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パラの高騰がどの程度影響があったのでしょうか

平成22年10月からの「歯科用貴金属価格の随時改定」について―10品目について告示価格が改定される予定

7月28日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会において,10月からの歯科用貴金属価格が改定されることが決定した.
歯科用貴金属の告示価格は,市場価格の変動に対応して見直すことになっているが,本年4月からは,告示価格の±5%以上の変動があったものについて4月および10月に改定する,ということになっている(従来は±10%以上の変動があったものについて見直していたが,本年4月の診療報酬改定時に5%幅となった).
前回の随時改定(平成22年4月)以降の半年間で告示価格の変動率が±5%以上となったのは下表で示す10種類の品目であり,この10月から告示価格が改定される予定である.

【ヒョーロン・ニュース】



12%パラで4月改定時との比較で+29,6%との結果です。これがプラス改定率をどの位侵食したのか。個人的にはかなりの数字を打ち消したイメージをもっています。
by kura0412 | 2010-07-31 12:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

メニュー拡大しても負担増が

「給付と負担」が最大課題 30日から議論、財源に壁  介護保険改革

2012年度の介護保険制度改正に向け、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で30日から本格的な議論が始まる。増え続けることが予想される介護サービスへの需要に対応するため、給付と負担の在り方を見直してどう財源確保を図るかが最大の焦点。施設介護の在り方や介護人材の獲得なども大きな課題だ。

10年度の介護保険の総費用は、7兆9千億円(当初予算ベース)で、制度が始まった00年度から倍増した。65歳以上の単身世帯の伸びなどの影響で、25年には最大で23兆円に上る見込みで、財源確保など制度を持続可能にするための取り組みは避けて通れない。ただ、参院選の敗北で民主党は消費税率引き上げに腰が引けており、安定的な財源を見つけるにはハードルが高い。
65歳以上の保険料は改定のたびに上がり、現在は全国平均で月額4160円。12年度の改定では5千円を超える可能性があるが「これ以上の負担は現実的でない」と慎重な意見が根強い。公費負担割合の引き上げ、現行40歳以上となっている保険料負担対象年齢の引き下げ、軽度者への支援の在り方なども議題に上ることになりそうだ。
介護予防については、厚労省は効果の高いサービスを選別して進める考えだが、すべてを介護保険の対象から外すべきとの主張もある。要介護認定の枠組みや、認知症高齢者へのサービス充実など、具体策づくりも問われる。
在宅介護と施設介護のバランスも大きな課題だ。厚労省は、在宅利用者への24時間訪問サービスの充実を目指しているが、特別養護老人ホームへの入所待機者は約42万人に上り、施設整備にも力を入れないと"利用者不在"の批判が高まりそうだ。
07年度に124万人だった介護職員は、25年度には最大で倍以上の255万人が必要とされるが、低賃金などで現場は慢性的な人手不足が続く。賃金引き上げは費用の増加につながり、負担の受け止めに理解が得られるかが鍵となる。

【共同通信】



最近、医療もそうですが、介護は更に利用者の負担金に対して敏感になっている話を関係者から聞きました。
確かに医療の場合、高齢者の多くが自己支払いですが、介護の場合は本人のお金であっても支払いは家族のわけで神経質にならざる得ません。したがって、サービスメニューを拡大しても、即利用とならない場合もあるようです。
医療もですが、介護の世界も実際は非常に難しいです。
by kura0412 | 2010-07-31 09:00 | 医療政策全般 | Comments(0)

W改定ヘ向けて

7.29 日歯役員合宿勉強会が宣言

日本歯科医師会は7月28・29の両日、「地域における医療と介護の一体的提供・歯科の役割〜平成24年診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて」をテーマに平成22度役員合宿勉強会を歯科医師会館で開催した。勉強会は▽医療・介護における歯科のあり方(制度・システム)、▽多職種連携のネットワーク、▽診療報酬・介護報酬の問題点の顕在化と対策、▽担い手の育成と研究開発、以上4つのグループに別れて行われた。終了後、記者会見を開き、勉強会としてのまとめと宣言を発表した。宣言は次のとおり。

世界に類を見ない早さで超高齢社会を迎えたわが国の現状を鑑み、国民の生活や生きがいを支える歯科医療の立場から、医療と介護の一体的提供に向けて歯科が今後どうあるべきか、その方向性を以下のように示す。
一、歯科保健・医療により、口腔機能の回復・維持を図り、食べる、話すなど、高齢者の営みや社会性を確保する。
一、同じく、誤嚥性肺炎などの感染症の予防、低栄養の改善など、全身の健康度を高め、介護度の軽減に寄与する。
一、要介護者を含め、病院・介護施設・在宅などの患者が、歯科医療を円滑に受けることが出来るよう、制度やシステムの見直しを図る。
一、医療および介護に係る多職種との連携を図り、在宅歯科医療を推進する。
一、在宅歯科医療を推進するための環境整備として、診療報酬・介護報酬の問題点を顕在化し、対策を講ずる。
一、歯科大学(歯学部)および歯科衛生士教育施設における、高齢者歯科保健医療に係る教育レベルを向上し、在宅歯科医療に携わる人材の育成に努める。
一、在宅歯科医療を推進するための、治療技術および器材などに係る研究開発を促進し、普及に努める。

【IDN・デンタルタイムズ21速報】



W改定に向けて具体的な動きに進むこと期待しています。そういえば湘南宣言はどうなったのでしょか。
by kura0412 | 2010-07-30 17:20 | 歯科医療政策 | Comments(0)

口腔機能改善も大きな仕事なのに

(千葉)抗がん剤治療中も食べる喜び・味覚分析おいしいレシピ 県がんセンターとキッコーマン開発へ

県がんセンター(千葉市中央区)と、キッコーマン(野田市野田)は28日、抗がん剤治療の副作用で食欲不振に苦しむがん患者向けのレシピの共同研究に取り組むと明らかにした。県内の代表的ながん専門病院と食品大手が連携し、がん患者の生活の質の向上に取り組む初のプロジェクトとなる。

センターによると、抗がん剤治療を続ける多くのがん患者にとって、おいしく食事を楽しめることは生きる支えになり、治療への参加意欲を促すことにもつながる。ただ、抗がん剤治療を受けている間は、食事をしても「砂をかんでいるみたい」など、味覚などの異常を訴える例が多い。
共同研究では、センターで抗がん剤の通院治療を受ける患者50人に、酸味、辛味、甘味、苦味など7種類の味覚の感じ方を検査するほか、味覚や嗅覚(きゅうかく)のアンケートも行う。
そのデータをキッコーマンが分析し、患者の味覚の変化を把握し、2012年3月までに、患者にあった味付けや調理方法などのレシピをセンターの栄養士らと一緒に開発する。
中川原章センター長は「抗がん剤の種類によって味覚障害の表れ方も違うので、メカニズムを解明し、栄養の改善と食べる喜びの回復を目指したい」と狙いを話す。
一方、今回は無償で協力するキッコーマンのコーポレートコミュニケーション部では「社内で続けてきた味覚や嗜好(しこう)に関する研究が、対外的にも役に立てることは我々の励みになる」と話している。

【読売新聞】



こうゆう企画にも中々歯科は入り込めていません。やはり依然として歯科は「歯」のみを扱う診療科という考えが根強くあるのだと思います。残念です。
by kura0412 | 2010-07-30 15:46 | 歯科 | Comments(0)

丁寧な検証を

介護職の医行為実施へ試案を提示―厚労省検討会

厚生労働省の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」(座長=大島伸一・独立行政法人国立長寿医療研究センター総長)は7月29日、3回目の会合を開いた。この中で同省は、介護職員がたんの吸引と経管栄養を実施する施設の種類や、実施に当たって必要な研修内容などを盛り込んだ試案を提示した。

■実施施設に特養、老健、GHなど
会合で厚労省が提示した試案は、「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方についての今後の議論の進め方及び具体的方向」と、「介護職員等によるたんの吸引等の試行事業」。
このうち前者では、介護職員が手掛けられる医行為として、「たんの吸引(口腔内と鼻腔内、気管カニューレ内部。口腔内については、咽頭の手前まで)」と「胃ろう・腸ろう・経鼻の経管栄養(胃ろう・腸ろうの状態確認や、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は、看護職員が行う)」を提案。
また、たんの吸引などを実施できる職員の範囲は「介護福祉士その他の介護職員とし、特別支援学校では教員のみ」と定めているほか、実施できる施設として、特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、障害者支援施設(通所施設及びケアホームは該当。医療機関である場合は除く)や、訪問介護事業所などを挙げている。

■基本研修として50時間の講義も
後者では、「たんの吸引と経管栄養の両方を行う場合は、基本研修として50時間の講義と、それぞれ5回以上の演習を行ったうえで、医師の指示を受けた看護師の指導のもと、実地研修を行う」などの内容を盛り込んだ研修カリキュラム案が示された。カリキュラム案には、▽患者(利用者)ごとの個別計画の作成▽介護職員を受け入れる場合には、介護職員数人につき指導看護師を1人以上配置▽指導看護師は、臨床などで3年以上の実務経験を持ち、指導者講習も受講している―など、実地研修に必要な基本要件も明記されている。
試案に対し、日本介護福祉士会副会長の内田千恵子氏は、実施できる職員の範囲が「介護福祉士その他の介護職員」と幅広く設定されている点について、「ホームヘルパーと介護福祉士に限るべき」と主張したが、試案を支持する構成員が大半を占めた。また実施施設については、訪問看護事業所や介護療養型医療施設まで範囲を拡大すべきとする意見が上がった。基本研修については「50時間で足りるのか、とも感じる」(因利恵・日本ホームヘルパー協会会長)、「24時間2交代で在宅介護しているヘルパーにとって、『50時間を座学で』となると、その時間は取れない」(橋本操・NPO法人さくら会理事長)など、構成員の間でも見解が分かれた。

■医行為からの除外をめぐる議論も
また、日本医師会常任理事の三上裕司氏は、たんの吸引や経管栄養について、改めて医行為から外すことを提案したが、政策研究大学院大教授の島崎謙治氏は「医行為から外してしまえば、誰でもたんの吸引などができるということになりかねない」と指摘。他の構成員からも、慎重に議論すべきという意見が多く上がった。

【キャリアブレイン】



ここでの議論を丁寧に検証して早期に対応しないと、回って歯科にも大きく影響しそうな予感がします。
by kura0412 | 2010-07-30 08:35 | 医療政策全般 | Comments(0)

パーシャル連合で乗り切れるのか

このねじれ国会を菅政権はパーシャル連合で乗り切ろうと考えていますが、果たして可能でしょうか。

マニフェストに謳って民主党政権の政策の軸となる子供手当は、時限立法のため来年度予算に盛り込んでも、関連法案は可決は難しい雰囲気です。また、高速道路無料化も、農家の所得保障も野党の反対で関連法案成立は困難な情勢です。しかも、一歩譲ってその内容を大幅に変えれば、今度はマニフェストとの整合性を追及されます。
これは予算だけの懸案です。
普天間基地移設問題、また、日米関係などの外交問題などの対立を考えると、現状のままでは到底部分連合では乗り切れる予測は立ちません。

では、どうするか?
by kura0412 | 2010-07-29 17:16 | 政治 | Comments(0)

僅か1%では

「厚労相指示に納得」1%…本省職員アンケ

厚生労働省の職員が、長妻厚生労働相ら同省に常駐する政治家の対応に不満を抱いていることが28日、二つの調査で明らかになった。
厚生労働省が同省職員を対象に行ったアンケート調査によると、長妻厚労相ら政務三役から「現実的なスケジュール感の観点から納得のいく指示が示されている」と思う職員はわずか1・0%だった。
アンケートは、長妻氏の肝いりで設置された同省の「若手プロジェクトチーム」が職員の意識を探ろうと行った。出先機関などを除く本省職員約3200人に無記名方式で実施し、うち約750人が回答した。

「現在仕えている上司について当てはまると思うものはどれか」と複数の選択肢を示して質問したところ(複数回答可)、長妻氏や副大臣、政務官の政務三役に対しては、「おごりを感じる」が48・0%に上った。一方、「厚生労働行政に対する想(おも)いやビジョン(構想)が伝わってくる」は14・5%、「速やかに相談できる」が1・2%と低い評価だった。
自由記述では、「(長妻)大臣と(職員と)の不信感が著しい」などの指摘もあった。
長妻氏は28日夜、「チームには、耳が痛いことを言ってくれと指示していた。政治主導がどういうものか、省内に説明が届くようにしたい」と記者団に語った。

【読売新聞】



大臣の指示を納得しているのが僅か1%では、そう簡単に物事は進みません。長妻大臣の厚生行政改革への熱い思いを、どう厚労省の職員に理解してもらえるかの作業を先ず始める必要があるようです。
by kura0412 | 2010-07-29 08:57 | 医療政策全般 | Comments(0)

CM一つにも戦略の有無の違いが

最近みられるようななったテレビコマーシャルが二つ。一つは弁護士事務所のCM、そしてもう一つが来院を促す薬品メーカーのコマーシャルです。
特に、薬品メーカーのコマーシャルは、薬品については一切触れず視聴者への来院を促すことを目的とした、まるで医師会提供のようなCMです。
確かに、そのPRする疾患を疑う視聴者が来院すれば、処方され、薬品メーカーは薬が売れる論法ですが、このあたりも医師と薬品メーカーの上下関係の一端を示しています。

一方、歯科の場合では、あれだけメーカーのコマーシャルが氾濫していれもこの手のCMはありません。
例えば、同じ歯ブラシ、歯磨剤を広告しても、「まず、お近くの歯医者さんで検診してもらってください。」の一言あるだけでどれだけお互いにプラスになるか分かりません。このあたりは、歯科界全体が一体となって戦略を組むことが必要になっている証であり、CM一つにも戦略の有無の違いが明確に映し出されています。
by kura0412 | 2010-07-28 17:00 | 歯科医療政策 | Comments(0)

この総括でどう党内をまとめるか

参院選 民主総括案「消費税に唐突感」 公約説明不足など指摘

民主党が、参院選での議席減を受け、その敗因を分析した選挙総括の原案が27日、分かった。菅直人首相の消費税率引き上げ発言については「国民に唐突感を与えた」と認めた。党執行部は29日の両院議員総会で正式に総括案を提示するが、党内には執行部の責任を問う声がくすぶっており、批判が噴出することも予想される。
原案は、枝野幸男幹事長や安住淳選挙対策委員長が参院選後、各都道府県連や党所属国会議員に対し行ってきた意見聴取などを基に作成した。

敗因として、首相の消費税発言のほかに、子ども手当などをめぐるマニフェスト(政権公約)見直しの説明不足を指摘。衆院での郵政改革法案の採決の強行や、野党の予算委員会開催要求を無視した国会閉会など、参院選前の強引な国会運営も挙げた。
また、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題の迷走や、小沢一郎前幹事長や鳩山由紀夫前首相の「政治とカネ」を問題視する意見が出ていることから、「(政権交代から)9カ月の政権運営に対する国民の不信感」も認めた。
改選1の「1人区」の惨敗については、自民党に比べ地方議員数の圧倒的な不足によって逆風に抗しきれなかったとして、来年春の統一地方選に向け、地方組織の強化を課題に掲げた。

原案は28日に首相と最終調整した上で臨時の党役員会に諮り、29日の議員総会に提示する。党執行部は議員総会を「ガス抜き」の場として首相続投の流れをつくりたい考えだが、小沢氏に近い議員は9月の党代表選に向け候補者擁立を模索しており、曲折が予想される。

【産経新聞】



この総括の通りだと思います。しかし、国民の気持ちの根底にあるのは、民主党政権の政権能力への疑問と不安であることを率直に認めて再建を目指すべきです。
先ず、党内をどうまとめるか、まとめられるかが最初の試金石です。
by kura0412 | 2010-07-28 10:16 | 政治 | Comments(0)

候補者名得票率が

先ほど届いた市報をみると、私の地元での参議院比例区での候補者名得票率が民主党で21%、自民党で18%であったことが分かりました。ちにみに躍進したみんなの党は僅か6%、逆に公明党は56%です。私の住む地域の組織票の割合が分かります。
当然、地域によっての差はありますが、従来3割弱といわれていた結果からみると更に低下したかもしれません。
いわゆるタレント候補の爆発的な得票が出来なくなってきている中、自民党の支持団体が支持を替える、明確にしなかった。また、民主党は北海道教組の問題で動き辛い状況もあり、組織票そのものが下がった結果のようです。
by kura0412 | 2010-07-27 18:20 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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