府と日銀が「共同文書」という形でデフレ脱却の重要性を確認しました。これは政府と日銀の「アコード」に限りなく近いものであったと思います。
安倍総理が現在主張している「大胆な金融政策」は、これまで民主党政権が進めてきた強力な金融緩和、日銀の密接な連携の延長線上にあり、方向性は一致しています。デフレ脱却は日本経済再生に向けた不可避の課題ですので、どの党が政権を担っても真っ先に取り組み、これを実現しなければなりません。ただし、日銀法を改正して政府が日銀総裁を罷免できるようにする、という点は賛成できません。日銀の独立性は歴史の教訓であり、先進国共通の枠組みです。これを維持できなければ、日本の通貨や財政に対する信頼が失墜し、かえって日本経済を混乱させると思います。

安倍政権で大きく変わったのが、公共事業偏重、財政規律軽視の経済対策です。民主党政権では、「コンクリートから人へ」「国債発行44兆円」という基本路線を維持してきましたが、今回の自民党政権の補正10兆円の半分は公共事業に充て、今年度の国債発行額は50兆円程度と様変わりしました。やはり「古い自民党」に戻ったという感は否めません。
中央高速の笹子トンネル事故に見られるように、社会資本の老朽化対策や防災対策の必要性は否定しませんが、バブル以降の公共事業を中心とした経済対策が経済の再生につながらず、天文学的な財政赤字を残したことの教訓は忘れてはなりません。何より懸念しているのは財政規律です。公共事業が経済の再生につながらず、財政赤字だけが膨らめば、格付けの低下などを通じて、国債価格の暴落、金利の急上昇が起こりかねません。わが国の場合、民間銀行が巨額の国債を保有しているため、国債価格の暴落は銀行の貸し渋りや金融システムの不安定化をもたらす恐れがあります。この点については、強い懸念を持っています。

安倍政権の成長戦略は、現時点ではあいまいです。
民主党政権では、「グリーン(環境・エネルギー)」「ライフ(医療・介護)」「農林漁業」を明確に成長分野に位置づけ、これらに予算、税制、規制改革などの政策手段を重点的に投入する方向性を「日本再生戦略」で明確にしていましたが、先に安倍政権がまとめた経済対策は総花的であり、具体的な成長分野、手段が不明確です。また、海外の需要を取り込む経済連携や、経済成長を促す規制改革の方向性も明らかではありません。

わが国の経済は「人口減少」「一本足打法と呼ばれる、過度に自動車に依存した経済構造」「先進国最悪の財政」という構造問題を抱えています。これらの課題を乗り越えなければ、安定した経済成長を実現し、国民が安心して生活できる環境をつくることは困難です。今回の安倍政権の経済政策、補正予算が真にこれらの課題に応える内容となっているのかどうか、国会審議などを通じて、確認していきたいと考えています。

【民主党HP】



基本的な考えに安倍政権とそう大きな相違を感じないのですが、もし、これに異論があるとするならば、また党内不一致となります。
by kura0412 | 2013-02-19 18:01 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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