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実態を表わしていない実態調査

今年の6月に実施した実態調査の結果が発表されました。
実態を表わしていない実態調査の結果に、冗談じゃないと、思わず吹いてしまいそうです。

これでは歯科医療環境の改善などは無理です。
by kura0412 | 2009-10-31 12:56 | 歯科医療政策 | Comments(2)

レセプトオンライン化も事業仕分けに

事業仕分け 候補に高速無料化

政府の行政刷新会議が税金の無駄遣いを洗い出す「事業仕分け」の対象候補として選んだ国土交通省と厚生労働省の事業が二十九日分かった。国交省では高速道路の無料化や整備新幹線の新規着工関係の調査費など四十四事業、厚労省では診療報酬明細書(レセプト)オンライン導入の機器整備など五十事業が盛り込まれた。 

無料化は国交省が来年度予算に試行費用六千億円を概算要求。前原誠司国交相は「民主党の公約実現に必要な経費」とするが、藤井裕久財務相は大幅削減の意向を示しており、会議では予算規模の妥当性が精査されそう。
新幹線は未着工区間の調査や、新幹線と在来線を相互乗り入れできるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の開発などに充てる二十七億円の「建設推進高度化等事業費補助」。会議が新規着工の是非まで踏み込むかは現段階では不透明だ。
さらに(1)本年度当初比七十億円増の百六十億円を概算要求した関西国際空港会社向け補給金(2)道路や治水、港湾、下水道の四分野の費用対効果の分析、コスト縮減の在り方(3)住宅金融支援機構や民間都市開発推進機構の事業-も候補に挙がった。

厚労省のレセプト関係では、全医療機関と薬局に二〇一一年四月からの実施を原則義務付けたオンライン請求について、長妻昭厚労相が高齢医師の診療所など一部の義務化免除を決めており、その対応が中心となりそう。

【東京新聞】



仕分け作業の段階でレセプトインライン化が遡上に乗ってきました。
by kura0412 | 2009-10-30 08:42 | 歯科医療政策 | Comments(0)

歯科界は有事の時

先日ある業界の知人と懇談して時に、「今は歯科界の有事の時ではないですか?」と問いかけられました。

確かに政権交代が事の発端となった有事の時かもしれません。
by kura0412 | 2009-10-29 15:51 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「患者である国民を向いた議論がなければ何も変わらない」

【主張】日医排除 医療体制再建につなげよ

診療報酬の点数を決める厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)から、日本医師会(日医)の推薦委員が排除される。
長妻昭厚労相は、任期切れとなった3人全員を外し、地方医師会の代表2人と大学病院代表1人とに差し替える人事を発表した。

中医協委員30人のうち、医師など診療側委員は7人で構成される。このうち3人は日医の副会長や常任理事といった役員の「指定席」だった。医療の専門知識を必要とする中医協では、日医の委員が議論をリードしてきた。
鳩山政権は来年の診療報酬改定で、勤務医の待遇改善を図る方針を示している。開業医の発言力が強い日医の影響力を薄め、政府の方針に理解のある委員を増やそうとの判断は、改革の意思を示すものといえなくもない。

だが、日医の全員を一度に外すやり方は、あまりに図式的で粗雑な印象を免れない。患者はまず近所の診療所で診てもらい、高度な医療が必要と診断されたら早期に病院に紹介される。そうした「病診連携」が地域医療の基本だ。実際の医療政策もそれを目指す大きな方向性を示すものでなければならない。
産科や小児科、救急医療をはじめ過酷な労働条件に耐えかねて辞める勤務医は後を絶たない。地域の中核病院さえ閉鎖される診療科がある。国民が安心して治療を受けられる医療体制の再建は待ったなしだ。

日医は自民党と深いつながりを持ち、旧政権では医療政策に影響力を行使してきた。前回の診療報酬改定では勤務医不足対策の財源を確保するため、勤務医よりも優遇された開業医の再診料引き下げが提案されたが、日医の反発で実現しなかった。開業医優先とされる姿勢に根本的な問題がある。
だからといって、有無を言わせぬ人事で開業医と勤務医の離反を招くような「荒療治」を正当化できるのか。勤務医と開業医の対立をあおるような事態となれば、迷惑を被るのは患者であることを忘れてはならない。新委員に先の衆院選で民主党候補を応援した茨城県医師会理事らを選んだことで、総選挙の「論功行賞」との声が聞かれるようではなおさらだ。
委員の顔ぶれをどう変えようと、患者である国民を向いた議論がなければ何も変わらないことを長妻氏は肝に銘ずべきだ。

【産経新聞:10・28】



「患者である国民を向いた議論がなければ何も変わらない」同感です。
果たして歯科界を何を国民に提示し訴えるのか、そして具体的な政策提言をするのか?
by kura0412 | 2009-10-28 11:12 | 政治 | Comments(4)

歯科も開業医の括りの中かなのか

中医協人事、医師会指定ポストを撤廃 厚労相方針

長妻昭厚生労働相は26日、医療行為や薬代の公定価格である診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(中医協)の委員のうち、日本医師会(日医)役員の指定ポストを撤廃する方針を明らかにした。任期切れの3人を再任せず、地域の医師会代表の2人に置きかえ、病院代表を1人増やす。長妻氏は「病院については、もう少し手厚い対応が必要だ」と説明。開業医の意向が強く反映されがちな日医の影響力をそぎ、勤務医の待遇改善を図る狙いがある。

中医協は厚労相の諮問機関で、健康保険組合などの「支払い側」7人、医師らによる「診療側」7人、有識者による「公益側」6人という3者で構成される。企業役員ら専門委員も含めて計30人で、長妻氏はこのうち任期満了による改選や補充となる16人を公表した。このほとんどは今月1日に任期が満了。後任の選考が遅れたことで、従来なら10月中旬に始まっていた診療報酬改定論議はずれ込んでいるが、長妻氏は「遅れはない、というタイミングで決定した」と強調した。
診療側のうち3人は、これまで日医の副会長や常任理事といった役員の指定ポストだった。今回は京都府医師会の安達秀樹副会長と茨城県医師会の鈴木邦彦理事を医師会枠として内定した。減らした1枠は病院代表に充て、山形大の嘉山孝正医学部長を任命。残る2人の病院代表枠は再任される。

民主党は、来年度の診療報酬改定で、病院の勤務医の就業環境の改善に重点を置く。医師不足の中でとりわけ勤務状況が厳しいとされるためだ。こうした政策の具体化に向け、自民党寄りだった日医の発言力を低下させる必要があると判断した。
先の衆院選で茨城県医師会の政治団体は民主党支持の姿勢を鮮明にし、京都府医師会も日医執行部と距離を置く。長妻氏は両氏を起用した理由について「我々の医療の再生に関して一定の理解をいただいている」と述べた。

日医側は今回の人事を了承していない。25日の日医臨時代議員会ではこれまでの委員である中川俊男常任理事がこうした人事選考を念頭に「報復人事だ」と批判した。
長妻氏は26日、日医の唐沢祥人会長あてに安達、鈴木両氏を任命する意向を伝え、「中医協の審議に、地域医療の担い手の意見を適切に反映することが出来る」などと記した文書を送付した。

【asai.com】



日歯は開業医の括りの中に入るのか?あるいは、別組織としての扱いとなるのか?
別のこの件があったからではなく、医科歯科格差が歴然とあることは歯科界はきちっと主張しなければなりません。
by kura0412 | 2009-10-27 15:58 | 歯科医療政策 | Comments(0)

◆命を守り、国民生活を第一とした政治◆

弱い立場の人々尊重…所信表明演説全文2

◆命を守り、国民生活を第一とした政治◆
◆友愛政治の原点◆

私もまた、この夏の選挙戦では、日本列島を北から南まで訪ね、多くの国民の皆さまの期待と悲痛な叫びを耳にしてきました。

青森県に遊説に参った際、大勢の方々と握手させていただいた中で、私の手を離そうとしない、一人のおばあさんがいらっしゃいました。息子さんが職に就けず、自らのいのちを断つしか途がなかった、その哀しみを、そのおばあさんは私に対して切々と訴えられたのです。毎年3万人以上の方々のいのちが、絶望の中で断たれているのに、私も含め、政治にはその実感が乏しかったのではないか。おばあさんのその手の感触。その眼の中の悲しみ。私には忘れることができませんし、断じて忘れてはならない。社会の中に自らのささやかな「居場所」すら見つけることができず、いのちを断つ人が後を絶たない、しかも政治も行政もそのことに全く鈍感になっている、そのことの異常を正し、支え合いという日本の伝統を現代にふさわしいかたちで立て直すことが、私の第一の任務です。
かつて、多くの政治家は、「政治は弱者のためにある」と断言してまいりました。大きな政府とか小さな政府とか申し上げるその前に、政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重されなければならない。そのことだけは、私の友愛政治の原点として、ここに宣言させていただきます。

今回の選挙の結果は、このような「もっとも大切なこと」をおろそかにし続けてきた政治と行政に対する痛烈な批判であり、私どもはその声に謙虚に耳を傾け、真摯に取り組まなければならないと、決意を新たにしております。

◆国民のいのちと生活を守る政治◆

本当の意味での「国民主権」の国づくりをするために必要なのは、まず、何よりも、人のいのちを大切にし、国民の生活を守る政治です。かつて、高度経済成長の原動力となったのは、貧困から抜けだし、自らの生活や家族を守り、より安定した暮らしを実現したいという、国民の切実な思いでした。ところが、国民皆年金や国民皆保険の導入から約50年がたった今、生活の安心、そして将来への安心が再び大きく揺らいでいます。これを早急に正さなければなりません。

年金については、今後2年間、「国家プロジェクト」として、年金記録問題について集中的な取り組みを行い、一日も早く国民の信頼を取り戻せるよう、最大限の努力を行ってまいります。そして、公平・透明で、かつ、将来にわたって安心できる新たな年金制度の創設に向けて、着実に取り組んでまいります。もとより、制度としての正確性を求めることは重要ですが、国民の生活様式の多様化に基づいた、柔軟性のある、ミスが起こってもそれを隠さずに改めていける、新しい時代の制度改革を目指します。

医療、介護についても必死に取り組みます。新型インフルエンザ対策について万全の準備と対応を尽くすことはもちろん、財政のみの視点から医療費や介護費をひたすら抑制してきたこれまでの方針を転換し、質の高い医療・介護サービスを効率的かつ安定的に供給できる体制づくりに着手します。優れた人材を確保するとともに、地域医療や、救急、産科、小児科などの医療提供体制を再建していかなければなりません。高齢者の方々を年齢で差別する後期高齢者医療制度については、廃止に向けて新たな制度の検討を進めてまいります。

子育てや教育は、もはや個人の問題ではなく、未来への投資として、社会全体が助け合い負担するという発想が必要です。人間らしい社会とは、本来、子どもやお年寄りなどの弱い立場の方々を社会全体で支え合うものであるはずです。子どもを産み育てることを経済的な理由であきらめることのない国、子育てや介護のために仕事をあきらめなくてもよい国、そして、すべての意志ある人が質の高い教育を受けられる国を目指していこうではありませんか。このために、財源をきちんと確保しながら、子ども手当の創設、高校の実質無償化、奨学金の大幅な拡充などを進めていきたいと思っております。
さらに、生活保護の母子加算を年内に復活させるとともに、障害者自立支援法については早期の廃止に向け検討を進めます。また、職場や子育てなど、あらゆる面での男女共同参画を進め、すべての人々が偏見から解放され、分け隔てなく参加できる社会、先住民族であるアイヌの方々の歴史や文化を尊重するなど、多文化が共生し、誰もが尊厳をもって、生き生きと暮らせる社会を実現することが、私の進める友愛政治の目標となります。

【2009年10月26日16時30分 読売新聞】




この所信表明を具体的な形、政策としてどう打ち出して、実行していくのか?
by kura0412 | 2009-10-26 17:30 | 政治 | Comments(0)

政治主導の改定へ

政権交代となって次期改定への動きがなかなか始動しません。その一つが中医協の診療側委員選出問題であり、どうも日医からの推薦を受け付けない雰囲気が濃厚です。また、改定論議の中心も、その中医協、社保審からこれから政治家を含む作業チームに移行しそうです。
ここでも、いずれもが政治主導ということを打ち出すが為の変革です。そして、改定率は、最後は鳩山首相の政治判断に委ねられるこもしてません。

つまり、医療のこれからの動向に大きな影響を与える改定作業は政治主導、政治が医療を掌ることが明確になってきました。
ということは、今後の改定へ向けた活動は、連盟活動が従来とは比べものならない位大きな役割を担うことになりました。
by kura0412 | 2009-10-26 14:32 | 歯科医療政策 | Comments(0)

予算案全体の流れにも注視

国民主権のもと納税者の視点で予算編成を行い、予算の効率性を高めていく 菅副総理

菅直人副総理・国家戦略担当大臣は23日午前、首相官邸で会見を行い、予算編成等のあり方についてふれ、来年度の予算編成において具体化されるよう、同日の閣議で決定されたことを語った。

菅副総理は同検討会で行っていた取りまとめ作業について、22年度から実施するものと23年度以降に実施するものとに分かれているものがあるとしたうえで、今回閣議決定したものは22年度実施のものをさらにより具体化したものであったと述べ、全閣僚においてそれぞれの立場での実行を要請した。
なお、予算編成のあり方に関する検討会・論点整理として、新政権においては、国民主権のもとで、納税者の視点に立った予算編成を行い、予算の効率性を高めていくため、
(1)複数年度を視野に入れたトップダウン型の予算編成、
(2)予算編成・執行プロセスの抜本的な透明化・可視化、
(3)年度末の使い切り等、ムダな予算執行の排除、
(4)「政策達成目標明示制度」の導入により、国民に対する成果を重視
――からなる「4つの改革の柱」を定め、可能なものは22年度予算編成から、速やかに実行していくこととなった。

【民主党HP】




この中で、予算編成の基本方針を国家戦略室が原案を作成しこれに基づいて、三党連立政権合意書を含みマニフエェストを踏まえた予算編成を行い、予算編成に関する閣僚委員会を検討の上、閣議決定する。との予算編成に基本的な考え方を示しました。

たんに改定作業だけの動きに留まらず、これら予算編成全体の仕組み、流れの中で、果たして次期改定に関する予算がどう扱われるか、この2ヶ月の動きに注視しなければなりません。
by kura0412 | 2009-10-24 11:16 | 歯科医療政策 | Comments(0)

あれから5年

10月23日、あの中越大地震から5年目を迎えました。
街ではいろいろなイベントが企画されているようですが、私としては出来るだけと特別な日と考えずに仕事をしています。
昨日、地震発生する2週間前に産まれた子供をみました。幼稚園の年中さんです。
by kura0412 | 2009-10-23 16:13 | 地震 | Comments(0)

「与党支持=自民党支持」

日本医師会が自民党一党支持を撤回することを決めました。
自民党の参議院の全国比例枠には、医師会の指定席が1議席ありました。
自民党と医師会の蜜月が何十年も続きましたが、それも終わりです。

医師会は「支持政党は政権与党である自民党」という方針でしたが、
政権与党でなくなった自民党を特別扱いしても仕方ない、ということです。
自民党と蜜月だった農協でさえ、自民党と距離を置こうとしています。
農協は自民党にとっては、地方で自民党を下支えしてきた最重要団体です。
各種業界団体は業界の利益を最大化するために、
与党だから自民党を支持しているわけです。

民主党政権も、永久政権ではないと思います。
これからは、業界団体も特定の政党に肩入れし過ぎるのは、
危険だという意識を持ち始めると思います。
業界団体が特定政党への偏った支持をやめることは、
利益誘導政治からの脱却につながっていくと思います。
それは国民全体の利益にとってプラスだと思います。
業界団体は、選挙応援や政治献金の見返りに利益誘導を求めるより、
専門家集団としてのプロの視点から政策を提言するといった役割に、
より比重を置いていくべきだと思います。

与党だから自民党を支持していた人たちの自民党離れは、
これからも進んでいくことでしょう。
与党だから自民党を支持していた人たちは、
容易に民主党支持に転換を図っていくことでしょう。
みんなの党は、与党だから自民党を支持していた人の受け皿にはなれません。
みんなの党は、規制でがんじがらめで中央集権的な官僚国家を好まず、
自由で活気があり、それでいて弱者にもやさしい社会を目指す人の支持を狙います。

【山内康一衆議院議員ブログ】




先の総選挙で、自民党を離党してみんなの党から立候補して当選した山内康一議員のブログの転写です。
当然流れとしては与党思考が強くなるにせよ、今の時点でのスタンスとしてこの考えに賛同します。ただ、その立場にある人が、明確な態度を表明することが難しいのも分かります。
by kura0412 | 2009-10-23 13:21 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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