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『アングリ』

11月18日中医協での経済実態調査の資料には、各科の損益状況が平均値、中央値で示されいます。そのいずれの数値で下位で問題視されている小児科、産婦人科より更に歯科は低い結果です。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/dl/s1118-7b.pdf

しかしながら、健保連からはこの結果に対して
「歯科診療所・個人は損益差額率がプラス33.2%となっており、減益であるが黒字を維持している。」との分析資料も提出されています。

『アングリ』
その数字の中には、税金、社会保険料、設備投資・借入返済も入っているのを知らないのでしょうか?
アホらしくて言葉もありません。
by kura0412 | 2009-11-30 15:45 | 歯科医療政策 | Comments(1)

事業税は第二幕の議論へ

開業医の免税措置、10年度は継続 税調方針

政府税制調査会は26日、厚生労働省が求める租税特別措置(租特)について議論した。税調が抜本的な見直しを求めていた開業医の診療報酬の非課税措置について、さらに時間をかけた議論が必要だとして、10年度は現状のまま優遇を続ける方針を示した。

医療機関の社会保険診療報酬に対する事業税(地方税)の非課税措置は、医療が十分に行き渡っていなかった1952年以来続く制度で、勤務医は対象外。厚労省によると地方税の減収額は約1100億円。自民党との関係が深い日本医師会との関係も問題視され、租特見直しの象徴的な存在だった。
財務、総務両省の政務官らでつくる租特プロジェクトチームは、当初の査定で「抜本的見直し」を求めたが、26日の議論では、租特チームの小川淳也総務政務官が「来年1年間程度、集中期間を設けて討議したい」と結論づけた。
小川氏はこの日の議論で、「医師の所得はすでに3千万円近い。給与所得者と大変な格差がある」と強調しつつも、「拙速な議論は大きな混乱をもたらす」として先送りを提案した。
制度の継続を求めた厚労省の長浜博行副大臣は「政策目的を達成したとして廃止できるものではない」と改めて主張した。ただ、「この場で終わる議論ではないと覚悟している」と述べ、今後の議論には応じる姿勢を見せた。
開業医の優遇については、これまでも「税負担の公平をはかる観点から、速やかに撤廃すべきだ」(旧政府税調の07年度答申)といった指摘があったが、医師会への配慮などから継続されてきた。今回の議論でも医師会は25日、「事業税が課されれば医療機関の経営基盤が揺らぎ、地域医療に混乱をきたす」と見直しに反対している。

【asahi.com】



マニフェストにもあるこの事業税の問題は第二幕があるようです。
しかし「医師の所得はすでに3千万近い。」ワーキングプワーも一緒に同じような扱いにされてはたまりません。国民が納得出来る論陣を展開しないと、次は大変なことになるかもしれません。
by kura0412 | 2009-11-27 11:05 | 政治 | Comments(1)

政治主導となる結果に

診療報酬の増額要求、10年度改定で厚労省方針 本体部分3%上げ

厚生労働省は24日、患者や公的保険が医療機関に支払う診療報酬の2010年度改定について、医師の技術料に当たる「本体部分」で約3%引き上げるよう求める方針を固めた。薬価は引き下げる方針だが、要求が実現すれば本体部分と薬価からなる診療報酬は10年ぶりのプラス改定となる。仮に診療報酬が1%のプラス改定となれば、国費860億円程度が必要となる。

厚労省の10年度予算の概算要求は、子ども手当が入ったことなどから28兆円と09年度当初予算比で14%増えている。概算要求で金額を明示しない「事項要求」だった診療報酬が増額になれば、要求額はさらに膨らむ。財務省は診療報酬の引き下げを求めており、調整は難航しそうだ。

【NIKKEI NET】




いち早く、日経は引き上げ阻止の為に狼煙を上げています。
厚労省対財務省の対立となり、最終的には内閣全体での政治判断に委ねられるのでしょうか?鳩山民主党政権が医療再生への取り組みの姿勢を示す、まさに政治主導となる結果になりそうです。
by kura0412 | 2009-11-25 08:10 | 政治 | Comments(1)

財務省は引き下げへ、一方、厚労省は本体アップ

財務省、診療報酬「引き下げ」要請へ 配分見直し案も年内に
財務省は19日、2010年度予算編成を巡り、患者や公的な健康保険が医療機関に支払う診療報酬の引き下げを厚生労働省に要求すると発表した。3%程度の引き下げを求める方向だ。主に中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で決めていた報酬配分についても、政府の見直し案を年内に決めるよう要請する方針だ。

厚労省は医師不足に対応するため、診療報酬の引き上げを求めている。これに対して財務省は、診療科ごとの報酬配分の見直しや薬価の引き下げなどで対応できると判断している。医療品の流通価格の下落に伴う見直しで1%程度、先発医薬品の引き下げで2%超を想定している。
野田佳彦財務副大臣は同日の記者会見で「診療報酬の本体部分は、大胆な配分見直しをする姿勢で査定していきたい」と強調。小児科や産婦人科など医師不足が深刻な分野への報酬配分を手厚くすべきだとの考えを示した。

【NIKKEI NET】


この報道の一方、昨日の参議院厚労委員会での石井みどり議員との質疑では、政務三役は、薬価の引き下げによる財源に、純粋な改定財源を加えることで、診療報酬本体改定率の3%以上(06年度改定マイナス相当)引き上げを目指して財務省と折衝する方針ことを表明しています。

それと共に、従来通り、基本的な方針は社保審、そして貼り付けは中医協で行い、先にメンバーが決まった改定作業チームは、政務三役が診療報酬に対してマニフェストを具現化する為のアドバイザー的役割と、不明だった今後の改定の議論の場について答弁しています。

いすれにしても、この診療報酬の攻防は、まさに政治主導で、最後は鳩山内閣、首相の決断を仰ぐことになる可能性が強くなってきました。
by kura0412 | 2009-11-20 12:04 | Comments(2)

自民党が「口腔保健法」今国会提出か

自民党は今国会に議員立法として「口腔保健法【口腔の健康の保持の推進に関する法律案)」を提出することが、厚労部会と政権政策委員会で了承されたとの報道です。(恐らく前の国会で提出した法案と同じものか?)

ここに至った経緯、詳細はまだ分かりませんが、明日の日歯連盟臨時評議員会で一部分かるかもしれません。
by kura0412 | 2009-11-19 15:07 | 歯科医療政策 | Comments(2)

どこがコンクリートから人へ?

全体のプラス改定目指す 診療報酬で長妻氏

長妻昭厚生労働相は17日午前の参院厚生労働委員会で、来年度の診療報酬改定について「ネット(総額)の伸びはやはりプラスにしていきたいと考えている」と述べ、全体でのプラス改定を目指す考えを示した。
合わせて、プラス幅によっては患者負担の増加が生じると指摘。「ジェネリック(後発医薬品)の使用促進など、医療の水準に支障がない範囲で薬価を下げ、地域医療再生の報酬を埋め合わせていく発想でプラスを目指したい」と述べた。

共産党の小池晃氏への答弁。

【共同通信】



財源がないから薬価差額、この発想は自民党政権時代と同じでは?
医療費全体のボリュームを膨らませ、総医療費の対GDP比をOECD平均並に上げるのが目標だったはずでは?
by kura0412 | 2009-11-18 09:54 | 政治 | Comments(0)

残す時間はあと1ヶ月

ようやく中医協、社保審の審議が始まりました。伝わっている話では、歯科は全く蚊帳の外の状況のような雰囲気です。
歯科に特化することは難しい現状では、医療費全体のボリュームアップを目指し、その輪の中に入ることがベターの方法なのでしょうか?
残す時間はあと1ヶ月余りです。
by kura0412 | 2009-11-17 17:57 | 歯科医療政策 | Comments(1)

陳情スタイルにも大きな変化が

民主、陳情の一元化急ぐ 予算巡る接触、幹事長室に

民主党が来年度予算編成に関する陳情の要望先を幹事長室に集中するルールづくりを急いでいる。地方自治体の首長や議員、業界団体と中央省庁幹部の接触を絞り込み、党に一元化する狙い。自民党系首長や業界団体を民主党に取り込む効果も見込める。ただ自治体や業界団体には戸惑いがあるうえ、予算獲得が与党の腕の見せ所と意気込んでいた議員にも不満が潜在する。
「私も自民党の地方議員として上京して陳情した一人だったが、そんな時代は終わった」。奥村展三総務委員長は16日、党本部に議員秘書を集め、新ルールの意義を説明した。党幹部は「できる限り地元の事務所と都道府県連で受けるように」と繰り返し、東京の議員会館ではなく、陳情は地元を通すよう促した。

【NIKKEI NET】



陳情そのもののスタイルが変化し、民主党地方組織とおパイプの有無の重要性も増してきそうです。
果たしてこの大きな変化に対して、全国に組織の広がりをもつ日歯連盟の迅速な対応は?
by kura0412 | 2009-11-17 08:56 | 政治 | Comments(1)

そんな簡単には

診療報酬改定、攻防が本格化 財務省、2~3%下げ要求へ
 
財務省は2010年度予算編成で、公的保険や患者が医療機関に支払う診療報酬を2~3%引き下げるよう求める方針だ。行政刷新会議の事業仕分けで、眼科など収入が高い診療科への配分や薬価の引き下げを求める判断が出たことを重視。同報酬を下げても、医師不足などの課題に対応できると判断した。ただ、引き上げを求めている厚生労働省が反発するのは必至。年内決着に向けた攻防は難航が避けられない。

診療報酬は最近では2年に一度ずつ改定しており、来年度が改正の年に当たる。医師の技術料である本体部分と薬価などの総枠の増減は、政府が予算編成に合わせて年内に決める。財務省は(1)本体部分は最大でも横ばいに抑制(2)薬価は先発品の見直しなどで2千億円程度引き下げ――を求める方針。診療報酬1%の増減は国費800億円程度に相当する。

【NIIEI NET】




民主党政権に変わってもそんなに簡単にプラス改定とはならないようです。
by kura0412 | 2009-11-16 12:08 | 政治 | Comments(1)

前向きに捉えたい結果です

「見直し」
これが昨日の仕分け作業の「8020運動特別推進事業」予算額4億7千万円の結果でした。

但し、この結果には注釈が付いています。
「新政権の政策に沿って、予算規模、事業の内容、使われ方等々もう一度検討」

財務省主計局の資料の記載ミスもあったし、途中から足立政務官が助け舟のような形で、足りない歯科保健事業の中でこの事業の重要性を説明してくれたのは、専門家が全くいない中での議論では助かりました。

唯一の国の歯科医療に特化した政策を見直す機会を与えてくれた、前向きに捉えたい結果です。
by kura0412 | 2009-11-14 08:57 | 歯科医療政策 | Comments(3)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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