<   2009年 03月 ( 29 )   > この月の画像一覧

自民党「日本経済再生への戦略プログラム」

今後3年の経済再生シナリオ示す中間報告 日本経済再生戦略会議

日本経済の進路と成長戦略を検討してきた日本経済再生戦略会議は30日、中間報告にあたる「日本経済再生への戦略プログラム」をまとめた。

金融・経済危機に直面した現状にあっては短期の景気対策に止まらない、思い切った中期的な戦略プログラムが必要不可欠との認識でまとめられた同報告は、新たな成長ステージに立つ将来の日本の姿として、
(1)太陽光発電などの新産業群を形成した「グリーン経済社会システム」
(2)「21世紀型のインフラやシステム」の整備による誰もがどこでも成長のチャンスを掴むことができる社会(3)健康長寿と子育てを支える「質の高い生活コミュニティー」の3つを示し、

そのうえでこれら将来像を実現するための施策10項目と達成目標を具体化。
これらの対策によって、「2010年中には主要な経済指標をマイナスからプラスに転じ、今後3年で概ね200万人の雇用を確保・創出する。
同時に、内需を中心としたプラス成長、中長期的に3%程度の成長を目指した経済基盤を構築する」とした。一方、同報告は厳しい経済状況をとらえた緊急対策として、とくに雇用対策と中小企業・金融対策、そして21年度予算の過去最大級の前倒し執行の3つをとりあげ、雇用では職業訓練中の生活支援や地方の緊急雇用創出事業の拡大、中小企業の資金繰りでは信用保証枠の拡大などの必要を指摘した。

【自民党HP】



報道によると、地域医療再生に向けて、2次医療圏を基本とした新たな地域医療再生計画、地域再生への基金の設置、介護拠点を3年間前倒し集中整備し、介護人材30万人創出などが盛り込まれているようです。

この中に歯科が絡んでいるかどうかは確認できていません。しかし医科は本当にしたたかです。
by kura0412 | 2009-03-31 16:11 | 歯科医療政策 | Comments(0)

反転して攻めの姿勢へ

日医は、これからも国民の求める医療体制と国民皆保険制度を堅持し、長く国を支えてこられた国の宝である高齢者の方々を感謝の気持ちとともに、国民の総力をもって支える理念を具現化し、礼節をもって支える福祉国家への道を選択していくこと、そして暖かいまなざしで子供たちの成長を支えていくことが肝要である。


先日開催された日医代議員会での唐澤会長の所信表明の発言の一部です。

今まで流れていた社会保障、医療に対しての守りの姿勢から、国民を見方にして、反転して攻めの姿勢への変化を目指す力強い発言です。
by kura0412 | 2009-03-30 16:33 | 歯科医療政策 | Comments(0)

このままではあまりにも淋しすぎます

08年度第一次補正予算が11.5兆円、第2次が27兆円、09年度当初予算が37兆円、そして更に追加経済対策として、20兆あるいは40兆円と、物凄い単位での経済対策が打ち出されています。100年に一度の不況とはいえ、2200億円という数字に悩ませた社会保障、歯科界にとっては驚く数字です。

しかし世の中は、これを浮上のチャンスと捉え、その大きな数字の中に自分たちのエリアがどう絡み、取り込ませるか必死の動きが展開されています。
社会保障の分野でも例外ではなく、11年度までの3年間に集中投資されるとする成長戦略原案では、介護人材の待遇改善で20万人の雇用創出、iPs細胞などの最先端医療技術の開発などが考えられているとの報道です。

では、歯科界はこの動き指をくわえて見守っているだけなのでしょうか?
そんな安泰とした分野で、悠長なことをしていられる環境なのでしょうか?

現在、歯科界が抱えている問題が、制度であったり、財政という根本的な案件ばかりですので、良いアイデアが浮かばないかもしれませんが、このままではあまりにも淋しすぎます。
by kura0412 | 2009-03-28 11:11 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「医療は国が責任をもって提供すべきだ」(日本の医療に関する2009年世論調査②)

日本医療政策機構が行なった「日本の医療に関する2009年世論調査」の調査には、次のような結果もありました。
http://www.healthpolicy-institute.org/ja/report/doc.php?id=192

医療の価値感ー医療のあり方
1・税や保険料など負担は大きくても、それに応じた高い水準の医療を国民が等しく受けられるようにすべきだー賛成、どちらかと言えば賛成が58%

2・限られた医療費でまかなえる範囲の標準的な医療を、地域や所得に関わらず全国民が平等に受ける制度がよい。ー賛成、どちらかといえば賛成が90.6%

3・飛行機にファーストクラスがあるように、医療においても支払い能力に応じて、受けられる医療に差がつくのは当然だーどちらかといえば反対、反対が91.4%

4・国民皆保険制度に代表される日本の医療保険制度は世界に誇る素晴らしい制度だー賛成、どちらかと言えば賛成が73.4%

5・私たち国民の声は、医療制度や政策によく反映されているーどちらかと言えば反対、反対が、78.3%

6・医療は国が責任をもって提供するべきだー賛成、どちらかといえば賛成が、95.3%と圧倒的な結果となっています。

トータルで考察すれば、現行の国民皆保険制度によって、標準的な医療を広く全国民が平等に受けられ、国が責任をもって提供すべきである。ということになります。
果たして、医療制度全般の動きの中でこの考えに沿った歯科医療制度は、一体どんな形が考えられるか?
by kura0412 | 2009-03-27 15:05 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「日本の医療に関する2009年世論調査」①

日本医療政策機構が行なった「日本の医療に関する2009年世論調査」の調査結果が紹介されています。
http://www.healthpolicy-institute.org/ja/report/doc.php?id=192

興味深かったのは、
医療に為の負担増への理解を示すも、一方では、生活が苦しいので、これ以上の負担ができないと生活不安を訴え声も増加しているという点、
また、医療費に対する不安が2年前と比較して広がり、特に非正規雇用者では1,7倍と著しい結果が示されています。

この二つの相反するような結果は、今後の公的医療制度のあり方の議論の難しさを示しています。

(続く)
by kura0412 | 2009-03-27 12:20 | 歯科医療政策 | Comments(0)

初診料270点と誤解されてしまいます

厚労省のHPに「我が国の医療保険制度について」というパンフの紹介がありました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken01/01.html
最近、注目を浴びている医療制度についての現状を、広く国民に理解してもらうが為のHP掲載だと思います。

その中で、診療報酬の点数の例が載っており、
初診料
(病院・診療所)270点
再診料
(220床未満の病院)60点、外来診療料(200床以上の病院)70点、診療所71点と紹介していますが、歯科は別項目として載っていません。
もし、国民がこれをみれば、歯科も270点、71点と思うのが普通です。

また、国民医療費の構造としてのグラフがあり、
国民医療費の分配では「歯科医療費7.8%」と示しながら、医療機関の費用構造には「医療サービス従事者・医師、歯科医師、看護師等」とまるめられて載っています。

いずれも意図があっての掲載だとは思いません。
しかしながら、われわれが見れば、何故丁寧に紹介してくれないのかという疑問符が付きます。

報道への対応も当然ながら、こうゆう部分を地道に指摘して、改善することも重要です。
by kura0412 | 2009-03-26 12:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

侍ジャパンに隠れましたが

侍ジャパンの連覇で霞んでしまったことが良かったのか悪かったのか分かりませんが、民主党小沢代表の公設秘書が起訴されましたが、小沢代表は代表を即辞任せずとの記者会見が行なわれました。

今回の東京地検特捜部の逮捕には、各方面からいろいろな意見があります。
確かに、従来のこの種の逮捕と比べると異例の部分が多々あり、逮捕直後の小沢代表自身がコメントしたように「国策逮捕」という考え方もありました。

しかし、問題は、ダミー政治団体を迂回して、禁止される企業献金を公設秘書が行なったということが今回の起訴でも明確に示されました。(判決は別の話として)
もし、政府自民党が同様な問題が起きた時の民主党ならば、このことが代表が直接関与していなかったとしても、その責任は免れないと主張したはずです。

また、選挙の勝敗への影響もさることながら、もし、民主党が政権奪還した時、公設秘書が起訴されている首相の誕生となります。果たして、このことを世界はどう感じとるでしょうか?

昨日の記者会見で小沢代表は「政権交代の為に退かない」と言っていましたが、これは逆で「政権交代を実現する為に身を引く」という決断が出来なかったのか?
少なくても、これで、民主党の今まで一方的に解散を求めのトーンダウンは必至であり、麻生首相の解散の決断は、サミット後、あるいは連休後のいずれが有力になってきました。

ただ、こんな情勢でも、反転して、政府自民党に勢いが付いたわけではありません。
by kura0412 | 2009-03-25 15:51 | 政治 | Comments(1)

侍ジャパンの連覇は

スポーツは筋書きのないドラマだとよく言われますが、侍ジャパンのWBC連覇、それもイチローの決勝打は、筋書き書いたとしても出来る業ではありません。
凄い星のめぐり合わせの強運をもち、それを結果に出せる、まさに野球、スポーツの世界のスーパーヒーローです。

この侍ジャパン、選手個々がチームを想い、この大会中に成長した素晴らしいチームになりました。
また、今回このWBCに、野球熱復活にある意味賭ける日本の野球関係者の意気込みが、この結果を導いた誘因であったことも見逃すことが出来ません。

あれだけの選手シーズン前に集めれたこと自体、野球界全体の協力なしではそう簡単に出来るものではありません。
また、合宿、日本での1次ラウンドなどのも盛り上げ方も、恐らく広告代理店のプロジェクトの考えを入れてのことだったかもしれません。
合同合宿でホップ、1次リーグでステップ、そして、2次、ファイナルでジャンプと、日本全体の注目が侍ジャパンに注がれました。

これで、今シーズン、日本のプロ野球だけではなく、アメリカのメジャーリーグをも含んだ、ワールドな視野で日本での野球人気が再び盛り上がること必至です。
そして、明日のWBC選手を目指す子供達の夢も更に広がることになりそうです。

何の世界でも、素晴らしい人材を育てる素地を作り、目標をもって戦略、戦術を繰り出し、社会のすそ野を広げる努力は非常に大切です。
by kura0412 | 2009-03-24 17:18 | スポーツ | Comments(1)

早くも22年度政府予算の議論が始まる

21年度政府予算成立の目処がたったばかりですが、既に22年度予算についての議論が財政制度等審議会で始まりました。

ますは、政府が6月までにまとめる「骨太09」を念頭に当面の財政運営の在り方について取りまとめるとしています。
その審議事項としては、
・景気後退下における財政運営
・高齢化の下での社会保障制度とその財源
・地方財政の在り方と地域活性化
・その他の重要事項

22年度予算においては、将来を見据えての社会保障全般を財源論を含めて広く検討され状況です。
その中で、歯科界はどうその議論の中に入って主張するか、出来るのか?まず、そこが22年度改定にも影響してきそうです。
by kura0412 | 2009-03-23 13:30 | 歯科医療政策 | Comments(0)

夕刊の定期購読止めました

先月から、地方紙の夕刊を殆ど読まないまま破棄することが多くなったので、ついに夕刊の定期購読を止めました。
夕刊の良かった速報性が、テレビ、ネット媒体の方が遥かに優っており、その価値は必要が少なくなってきたからです。

今、一般紙は、情報収集もさることながら、資料的な意味合いで読んでいるので、通信媒体として新聞を全面的否定することはありません。しかしながら、マスメディアとしての総合的な価値は従来よりも著しく低下しているのが正直なところです。

それが著明に示すのが、紙面広告のレベルの低さです。
一部を除くと、くだらない通販の全面広告など、紙面広告で役に立ちそうなのは、本、雑誌類の紹介以外は殆どないに等しい状態です。広告収入も著しく落ちているとも聞きます。恐らく、広告媒体としての新聞は著しく低くなっているはずです。したがって、マスメディアそのものの媒体の力関係が、日本の社会でも大きく変化しています。
このことが乱立する媒体、それも新聞社の競争を更に激化させ、スクープ合戦、独自の論調を展開するなど、個性を打ち出すことに主力が置かれ、マスコミの底辺となる中立性というものが置き去りにされる素地となってきました。

それと共に、記事のスピードも求められ、一部の特集記事を除けば、締め切り、締め切りの連続で、記事そのものの狙う焦点を十分な吟味することなく、奇抜な、興味本位になりがちになっています。

こうやって考えると、今回の一連の一般紙の歯科が関与する報道は、意外とわれわれが考えるほど、深い意図があってもものではなかったのかもしれません。
よく考えてください。
先生方も、日々の飯の種である現在の公的保険制度の問題を理解している方でも、どれだけの年月を要したでしょうか?どんな有名大学を卒業した記者でも、この医療の問題を1年や2年かじっただけで分かるはずがありません。
少なくても、修正することなく記事の書きっぱなしに終わる記事を掲載した一般紙の歯科界の信頼度は著しく低下しました。

とはいっても、まだ、一般紙のもつ影響力も無視することも出来ません。その取り扱いは難しいのも正直なところです。
by kura0412 | 2009-03-21 12:13 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

プロフィールを見る
画像一覧

ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




以前の記事

2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
政治・経済

画像一覧