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良いお年をお迎えください

診療は午前中で終わり、部屋の掃除がもう少しで終わります。
今年は長かったような短かったような1年間でした。夏頃から少し新しいテーマに取り組み始めてきましたが、来年はそれをもう少し大きくしてみたいと考えおります。

今年の私のブログが今日で最後です。1年間お付き合いいただいましてありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
by kura0412 | 2009-12-30 16:17 | 思うこと | Comments(0)

本体アップでの国費負担分は160億円

長妻厚労相が主張して最後は実現した本体プラスが報道され、そのアップ財源を5700億円と報じているところもあります。

ところがその殆どの5000億円は薬価差額での捻出であり、本体部分は700億円です。そして、国費から投入は160億円でしかありません。
それでも出し渋った財務省は本体プラスを中々首を縦に振りませんでした。やはりいまだ医療は無駄の象徴と考えているのか、その真意は分かりません。
by kura0412 | 2009-12-28 16:17 | 政治 | Comments(0)

改定率引き上げの記事を深読みすれば

診療報酬改定率:10年ぶり引き上げ 0.19%

財務省と厚生労働省は23日、10年度の診療報酬全体の改定率を0.19%引き上げることで合意した。医師不足が目立つ産科や小児科などを充実させるため、医師の技術料にあたる「本体部分」を1.55%引き上げる一方、薬の公定価格「薬価」などを1.36%引き下げた。全体のプラス改定は2000年度以来、10年ぶり。

患者や公的保険から医療機関に支払われる診療報酬は、「本体」「薬価」を合わせたものだ。0.19%増は医療費ベースで約700億円増となる。厚労省の試算によると、年収374万円の中小企業の平均的な会社員の場合、保険料が年間285円程度、外来の窓口負担(3割)は1カ月当たり7.8円上がるという。

10年度改定を巡っては、減額を迫る財務省と、増額を求める厚労省との間で調整が難航。平野博文官房長官は23日午前、首相官邸に藤井裕久財務相と長妻昭厚労相を呼んで改定率の素案を示し、両者を納得させた。
また、両省は中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険財政を再建するため、国庫補助率を13%から16.4%に引き上げることで合意した。大企業の健保組合などと国費からそれぞれ900億円を投入し、平均保険料率(現行8.2%、労使折半)のアップを、想定より0.6ポイント低い9.3%程度に抑える。

【毎日jp】



改定の結果についての普通の記事ですが、少し深読みします。
まず、10年ぶりの引き上げという見出しでありながら、保険料、窓口負担の額。
保険料率が補助を増額しても1,1%に引き上がる現状を何故解説しないのか?(意図的か、分からないのか?)
そして、藤井財務相と長妻厚労相との仲裁役となったのは平野官房長官であり、鳩山首相も菅副総理の判断ではなかったこと。

マ、しばらくすると、歯科のアップ率が高くなった推測記事で書くとこともあるかもしれません。
by kura0412 | 2009-12-26 08:53 | 政治 | Comments(1)

日医の採点は50点でしたが

大久保会長 2.09%アップに80点の点数つける

12月23日、長妻昭厚生労働大臣は来年度の診療報酬の改定率をめぐり藤井裕久財務大臣と折衝し、診療報酬本体を1・55%引き上げる一方、薬価・材料価格を1・36%引き下げ、全体で0・19%引き上げることで合意した。医療費全体としてのプラス改定は10年ぶり。金額は医療費ベースで700億円、国庫負担は160億円程度の増加となる。診療報酬本体引き上げの内訳は、医科1・74%、歯科2・09%、調剤0・52%。今回の改定で歯科が医科を上回ったことにより、医科の技術料比率を1とした場合の「医科1、歯科1、調剤0・4」の技術料比率が崩される結果になった。今後、日歯は「会員に目に見える形での初再診料のアップに全力を注ぐ」としている。日歯の大久保満男会長は「今回の診療報酬改定は、疲弊の極みにある歯科医療の再生の大きなきっかけとなると考え、新政権の英断を大きく評価したい」とする見解を発表した。
 
改定率決定の結果を受け、日歯は24日に緊急記者会見を開いた。大久保会長は「2・09%に点数を付けるとすれば」との質問に「歯科診療の落ち込みが激しい中での点数としては少ないかもしれないが、現在の厳しい経済状況を考えると歯科医療に対し大変高い評価をいただいたと思っており、80点の点数は付けたい」と答えた。

【IDN・デンタルタイムス21速報 】



80点ですか・・・
今後の貼り付け作業を注視したいと思います。
by kura0412 | 2009-12-25 08:02 | 歯科医療政策 | Comments(2)

こんな見方もあります

診療報酬、10年ぶりプラス改定 総額0.19%増

大詰めを迎えた来年度予算編成で折衝に臨む藤井財務相(左から2人目)ら4閣僚=23日午後、財務省 政府は23日、平成22年度の診療報酬改定率を総額で0.19%引き上げる方針を決めた。診療報酬総額の引き上げは12年度改定以来10年ぶり。医師不足が深刻な産科や小児科、救急を充実させるため医療費は全体で約700億円の増額となるが、国民負担は、保険料や窓口負担で総額450億円程度増える。

医師の技術料にあたる「本体部分」は1.55%増(5600億円)で、12年度改定(1.9%増)以来の大幅引き上げ。「薬価部分」の引き下げ分(1.36%減)を充当した。本体部分は救急医療に4千億円程度を投入するが、別に開業医と病院で異なる再診料統一などで得られる財源も救急などの充実に充てる。
本体部分の内訳は医科1.74%増、歯科2.09%増、調剤0.52%増で、医科の中では入院が3.03%増なのに対し外来は0.31%増にとどまった。外来中心の開業医は再診料が引き下げられる方向だ。また歯科の改定率は従来、医科と同水準だったが、次期改定では歯科に手厚く配分された。日本歯科医師連盟が自民党から民主党へ支持政党変更を視野に入れていることが影響したとみられる。
一方、中小企業従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)への財政支援は、22~24年度の特例措置で、国庫補助を22年度は610億円、23、24年度は910億円それぞれ増額する。それでも来年4月からの保険料率(労使折半)は現在の平均8.2%から9.3%に大幅に上がる。
健保・共済組合が国庫補助の一部(2500億円)を肩代わりする厚労省案は、22年度は410億円、23、24年度は850億円に健保・共済組合の負担が圧縮される。

【産経ニュース】



日歯連盟が改定率に影響した?確かにきっかけにはなったとは思いますがそんな単純な理由でしょうか?
by kura0412 | 2009-12-24 14:04 | 歯科医療政策 | Comments(0)

歯科は2.09%アップ

診療報酬は0・19%増額 10年ぶり引き上げ改定 
 政府は23日、2010年度予算編成で、診療報酬全体の改定率を0・19%増とすることを決めた。医療費ベースで約700億円、国費ベースで約160億円の引き上げに当たる。全体で増額となるのは、0・2%増だった00年度改定以来10年ぶり。
長妻昭厚生労働相と藤井裕久財務相が同日午後、財務省で最終調整し、合意した。

民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で診療報酬の増額を掲げていたが、予想を超える財政悪化のため、小幅改定にとどまった。
診療報酬のうち、医師の技術料などに当たる「本体部分」は1・55%のプラス改定で、医療費ベースで約5700億円の増額。医科は1・74%増で、4400億円が病院中心の入院に付けられ、うち4千億円は救急、産科、小児科などの入院初期の医療に充てられる。一方、診療所中心の外来は400億円にとどまった。医薬品などの「薬価部分」は約5千億円引き下げた。
また、歯科の改定率は医科を上回る2・09%(600億円弱)と異例の増額となった。
厚労省の試算では、保険料の本人負担は年収374万円のサラリーマンの場合、年間で285円の増加、外来の1カ月平均の負担も3割負担で7・8円の増加が見込まれるという。

【共同通信】




医科は入院と外来と分けての改定率の提示となって、かなりその差があった模様です。恐らく歯科は、民主党の重点要望の中にも組み込まれその中間的な数字となったのだと思います。
この点数配分は、あまりこちょこちょいじらずに初再診に振り分けた方が、国民にも医科歯科格差の現状を示すことにもなるかもしれません。
by kura0412 | 2009-12-24 07:57 | 歯科医療政策 | Comments(1)

地域風土の違い

この土日は大雪の新潟を抜け出して新幹線を乗り継いで滋賀・大津に研修会で行ってきました。(研修会といっても歯科には関係ありません)
予約していた飛行機が不安だったので、東京で新幹線乗り継ぎでの往復です。東京はちょくちょく行きますが、関西方面は年に1回行くか行かないかのレベルでしたので非常に新鮮な旅路でした。

琵琶湖からの朝日が非常に綺麗でしたが、帰ってくると新潟は大雪です。改めて季節は当然ながら、地域の風土の違いを感じました。
by kura0412 | 2009-12-21 16:11 | 思うこと | Comments(1)

「厚労省幹部が『ここまで徹底するか』」

与党三党の予算重点要望にも、「生活の医療である歯科医療についても、診療報酬の引き上げを行う。」の1項目が入りました。

この党からの要望に対して、マスコミは来年夏の参院選をにらんだ自民党対策の色彩が強いとしてしています。
日経には『診療報酬引き上げ医療界に配慮、歯科医療での報酬引き上げなどの医療業界に幅広く目配りした内容に、厚生労働幹部は、「ここまで徹底するのか」と漏らす。』とあります。

国民の声を聞くことこそが政治であり疑問を感じる論点です。逆に、この厚労省幹部の発言は、いかに歯科を今までないがしろにしていたかの証です。
by kura0412 | 2009-12-18 11:29 | 歯科医療政策 | Comments(2)

「何故医歯一元論ではいけないのか」

何故、一元論ではなく医歯二原論なのか
1・口腔の持つ多機能性
2・患者の多様性
3・口腔の全身の健康に与える影響の大きさ

全身の健康と口腔との関係の3経路
1・栄養の経路
2・運動の経路
3・微生物の経路
(4・こころの健康に関する経路)

先ほど届いた今月の日本歯科医師会雑誌にあった、日頃その鋭い視点に尊敬の念を抱く花田信弘先生の論文「エビデンスに基づく全身の健康と口腔の関係」からです。
先生方、是非早々にご一読を。
by kura0412 | 2009-12-17 15:42 | 歯科医療政策 | Comments(0)

民主党からの来年度予算要望に「歯科医療の診療報酬引き上げ」も加わる

今朝の報道にあるように、昨日、民主党から鳩山内閣に来年度予算への要望が提出されました。
その中の重点要望項目の中に、『診療報酬の引き上げ』が入り、「全国で発生している医療崩壊を防ぐために、地域医療を守る医療機関の診療報酬本体を引き上げる必要がある。」、加えて「生活の医療である歯科医療についても診療報酬の引き上げは必要である。」と記載されました。

前のブログにも書きましたように、予算編成の基本方針には医療の記載がなかっただけに、党の要望の中に組み込まれた意味は大きなものがあります。
by kura0412 | 2009-12-17 08:14 | 歯科医療政策 | Comments(1)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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