日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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世論が注目するのも社会保障、医療

社会保障、医療や介護望む声…読売新聞世論調査

読売新聞社の全国世論調査(面接方式、12-13日実施)で、自分の暮らし向きに政府の政策が影響していると思う人は71%となり、「影響していない」27%を大きく上回った。
暮らし向きや景気を良くするため、政府に期待する政策を複数回答で聞くと、「年金など社会保障の充実」52%、「医療・介護負担の軽減」51%が際だって多かった。
自分や家族の仕事の現状や将来に不安を感じている人は83%に達した。前回2009年4月調査の78%を上回り、同じ質問をした1996年2月以降計12回の調査では、02年1月と並ぶ過去最高となった。

暮らし向きが昨年の今ごろに比べて「楽になった」は4%に過ぎず、「苦しくなった」34%、「変わらない」62%となった。「苦しくなった」は前回から20ポイント減ったが、「変わらない」が19ポイント増え、「楽になった」は1ポイント増で横ばいだった。1年後の日本の景気は「良くなる」17%(前回19%)、「悪くなる」21%(同26%)で、「変わらない」59%(同51%)が最も多かった。暮らし向きや景気の先行きに対する閉塞(へいそく)感が、仕事の現状や将来への不安を強めているようだ。
調査は全国の有権者3000人を対象に行い、1831人から回答を得た(回収率61%)。

【読売新聞】



参議院選挙での投票判断も、やはり社会保障、医療などが高いパーセントを示しています。争点になろうとしている消費税の問題も、行き着くところはその財源を求めての話です。したがって、各政党の社会保障、医療政策の吟味は非常に重要なポイントです。
by kura0412 | 2010-06-25 11:35 | 政治 | Comments(0)

この流れが歯科にも波及して

ヘルパーのたん吸引の実情や課題を報告

東京都神経科学総合研究所の神経科学セミナー「安全な在宅療養をめざして―療養支援における課題と『たんの吸引』支援等への取り組みから―」が6月24日、都内で開かれ、参加した保健師や看護師らが、ホームヘルパーが実施するたん吸引の実情や課題について知識を深めた。

セミナーでは滋賀県立精神保健福祉センターの原田小夜氏が、ホームヘルパーによるたんの吸引に対する評価について「(利用者からは)睡眠を十分に取れるようになったなど、負担が軽減したという声が聞かれるようになった」と説明。一方で、ヘルパーの手技については、看護師による吸引に比べて臨機応変の対応が困難である上、患者や家族の希望を優先してしまい、原則を守れない例もあるなどと指摘し、「ホームヘルパーが吸引を実施する場合は、研修・評価システムの構築が必要」と訴えた。また、▽研修は少人数で実施。内容は実際の患者の状態に合わせて設定する▽ホームヘルパーと訪問看護師との情報交換を実施する▽現場でホームヘルパーと訪問看護師が共にケアする時間を持ち、看護師がヘルパーの手技を評価する―など、研修システムの具体例についても提言した。

調布市医師会訪問看護ステーションの伊藤文子氏も、同ステーションで実施するホームヘルパーへの研修について講演。「ケアの前後には必ず石鹸と流水で手を洗う」「滅菌・消毒されたものが清潔。それ以外は不潔」など、衛生面に特に配慮した内容となっている点などを説明した。また、安全な吸引を実現するには、看護師のバックアップが不可欠と指摘した上で、「患者の部屋には、医師や看護師の携帯電話番号を掲示しておく」など、緊急連絡体制のための工夫についても言及した。さらに、丹後保健所(京都府)の高奥幸枝氏は、府や府内の保健所が取り組む難病対策などについて説明した。

3氏に先立ち、聖隷クリストファー大大学院の川村佐和子教授が基調講演し、2005年には20.1%だった高齢化率が30年には29.6%に達することから、在宅看護の重要性はますます大きくなると指摘。同時に、医療ニーズの高い在宅者も増えることから、「医行為の実施者が拡大することも予測される」と述べた。

【キャリアブレイン】



このような流れが、義歯の洗浄を初め、ブラッシングの介助などの口腔ケアを済し崩して的に歯科医師の管理のないまま広がることを危惧します。
by kura0412 | 2010-06-25 08:56 | 歯科 | Comments(0)

中医協・支払い側からも意見書が

【中医協】次期改定に向け支払側が意見書

中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の支払側委員は6月23日の総会で、2012年度診療報酬改定に向けた今後の検討課題に関する意見書を提出した。診療側は5月末に意見書を提出しており、双方の意見が出そろったことから、厚生労働省では今後、双方の考え方を整理し、次回以降の総会で示す方針だ。

支払側の意見書では、中医協の枠組みの中で調査・検証すべき点と、他の調査を活用して検討を進めるべき内容を分けた上で、検討する項目や時期などを早急に整理するよう厚労省側に要請。その上で、今年度改定の答申の附帯意見で示された16項目のうち、▽再診料や外来管理加算、入院基本料等の基本診療料▽慢性期入院医療の在り方▽病院勤務医の負担軽減及び処遇改善に係る措置―など8項目について「特に優先的な調査・検証が必要」とした。

また、必要とされる主な調査については、▽外来管理加算と地域医療貢献加算の算定状況と効果検証▽一般病床・療養病棟等における長期入院患者の実態把握▽看護職員及び看護補助者の勤務実態調査(夜勤の実態、看護補助者の配置等)▽DPCの新たな機能評価係数導入後の影響―などを挙げている。
一方、診療側の意見書に対しては、▽「技術」と「モノ」の評価の分離(外科手術料など)▽ドクターフィーの導入▽地域特性を踏まえた診療報酬の在り方―などについて、「特に慎重な検討が必要」とした。総会で支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、「少し範囲を限定しないと、技術とモノの分離というのは、非常に幅広くなり過ぎて収拾が付かなくなる可能性がある。検討対象をある程度限定した方がいいのではないか」との考えを示した。

【キャリアブレイン】




現在は医療側、支払い側のお互いがジャブを打ちながら様子見状態です。
しかし、先日の医療側から意見書が出たように、中医協が、厚労省が全てお膳たてする議論から脱却する流れがあるように感じます。
by kura0412 | 2010-06-24 14:10 | 医療政策全般 | Comments(0)

議論進む高齢者医療制度改革

「都道府県単位の財政運営」の案など提示―高齢者医療制度改革会議

後期高齢者医療制度に代わる新たな医療制度のあり方を議論する厚生労働省の「高齢者医療制度改革会議」(座長=岩村正彦・東大大学院法学政治学研究科教授)は6月23日、事務局が示したこれまでの議論を整理した資料などを基に、総括的な議論を行った。
事務局が示した「これまでの議論の整理」は、▽制度の基本的枠組み▽国保の運営のあり方▽費用負担▽医療サービス▽保健事業等―の5項目から成っている。

制度の基本的枠組みでは、サラリーマンである高齢者や被扶養者は被用者保険に加入し、それ以外の自営業者や退職者など地域で生活している人は国民健康保険に加入することを提案。その上で、高齢者が退職を主な要因に国保に偏在して加入することになるため、年齢や所得などの構造的要因に着目した保険者間の調整の必要性を指摘している。
また、国保の運営のあり方については、高齢者が国保か被用者保険に加入した場合、市町村国保の中の、少なくとも75歳以上の高齢者医療については、引き続き都道府県単位の財政運営にする必要性を提起。その場合、退職年齢や年金受給開始年齢などを考慮すると、65歳以上の高齢者医療を都道府県単位の財政運営にすることが考えられると指摘している。さらに、市町村国保の財政基盤を考えると、高齢者だけでなく全年齢を対象に国保の広域化を図ることが必要としている。

この日事務局が示した、都道府県単位の財政運営にした場合の国保の運営スキーム案では、保険者機能の発揮のためには、「都道府県単位の運営主体」と「市町村」が国保を共同で運営する仕組みにすべきではないかと提案している。
それによると、「都道府県単位の運営主体」が、給付に見合う都道府県単位の「標準保険料率」の設定や保険給付を行う一方、「市町村」は標準保険料率を基に、収納状況などを勘案した保険料率の設定や、世帯主に対する保険料の賦課、資格管理や保健事業などを行う。
保険料の収納については、国保の広域化を実現して安定的な運営を図るため、対策に市町村が積極的に取り組める仕組みの必要性を指摘している。

同会議では基本的な枠組みについて、「納得性が高い」「妥当な整理」など肯定的な意見が多かった。一方、国保への財政支援の必要性を指摘する意見や、高齢者間の不公平さを問題視する意見も出た。
鎌田實委員(諏訪中央病院名誉院長)は、「医療供給体制そのものも、県にある程度の権限を与えることが大事ではないか」と述べ、各都道府県が独自性を出し、互いに競争できる「自由性」を付与すべきとの考えを示した。
また、公費負担の拡充を求める声が相次いだことを受け、岩村座長は「公費負担は、国や都道府県がお金を刷って出すのではなく、税金で取るという話。公費負担を増やすということは、最終的な負担者は誰かを考えた上で議論をしなければいけないと思う」と述べた。
7月23日に開く次回会合では、事務局が示す「中間取りまとめ」の案を基に議論する予定だ。

【キャリアブレイン】



高齢者医療制度改革も急ピッチで議論が進んでいるようです。制度が決定してから注文つけても、どうにもならないのですが。
by kura0412 | 2010-06-24 11:50 | 医療政策全般 | Comments(0)

これだけ話題になっていれば

参院選 業界、地方は「中立化」 民主支援は広がらず

24日公示の参院選で、業界団体の地方組織で民主党、自民党のいずれにも肩入れしないところが多く、「中立化」が進んでいることが朝日新聞社の調査でわかった。中央では政権交代後、自民党支持から民主党に転じる団体も出ているが、地方では自主投票にとどめたり、いぜん自民支持だったりするなど、民主シフトは進んでいない。一方で自民支持を維持した団体でも、地方では中立になる組織が目立っている。
民主党が進めた業界団体の「自民党はがし」は一定の効果を上げているが、民主党に引き寄せることには結びついていない、という構図だ。中央と地方のねじれも背景にはあるが、選挙から距離を置く組織が目立っており、「政と業」の結びつきが弱まっていることを象徴する選挙となりそうだ。

23日までに医師会、歯科医師会、農協グループ、土地改良組合、建設業協会、トラック協会、商工会の政治団体について都道府県組織に選挙区、比例区の対応を取材した。07年参院選でこの7業界は、自民の比例区候補者を支援している。
歯科医師会やトラック協会の政治団体は政権交代後、早々に民主支持に転換し、比例候補の支援を決めた。
ところが、歯科医師会の地方組織で、選挙区でも民主候補を単独推薦するのは滋賀だけで、半数を超す県が民主、自民両党推薦や自主投票という「中立」型だった。トラック協会も地方は中立が多数を占め、比例区でも東京、長野が自民を単独推薦するなど、15都県で民主以外の政党も推薦している。

民主支持を打ち出した会長が選出された医師会の政治連盟は、会長主導で前会長時代に決めた比例区の自民候補の推薦を「支援」に格下げし、民主候補を推薦した。しかし、民主候補を単独推薦したところは比例区で5県にとどまり、比例区、選挙区とも自民を単独推薦したところの方が多い。
一方、建設業協会の政治団体は比例区で従来通り自民現職を推薦したが、選挙区では自主投票が目立つ。
農協、土地改良、商工会の各政治団体は、比例区に組織内候補を擁立せず、地方組織も大半が統一的な選挙運動をしない。比例候補の支援が中心だった土地改良政治連盟では、休止・解散状態に陥っている組織も多い。

【asahi.com】



いよいよ参議院選挙の公示です。
しかし、こんなに歯科医師連盟の動向が注目を浴び、話題になった選挙は今までなかったかもしれません。それだけに選挙結果は、マスコミ、選挙関係者は注視しているはずです。
by kura0412 | 2010-06-24 08:15 | 政治 | Comments(0)

「厚生労働分野における新成長戦略」

[医療サービス] 厚生労働分野における新成長戦略、創薬開発の促進等

厚生労働省は6月18日に、「厚生労働分野における新成長戦略について」を公表した。これは、政府が同日に公表した新成長戦略の成長戦略実行計画(工程表)のうち、厚生労働分野の施策を体系的にとりまとめたもの。

人口減少社会においては、一人当たりGDPをあげなければ中長期的にはGDP総額も縮小する恐れがあると指摘。そのために、(1)就業率を上昇させる(2)マーケットと雇用を創出する(3)生産性を上げる-戦略を示している。
(3)の生産性向上では、良質な医療サービスの提供として、病床機能分化、専門職種の役割分担の見直しを行うという。また、創薬、医療機器、介護機器(福祉用具)開発の促進を図るとして、現状の問題点や今後の対応を整理している。

http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201006_4/1326_5_1.pdf

【m3.com】



この流れに歯科界も乗らなければ、また置いけぼりを喰らうのですが、読んでみてビビビと感じる部分がありません。
それよりも、基幹病院とのネットワーク作りなどは盛り込まれていても、歯科どころか開業医の位置づけが明確にされていないのが気になりました。
by kura0412 | 2010-06-23 10:59 | 医療政策全般 | Comments(0)

いよいよ特別会計が事業仕分けの対象に

今度は特別会計が対象 事業仕分け第3弾、10月実施へ

菅直人首相は、事業仕分け第3弾を、歳出規模が約180兆円に上る特別会計(特会)を対象に、10月中旬に実施する方針を固めた。「無駄の温床」と指摘される特会の不透明な事業内容や資金の流れを明らかにして、特会そのものの存廃を判断する。不要な積立金など「埋蔵金の発掘」にもつなげる狙いだ。
菅首相は、参院選の公約としている消費税率引き上げの議論を進めるためにも、政府支出のムダを徹底的に削減する姿勢を示す必要があると判断した。蓮舫行政刷新相が23日に概要を発表する予定だ。

特会は、特定の目的に使うお金を一般会計と区別して管理する仕組みで、チェックが甘くなりがちだと指摘されてきた。7月中にも民主党の政策調査会に「特会仕分け人チーム」を発足させる。行政刷新会議と連携し、18特会の51勘定すべてを対象に、10月までに所管省庁から聞き取り調査を進める。
事業仕分け本番では、特会の仕組みや資金の流れ、事業内容、保有資産、運用収益などを検証。積立金や剰余金が必要性に乏しいと判断されれば、取り崩して新たな成長分野への投資に活用する。
行政刷新会議は現時点で、各空港の財務状況が不透明な国土交通省所管の社会資本整備事業特会の空港整備勘定(旧空港整備特会)や、支払い実績が少ないにもかかわらず1兆円規模の積立金がある財務省所管の地震再保険特会などを問題視している。
また、行政刷新会議は特会の仕分けとは別に、来年度予算の概算要求時に、事業仕分け第1弾と第2弾の指摘が十分反映されていない事業を対象に「再仕分け」を実施する方針だ。

【asahi.com】



いよいよ事業仕分けの本丸ともいわれている特別会計に手が入ります。
by kura0412 | 2010-06-23 08:52 | 政治 | Comments(0)

介護と歯科医療の連携で

同時改定「介護と医療の連携見直す」―長妻厚労相

長妻昭厚生労働相は6月22日の閣議後の記者会見で、2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定について、「介護と医療の連携で、十分でない点も診療報酬的に言えばあると思うので、その部分を見直すことが必要だと思う」と述べた。

詳細な上げ幅や具体的な介護との連携については、「介護ビジョン」や「少子高齢社会の日本モデル」に関する議論を参考にして、2年後に決めていきたいとの考えを示した。
一方、今年度の診療報酬改定については、「かなりメリハリをつけた」と述べた上で、「改善が見られている病院もたくさんある」とした。
民主党が17日に発表した7月の参院選のマニフェスト(政権公約)では、診療報酬について「引き上げに引き続き取り組む」と明記している。

【キャリアブレイン】



介護と歯科医療の連携で不十分な点にはどんな所が挙げられるでしょうか。 しかし、この時期で大臣がコメントだすくらいですので、かなりのハイスピードでW改定は進んでいる雰囲気です。
by kura0412 | 2010-06-22 16:32 | 医療政策全般 | Comments(0)

消費税が最大の争点となれば

政策大転換(田勢康弘)

これこそが「政権交代」
「現実主義者」の菅直人首相は「消費税10%」を検討課題としてあげ、超党派の協議を呼びかけた。その2時間前に自民党が発表したマニフェストの10%案に乗る形だ。これで参院選は消費税が最大の争点となることが確定した。

菅氏について中曽根康弘元首相がおもしろい見方をしている。「菅君は私がみるところ、市民的保守の政治家だ」「なぜ、保守かといえば、彼は財政再建で自民党と協力していいという。権力をとれば自分の政治理念を実現するために自民党と一緒にやるというところは、保守の面を持つ」(朝日新聞17日朝刊)
中曽根氏92歳。政治の本質を見抜く目はまだまだ鋭い。中曽根氏は「菅君はウイングを左から右に広げるだろう」と述べ「現実的政治家としては当然の行動だ」と評価している。一方で自民党がウイングを「対抗的に『右』に向かおうとしているようだが、それは間違い」と批判的だ。
増税を掲げた選挙は与党が敗北する、というのが古今東西定説のようになっている。大平内閣の「一般消費税」、中曽根内閣の「売上税」、竹下内閣の「消費税」、細川内閣の「国民福祉税」。いずれも選挙で敗北したり、退陣、あるいは軌道修正を迫られるなど、政権にとっては最大の「鬼門」といわれてきた。したがって今回、民主党が参院選直前に、数字まであげて踏み込んだことは、画期的なことといえる。

それもこれも破綻(はたん)寸前の国家財政を考えれば、ごく当たり前のことなのである。選挙に有利か不利かが政策判断の基準になってきたが、財政危機に有効な手を打つどころか、マニフェスト政治によって、ばらまき同然の荒いカネの使い方ばかりしている。鳩山政権での「4年間は消費税を引き上げない」という公約は無責任きわまりないものであった。
わが国の借金は過去最大の約883兆円(3月末)。このままではごく近い将来1千兆円に届きそうだ。国内総生産(GDP)比で189%。国をあげて懸命に働いた数字であるGDPの倍近くが借金なのだ。OECD(経済協力開発機構)の推計で見ると、米国はGDP比84%、ドイツ77%、フランス85%、破綻国家ギリシャでさえ115%なのである。ギリシャはどうなるのだろうかなどと他人事のようなことをいっている場合ではないのである。
日本のこの数字は戦時体制下と同水準であり、もし日本が欧州にあったとしてもEUへの加盟を認めてもらえないほどのとんでもない財政状況なのである。日本の事情を視察にくる外国人ジャーナリストや学者によくインタビューを受けるが、彼らが決まってする質問は「これほど悪化した財政状況なのに、みな幸せそうに見えるのはなぜか」というものである。

税収を上回る国債発行。すなわち稼ぐカネより借金のほうが多いという異常事態を異常と思わなくなっている国民。一向に責任を取ろうともせず、罪の意識すら感じていない政治家たち。「しかたがないよ」とみなが傷をなめあって生きている生ぬるい国家。発行国債の8割近くを国内の金融機関などが購入しているために、危機感がないのだ。ギリシャのケースは欧州各国が国債を大量に購入していたため、影響が広がった。
いまのところ日本では国債を手離そうとする動きはない。しかしながら、少量であっても米国などが日本国債を売り始めれば、日本経済はたちまちおかしくなる。割れそうな氷の上を怯(おび)えながら歩いているような状況なのである。消費税問題はどの程度引き上げるのか、いつか、その影響は、という視点でばかり考えるべきではない。この国の危機をどのようにして救うのか、という俯瞰(ふかん)的な視野に立って考えるべきだ。国家財政が破綻してしまえば、国民生活も何も成り立たなくなるのである。

菅直人氏は財務相当時、国際会議でギリシャの深刻さを感じるとともに日本に対する各国の疑心暗鬼の目を意識せざるを得なかったようだ。そのことが大きな政策転換につながった。同時に、官僚排除の姿勢を改め、国難に対処するために官僚と政治の共同作業が必要だ、とこれもまた大きく舵(かじ)を切った。そのことは同時に鳩山政権との決別、あるいは小沢カラーからの脱却につながり、支持率のV字回復につながったのである。
鳩山政権から菅政権へ。同じ民主党で首相が交代しただけのように見えるが、実態は政策の大転換をともなうこれこそが政権交代だったというべきだろう。(政治ジャーナリスト、日本経済新聞客員コラムニスト)

【四国新聞】



今回の参議院選挙の争点は消費税となったしたら、歯科界はこれに対してどのように考え選挙戦を戦うことになるのでしょうか。
by kura0412 | 2010-06-22 14:30 | 政治 | Comments(0)

ねじれの中で

《支持団体のいま》歯科医師会・医師会
■「ねじれ」揺らぐ結束■「政党ありき」に疑問も

道南の住宅街にある歯科医院。診療を終えた患者に先月、60代の院長が声をかけた。
「こういう時期になったので支持をお願いしますよ」
患者が「いいですよ」と答えると、受付の女性がカウンターの下から、参院選比例区に民主党が擁立する歯科医師の推薦名簿を差し出した。
自民党の与党時代が揺るぎなかった約20年前。用紙はカウンターの上に置いていた。黙っていても名前を書き込んでくれる患者がいた。
だが今は「気心が知れた患者にだけ声をかける」と院長。政治的な話を医院に持ち込むことに気が引けると言いつつも、その一方で、「組織が一枚岩になれなければ票が流れてしまう」と、参院選への懸念を抱いている。

北海道歯科医師会の政治団体「北海道歯科医師連盟」(道歯連、会員約2700人)は今回の参院選で、初めて与野党双方を支援する。道選挙区(改選数2)は自民党の長谷川岳氏(39)を推薦し、比例区は歯科医師の民主党候補(46)と決めた。
この「ねじれ現象」は、上部団体の日本歯科医師連盟(日歯連)の決定が影響した。日歯連はこれまでの参院選比例区で、自民党から組織内候補を立ててきた。だが政権交代で、自民党からの擁立をやめ、民主党候補支援に切り替えた。
比例区はかつて、事前の名簿集めが当落を左右した。
道南の院長は日歯連の候補を比例名簿の上位にしようと、「電話帳で適当な名前を見つけ、その名字の印鑑を買って名簿を埋めていた」と打ち明け、今でも数百本の印鑑を持つ。与党から国会議員を生むことが、歯科医師業界にとって有益だと信じていた。
結束が強かったはずの組織。しかし、今はその足並みの乱れが気になる。
一部の会員は、比例区で自民党から組織内候補を立てないことに反発。一方、「自民党べったりで歯科医療は良くなったのか」と、歯科医師会への加入率が下がっている都市部もある。
「特定の政党を推すのではなく、与野党を問わず議員に政策実現を訴えるのがいいのでは」。政治団体としての理想像について、院長は最近こう考え始めている。

長年にわたり自民党と一体化して政治活動してきた医療系団体。政権交代で揺れたのは日本医師会(日医)も同じだ。そして、その会員である医師の心情も揺らいでいる。

「与党だから自民党を支持してきたが、現場の医師の思いをどれだけ政策に反映させられたのか」。札幌近郊の開業医は、医師会の政治活動に疑問を抱き始めている。
参院選比例区について、日医の政治団体「日本医師連盟」は民主党候補(51)を推薦したが、下部組織には「地域対応」を認めたため、道医師連盟(道医連、会員数約5900人)は自民党候補(62)を推し、歯科医師業界と同じように「ねじれ現象」になっている。
道選挙区については19日、自民党の長谷川氏と民主党の徳永エリ氏(48)の推薦を決めた。当初は自民単独の方針が有力視されていたが、首相交代で民主党の支持率がV字回復したことなどから、「民主、自民両党とパイプを持った方がいい」と転換した。
政権交代で揺れ、選挙情勢に左右される組織――。道東の40代のある開業医は、現状を冷ややかにこう話す。
「我々医師は自分で考えて投票する姿勢が強い。組織の指示があっても表面上は『ハイ、ハイ』と答えるが、投票行動は別だ。以前とは違い結束力は低いと思う」

【asahi.com】



選挙戦真っ只中の今は振り返る余裕もありませんが、選挙後に政党支持についての議論を今一度組織内で確認する必要があるようです。
by kura0412 | 2010-06-22 08:53 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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