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TPPは国を二分するような大問題にも

岩見隆夫のコラム

国民新党の亀井静香代表は、日ごろから、
「小沢さん(一郎・民主党元代表)とは、けんかをして手を握って、けんかをして手を握って、いま2巡目なんだ」
などと言っている。たしかに、自民・社会・さきがけ3党連立(94年)では、村山富市擁立の亀井と、海部俊樹擁立の小沢が鋭く対立した。しかし、小渕政権下、自民・自由連立(99年)になると、一転、亀井の仲介で反小沢の野中広務官房長官と小沢自由党党首が会っている。
2巡目かどうか、この20年ばかり、政界が波立つと、必ず渦中に2人がいた。いま、亀井74歳、小沢69歳、老練の舞台回し役が、国難のなか、最後の謀(はかりごと)を巡らせているかのようだ。

さて、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)政局である。民主党内の対立激しく、野田佳彦首相の融和策に乗る裁判中の小沢は情勢観望、連立与党の亀井が反対の急先鋒(せんぽう)に回った。
もともと亀井は郵政改革ともう一つ、対米自立を唱えてきた。民主党政権の誕生は、長年自民党政権が過度の対米依存に浸ってきた状態から抜け出す好機とみて、政権発足前の09年5月訪米。米政府高官に、
「従来のように米国が勝手に方針を決定して、日本はそれに協力しなさい、と言われても、新政権下ではそうはいかない」
と宣言し、
「在日米軍を使って新政権を倒すことなどできない。亀井をCIA(米中央情報局)が暗殺しない限り、新政権の動きを阻止することなどできない」
と息まいてきたという。
暗殺まで口にしてタンカを切る。この直情径行、幕末の尊王論者、吉田松陰がペリー再来(1854年)の折、密航を企て黒船に乗り込もうとした無謀をほうふつさせる。

亀井が言う。
「鳩山由紀夫首相が<対等な日米関係>を言ったのは、歴代首相のなかで初めてだった。私は長期間続いた対米従属政治から決別するのを期待したが、普天間問題でつまずいてしまった。
TPPはアメリカが自国の利益のために戦略的に進めていることだ。にもかかわらず、菅直人首相はまるで小学生のように、アメリカの言うがまま、前のめりでTPPに乗ろうとした。自民党時代と同じ体質だ」(「月刊日本」10月号インタビュー)
3人目の野田首相に亀井は、
「日米関係は大事だが、アメリカが日本に十分配慮してこそ、真の友好関係は成り立つのだ。日本が一方的にアメリカの顔色を窺(うかが)い、気持ちを忖度(そんたく)して政策を決めるようでは、真の友好関係は築けない」
と意見し、野田は、
「わかっています」
と応じたという。

しかし、顔色、気持ちとなると、立場によってどのようにも映る。対米自立か対米依存(従属)か、戦後日本が抱えてきた悩ましいテーマだ。
それが、TPPをきっかけに前面に出てきた。国論二分、佐幕か勤王かみたいな騒動になりかけている。
亀井に問うてみた。対米自立はだれもが望んでいることだ。TPPという土俵の上にあがって、米国と対等に渡り合うことはできないのか。
「それはだめだ。ワンサイドゲームになる。いままでの日米交渉の経過をみれば明らかだ。性善説ではいけない」
野田はすでに交渉参加のハラをくくっているという。だが、来月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、日本が参加を表明したとしても、それでTPP政局は鎮まりそうにない。
年末にかけ、政界が荒れる。

【近聞遠見:亀井の「対米自立」とTPP=岩見隆夫】



TPPが単に関税撤廃云々の問題に留まらず、戦後、日本の外交の基軸であった日米関係を見直し、日本を二分するような論争の可能性を秘めているようです。
TPPに関しては歯科界も多角的な見地も含めて、日本の医療、皆保険制度を改めて考えなければなりません。
by kura0412 | 2011-10-31 18:27 | 政治 | Comments(0)

日本が参加してもまとまるのか

米首席交渉官、日本のTPP「離脱論」けん制

ペルーの首都リマで開かれていた米豪など9か国による環太平洋経済連携協定(TPP)の第9回交渉会合が28日、終了した。

米国のバーバラ・ワイゼル首席交渉官は終了後、一部記者団に対し「参加の決断は前もってなされるべきだ。真剣な意志を持たない国には来てもらいたくない」と述べた。
これは交渉参加を検討中の日本政府・与党内にある、国益に合わなければ交渉途中で撤退すればいいとの「離脱論」をけん制し、政府の意思統一を図った上で参加を表明するよう促した発言だ。
一方、ペルーのエドガー・バスケス首席交渉官は閉幕後の記者会見で、「すべての分野で進展があったが、交渉終了に至らなかった」と述べ、11月にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での大枠合意に向け、詰めの協議が必要との認識を示した。バスケス氏は、知的財産権などの分野で交渉が遅れ気味だと説明した。

【読売新聞】



もし日本も参加となっても、FTAでも合意には茨の道なのに、多国間で目論見が異なり利害だけの凌ぎを削るTPPが果たして早期に合意となるのでしょうか。
しかし、この種の交渉でアメリカは常に強かに動きます。
by kura0412 | 2011-10-29 17:16 | 政治 | Comments(0)

自主返納の結構ですが

野田首相:所信表明 復興増税理解求める 給与、自主返納へ TPP「早期に結論」

野田佳彦首相は28日、衆参両院の本会議で就任2度目の所信表明演説を行った。
東日本大震災の復興と原発事故の収束、日本経済の再生を臨時国会の最優先課題に掲げ、11年度第3次補正予算案の早期成立を求めた。同時に、復興増税への理解を得るため「政治家も身を切らねばならない」と述べ、首相、政務三役の給与削減を打ち出した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加問題については「早期に結論を出す」と改めて表明した。

首相は、5年間で20兆円近くと試算される復興事業費に関し「これだけの巨額の資金は国会が決断しなければ手当てできない」と指摘。総額11・2兆円の復興増税法案の成立に向け「政治家の覚悟と器量が問われている」と協力を呼びかけた。
復興関連事業費の自治体負担については復興交付金の創設などで「実質ゼロにする」と明言。規制緩和や税制特例を認める復興特区制度の創設で復興を加速させる考えを示した。
また、3次補正予算案の財源確保のため、「まず歳出削減と税外収入の確保に断固たる決意で臨む」と述べた。具体的には、国家公務員給与を約8%引き下げるための法案の成立を図るとともに、11月から14年3月末まで首相は3割、閣僚、副大臣は2割、政務官は1割、給与を自主返納することを明らかにした。首相の年間のカット額は1179万円。与野党に対しては、議員定数削減の議論を進めるよう促した。新設した「国家戦略会議」で年内に日本再生の基本戦略をまとめ、中長期的な経済成長を通じた「増収の道」を追求する方針も掲げた。
そのうえで増税を伴う「歳入改革の道」の必要性を強調。欧州の債務危機などを踏まえ、復興増税法案を成立させることで「未来の世代の重荷を少しでも減らし、国家の信用を守る大義をともに果たそう」と訴えた。

一方、TPP協定の交渉参加については、「引き続きしっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出す」と、前回の臨時国会での演説と同じ表現を繰り返した。首相は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に交渉参加を表明する考えだが、民主党内の慎重論に配慮した。
10年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げる「税と社会保障の一体改革」は、臨時国会の争点ではないとして言及しなかった。

【毎日新聞】



政務三役の自主返納の一方、震災で自粛されていた与野党各議員の政見パーティーが連日目白押しです。政治家が身を切るのは定数削減しかありません。
by kura0412 | 2011-10-28 17:17 | 政治 | Comments(0)

野田政権が否定しても

保険との併用は拡大 TPPで"解禁"懸念も 「混合診療」

最高裁が適法と判断した混合診療の原則禁止。政府は既に「保険外併用療養」という枠組みで、先端医療と通常診療を組み合わせる場合などを対象に、例外として容認、拡大しつつある。ただ、環太平洋連携協定(TPP)の交渉入り問題を契機に混合診療にあらためて注目が集まっている。

▽先端医療
公的医療保険が適用される治療と適用されない「保険外」の治療を併用するのが混合診療。原則として、保険治療分も含めて治療費の全額が自費負担となるため、患者が開発されたばかりの薬や医療機器を使おうとすると、膨大な負担を求められることになる。海外で使用されている薬でも、日本で保険適用されなければ実質的には治療に用いることができない。
日本での保険適用までの期間が欧米よりも長いこともあって、患者側から「先進的な医療を受ける権利を妨げられている」などの批判が続出していた。
2004年に当時の小泉純一郎首相が混合診療の解禁を目指す考えを示したことをきっかけに検討が進み、06年に解禁ではなく混合診療を認める例外を拡大。将来の保険適用を目指す新しい医療(評価療養)、差額ベッド代など特別なサービス(選定療養)に整理された。
がん治療などでは、近年の技術革新で新しい薬や治療法が次々と開発されており、こうした先進的な医療が評価療養として次々と保険との併用を認められる方向にある。

▽患者主権
政権交代後もこうした拡大は継続。10年6月に菅内閣が閣議決定した成長戦略では、専門的医療機関で国内未承認の医薬品や機器を保険外併用で提供することを盛り込んだ。
行政刷新会議の分科会は同じ6月に「患者主権」を掲げ、混合診療の例外拡大に向けて「一定の要件を満たす医療機関については事後チェックに転換する」など手続きの柔軟、迅速化を求める報告書をまとめた。

▽外資参入
TPP交渉への参加の是非をめぐって、再び混合診療の解禁問題がクローズアップされることになった。日本医師会(日医)などが、医療分野でも米国側の圧力が強まり、全面解禁に道が開かれる可能性があると、強く反対。新薬や先進的な医療など、米国側が売り込みたい「保険外併用」で医療ビジネスが拡大すると警戒する。

日医幹部は「(先進医療を)併用で済ませられれば、医療給付費の拡大も抑えられる。財政再建に努める日本の財務省も乗り気になるのではないか」と懸念。一方、TPP交渉入りに前向きな野田政権側は「医療の規制撤廃につながるというのは違うと思う」(枝野幸男経済産業相)などと火消しに躍起だ。

【共同通信】




日本の政府が否定しても、アメリカはそれを許しません。それが今ままでのこの種の流れです。それとも強い外交姿勢を貫く覚悟が野田政権になるのでしょうか。
by kura0412 | 2011-10-27 09:09 | 政治 | Comments(0)

『70~74歳、病院窓口「2割負担」案検討へ』

70~74歳、病院窓口「2割負担」案検討へ

70~74歳の高齢者が医療機関にかかった場合の窓口負担について、厚生労働省は25日、現行の1割負担を2割負担とする方向で検討に入った。
26日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で「2割負担」案を示す方針だ。

70~74歳の2割負担は、医療制度改革関連法で2008年4月から実施することになっていたが、当時の自公政権が07年参院選の敗北を受け、実施を凍結。1割負担に軽減した状態が現在まで続き、政府が毎年の予算から約2000億円を補充している。
民主党政権になり、2割負担に戻す案は、政府・与党が6月に決めた社会保障・税一体改革案の当初案に盛り込まれた。だが、民主党の調査会で「有権者の反発を招く」との反対があり、最終案で「自己負担割合の見直し」とぼかされた。
2割負担案が実現しても、69歳まで3割負担の人が70歳に達するときから2割負担とするため、現在、70歳以上の高齢者の負担が増えることにはならない。

【読売新聞】




受診時定額負担制度も大きな問題ですが、この2割負担も政府民主党にとっても、また医療側、患者サイドも大きなハードルです。
by kura0412 | 2011-10-26 16:49 | 医療政策全般 | Comments(0)

本当に対象外で終わるのか

経団連はTPP参加、医師会は反対…民主が聴取

民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)は24日の総会で、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加で経済団体と医療団体から意見を聴取し、関係団体へのヒアリングを終えた。
今後、有識者からのヒアリングなどを行い、週内にも党内の意見集約に向けた論点整理を始める方針だ。政府・民主三役会議は24日、11月12~13日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までにはTPP交渉参加を表明するという日程を再確認した。

24日のPT総会で経団連の代表は、「来月が参加表明のラストチャンス。国内調整に時間をかける暇はない」と強調した。経団連の米倉弘昌会長も同日、玄葉外相との懇談会で「待ったなしの状況だ」と訴えた。
経済団体が「早期の決断」を求める背景には、APEC首脳会議が迫る中、なお慎重論が根強い民主党への強い危機感がある。
これに対し、日本医師会などは24日のヒアリングで、「営利を求める外国資本が参入すれば、国民皆保険制度は終わりを迎える」と述べ、改めて参加反対を主張した。

【YOMIURI ONLINE】



医療は対象外と政府は説明していますが、この議論が進めば当然、遡上に上がってくる可能性はあります。そしてそれ共に規制緩和の議論が一気に進むことは間違いないようです。
by kura0412 | 2011-10-25 14:43 | 政治 | Comments(0)

表明したその後は

TPP:交渉へ意欲 玄葉外相「判断時期、間近に」

玄葉光一郎外相は24日午前、東京都内で経団連の米倉弘昌会長ら幹部と会談し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加要請を受け「外に目を見開いて大局的判断を示さなければならない時が間近に来ている」と意欲を示した。一方、藤村修官房長官は首相官邸で全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長と会い、交渉参加に反対する約1167万人分の署名を受け取った。
外相との会談で米倉会長は「交渉参加国が11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議での大枠合意を目指しており、待ったなしだ。強いリーダーシップで交渉参加の決断をしてほしい」と要請。外相は「交渉に入らないと得られない情報もたくさんある」と強調した。藤村長官は万歳会長との会談に先立つ会見で「外交交渉で決裂すれば離脱することは一般的にはあり得る」と述べた。

【毎日新聞】



野田首相の結論はTPPの輪の中に入ることで決まっているのでしょうが、果たしてその表明後、政局、民主党内がどう動くのか否か。
by kura0412 | 2011-10-24 17:10 | 政治 | Comments(0)

被災地の医療・介護現場は

「このままならパンク」人材流出で医師不足に拍車 「再建への課題 被災地の医療・介護」

東京電力の原発が林立する福島県「浜通り」地方の最南端にあるいわき市。人口約33万人の町は福島第1原発の事故後、各地から集まる原発作業員の宿泊拠点となったが、「放射能汚染が不安」として出て行く人々も多い。

▽離職、資金難
原発作業員の健診を行う市内の病院では震災後、外来患者が急増した。この病院の事務局長は「新患だけで毎週100~120人来ている。医師不足で診療を縮小したり、やめたりしたほかの医療機関の患者が集まっているようだ」と話す。
もともと医師不足は問題だったが、福島県病院協会の調査では、いわき市では震災前に178人いた病院の常勤医師のうち31人が震災後に辞めるなど、事務職も含めた医療従事者200人強が離職。小児科や内科など、震災で閉鎖する診療所も相次いでいるという。
「子どものいる家庭は原発事故への危機感が強い。そうした理由で引っ越した医師もいる」(病院関係者)。
原発の北側に位置する南相馬市立総合病院も医師不足が頭痛の種だ。
震災前の医師数は常勤14人、非常勤9・5人(常勤換算)だったが、現在は常勤7人、非常勤3人で24時間態勢を維持。非常勤が担っていた産婦人科や眼科は休診で、金沢幸夫(かなざわ・ゆきお)院長(58)も月4回の当直をこなしている。
市域の大半が原発事故による避難対象となったため人口が急減。1日当たり350人いた外来患者が、震災後は約140人に。230床の入院機能も100床までしか再開できず、休診と合わせて病院の収支を大きく圧迫しているという。
「毎月5千万~1億円の赤字があり、7億円あった資金も11月には底をついてしまう。公立病院でもパンクしかねない」(金沢さん)
今のところ、国の補助金も東電の賠償金も被災地の医療機関に行き渡ってはいない。別の関係者は「休業したまま再開のめどが立たなければ、医師や看護師はよそに行ってしまう。手元にまとまった資金がなければ、もうどうしようもない」と、打ち明ける。

▽さらに悪化
「(検査の)数値が良くなっています。よく頑張りましたね」。岩手県宮古市の熊坂内科医院。経営法人理事長の熊坂義裕(くまさか・よしひろ)医師(59)が患者に話し掛けた。午前の受付時間は過ぎたが、待合室では患者があふれている。
「東日本大震災後、明らかに患者が増えている」。熊坂さんは2009年まで12年間、宮古市長を務めた。10万人当たりの医師数が全国平均の約半数という深刻な医師不足の解消に向け試行錯誤したが、完全解決には遠かったという。
震災で近隣町村の医療機関が壊滅したため被害が比較的軽かった宮古市に患者が流入したことで、医師の数がさらに足らなくなった。同医院の熊谷利信(くまがい・としのぶ)院長(52)は「受診間隔を長くするため、薬は3~4週間分を処方するが、追いつかない」とため息をつく。
医師が30人あまりの県立宮古病院を支援するため、会員約40人の宮古医師会が休日の当直医を出している。市長在任時代に始めた制度で、熊坂さん自身も2カ月に1回、当直をする。
熊坂さんは「今はぎりぎりの状態。国には、被災した医療機関の再建支援や、被災地向け診療報酬の加算など何らかのプラスアルファをしてほしい」と訴える。

【共同通信】



この記事にある宮古市の現在の山本市長は歯科医師です。また、色々な問題、課題が被災地の医療の現場には山積していると思います。
by kura0412 | 2011-10-21 18:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

歯科口腔保健法制定でまた新たな動きが生まれ

10月14日に行われた厚労省厚生科学審議会地方保健健康増進栄養部会で、「歯科口腔保健の推進に関する法律に基づく基本的事項の検討の進め方について」が審議議題となり、来年の4月~5下旬にかけて答申を出す計画となりました。
なお、部会の下に有識者や専門家による専門委員会を設置し、部会と連携しながら検討作業を進めることになりました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001rxfm.html

法律制定で一気に口腔保健の新たな流れが生まれそうです。これを歯科医療、保険制度とどのように結びつけるかが大きな課題となりそうです。
by kura0412 | 2011-10-19 12:57 | 歯科医療政策 | Comments(0)

主張する相手は財務省だったのかも

先日、若手の元財務省OBの方の講演を聞く機会がありました。

非常に歯切れの良い、勉強になる話ばかりでしたが、1番頭に残ったのが、厚労省の役人は自分たちの予算枠を減らす施策には協力しない。その一方、財務省は少ない予算で効率が良い事業には食いついてくるという話です。

もしこの話が正しいとするならば、健全歯数の数で総医療費に差があるという歯科界の主張のターゲットは、厚労省ではなく財務省だったのかもしれません。
by kura0412 | 2011-10-17 18:26 | 歯科医療政策 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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