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ようやく旗が降ろされそうです

社会保障費伸び、「2200億円抑制」実質見直し 09年度政府検討

政府は28日、2009年度の社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針について、たばこ税の引き上げを原資に抑制額を1000億円程度圧縮する検討に入った。残る1200億円は雇用保険への国庫負担削減などでまかない、医療や介護サービスの削減に直接結びつかないようにする。たばこ税は1本当たり3円(1箱20本で60円)の引き上げが軸。景気悪化などへの配慮から抑制目標を事実上見直すものだが、政府案通り調整が進むかは流動的だ。

2200億円の社会保障国庫負担の縮減を巡っては、麻生太郎首相が有権者からの反発が強まっていることなどから27日に抑制方針の見直しを示唆。首相指示を踏まえ、財務省は概算要求基準の範囲内で抑制額を減らす検討に着手した。

【NIIKEI NET】



社会保障関係は、「縦割りの壁」があって相互に融通できない仕組みになっている。その縦割りの壁の中では、「私のしごと館」のような無駄が続いていた。
「骨太の方針2006」に基づく社会保障関係費自然増分のうちの2200億円の削減の方針があったからこそ、様々な無駄のカットが進んでいるのである。
他方、地域医療崩壊を食い止めることも必要だ。様々な制度改革と同時に、6兆円以上の剰余金を持つ労働保険特別会計への国庫負担金投入・年約1600億円を暫くの間凍結することで、医療費の自然増等は全額確保できる。

さて、「骨太の方針2007」は、平成20年度予算における基本的考え方として、「経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な経済運営を行う」としている。この「大胆・柔軟条項」は「デフレ・スパイラル」に陥ることを防止するための条項であり、小泉政権時代の骨太の方針から継続されている。
もしも、「骨太の方針2006」で決めた歳出削減枠を撤回するときは、この「大胆・柔軟条項」を発動するときである。

来年度は、全ての先進国がマイナス成長になると予測されている。戦後初の事態である。
この「大胆・柔軟条項」を発動するには以下の条件が必要であると思う。
①政府・日銀が「デフレ・スパイラル」に陥ることを防止するために「非伝統的手法を含め、あらゆる手段を講ずる」ことと、マクロ経済政策運営の目標を共有することについての「合意」(アコード)をする。それにより、「政府だけが財政出動して、日銀が金融緩和をしない」というミスマッチがないような確固とした枠組みを構築する。(非伝統的手法については、後日、機会をみて述べることにする)
②「財政出動」の中で政府の中の無駄遣いが拡大し、ゴルフボールや天下り退職金に使われないように、「無駄ゼロ」をより徹底する。つまり、霞ヶ関埋蔵金の残高はゼロにする。
③「財政出動」は緊急対応であり、平時においても「財政出動」に永遠に依存していくことは持続不可能であるとの観点から、「制度改革」などを強化して、起業の場、雇用の場を拡大していく。

この3条件なしに、なし崩し的な歳出削減枠の撤廃をしたら、いずれ、その業界だけではなく、日本経済全体が沈没することになるだろう。
「大胆・柔軟条項」を発動するなら、「非伝統的手法」にまで、大胆にやるべきだ。
そして、制度改革は今まで以上に大胆にやるべきだ。
例えば、厚生労働省は、廃止方針が出ている巨額の赤字を抱える「私のしごと館」などを管理する「雇用・能力開発機構」の存続を主張、一方、国土交通省は国の出先機関の統廃合による地方整備局の統廃合の方針に執拗に抵抗している。
もしも、「国民のため」の歳出削減枠撤廃を主張するならば、「自分のため」の改革の抵抗はやめるべきではないか。国民生活の危機突破と、役所の権益の危機突破はまった別物である。
「大胆・柔軟条項」を唱えるならば、3条件を整える覚悟を求めたい。

【中川秀直衆議院議員ブログ:11月28日】



社会保障費における2200億円削減の旗が、上記のようなスタイルで降ろされそうです。
社会保障関連の仕事に従事する者として、ようやく何か一つの悪法がなくなるような心境です。
by kura0412 | 2008-11-29 11:56 | 歯科 | Comments(3)

歯科界の具体的な要求は何か

今朝の日経に、社会保障費抑制目標に対して、麻生首相がこの目標に限度に来ているとの認識の下、見直しを含め検討を示唆したとありました。
また、他の報道では、昨日、大久保日歯会長らが麻生首相に表敬訪問した際に「抑制したままで維持するちうyのは確かに変だ。」とも述べたとありました。

この問題に対して、ようやく改善の兆しが見える中で、日医は既に中医協などで5分間ルールの撤廃を強く求めています。

ならば歯科は何を求めるのか?
総論的ではない、具体的な提案を歯科界が必要です。
by kura0412 | 2008-11-28 11:16 | 歯科 | Comments(0)

独自の調査で挑むべきなのですが

日歯は独自の実態調査などを試み、経済実態調査は平均値ではなく中央値での議論をとの主張もしていますが、日医は緊急レセプト調査など、従来の厚労省が実施する調査のみならず独自の調査などの別のデーターを用いて、堂々の論戦に挑んでいます。

歯科界も、もっと積極的な調査を速やかに実施し、論戦を挑むベースを作るべきと考えますが、その実際は難しいのでしょうか?
by kura0412 | 2008-11-27 16:19 | 歯科 | Comments(0)

医科の方ではリスクを避けているのに

産科医のなり手が少ない理由には、さほど他の医科の診療科と違わない収入でありながら、医師としてのリスクが比べものにならないほど大きい点にあります。
今の若いドクターに限らず、同程度の収入ならリスクが少ない方を選択するのは当然です。

ところが歯科の場合はどうでしょうか?

歯科の場合これだけ予防が進み軽症化しているのですから、もし医科と同じ程度ならば間違いなく、歯科の方が人気があるような状況も考えられたかもしれません。
しかし、実際は全く逆で、かなりのリスクを覚悟で、自費、特に最近ではインプラントへの傾向が強くなっています。

と、昨日のある会議で出席された先生のお一人が発言されていました。私の心にグさっときました。
by kura0412 | 2008-11-26 16:49 | 歯科 | Comments(0)

これも市場原理なのです

医学生の7割が、給与などの条件が合えば医師不足地域で勤務してもかも構わないという調査結果が分かったとの、今朝の報道です。

要は金次第で医師不足は解消は可能ということです。
つまり、同じ条件ならば市場原理が働き都会志向が強くなるという当然の結果なのです。

市場原理を叫ぶ経済人は、こうゆうところで主張し訴なければいけないのに、考えるのは削減と市場開放という自己の利益だけです。
by kura0412 | 2008-11-22 12:35 | 歯科 | Comments(0)

分かっていても

厚生労働省は,次回の平成22年度の歯科診療報酬の改定に向け以下の4項目を「歯科診療報酬の適正な評価を行うための基礎調査」を行うとしているとの報道です。

1)新規技術およぶ在宅歯科診療に関するタイムスタディー調査
2)歯科材料の標準使用料調査(金属,有機材料等)
3)補綴の維持管理に関する調査
4)歯科分野の入院へのDPC導入に向けた予備調査

これらの項目の意図はなんとなく想像ができますが、今、最も必要なこの種の調査は、現行の主な診療の点数が、いかに低い点数に抑えられていることです。分かっていてもメスを入れられなのでしょうか?
by kura0412 | 2008-11-21 16:24 | 歯科 | Comments(0)

削減停止の表明を

来年度の2200億円削減の有力な肩代わりの候補であった、雇用保険の国庫負担廃止に対して、自民党の雇用・生活調査会での議論の中で、自民党内、また厚労省の担当者から否定的な見解が多かったとの報道です。
この不況の風が吹く中で雇用の心配がある訳で、ある意味当然の意見です。

やはり2200億円削減停止を堂々と表明することが最善の策と思います。
by kura0412 | 2008-11-20 10:18 | 歯科 | Comments(0)

自分の身を守るだけのためではありません

先日の都内で起きたケースで発覚した、産科医の救急医療体制の問題点、そして産科医の絶対的な不足によって、日本の産科は崩壊の一途を辿っているといっても過言ではありません。そしてその改善は、今から動いたとしてもそう簡単に成せるものではありません。
しかし、この問題はあんなケースが起きるまで予想が出来なかったのではなく、必然的に起きるだろうと思われていた問題だったと思います。

何事も一度崩れたものはそう簡単に元に戻ることは出来ません。
まして、医療のように、人が関わり、専門的な知識が必要な問題はなお更です。
その為には何を成さねばいけないのか?
事前にその兆候を察知し、早い対応によって未然に防ぐことしかありません。

このことは現在の日本の歯科界にも当てはまります。

このままの現状を放置すればどうなるかは、日々臨床の場にいる先生方の殆どが感じているところです。
今、歯科界が求めているのは自分の身を守ることだけではありません。日本の歯科医療を守り、国民の健康の保持増進を求めていることなのです。
しかしながら歯科医療の環境改善の求めに悲痛を、無視され、時にはエゴと捉えられている現状に、どう歯科界は対処すれば良いのでしょうか?
by kura0412 | 2008-11-19 12:15 | 歯科 | Comments(0)

「国が潰れるというのは国民の命を守れなかった時」

デンタルタイムズ21の11月15日号に載っていた、鹿児島県歯創立100周年式典での尾辻参議院会長(元厚労相)の「国家財政と医療~経済財政諮問会議は百害あるのみ~」と題した記念講演は、経済諮問会議の問題点を歯に衣漬けない面白い内容でした。

諮問会議に疑問を感じていた問題に対しての、その実際の場にいた尾辻議員の話だけに真実迫るものがあります。
そして、その中でも印象的なのがこれでした。

「諮問会議は国が潰れると言うが、国が潰れるというのは国民の命を守れなくなった時であり、お金がなくなっても国は潰れない。」
by kura0412 | 2008-11-18 12:25 | 歯科 | Comments(0)

ます医師不足の対応

舛添大臣が「私としては。きちんと社会保障と医師不足が手当てできるお金を、どこからでも良いから探してくれという立場だ」と会見で発言したとの報道です。

この発言は、現在の医療費の財源不足を大臣が訴えている一方、まず、その財源を工面して医師不足の対応をするという意味です。
by kura0412 | 2008-11-17 16:08 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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