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人的な繋がりは一日にして成らず

普天間基地移設、また尖閣問題で、外交問題が民主党政権のアキレス腱となるような雰囲気です。
自民党政権時代、アメリカ一辺倒、また外務省官僚任せといわれてはいたものの、結果をみると、外交でもっと大切な継続性が保たれていたことが再確認します。(その為に大きな変化が出来なかったという問題点も浮き上がりますが)
それと重要なのが人的な交流、いわゆる各国とのパイプの有無、太さです。残念ながら、これが民主党独自のものが全く欠如していました。国会議員のブログを覗くと、自民党では独自のパイプを議員個人ベースであっても、野党に下った現在でも築きあげようとしている動きがあります。

実は、このような政治的な動き、つまり、どんな立場、関係となっても、政治の世界では、人的な繋がりの重要性が非常に大切だということが、今回の外交に事を発した政権交代を機に問題、課題として浮き上がってきました。
この人との交流、関係は非常に複雑であり、また、そう簡単には築きあげられません。これは外交に限らず、政治的な活動全てに通じます。そして、その関係で一番需要なのが、相互の信頼関係です。
by kura0412 | 2010-09-30 17:27 | 政治 | Comments(0)

歯科医療の国民負担のあり方は

税と社会保障の改革考える調査会を新設―民主政調

民主党は9月29日、拡大政調役員会を開き、「税と社会保障の抜本改革調査会」を新たに設置することを決めた。会長に藤井裕久前財務相、会長代理に小沢鋭仁前環境相、事務局長に大串博志前財務政務官がそれぞれ就任する。
役員会の終了後に記者会見した玄葉光一郎政調会長(国家戦略担当相)は、同調査会の役割について「在るべき社会保障像を描きながら、それに沿って税の抜本改革の在り方について議論を行う」と説明。その上で、年内に「一定の基本的考え方」を取りまとめる意向を示した。議論の開始時期については「できるだけ早くスタートしたい」と述べた。

■鳩山前首相が会長の「新しい公共調査会」も
また同日の拡大政調役員会では、鳩山由紀夫前首相を会長とする「新しい公共調査会」の新設も決めた。玄葉政調会長は会見で、「鳩山前総理がもともとの提唱者。党で自由闊達(かったつ)に議論をしていただきたい」と述べた。議論の内容については「鳩山前総理にお任せしたい」とした。

【キャリアブレイン】



税と社会保障、入りと出を対にしての議論がこれから求めらています。
となると、その前に歯科医療の国民負担のあり方は?そんな議論も必要となってきます。
by kura0412 | 2010-09-30 10:04 | Comments(0)

もし公明党と民主党が部分連合とねれば

民主、公明と補正協議へ 部分連合を模索

民主党は29日、2010年度補正予算案をめぐり、10月下旬に想定される予算案提出前に公明党と協議する方向で調整に入った。参院で与党が過半数割れした「ねじれ国会」を乗り切るため公明党との「部分連合」を視野に入れ、事前協議を足掛かりに連携を模索する考えだ。
ただ公明党内には事前の協議に慎重論も根強く、円滑に進むかは見通せない。公明党は特に、沖縄・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件で政府批判を強めており、29日午後に予定していた補正予算案に関する民主党との協議を急きょ見送った。自民党も民主党との協議をキャンセルした。
公明党幹部は「30日の衆院予算委員会集中審議で民主党政権の姿勢をただす前に、補正で協調ムードになるのはまずい」と理由を説明した。

【共同通信】



部分連合とはいえ、もし、公明党が民主党と連携すれば、ねじれ国会の様相は一気に変わります。
by kura0412 | 2010-09-29 12:51 | 政治 | Comments(0)

もし医師不足でなく多かったならば

勤務医1.8万人不足 地域・診療科に偏り 厚労省調査

全国の病院に勤務する医師数は約1万8千人不足していることが、厚生労働省の調査でわかった。地方に比べ都市部に医師が集中している地域偏在や、救急科やリハビリ科での不足がより深刻であるなど診療科ごとの偏りも判明。医師不足の全国調査は初めて。厚労省は近く結果を公表し偏在の解消に乗り出す。

全国にある全病院を含め計約1万施設に対して調査した。今年6月1日時点で、実際の勤務医師数や求人中の医師数のほか、求人理由などを調べた。
調査によると、病院に勤務している医師数は約17万人。診療機能を維持するために病院が求人中の医師数は約1万8千人で、勤務医師数に対して必要医師数の倍率は1.1倍だった。調査時点で求人していなかったが病院が必要とする数を加えれば必要な医師数は計約2万4千人になる。
都道府県別でみると、必要医師数の倍率が高かったのは青森、岩手、島根などで1.2倍を超えていた。一方、東京や神奈川、福岡は1.1倍以下と低く、都市部と地方で医師不足に差があることがはっきりした。医師が十分足りている都道府県はなかった。
また、診療科による医師の偏りも明らかになった。病気の後遺症でおきる運動障害などを総合的にみるリハビリ科や、救急科で1.2倍を超えていた。しかし、美容外科、形成外科、アレルギー科などの必要数は少なかった。

医師を求人しなければならなくなった要因は、転職や開業などで勤務医が退職し補充のために募集していると答えたケースが最も多い。次いで、大学病院が地方に医師を派遣する機能が低下したことや、医師の勤務時間を減らすなど勤務環境を改善するためという理由が多かった。
2004年に新卒医師に2年間の臨床研修が必修化され、自由に病院を選ぶことができるようになった。大学病院に残る医師が減り地域の病院に派遣していた医師を引き揚げざるをえなくなった。このため各地で医師不足の傾向が顕著になったとされる。
厚労省や文部科学省は地域偏在の解消に向け将来その地域で診療することを条件に入学する学生の定員枠を設けるなどの対策をしてきた。厚労省は来年度予算の概算要求で医師不足に悩む病院に医師を派遣する「地域医療支援センター」を各都道府県に設置することを盛り込んでいる。

【asahi.com】



医師不足問題は、医療の範疇を超えて社会問題化しています。
しかし、もし医師が増えていたらどんな対応したのでしょうか。たらればは禁句ですが、思わずそんな気持ちになりました。
by kura0412 | 2010-09-29 08:57 | 医療政策全般 | Comments(0)

小沢一郎氏の次の一手は

塩田潮の政治Live「小沢氏描く「最終戦争」はうまくいくか」

海釣りが好きな小沢元民主党代表は9月21日、八丈島から羽田空港に帰着した。翌日、入れ違いに菅首相が国連総会出席のため、政府専用機で羽田を飛び立った。もし代表選が逆の結果だったら、小沢氏が政府専用機に乗り、スキューバダイビングが趣味の菅氏が南の島に出かけていたかもしれない。
小沢氏はこの先、衆参ねじれの政界の海で「一本釣り」の腕を発揮するかどうか。「パワーは代表選がピーク。今後は下り坂で、賞味期限切れ間近」という分析と、「代表選は長期戦争の第一幕。菅政権の危機到来なら一気に逆襲」との見方が相半ばする。

巨大党内野党を率いる小沢氏の次の一手が注目を集める。
出方を占うカギは小沢氏の二つの言葉だ。まず代表選当日の議員総会でのスピーチで「政治生命の総決算。最後のご奉公の決意」と語った。負けたら政界引退の覚悟とも聞こえたが、「総決算、最後のご奉公」は代表選から始まる長期戦争全体に対する決意だったのだろう。
もう一つ、終わった直後、「一兵卒として民主党政権を成功させるために頑張る」と言った。「一兵卒」は役職拒否、菅政権への非協力の通告だ。だが、「民主党政権の成功」を説く以上、当面は離党や分党は視野になく、党内で権力奪取に挑む方針と映る。

小沢氏の側近の話では、6月の首相交代で簡単に菅氏を信じて裏切られた自身の甘さ、神輿担ぎが適任の自分が神輿となり、参謀不在を余儀なくされたことなどを反省しているという。焦点の検察審査会の問題でも、「厳しい判断」を視野に入れ、周囲の楽観論を戒めているらしい。状況は好転しているわけではないが、菅政権は年末から来春にかけて行き詰まると見て、そこで「最終戦争」を、というのが小沢氏のシナリオのようだ。
代表選では小沢氏の「変身」が話題を呼んだ。意外にも雄弁に自らの所信と真情を語り、「逃げない」と明言した。最終戦争でも捨て身の「ニュー小沢」が最大の武器だが、国民の期待と共感をつなぎ止められるかどうか。最終戦争が不発に終わる可能性も大きい。


http://www.toyokeizai.net/business/column/detail/AC/7b695c63b4231e2a564ff9f06ad8a0a2/

【東洋経済】



このままで小沢一郎氏が終わるということはありません。次の一手を、どの場面で、どんな策を繰り出すでしょうか。
by kura0412 | 2010-09-28 16:41 | 政治 | Comments(0)

「親知らずからiPS細胞 効率、皮膚の100倍以上」

親知らずからiPS細胞 効率、皮膚の100倍以上

親知らずのもとになる「歯胚」の細胞から、さまざまな組織の細胞になるとされる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに産業技術総合研究所(兵庫県尼崎市)のチームが成功し、27日発表した。
通常使われる皮膚の細胞から作るよりも100倍以上効率が良く、できたiPS細胞から腸や軟骨、神経、心筋の細胞ができることも確認した。

チームの小田泰昭さんは「抜歯の際に捨てられていた親知らずの歯胚組織から安全なiPS細胞を効率よく作れた。再生医療に必要な細胞バンクの設立に貢献できる」としている。
チームは凍結保存していた10代の3人の歯胚細胞から、効率を上げるのに使用される、がん遺伝子cMycなしでiPS細胞を作製。cMycを使わない場合、皮膚の細胞では0・001%以下の効率が、歯胚では0・1%以上のものもあった。
同じ歯胚からとった細胞でも、PAXIP1という遺伝子が活発に働いている細胞からはiPS細胞が特に作りやすかった。今後、この遺伝子を解析し、iPS細胞が効率良くできる仕組みの解明を目指す。成果は、米科学誌に掲載された。

【共同通信】



またまた魅力的な研究発表です。
今後臨床研究が積み重ねられ、具体的な臨床システムとしてどう組み立てるか。また別な視点からの歯科に求めるものが増えてきそうです。
by kura0412 | 2010-09-28 09:05 | 歯科 | Comments(0)

今度は歯科医療現場の視察も

介護職員がたん吸引可能な法整備を…首相指示

菅首相は26日、介護福祉士ら介護職員が施設や在宅でのケアの際、たんの吸引など医療行為の一部を行えるように法整備を急ぐよう厚生労働省に指示したことを明らかにした。
視察先の東京都青梅市で、記者団に語った。
指示を受け、厚労省は来年の通常国会への関連法案提出に向けて準備を早める考えだ。

首相は視察後、「介護と医療が一体的にサービスできる体制が重要だ」と述べた。医療行為は、医師や医師の指示を受けた看護師らにしか認められておらず、通知による例外的措置として、介護職員によるたんの吸引などが認められている。
ただ、事故の懸念があることや、職員が技術を習得できる場が十分でないことなどから、法整備を求める声が出ている。

【YOMIURI ONLINE】



是非一度、今度は、首相、厚労大臣、歯科医療の現場を視察してもらえないものでしょうか。
by kura0412 | 2010-09-27 16:53 | 歯科 | Comments(0)

NHKニュースにも

歯学系私学 ほぼ全員合格も

歯科大学や歯学部がある私立の大学の8割で、今年度行った入学試験の倍率が2倍を切り、一部の大学では受験生のほぼ全員が合格する状態だったことが文部科学省のまとめでわかりました。

文部科学省によりますと、全国の国公立、私立の大学のうち、歯科大学や歯学部がある29の大学の合格者は3700人余りで、入試の競争倍率は1.74倍となりました。これを国公立と私立別にみますと、国公立は12の大学のうち、最も高いところが3.90倍で最も低いところは2.11倍でした。一方、私立では、17の大学のうち8割に当たる14大学が2倍を下回り、このうちの9つの大学では1.1倍を切るなど、受験者のほぼ全員が合格する状態となっていたことがわかりました。歯学系の大学は、地域によっては歯科医師が過剰になっていることなどを背景に、ここ数年、入試倍率が下がり続けていますが、文部科学省では「大学における歯学の教育の質を高めるため、定員の適正化を図っていきたい」と話しています。

【NHKニュース】



大学関係者曰く、これでまた風評が広がりそうです。(風評ではなくこの結果を真摯に受け止めるべきなのですが)
by kura0412 | 2010-09-27 14:11 | Comments(1)

負担問題を論議なしの高齢者医療制度改正は

国保運営広域化、対象は75歳以上 厚労省方針

厚生労働省は2013年4月に導入を目指す新しい高齢者医療制度で、国民健康保険(国保)に加入する75歳以上の部分の運営主体を、都道府県単位に広域化する方針を決めた。広域化にあたって対象年齢を「65歳以上」か「75歳以上」かで検討していた。現行の後期高齢者医療制度(後期医療)の廃止に伴い実施する。一定期間後、全国一斉に、全年齢で国保を都道府県単位の運営に切り替える考えだ。
厚労省は27日の高齢者医療制度改革会議で、この方針を提案する。関連法案を来年の国会に提出する予定。

新制度では、現在、後期医療の対象となっている75歳以上のうち、サラリーマンとして働く高齢者やサラリーマンに扶養される高齢者(約200万人)は健康保険組合などの被用者保険に入り、残り約1200万人が国保に入ることが決まっている。
現在は市町村が運営している国保を都道府県単位に広域化する方針も決まっているが、同会議が8月に示した「中間とりまとめ」では、広域化の対象年齢が「65歳以上」と「75歳以上」の両論併記となっていた。
「65歳以上」案は年金の受給開始や退職などの年齢を考慮したものだった。だが、同省は、65~74歳で大きな保険料の変動が見込まれることから混乱を招くと判断。さらに、65~74歳の加入者が全体の約6割を占める長野県天龍村の国保のように、第1段階の広域化でこの層が抜けると、国保財政が立ち行かなくなるおそれがある自治体があることも考慮した。
全年齢を対象にした第2段階の広域化は、合意できた都道府県から順次移行していく案もあったが、全国で一斉に移行する案を選択した。

【asahi.com】



この制度改正のメリットが良く見出せません。高齢者医療制度の問題は、国費と保険料、そして受益負担のバランス、そして年代間の負担をどう割り振るかをどう設計するかであって、それに言及しなければ何の意味もないように思います。
by kura0412 | 2010-09-27 09:34 | 医療政策全般 | Comments(0)

歯科医師は開業に縋るしかありません

産婦人科が16年連続減少 小児科も、厚労省調査

昨年10月時点で産婦人科を掲げていた全国の病院数が1294施設となり、16年連続で減少したことが22日、厚生労働省の医療施設調査で分かった。小児科も16年連続減の2853施設だった。厚労省は「激務のために敬遠され、地域によっては医師を確保できない病院も出ていることが一因では」とみている。

調査によると、産婦人科は現在の形で統計が取られ始めた1972年の2384施設をピークとして小幅に増減していたが、2061施設だった94年から減少幅が拡大。昨年も2008年より25施設減った。
小児科は90年の4119施設がピーク。94年から連続して減り続け、昨年も08年より52施設減った。
今回の調査は病院のみの集計で、診療所については行われていない。

【共同通信】



医師は、医療環境が悪いと逃避が出来ますが、歯科医師はそれもなりません。
by kura0412 | 2010-09-25 08:59 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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